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2章
優しい旦那様と繁殖キノコ
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イクシオンに寝室に連れてきてもらうと、ベッドの上に優しくポフンと横たえられて、イクシオンが獣化すると私を包み込むように丸くなる。
ふえぇぇ~柔らかモフモフの高級枕キター!!
温かくてやわらかくてサラサラの狼枕さんですよ!
「イクス、柔らかい~。でも、お腹は少し硬いかなー? えへへ」
「狼獣人は運動能力に長けている分、筋肉質なんだ」
「そうなんだ? でも、イクスの割れてるお腹の筋肉は、軍人さんって感じで好きだよ」
「オレは、リトの柔らかい頬と、腕と、胸と、腹と、太腿と、脹脛が好きだ」
それはほぼ、全身と言わないだろうか? イクシオンにペロペロとおでこを舐められているんだけど、イクシオンって、おでこの結婚印にペロペロしたりチューしたりするの好きなんだよね。
うっとりした顔してるし、結婚したの嬉しかったのかな? 私も嬉しかったけど、ふふふ。
イクシオンの毛をモフモフと手で触って、指でくるくる巻きつけながら、イクシオンの体温にウトウトと眠気を誘われて、もう寝そう……眠い……
「リト、ゆっくり休んで」
「……」
「うん」と、言ったつもりだけど、声になったかどうかは分からない。
柔らかい毛並みに包まれて、私はスヤスヤと一時眠りに落ちていき、数時間して目を覚ますと、イクシオンが私を抱きしめて横になっていた。
イクシオンの腕からすり抜けて、トイレに行って戻るとイクシオンも起きたようで小さく欠伸をしていた。
狼姿で欠伸する姿は……とても可愛いッ!!
最高のモフである! 断言しよう! 動物の欠伸姿は可愛いと! 至高であるとッ!!
「ああ、リト。顔色は……少しは良くなったみたいだな」
「うん。心配してくれてありがとう。平気だよー」
「先程、エイゾウ様が帰ってきてリト用にゼキキノコを煮ているから、起きたら飲むように言っていたぞ」
「お祖父ちゃんが? どんな味にされてるやらだね……」
お祖父ちゃんは「食えれば何でも良し!」と味にこだわらない所があるから、ワイルド男料理なんだよね。
煮て甘味を入れるだけのゼキキノコ……どうなっているやらだ。
イクシオンが獣化を解いて、少し首を左右に振る。
「もう起きれるか?」
「うん。イクス、私に付き合って折角のお休み邪魔してゴメンね?」
「馬鹿だなぁ。オレはリトと一緒にいられるだけで幸せなんだから、充分、休暇を楽しんでいる」
微笑んで私の後ろに立つと後ろから抱きしめて、頬にスリついてキスをしてくる。
とても甘い私達は、まさに新婚を満喫している感じだろう。
イクシオンと一緒に寝室を出て、調理場に顔を出すとメイドさんとウィリアムさんが忙しそうに籠を持って、行ったり来たりしている。
「皆さんどうしたんですか?」
「ああ、リト様~ッ! エイゾウ様が大量にキノコを採って来て下さったのですが……『ハンショクキノコ』が混じっていて、名前の通り、繁殖を繰り返している為に、急いでキノコを分別しているんです~ッ!」
話している間もキノコがニョコニョコと増えていき、ウィリアムさんが「うわぁ~」と騒いでいる。
お祖父ちゃんがやらかしている様だ。まったく、困ったお祖父ちゃんだ。
「『ハンショクキノコ』を取り除けば、問題は無いですか?」
「幾つ混じっているか分からないので、手間になりますが、このキノコです」
ウィリアムさんがガラス瓶に薄黄色の液体に入れたキノコを見せてくれた。
そのキノコは……あー、うん……ちょっと、モザイクをかけたい。
結婚前の私なら判らなかっただろう。
グロテスクな男性器をそのままにした様なキノコであるっ!!
