嫌われ者の俺はやり直しの世界で義弟達にごまをする

赤牙

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双子の一度目の人生 ①〜アルマンSide〜

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「アルマン。ソフィア。六歳の誕生日おめでとう」
「「「おめでとー!」」」

僕とソフィアは、シスターと孤児院の皆に囲まれて沢山のお祝いの言葉をかけられながら小さな花束と手紙を受け取る。
孤児院の周りに生えている草花も綺麗に束ねられれば立派な花束に姿を変えていた。

「うわぁ……。みんなありがとう!」
「ありがとう~!」

僕とソフィアが笑みを溢せば、シスターや孤児院の友達も嬉しそうに笑顔を向けてくれる。
教会の隣にある小さな孤児院には僕達も含めて15人の子ども達がいる。
下は0歳児から上は十四歳まで……。
みんな様々な理由でこの孤児院に辿り着いた。
僕とソフィアは産まれた時からずっとこの孤児院で育ちここが僕達の『家』でもある。
裕福な生活はできないけれど、僕達は皆と一緒にいられるだけで幸せだった。
皆が僕達の『家族』だから……。





誕生日を祝ってもらってから数日後。
いつものようにソフィアと一緒に食事の準備に取り掛かる。食事の準備は当番制でまだ料理が上手く作れない僕達はお使いや下準備を中心に手伝っていた。

「あっれ~。今日使う予定のジャガイモと玉ねぎが足りない。ねぇアルマン、ソフィア。シスターに貯蔵庫から何個かもらってきてもいいか聞いてきて~」
「「わかったー!」」

僕とソフィアはシスターの元へ急いで向かう。
今の時間帯なら、シスターは教会にいるはず。
隣にある教会へ向かい長い廊下を進んで行けばシスターの部屋が見える。
そして、部屋の前まで来ていつものようにドアをノックして部屋へと入ろうとした時だった……


「なんだと! 俺はあの子たちの父親なんだぞ!」

男性の怒声が聞こえノックしようとした手は止まる。
僕とソフィアはその男性の怒鳴り声に固まってしまう。

「何度来られてもあの子達を渡すことはできません」

そして、聞いたことのないシスターの酷く冷めた声が聞こえれば、部屋の中にいるシスターと男性の関係性が嫌でも分かる。

「ソフィア、また後で来ようか……」
「うん……」

孤児院で生活している子供は僕達のように親がいない者だけではない。
親に捨てられた者、虐待されていた者、人には言えない理由を抱える子もいた。
シスターの元には時折孤児院の子供を引き取りたいと言ってくる親や親族が来ることがあると聞く。
きっと今シスターに会いに来た人も誰かの親なのだろう。

二人の会話を聞いてはいけない気がして部屋の前から去ろうとした時……男性は自分の子どもの名前を呟く。

「えぇーっと……アルミンとソフィーだったか……」
「アルマンとソフィアです」
「あぁそうそう。名前なんてどーだっていいんだ。とりあえずあの二人は俺の子だ。つまり俺のモノってことだろう? 俺にはあの子達が必要なんだと何度言ったら分かるんだ」

……俺の、子……?
今呼ばれたのは僕とソフィアの名前……?

聞こえてきた名前に僕とソフィアは顔を見合わせる。
シスターから両親の話を聞いた時、母さんは俺達を産んで半年後に亡くなり父さんは何処の誰なのか分からないと聞かされていた。

じゃあ、今部屋にいる人は一体誰……?
僕、達の……父さん……?

ドアの前から立ち去ろうとした足を止め、僕とソフィアはそのまま部屋の中にいる二人の話の続きを聞く。

「ライルさん。子供は『モノ』ではありません。その考えが変わらない限り貴方に二人を渡すことはありません」
「あぁ? 子は親のモノだろう。二人と血の繋がった親が現れたんだから、血も繋がらないあんたの役目は終わったも同然だろ?」
「それでもです。とにかく今の貴方には親としての資格などありません。どうぞお帰りを……」
「ハァァ………まぁいい。また来るからな」

呆然と二人の会話を聞いていた僕達はドアの方へ近づく不機嫌な足音に気付かずに、バンッ!とドアが開かれた瞬間出てきた男性と目が合う。
派手な服に身を包んだその男性は僕達を見ると嫌そうな顔を浮かべる。

「チッ、薄汚ねーガキだな……」

僕達を映し出す水色の瞳は蔑むような目をしていた……。

僕達の父さんと名乗る男性の背中が消えるまで僕とソフィアはその場所から動く事ができず、姿が消えるとやっと息ができるようになる。

ソフィアは嗚咽混じりの声を上げ目には溢れんばかりの涙を浮かべていた。
僕はソフィアの手をぎゅっと、握りしめシスターの部屋のドアを震える手でノックした……。
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