蜃気楼の向こう側

貴林

文字の大きさ
上 下
31 / 96
2 裏世界

ジパン国

しおりを挟む
裏世界
諸外国からの、影響もあった、ここジパン。だったが
ロムル軍の鉄の鎧に対し、木製の鎧に鉄を施しただけの鎧では、到底、太刀打ちが出来ない上、武器の面でもロムル軍は圧倒していた。ジパンは、あっさりと敗退したのだ。

港から北に向かった山の中腹に、小さな村があった。
真希乃たちは、村から少し離れた街道の近くの遺跡のそばにいた。今は使われていない見張り台が、かろうじて形を残していた。
街道といっても、表世界のようにアスファルトで舗装されているはずもなく、石畳がせいぜいである。
「まったく、結晶石って、便利ですね。どこにでも、行けちゃいますね」
「そうとも、言い切れないわ。行った事のないところは無理だから」
「そうなんだ」
「無理にイメージだけで飛んで、岩の中に閉じ込められた人がいるとも聞いたわ」
「閉じ込められる?」
「んー、岩から手足が出てる感じ?いわゆる同化してしまうこと。そうなると、即死ね」
「うへぇ」
想像しながら、身震いする真希乃。
「あ!じゃあ、病院で行ったことない屋上に飛んだのはなぜですか?」
「それは、刺客を追って、閉じかけたゲートを抜けたからね」
「ああ、なるほど。でも、彩花の所には、どうやって?」
「それは、真希乃くんが、イメージとして、しっかり持っていたからよ」
「私が、こうして、ここに飛んできたようにね」
「はあ・・」
今一つ、実感のない真希乃。
「宿は、もうすぐよ」
麗美が、歩き始める。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

世界樹の下で君に祈る

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:3

婚約破棄され追放されましたが私、聖女だったみたいです。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:48

時空の逆行狂詩曲 -この歪んだ世界に最悪の死を-

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

ツイてない朝

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

煙草とコーヒーと楽園と

ミステリー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

処理中です...