異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明

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出会いと別れ

遠い遠い昔の話

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「言って、、なかったっけ?」

「初耳だな。」
「えっ?えっ?」
「いや、僕は知っていたが二人には秘密にするのかと思ってたから驚いただけだ。」

だよね、イリアスには言ってたよね…

「なんでコウは平然とできるんだよ」

「知ってたしいつか言うと思ってたからな。それが今やとは全然思ってなかったけど。カイの隣におったら大概のことでは驚かへんくなるで。」

さすが僕の相棒だ。

「まあイリアスにも詳しくは話してなかったからな…」

そう言ってテントを取り出す。

「長くなりそうだし聞かれても困るから入って。」



「僕が前の人生で生きていたのはこことは全く異なる世界だった。魔法やスキルもなかったしステータスを見ることもできなかった。この世界よりも遥かに安全な場所で僕の住んでいた所では刃物をもって家から出ることも禁止されていたほどだよ。一番の違いはこの世界よりも科学と呼ばれる分野が異常に発達していたことかな。例えば馬がいなくても動かせる乗り物があったりドラゴンのように自由に空を飛ぶこともできたんだ。」

「それは興味深いな。」

「そんなこと可能なんですね…」

「うん。それで、僕のいた世界では6才から12才までは小学校、13才から15才までは中学校という場所で文字や計算を習わないといけなかったんだ。僕は人よりも勉強ができて運動神経も悪くなかった。それに加え無愛想だったからか虐められるようになった。そんな時一人の少年に会ったんだ。名前はレイ。分かる?だ。」

この世界では神と同じ名前を持つことは禁止されている。神の名前は神だけのものだからだ。

「レイってもしかして万物神レイのことか?」

「ボソッ)そこでアイツと会ったんか…」

「そう。僕を殺すために僕に近づいたらしいけど、どんな心境の変化があったのか僕とは親友と呼べる間柄になった。でも、それも長く続かずにレイは僕を虐めていた奴らに殺されたんだ。そしてそいつらが勇者としてハールーン帝国に召喚された。」

「待ってくれ。その情報知らないんだが。」

こっからはイリアスにも言ってないから知らないのも無理はない、というか当然だ。

「これはコウにしか言ってなかったからね。別に隠そうと思ってたわけじゃなくて言うのを忘れていただけだから気にしないでほしい。」

「その勇者の話は俺知ってるぞ。その時ハールーン帝国にいたんだ。顔も見たことある。ただ、ハールーン帝国は今王位交代でざわついているから勇者の話はめっきり無くなったけどな。」

「今の王の名前知ってる?」

「確か、イシカガライでしたよね?」

「うん。実は僕の前世の名前はイガラシカイなんだ。イガラシカイを並び替えるとイシカガライになる。」

「なあカイ、、ライってまさか…あんときの?!」

「うん、その通りだよ。どういうわけか彼は『ぼく』らしい。魂が同じなんだって。」

「ちょっ、ちょっと待ってくれ!同じ魂がこの世界に同時に存在することはできないはずだ。聖書にそう書いてある!」

さすがイリアス。よく知っている。

「その通り。ただ、それは少し付け加える必要がある。同じ魂が同時に存在してもすぐに死ぬことはなく、徐々に自分の体を何かが蝕んでいずれ死ぬ、ってね。」

「じゃあカイはそのうち死ぬのか?!」

「これに関しては返事はできない。ライ曰く死ぬのは彼らしいが。嘘か本当かはわからないけどね。そして詳しいことは分からが確実に10年以内にこの世界を根本から揺るがす何かが起きるとも言っていた。それが起きれば何百万人の人間が死ぬとかなんとか。」

「それほんまなん?」

「さあ?それは僕にも分からないよ。ただそれが本当なら僕らはもっと強くならないといけない。そう思ったからこの話をしたんだ。以上で僕の過去は終わ「まだ終わってないやろ?」…えぇー、あの話もするの?」

「当たり前やろ!カイは前世でいろいろと苦しんでな、17の時に自殺してん。」

「17歳で死んだというのは知っていたが病死とかじゃなくて自殺だったのか…」

「そんなに思い詰めていた人がこの世界に転生したらすぐにまた自殺すると思うんですけど…」

「いや、この世界で生を受けてから10年間、僕はカイ・フォードとして生きてきた。コウに会う少し前に記憶を歪められた状態で取り戻したんだ。その後アルクィンで事故に巻き込まれてね。その時に全てを思い出したんだ。…一応言っておくけど、僕はもう自殺しようだなんて思ってないからね。」

「…なんかめっちゃ情報過多なんだが?」

「あっ、ちなみに帝国の勇者はライによって殺されたらしい。会うことはないと思うけど、もしもライに会ったら最大限警戒しておく方がいい。」

まあないと思うけど…

そう言って過去の話はこれでお開きとなった。

まさかあんなに早くライと出会うことになるとはこのときはまだ知る由もなかった。
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