なぜ妻は夫が自宅でゴロゴロすると不機嫌になるのか

浅野新

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あんたが言うのか。

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最近、うーんと思う記事や投稿があった。

一つはとあるスピリチュアル界の著名人が自身の著作の中で、子供がいない・できない事に対して、要約すると「今世は子供がいない人生を決めてあなたは生まれてきているのだから子供がいなくても幸せに生きよう」と言うような事を書いていた。これ、一見良い事を言っているように聞こえるのだが、筆者は違和感を感じて仕方がなかった。
と言うのも、著者本人は結婚していて子供が二人いて大変円満な家庭らしい(恐らくお子さん達はどちらも健康優良児)からだ。
お前が言うか!!?
と心の中でツッコミを入れた著者は心が狭いのだろうか。


ここで誤解のないよう言っておきたいのだが、当事者(今回の件なら子供がいないが幸せに暮らしている人)以外の人がアドバイスをしたり、そもそも発言してはいけないと言う意味ではない。当事者ではないからこそ、当事者が問題だと捉えている物事を冷静に、俯瞰して客観的な意見を言える立場は貴重だろう。
また、当事者でなくても中には当事者以上にその境遇などを汲み取り、的確にアドバイスしてくれる人格者もいるだろう。だから当事者以外の意見も必要である。


だが、そもデリケートな話題に関しては当事者からの発信の方が説得力があるのではと思うが、なぜか当事者以外の発信が多い。デリケートだからこそ当事者は発言しにくいのか。

ここで自分が当事者だったとして考えてみる。筆者個人の意見としてだが、当事者が発言すると「何を言ってもかわいそうな境遇の人」と世間に見られるだろうから辛いので自分は嫌だと思うだろう。うん、当事者としては発言したくない。でも当事者以外に発言されるのはもっと腹立つ。結論、よほどの人格者やその問題の専門家で大変勉強している人でもない限り当事者以外に発言される事は腹が立つ、と出た。


たとえば今回の「子供がいない・できない」の悩みに対して、独身で子供もいないが社会的に成功を収めている、例えば美輪明宏氏がアドバイスを言えばものっすごく説得力があると思うのだが、いかがだろうか。



もう一つはyoutubeで北欧に住む日本人女性達が北欧のLGBT事情について話す動画があったのだが、彼女たちはLGBT、多様化を認める社会賛成を前提に話している。それは良いのだが、彼女たちはみな男性のパートナーを持ち子供がいる。ここでも違和感がむくむくと頭をもたげた。LGBTを認めると標榜しつつ本人は異性愛者であり且つ異性のパートナーがおり、勝ち組とされる結婚システムによる婚姻関係を結び子供をもうけている。あんたら思いっきりマジョリティー(多数派)じゃないか・・・。

マジョリティーに属する人々が多様性およびマイノリティーを認める事が大事なのはわかっている。そこがつまづけば多様性の定義そのものが打ち砕かれる。それは了解している。だがヒネくれた筆者のような人間からすれば、「安全圏にいる人間が安全圏にいるからこそ意見を物申しておるな」「そりゃ意見でもなんでも好きな事言えるよなー、あなたの立場にいる人は多数派なんだから味方も多数でしょうよ」と見てしまい彼らがいかに多様性の重要性を説いても心に響いてこない。これが実際にLGBTの人が多様性を認める重要性を訴える、という事なら、当事者なら耳を傾けようと言う気にもなるのだが。

と言うわけで、この二つのデリケートな問題を「当事者よりも当事者以外の者が発信している事が多い」事に非常に疑問をもった次第である。
同じ意見の方、いないだろうか。
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