41 / 167
1章
年齢差
しおりを挟む
マッシュルームみたいなロミキノコを軽くオリーブオイルで炒めて、塩コショウで味付けをして最後のベーコンブロックを刻んで混ぜて、卵を溶いた物にチーズをゴロゴロと景気よく入れて、そこへロミキノコとベーコンを投入して混ぜ合わせる。
それをオリーブオイルを入れたフライパンで、よく焼く!
初めは外側が固まったのを中心に持ってきたりして、段々トロトロになったら、丸めて丸めてオムレツ!
「よし、一品出来た! 次は鶏肉をソテーしよう」
塩コショウを振った鶏肉をフライパンでよく焼き、作り置きのビルズ芋のマッシュポテトを添えて、パンケーキにジャムを乗せたら完成。
パンケーキは、朝作った物を四角いガラス容器に取り置きしておいたものだけど、気にせずデザートとして出しておこう。
この生活で私のお料理レベルが上がったと思う。
ありがとう料理本! だけど、食材が足りなくて毎日同じようなものだよ! 料理本どうすればいいのか教えて!
手を組んで「助けて料理の神様」とか言っていたら、お風呂場からイクシオンが髪を拭きながら出てきた。
「イクシオン、お風呂加減は大丈夫でしたか?」
「ああ、丁度良かった。ありがとう、リト」
イクシオンがリビングの椅子に座り、頬杖を付きながら微笑むように私を見て来る。
うーん。やりにくい。
中学女子の十四年間彼氏居ない歴には、イケメンへの免疫は無いのであまり見ないで欲しい。
熱が下がり、体調が良くなって起き上がれるようになったイクシオンに、お風呂に入りなさいと、洗濯しておいた元々の服を渡していたので、下着以外はイクシオンの物で、下着は手縫いで布で作ったよ……
流石にイクシオンが穿いている下着は脱がして見るわけにもいかなかったから、イクシオンのズボンでサイズを測りながら作った。
初めてにしては上出来? まぁ、男物の下着は分からないから早めに洗濯物をして下着もイクシオンの物に穿き替えて貰おう。
「傷の包帯を替えるから、シャツを着たところを悪いんですけど、脱いでもらえますか?」
「これでいいか?」
相変わらず筋肉質な体してて硬そう……って、それは別にいい。
自分で包帯とかは取ってお風呂に入ったようで、包帯はしてないから、後で包帯とガーゼだけ先に回収して洗っておこう。
傷口も薄い皮みたいなのが出来て随分よくなってきてる。
「イクシオン、怪我あと少しで治りそうですね」
「ああ、リトのおかげだ」
これなら後一週間もあれば元気になるかな?
お別れも近いかもしれない。むしろ、イクシオンは部下とか居た筈だし、お仕事は大丈夫なんだろうか?
傷薬を塗ると片目をつぶるイクシオンに、「あと少しの辛抱ですよ?」と、笑って包帯を巻きつけてシャツを手渡す。
「イクシオンは、長期遠征はもう終わったんだよね?」
「……まぁ、そうなる、かな?」
少し歯切れの悪いイクシオンに首を傾げると、少し耳を下げる。
何か長期遠征であったんだろうか? まぁ、長期遠征がよくわかっていない私なのだけど。
話を変えた方が良いのかなぁ?
「あ、食事冷める前に、どうぞ!」
「今日も色々、ありがとう。リトには感謝してもし足りない」
「いえいえ。あんまり食材の種類が無いから同じ様な物ばかりで、申し訳ないです」
「そろそろ体も動く様になったし、明日はオレも食材探しに一緒に行こう」
「んーっ、まだ無理しない方がいいと思うけどなぁ……」
イクシオンのおでこに手をテシッと当てて熱を測ると、また嬉しそうに目を細める。
この人、人懐っこい人なのかな?
「熱が少しあるから、もう少し休んでた方がいいですよ?」
「このぐらいなら、大丈夫だ。それに、熱が出てもリトが看病してくれるんだろう?」
首を少し傾げて笑うイクシオンに、この人は甘えん坊な人なのかな? まぁ、大きなワンコという感じで可愛いけど……
狼とかキリッとしている動物が自分にだけ甘えてくれるとか、モフモフ好きとしてはそこが萌えるんだけど、イクシオンは顔がいいので照れるし、そういう顔は恋人にだけ向けておきなさいと思う。
「そういえば、イクシオンは何歳なの?」
「オレは二十五だ。リトは?」
「私は十四歳だよ」
「思った通り、まだ幼いな……」
まぁ、二十五歳の人から見た十代は若いだろうなぁ。
二十五で部下がいるって随分な出世頭というヤツなのかな?
喋りながら、食事をしつつ少しずつお互いの話をポツポツしているけど、ちゃんと紳士さんかどうかは、まだ確かめてない。
もう少しだけ、このままで居られたらいいなって……何だかんだで、ゲッちゃんやデンちゃんは居たけど、こうして話をしてくれる人も居なかったし、『まだ見ぬ君』さんを探しにイクシオンが出ていくのが、寂しいから先延ばしにしているだけだけど……まぁ、紳士さんから貰った物をイクシオンにも使ったり出したりしてるから、きっと薄々勘付いていると思う。
このまま、ずっと一緒に居てくれたらいいのに……
それをオリーブオイルを入れたフライパンで、よく焼く!
初めは外側が固まったのを中心に持ってきたりして、段々トロトロになったら、丸めて丸めてオムレツ!