破廉恥極まりないわっ!!
お祖父ちゃんは何を思って、このキノコをもいできたのか!!
色がクリーム色だからギリギリ、セーフ……なのかなぁ?
「あの、これ……何の液体に浸けているんですか?」
「これは『酢』です。繁殖が止まるんですよ」
「なるほど。じゃあ、私も頑張って探しますから、頑張りましょう!」
「オレも手伝おう」
ウィリアムさんとイクシオンと私の三人で、『ハンショクキノコ』を探し、割りとサイズがマチマチで、お酢に浸けこみ、何とか全部取り除き終わったけど、十六本もあった。
ただ、『ハンショクキノコ』同士では繁殖しないみたいで、お酢に浸けこんだ物は凄く硬くなっているんだけど、普通に食べられるらしい。
縦に切っても、横に切っても、男性陣が自分の股間を隠すように目を反らすので、その反応が面白くてバサバサ切って、本日の夕飯は『ハンショクキノコ』のマリネの山盛りが出た。
勿論、責任を取らせる為に、お祖父ちゃんには山盛りにしておいたよ。
「ゼキキノコを増やしておこうとしただけなのに、孫が老人虐めをしおる」
「お祖父ちゃん、一本で良かったでしょ? 十六本も要らなかったよ」
「ついなぁ……サイズを集めてみたかった……」
いかがわしく感じたのは私だけだろうか? ちなみに、私がザクザク切っていたのを見た男性陣は食べるときも微妙な顔をしていた。
そんなに思う所があったのだろうか?
私なら、おっぱいプリンが出されても美味しく頂ける自信があるよ。
あと、お祖父ちゃんが私にゼキキノコを煮てくれた物……乾燥させずに生のまま煮た為に、ドロドロのゼリーの一歩手前の食感になっていた。
乾燥させるのにはちゃんと意味があったんだねぇ。
しかし、このドロドロゼリーも一応効果はある……あるけど、飲み込みにくい口にも喉にも、ベタベタ感で……歯ブラシするまで口の中が、苦い甘いの大戦争を起こしていたのは言うまでもない。
ふえぇぇ~柔らかモフモフの高級枕キター!!
温かくてやわらかくてサラサラの狼枕さんですよ!
「イクス、柔らかい~。でも、お腹は少し硬いかなー? えへへ」
「狼獣人は運動能力に長けている分、筋肉質なんだ」
「そうなんだ? でも、イクスの割れてるお腹の筋肉は、軍人さんって感じで好きだよ」
「オレは、リトの柔らかい頬と、腕と、胸と、腹と、太腿と、脹脛が好きだ」
それはほぼ、全身と言わないだろうか? イクシオンにペロペロとおでこを舐められているんだけど、イクシオンって、おでこの結婚印にペロペロしたりチューしたりするの好きなんだよね。
うっとりした顔してるし、結婚したの嬉しかったのかな? 私も嬉しかったけど、ふふふ。
イクシオンの毛をモフモフと手で触って、指でくるくる巻きつけながら、イクシオンの体温にウトウトと眠気を誘われて、もう寝そう……眠い……
「リト、ゆっくり休んで」
「……」
「うん」と、言ったつもりだけど、声になったかどうかは分からない。
柔らかい毛並みに包まれて、私はスヤスヤと一時眠りに落ちていき、数時間して目を覚ますと、イクシオンが私を抱きしめて横になっていた。
イクシオンの腕からすり抜けて、トイレに行って戻るとイクシオンも起きたようで小さく欠伸をしていた。
狼姿で欠伸する姿は……とても可愛いッ!!
最高のモフである! 断言しよう! 動物の欠伸姿は可愛いと! 至高であるとッ!!
