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3章
もったりカボチャプリン
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「おとしゃー」
そう声を出して、グーエンの足元にしがみ付いた息子のフリーレンを、グーエンは片手でヒョイと持ち上げる。
フリーレンは1歳を過ぎて少しずつ意味のあるお喋りを始め、たまに赤ちゃん語で理解できない言葉もあるけれど、そこを含めて私もグーエンもフリーレンの言葉を理解しつつ、彼の成長を見守っている。
「レン。どうしました?」
「おじーじ、おじーじ」
「おじー……ああ、リヒトル団長ですか」
リヒトル団長は、グーエンの上司であり、グーエンの育ての親の一人。
フリーレンが指を差す方向を見れば、庭から手を振っているリヒトル団長が居る。
私が先に動くよりも早く、グーエンが窓を開けてリヒトル団長に眉をひそめた。
「リヒトル団長、また来たのですか? 仕事はどうしました?」
ズモモモモ……と、見えない何かでグーエンが威嚇し、リヒトル団長は茶目っ気のある顔で笑って、グーエンが腕に抱いていたフリーレンの頭を撫でる。
「オレはアレよ。そのだなー」
「おじーじ」
「おおぅ、フリーレンは可愛いなぁ。お爺ちゃんだぞー」
「あはー」
すっかり目元を下げてリヒトル団長は、フリーレンを本当の孫のように撫でまわす。
実際、グーエンの育ての親だから、孫のようなものかもしれないけれどね。
「リヒトル団長。上がっていきますか? お茶とお菓子でもどうですか?」
「おかし! おかしゃ! おかしー!」
「おっ、いいねぇ」
「ヒナ~……」
喜ぶフリーレンとリヒトル団長とは真逆に、一人ジト目でグーエンは不満そうな顔をするけど、尻尾が揺れているので、本気で嫌がっている訳では無いのだろう。
リヒトル団長に玄関に回ってもらい、リビングに入ってもらうとフリーレンがお気に入りの玩具を手に、リヒトル団長の元へ駆け寄っていた。
「まったく、レンは甘やかしてくれる人の所に、すぐに行くのですから」
「あら? じゃあ、私よりグーエンの方に行くから、グーエンはレンを甘やかしているのね?」
台所に付いてきたグーエンに意地悪く言うと、グーエンは首を横に振る。
グーエンとしては、父親らしく厳しく甘やかさずに育てたいらしい。でも、もう十分過ぎるほど、フリーレンを甘やかしているから、無駄な努力だと思う。
子供は可愛いから仕方がないけどね。
「ヒナ、私はレンをテラス家の長男として、立派に育てなくてはいけないと……」
「はい。ストップ。グーエン、レンはまだ小さいし、レンが自分からお父さんの背中を見て、育つようにしなきゃでしょ?」
「……はい」
「よし。では、お父さんは今は存分に息子を甘やかしてね?」
お茶を淹れたカップの載ったトレイをグーエンに渡し、私もお菓子を手にリビングへ戻る。
本日のオヤツはカボチャプリンである。秋に収穫したカボチャを軽く茹でて凍らせた物を、自然解凍で戻し、卵と牛乳とお砂糖でプリンにしてみました。
作り方は、解凍したカボチャを温め直して潰し、温めた牛乳の中に入れる。
そこへお砂糖を入れて、沸騰しないように気を付けて、溶いた卵を混ぜ合わせる。
あとは、ガーゼで三回程越して、滑らかになったらガラスの器に入れる。
お湯を張ったフライパンの上にガラスの容器を入れて、上に蓋をして十分程煮たたせて蒸し焼きにする。
そのまま放置で、お湯が冷めたら冷蔵庫へ入れる。
仕上げにお砂糖と水でカラメルを作り、上に掛ければ完成。
「プリンか」
「はい。カボチャのプリンです。もったりした舌触りが美味しいですよ」
「おかしー!」
「はいはい。レンはお利口さんにして頂戴。あげるから、ピョンピョンしないの」
フリーレンをリヒトル団長が膝に抱き、プリンを食べさせてくれる為に、久々に落ち着いておやつが食べられる。
いつもはフリーレンに食べさせて、自分が食べる時は、味わっている暇がなく入れるしかないから、非常に助かる。
「ああ、久々にゆっくり食べられる……」
「おっ、それなら、フリーレンをオレの所に少し預けてみないか?」
「え?」
「はい?」
私とグーエンがいきなりの事に目を瞬きさせると、リヒトル団長は「実は……」と、リアルな絵が描いてある紙を出してきた。
初老の虎獣人の男性と、そのお孫さんらしき、虎獣人の女の子が描かれている。
「これは?」
「こいつはオレの旧友で、ニコラ・エクトバールと、その孫のヒルデルカ・エクトバールだ。実は……孫自慢をされて……つい、フリーレンを連れて遊びに行くって言っちまったんだよ」
「ああ、成程……」
グーエンが呆れた顔でリヒトル団長を見て、私は眉を下げて「そういうこともあるよねぇ」と笑う。
「少しの間、トルシャガ街にフリーレンを連れて行きたいんだが……駄目か?」
「駄目も何も、レンはまだヒナと離れて過ごした事はありませんし、ヒナも不安でしょう?」
「んー、私はどちらでも大丈夫。ご飯とおしめのお世話が出来るなら……」
「ヒーナー……」