「よし、一品出来た! 次は鶏肉をソテーしよう」
塩コショウを振った鶏肉をフライパンでよく焼き、作り置きのビルズ芋のマッシュポテトを添えて、パンケーキにジャムを乗せたら完成。
パンケーキは、朝作った物を四角いガラス容器に取り置きしておいたものだけど、気にせずデザートとして出しておこう。
この生活で私のお料理レベルが上がったと思う。
ありがとう料理本! だけど、食材が足りなくて毎日同じようなものだよ! 料理本どうすればいいのか教えて!
手を組んで「助けて料理の神様」とか言っていたら、お風呂場からイクシオンが髪を拭きながら出てきた。
「イクシオン、お風呂加減は大丈夫でしたか?」
「ああ、丁度良かった。ありがとう、リト」
イクシオンがリビングの椅子に座り、頬杖を付きながら微笑むように私を見て来る。
うーん。やりにくい。
中学女子の十四年間彼氏居ない歴には、イケメンへの免疫は無いのであまり見ないで欲しい。
熱が下がり、体調が良くなって起き上がれるようになったイクシオンに、お風呂に入りなさいと、洗濯しておいた元々の服を渡していたので、下着以外はイクシオンの物で、下着は手縫いで布で作ったよ……
流石にイクシオンが穿いている下着は脱がして見るわけにもいかなかったから、イクシオンのズボンでサイズを測りながら作った。
初めてにしては上出来? まぁ、男物の下着は分からないから早めに洗濯物をして下着もイクシオンの物に穿き替えて貰おう。
「傷の包帯を替えるから、シャツを着たところを悪いんですけど、脱いでもらえますか?」
「これでいいか?」
相変わらず筋肉質な体してて硬そう……って、それは別にいい。
自分で包帯とかは取ってお風呂に入ったようで、包帯はしてないから、後で包帯とガーゼだけ先に回収して洗っておこう。
傷口も薄い皮みたいなのが出来て随分よくなってきてる。
「イクシオン、怪我あと少しで治りそうですね」
「ああ、リトのおかげだ」
これなら後一週間もあれば元気になるかな?
お別れも近いかもしれない。むしろ、イクシオンは部下とか居た筈だし、お仕事は大丈夫なんだろうか?
傷薬を塗ると片目をつぶるイクシオンに、「あと少しの辛抱ですよ?」と、笑って包帯を巻きつけてシャツを手渡す。
「イクシオンは、長期遠征はもう終わったんだよね?」
「……まぁ、そうなる、かな?」
少し歯切れの悪いイクシオンに首を傾げると、少し耳を下げる。
何か長期遠征であったんだろうか? まぁ、長期遠征がよくわかっていない私なのだけど。
話を変えた方が良いのかなぁ?
「あ、食事冷める前に、どうぞ!」
「今日も色々、ありがとう。リトには感謝してもし足りない」
「いえいえ。あんまり食材の種類が無いから同じ様な物ばかりで、申し訳ないです」
「そろそろ体も動く様になったし、明日はオレも食材探しに一緒に行こう」
「んーっ、まだ無理しない方がいいと思うけどなぁ……」
イクシオンのおでこに手をテシッと当てて熱を測ると、また嬉しそうに目を細める。
この人、人懐っこい人なのかな?
「熱が少しあるから、もう少し休んでた方がいいですよ?」
「このぐらいなら、大丈夫だ。それに、熱が出てもリトが看病してくれるんだろう?」
首を少し傾げて笑うイクシオンに、この人は甘えん坊な人なのかな? まぁ、大きなワンコという感じで可愛いけど……
狼とかキリッとしている動物が自分にだけ甘えてくれるとか、モフモフ好きとしてはそこが萌えるんだけど、イクシオンは顔がいいので照れるし、そういう顔は恋人にだけ向けておきなさいと思う。
「そういえば、イクシオンは何歳なの?」
「オレは二十五だ。リトは?」
「私は十四歳だよ」
「思った通り、まだ幼いな……」
まぁ、二十五歳の人から見た十代は若いだろうなぁ。
二十五で部下がいるって随分な出世頭というヤツなのかな?
喋りながら、食事をしつつ少しずつお互いの話をポツポツしているけど、ちゃんと紳士さんかどうかは、まだ確かめてない。
もう少しだけ、このままで居られたらいいなって……何だかんだで、ゲッちゃんやデンちゃんは居たけど、こうして話をしてくれる人も居なかったし、『まだ見ぬ君』さんを探しにイクシオンが出ていくのが、寂しいから先延ばしにしているだけだけど……まぁ、紳士さんから貰った物をイクシオンにも使ったり出したりしてるから、きっと薄々勘付いていると思う。
このまま、ずっと一緒に居てくれたらいいのに……
43
あなたにおすすめの小説
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜
雨香
恋愛
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。
彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。
自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。
「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」
異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。
異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。
幸せな番が微笑みながら願うこと
矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。
まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。
だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。
竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。
※設定はゆるいです。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
番ではなくなった私たち
拝詩ルルー
恋愛
アンは薬屋の一人娘だ。ハスキー犬の獣人のラルフとは幼馴染で、彼がアンのことを番だと言って猛烈なアプローチをした結果、二人は晴れて恋人同士になった。
ラルフは恵まれた体躯と素晴らしい剣の腕前から、勇者パーティーにスカウトされ、魔王討伐の旅について行くことに。
──それから二年後。魔王は倒されたが、番の絆を失ってしまったラルフが街に戻って来た。
アンとラルフの恋の行方は……?
※全5話の短編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる