異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明

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夏休み~Dランク昇格編~

それぞれのカイ

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「初めまして、俺はコウって言うねん。カイがいつも世話になってます!」

そう言ってコウはニカッと笑う。

「コウ、それ言いたかっただけでしょ?」

確かコウの好きな小説に載っていたセリフだったはずだ。

「せやで!」

やっぱな

「俺はエレン、よろしくな!」


「次は私かな?私の名前はノエル・エスぺラード。こちらこそよろしく頼むよ。」


「私はセシル・ブライアンと申します。」


「アタシはシド!よろしくね!!」


「俺はカール、よろしく頼むぜ!」


「ぼ、僕はジェノア。よろしくね。」

よし、これで全員の自己紹介が終わったはずだ。僕がここにいる必要はもうないだろう。

「…僕部屋に戻っていい?」

チラリとお祖父様を見ながら言う。

「これから歓迎会でも開こうと思っていたんだがカイは参加しないのかな?」

誘ってくれているお祖父様には申し訳ないが遠慮しておく。

「うん、やめておく。少し気分が悪くて。」

そう言って談話室を出て自分の部屋へと戻り着替えもせずベッドに倒れ込む。

気分が優れないのは本当だ。

いつもよりも体が重い。原因は言うまでもなくストレスだろう。そもそも僕の睡眠時間は多くても6時間だ。しかも、一睡も出来ない時もあるほどだ。

寝れない理由の一つとして考えられるのは悪夢だ。

僕はこの世界に生まれてからしょっちゅう悪夢を見ている。

それは、知らない人に意識がなくなるまで殴られて最後には首を絞められる夢や、自分の目の前でレイがやコウ達が殺される夢などと様々だ。

夜寝られないから朝起きれない。その悪循環が祟ったのだろう。

もしくは慣れない学院生活で知らぬ間にトラウマが刺激されているか…

そう思いながらもだんだんと思考は暗闇へと沈んでいった。

------------------‐‐--------------------------------------------------------------------------

「行っちゃったな…」

「カイさん、大丈夫でしょうか?」

とイリアスやユウリが不安げに言う。

「疲れているんだろう。カイのことが気になるのなら夕飯の前に様子を見に行けばいい。それじゃあ私は退散するから今は皆で親交を深めておいてくれ。」

そう言って公爵が談話室から出ていく。

「なぁ、学院の中でのカイってどんなんなん?」


「うーん、……一言で表すと『自分を隠す人』、かな。コウさん達はどうだい?」


「呼び捨てでもかまへんよ。そうやな、俺は『知能だけ異常に発達して精神が未発達な子供』、かな。知能はもう大人なんやと思うけど精神はまだ10才ぐらいなんとちゃうやろか…」

前の世界では16くらいまで生きていたみたいやしな、という言葉を飲み込んでコウが答える。

それに続いて次はユウリが口を開ける。

「うーん、僕は『優しいけど怒ると怖い人』ですかね。やっぱり普段怒らない人が怒るとすごく怖いんですよ…」

ユウリの言葉に少し頷きながら次はシドさんが口を開く。

「あっ、アタシは『興味ないことには無視に全ぶりする人』だなぁ。実際に無視されている人もいたし…」

それを聞きカールが手を上げる。

「俺は『約束を守るヤツ』だと思うぜ。賭け試合の時の約束も守ってくれたしな!」

という言葉に確かにと思いながらイリアスが続く。

「僕は『死を恐れない人』、だな。カイが死を怖がっている所なんて今まで見たことないしな。」

その言葉に皆頷く。この中に彼が死を恐れている場面を見たことがある人はいないのだ。

「私は『人間関係において臆病な人』ですかね。それゆえ社会性に少し欠けている気がします。」

セシルはそう言ってジェノアの方を見る。

「ぼっ、僕は『勇敢な人』だと思うよ。いじめられていた僕のことを助けてくれたし。」

そう言ってジェノアはその事を思い出したのか嬉しそうに微笑む。

「なるほどな。アイツ学院ではそういう感じか…」

誰かを信頼することは無理やとしても仲良くすんのも難しい、か…。いったいカイにはどんな過去があったっていうんや…

と思ってコウは顔をしかめる。


「あんま他人に興味なさそうだもんな。」


「アタシなんか名前で呼んでいいって聞いたらダメって言われたんだよ。」

シドのその言葉にコウが素早く反応する。

「えっ、マジで?はぁ~……後でカイに注意しとくわ。ごめんな?」


「ううん。それよりみんなカードゲームしない?例えばポーカーとか。」


「ぽーかー?なんですか、それ。」

そうユウリが不思議そうに聞く。

「知らないかぁ、それならブラックジャックはどう?」

シドがそう聞くと皆知っているというように頷く。

「たしかカードにかかれた数字の合計が21に一番近い人が勝つんでしたよね?」


「うん、そうだよ!それじゃあみんな準備するから手伝って!!」


その言葉を機にみな動き出した。


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