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2 裏世界
はじめての裏世界
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五人は、光の届きにくい森の中にいた。
湿り気のある空気の中に、微かに潮の香りがしていた。
「ここは?」
「自分の目で確かめてみて?」
森の木々の向こうに、光が差し込む所がある。
五人は光のさす方へ向かった。
木々を抜けると、真っ白な世界。日差しが眩しくて、一瞬目が眩む。
その視界に入ってきたものに、皆は言葉を失った。
眼下に広大な海が広がり、真希乃たちは切り立った崖の上にいた。
「どこだろ、ここ」
海の先の地平線が、この星の丸さを表していた。
キラキラと陽光を反射させる中に漂うものを見つける。
「あれ、船か?」
真希乃が、光を遮るように、手で覆う。
「うん、でも、帆が付いてるね」
彩花も、光を遮りつつ、目を凝らした。
「海賊船みたい」
俊がはしゃいだ声を出す。
三、四隻の帆船が、往来している。
「交易船よ」
麗美は、言うと、別の方を指差した。
「あそこを見て」
広く平な土地が海に面している。
その土地一面に朱色のタイルを敷き詰めたような屋根が密集して広がる街が見える。
その中に一際大きな建造物がある。
高低差のある円柱型の塔が寄り添って立っていて、もっとも高い塔の三角屋根の先端で、旗が風の中を泳いでいた。
「城みたいだ。テーマパークでも、あるんですか?」
「あれは、本物よ」
「え」
一同が驚く。
「僕たち、どこか違う国に来てるんですか?」
首を振る麗美。
「いいえ、日本よ。ただし、異世界のね。だから、どこでもない、まったく別の世界」
皆が首を傾げるのを見た麗美。
「私達が住んでる世界を 表世界 とします。で今いる世界を 裏世界 て言えばわかる?」
「うん、なんとなく」
「その二つの世界の星の成り立ちや歴史が、まったく違ってたらどうかしら?」
彩花が、まさかと思いつつ口を開く。
「地理はもちろん、環境や人種も文化なんかも、変わってきちゃいますね」
勝手な空想をする真希乃。
「もしかして、恐竜も絶滅せずにいたりしてね」
真希乃が冗談まじりに言う。
「いるわよ」
「え?マジですか?」
「とは、言ってもそれらも、それらしい進化をしているわ」
「あはは、二本足で歩いて、剣とか振り回すんでしょ?」
調子に乗って、剣を振る真似をする真希乃。
「あら、驚いた。まるで、見て来たみたいに言うのね。その通りよ」
「ええ!冗談だったのに・・」
皆も、流石に驚いた。
「まさか、ドラゴンとかは、さすがにいませんよね?」
「そうね。あれをドラゴンて、呼ばないなら、いないってことね」
麗美は、空を指差す。
皆が、指の指す方を見上げる。
雲の切れ間に、見え隠れするトカゲに翼がついたものが、優雅に滑空している。
ざっと、見ただけだが、三頭は飛んでいる。
「かはぁ・・」
真希乃は、あごが外れんばかりに、口をあんぐりと開けている。
蓮華が、麗美に訊ねる。
「麗美さんは、表世界の方なのに、なぜ、そんなにお詳しいのですか?」
真希乃も、うんうんなぜ?の顔。
彩花が、麗美を険しい表情で見る。
「麗美さん、あなたは、一体、何者ですか?」
単刀直入に聞いてくる彩花に驚く麗美。
「いいわ。教えてあげる。その前に、立ち話もなんだし、場所を変えましょう」
麗美がまた、両手を差し出し、手を繋ぐことを求める。
先程のように、円陣を組み、手を繋ぐ一行。
光の屈折があり、その場から、消えた。
湿り気のある空気の中に、微かに潮の香りがしていた。
「ここは?」
「自分の目で確かめてみて?」
森の木々の向こうに、光が差し込む所がある。
五人は光のさす方へ向かった。
木々を抜けると、真っ白な世界。日差しが眩しくて、一瞬目が眩む。
その視界に入ってきたものに、皆は言葉を失った。
眼下に広大な海が広がり、真希乃たちは切り立った崖の上にいた。
「どこだろ、ここ」
海の先の地平線が、この星の丸さを表していた。
キラキラと陽光を反射させる中に漂うものを見つける。
「あれ、船か?」
真希乃が、光を遮るように、手で覆う。
「うん、でも、帆が付いてるね」
彩花も、光を遮りつつ、目を凝らした。
「海賊船みたい」
俊がはしゃいだ声を出す。
三、四隻の帆船が、往来している。
「交易船よ」
麗美は、言うと、別の方を指差した。
「あそこを見て」
広く平な土地が海に面している。
その土地一面に朱色のタイルを敷き詰めたような屋根が密集して広がる街が見える。
その中に一際大きな建造物がある。
高低差のある円柱型の塔が寄り添って立っていて、もっとも高い塔の三角屋根の先端で、旗が風の中を泳いでいた。
「城みたいだ。テーマパークでも、あるんですか?」
「あれは、本物よ」
「え」
一同が驚く。
「僕たち、どこか違う国に来てるんですか?」
首を振る麗美。
「いいえ、日本よ。ただし、異世界のね。だから、どこでもない、まったく別の世界」
皆が首を傾げるのを見た麗美。
「私達が住んでる世界を 表世界 とします。で今いる世界を 裏世界 て言えばわかる?」
「うん、なんとなく」
「その二つの世界の星の成り立ちや歴史が、まったく違ってたらどうかしら?」
彩花が、まさかと思いつつ口を開く。
「地理はもちろん、環境や人種も文化なんかも、変わってきちゃいますね」
勝手な空想をする真希乃。
「もしかして、恐竜も絶滅せずにいたりしてね」
真希乃が冗談まじりに言う。
「いるわよ」
「え?マジですか?」
「とは、言ってもそれらも、それらしい進化をしているわ」
「あはは、二本足で歩いて、剣とか振り回すんでしょ?」
調子に乗って、剣を振る真似をする真希乃。
「あら、驚いた。まるで、見て来たみたいに言うのね。その通りよ」
「ええ!冗談だったのに・・」
皆も、流石に驚いた。
「まさか、ドラゴンとかは、さすがにいませんよね?」
「そうね。あれをドラゴンて、呼ばないなら、いないってことね」
麗美は、空を指差す。
皆が、指の指す方を見上げる。
雲の切れ間に、見え隠れするトカゲに翼がついたものが、優雅に滑空している。
ざっと、見ただけだが、三頭は飛んでいる。
「かはぁ・・」
真希乃は、あごが外れんばかりに、口をあんぐりと開けている。
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「麗美さん、あなたは、一体、何者ですか?」
単刀直入に聞いてくる彩花に驚く麗美。
「いいわ。教えてあげる。その前に、立ち話もなんだし、場所を変えましょう」
麗美がまた、両手を差し出し、手を繋ぐことを求める。
先程のように、円陣を組み、手を繋ぐ一行。
光の屈折があり、その場から、消えた。
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