「ああ、リト。顔色は……少しは良くなったみたいだな」
「うん。心配してくれてありがとう。平気だよー」
「先程、エイゾウ様が帰ってきてリト用にゼキキノコを煮ているから、起きたら飲むように言っていたぞ」
「お祖父ちゃんが? どんな味にされてるやらだね……」
お祖父ちゃんは「食えれば何でも良し!」と味にこだわらない所があるから、ワイルド男料理なんだよね。
煮て甘味を入れるだけのゼキキノコ……どうなっているやらだ。
イクシオンが獣化を解いて、少し首を左右に振る。
「もう起きれるか?」
「うん。イクス、私に付き合って折角のお休み邪魔してゴメンね?」
「馬鹿だなぁ。オレはリトと一緒にいられるだけで幸せなんだから、充分、休暇を楽しんでいる」
微笑んで私の後ろに立つと後ろから抱きしめて、頬にスリついてキスをしてくる。
とても甘い私達は、まさに新婚を満喫している感じだろう。
イクシオンと一緒に寝室を出て、調理場に顔を出すとメイドさんとウィリアムさんが忙しそうに籠を持って、行ったり来たりしている。
「皆さんどうしたんですか?」
「ああ、リト様~ッ! エイゾウ様が大量にキノコを採って来て下さったのですが……『ハンショクキノコ』が混じっていて、名前の通り、繁殖を繰り返している為に、急いでキノコを分別しているんです~ッ!」
話している間もキノコがニョコニョコと増えていき、ウィリアムさんが「うわぁ~」と騒いでいる。
お祖父ちゃんがやらかしている様だ。まったく、困ったお祖父ちゃんだ。
「『ハンショクキノコ』を取り除けば、問題は無いですか?」
「幾つ混じっているか分からないので、手間になりますが、このキノコです」
ウィリアムさんがガラス瓶に薄黄色の液体に入れたキノコを見せてくれた。
そのキノコは……あー、うん……ちょっと、モザイクをかけたい。
結婚前の私なら判らなかっただろう。
グロテスクな男性器をそのままにした様なキノコであるっ!!
破廉恥極まりないわっ!!
お祖父ちゃんは何を思って、このキノコをもいできたのか!!
色がクリーム色だからギリギリ、セーフ……なのかなぁ?
「あの、これ……何の液体に浸けているんですか?」
「これは『酢』です。繁殖が止まるんですよ」
「なるほど。じゃあ、私も頑張って探しますから、頑張りましょう!」
「オレも手伝おう」
ウィリアムさんとイクシオンと私の三人で、『ハンショクキノコ』を探し、割りとサイズがマチマチで、お酢に浸けこみ、何とか全部取り除き終わったけど、十六本もあった。
ただ、『ハンショクキノコ』同士では繁殖しないみたいで、お酢に浸けこんだ物は凄く硬くなっているんだけど、普通に食べられるらしい。
縦に切っても、横に切っても、男性陣が自分の股間を隠すように目を反らすので、その反応が面白くてバサバサ切って、本日の夕飯は『ハンショクキノコ』のマリネの山盛りが出た。
勿論、責任を取らせる為に、お祖父ちゃんには山盛りにしておいたよ。
「ゼキキノコを増やしておこうとしただけなのに、孫が老人虐めをしおる」
「お祖父ちゃん、一本で良かったでしょ? 十六本も要らなかったよ」
「ついなぁ……サイズを集めてみたかった……」
いかがわしく感じたのは私だけだろうか? ちなみに、私がザクザク切っていたのを見た男性陣は食べるときも微妙な顔をしていた。
そんなに思う所があったのだろうか?
私なら、おっぱいプリンが出されても美味しく頂ける自信があるよ。
あと、お祖父ちゃんが私にゼキキノコを煮てくれた物……乾燥させずに生のまま煮た為に、ドロドロのゼリーの一歩手前の食感になっていた。
乾燥させるのにはちゃんと意味があったんだねぇ。
しかし、このドロドロゼリーも一応効果はある……あるけど、飲み込みにくい口にも喉にも、ベタベタ感で……歯ブラシするまで口の中が、苦い甘いの大戦争を起こしていたのは言うまでもない。
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