異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明

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アルバード王立高等学院~隣国からの客人~

武道大会~前座~

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「両者、準備はよろしいですね?それではよーいはじめ!!」

全員その場から動かず互いの敵を見る。武術学院だからといって魔法が弱いわけじゃない。魔法専門の人もいる。前試合は公平をきすためという理由で見てない、というか寝ていたから見れるはずもないが、、そのため何に特化している人なのかわからないのが難点だ。

今日はお祖父様やコウ達も来ているらしいから本気出すしかないしな…

そんなことを考えていると、先に相手が動き出した。

大刀をもち走るその姿はカールを見ているようだ。

てか大刀かよ…短剣と相性悪いじゃん…

避けることは造作もないけど攻撃できない、というか短剣があたる距離まで近寄れない。

ということはどうするべきなのか、答えは簡単。魔法を使えばいい。

ちらっとアイリスの方を見る。

二人目の敵と魔法で戦っているようだ。まだ接近されてないようだしこっちに集中できるな。

大刀を避けている最中に砂を片手で掴む。あれはアレスのネタではなく僕のである。訓練中に僕が使ったのを真似したんだろう。

その砂を水魔法で造った水球の1つに混ぜる。そしてそれらを相手に向かって叩き込む。

風切りウィンドブレイク!」

風魔法でほとんどの水球は壊されたが、本命はそいつらじゃないんだよな。

どさくさに紛れて砂入り水球を敵の頭の上で割る。

「いってぇぇ!!!」

目の中に入る砂はさぞかし痛いことだろう。
僕の弟子ならこれくらいはしないとねぇ…

痛がって少し体の動きが遅くなったタイミングでみぞおちに一発きめノックアウトする。

まだ12歳の部にいた少年の方が強い気がする…まあいいや。

「ハルシャ卿!」

そんな声とともに気配を感じ後ろを振り向くと二人目の敵が僕に短剣を振り下ろそうとしている所だった。

ガキン…

咄嗟に造った氷の壁がその攻撃を防ぐ。

いやー危ない危ない。いや、そんなことより気配を直前まで感じなかったんだが?
これは結構不味いな…僕とタイプってわけか…

「アンタやるなぁ。んじゃあこれはどうだ?」

構えを変えた?いったい何を…

「敵を貫け、ファイアーグロー!」

そう言いながら振られた剣を避ける、はずだった。

剣に纏わりついた炎が伸び、僕の体に思いっきり当たりそうになるのを、咄嗟に身体強化を使って体をひねって避ける。
いや、正直言ってちょっと当たった。だって服が少し焦げてるもん。

炎は短剣の柄からおよそ4mまでしか出ないみたいだ。

ただ、これだと…危なっ、、

どれもこれもギリギリで避けながら、この先どう対処するかを考える。

おそらく彼は魔法剣士。特殊な加工を施した剣に魔力を流すことによって今回のように剣に炎を纏わせたり、剣に触れた者を凍りつかせたりする。

魔法剣士自体あまり見ないから、作戦プランに入れるのを忘れていた。

さて、どうしようか…魔力が尽きるまで待つのは無理だ。徐々に剣を振る速度があがっている。このまま時間だけが過ぎれば、僕は確実に殺られるだろう。

げっ、、髪がちょっと燃えた…

「ほんとに策士だね。」

そんな僕の独り言が聞こえたのか相手もニヤッと笑う。

僕が始めにノックアウトした相手はおそらく強化魔法士だ。

強化魔法の種類はたくさんあるがその中で1つ特異なものがある。

その名も狂った段階強化クレイジーステップ
効果は『術をかけられた者は、術者が気を失った後または死んだ後、徐々に身体能力が上がる』、だ。

術者が気を失うか死ぬかを想定した魔法なんて誰がかけるんだということでその名がついた。

強化魔法士、つまりは後衛。それを悟らせないぐらいの身体能力にこの作戦を実行する度胸。

すばらしい。どうにも心が踊る。
ならこっちも捨て身の技を出すしかないみたいだな。

「…激流げきりゅう

突如として現れた巨大な水の塊は呑み込んだ。
そして次の瞬間には二人とも氷漬けになった。

アイリスが敵に駆け寄り短剣を首にあてる。

「…降参だ。もう動けない。」

奇遇だな。僕も動けない。

歓声がわく中、氷から解放された剣士が僕らに握手を求める。

「まさかこんなにも氷魔法が上手いとは思わなかった。」

「これは僕じゃないよ。水を出したのは僕だけどそれを氷に変えたのは彼女だ。」

「彼女?アンタもしかして『氷の天使』か?!」

…今さらかよ。

「ええ。一応そう呼ばれています。」

なんか嫌そうだな…

「まあ何はともあれ、アンタたちと戦えてよかった。次は魔法学院とやるんだろ?俺たちの試合を見てないから知らないだろうが、アイツら結構ヤバいから気を付けたほうがいいぞ。」

「それはどうも。」

そう言ってまた控室の方に戻った。
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