「だって、可愛い子には旅をさせよって言うじゃない?」
グーエンは鼻にしわを寄せて、こめかみを指で押さえて首を振る。
たまには、お母さんだってのんびりしたいのよ……まぁ、凄く不安だから、付いて行かないといけない気がするけどね。
「トルシャガ街は遠いのですか?」
「ヒズマに飛んでもらえば、一時間で着くぞ」
ヒズマというのは、ハヤブサ獣人で飛行系獣人の中ではトップの速さを誇っている人だ。
でもスピードがあり過ぎて、フリーレンの体では耐えきれないと思う。
「駄目です。まったく、行くにしても、私とヒナも付いていきますし、ヒズマさんはスピード狂なのでレンもヒナも吐き戻してしまいます。普通に馬車で行きますよ」
「ええ!? グーエン行く気なの?」
グーエンは笑顔で「当たり前じゃないですか? 折角、リヒトル団長の奢りで、しかも休みまで貰って旅行に行けるのですから」と、リヒトル団長を固まらせた。
まぁ、そうなるよねぇ。
そんな訳で、我が家はリヒトル団長のお陰? で、旅行へと出発することになった。
そう声を出して、グーエンの足元にしがみ付いた息子のフリーレンを、グーエンは片手でヒョイと持ち上げる。
フリーレンは1歳を過ぎて少しずつ意味のあるお喋りを始め、たまに赤ちゃん語で理解できない言葉もあるけれど、そこを含めて私もグーエンもフリーレンの言葉を理解しつつ、彼の成長を見守っている。
「レン。どうしました?」
「おじーじ、おじーじ」
「おじー……ああ、リヒトル団長ですか」
リヒトル団長は、グーエンの上司であり、グーエンの育ての親の一人。
フリーレンが指を差す方向を見れば、庭から手を振っているリヒトル団長が居る。
私が先に動くよりも早く、グーエンが窓を開けてリヒトル団長に眉をひそめた。
「リヒトル団長、また来たのですか? 仕事はどうしました?」
ズモモモモ……と、見えない何かでグーエンが威嚇し、リヒトル団長は茶目っ気のある顔で笑って、グーエンが腕に抱いていたフリーレンの頭を撫でる。
「オレはアレよ。そのだなー」
「おじーじ」
「おおぅ、フリーレンは可愛いなぁ。お爺ちゃんだぞー」
「あはー」
すっかり目元を下げてリヒトル団長は、フリーレンを本当の孫のように撫でまわす。
実際、グーエンの育ての親だから、孫のようなものかもしれないけれどね。
「リヒトル団長。上がっていきますか? お茶とお菓子でもどうですか?」
「おかし! おかしゃ! おかしー!」
「おっ、いいねぇ」
「ヒナ~……」
喜ぶフリーレンとリヒトル団長とは真逆に、一人ジト目でグーエンは不満そうな顔をするけど、尻尾が揺れているので、本気で嫌がっている訳では無いのだろう。
リヒトル団長に玄関に回ってもらい、リビングに入ってもらうとフリーレンがお気に入りの玩具を手に、リヒトル団長の元へ駆け寄っていた。
「まったく、レンは甘やかしてくれる人の所に、すぐに行くのですから」
「あら? じゃあ、私よりグーエンの方に行くから、グーエンはレンを甘やかしているのね?」
台所に付いてきたグーエンに意地悪く言うと、グーエンは首を横に振る。
グーエンとしては、父親らしく厳しく甘やかさずに育てたいらしい。でも、もう十分過ぎるほど、フリーレンを甘やかしているから、無駄な努力だと思う。
子供は可愛いから仕方がないけどね。
「ヒナ、私はレンをテラス家の長男として、立派に育てなくてはいけないと……」
「はい。ストップ。グーエン、レンはまだ小さいし、レンが自分からお父さんの背中を見て、育つようにしなきゃでしょ?」
「……はい」
「よし。では、お父さんは今は存分に息子を甘やかしてね?」
お茶を淹れたカップの載ったトレイをグーエンに渡し、私もお菓子を手にリビングへ戻る。
本日のオヤツはカボチャプリンである。秋に収穫したカボチャを軽く茹でて凍らせた物を、自然解凍で戻し、卵と牛乳とお砂糖でプリンにしてみました。
作り方は、解凍したカボチャを温め直して潰し、温めた牛乳の中に入れる。
そこへお砂糖を入れて、沸騰しないように気を付けて、溶いた卵を混ぜ合わせる。
あとは、ガーゼで三回程越して、滑らかになったらガラスの器に入れる。
お湯を張ったフライパンの上にガラスの容器を入れて、上に蓋をして十分程煮たたせて蒸し焼きにする。
そのまま放置で、お湯が冷めたら冷蔵庫へ入れる。
仕上げにお砂糖と水でカラメルを作り、上に掛ければ完成。
「プリンか」
「はい。カボチャのプリンです。もったりした舌触りが美味しいですよ」
「おかしー!」
「はいはい。レンはお利口さんにして頂戴。あげるから、ピョンピョンしないの」
フリーレンをリヒトル団長が膝に抱き、プリンを食べさせてくれる為に、久々に落ち着いておやつが食べられる。
いつもはフリーレンに食べさせて、自分が食べる時は、味わっている暇がなく入れるしかないから、非常に助かる。
「ああ、久々にゆっくり食べられる……」
「おっ、それなら、フリーレンをオレの所に少し預けてみないか?」
「え?」
「はい?」
私とグーエンがいきなりの事に目を瞬きさせると、リヒトル団長は「実は……」と、リアルな絵が描いてある紙を出してきた。
初老の虎獣人の男性と、そのお孫さんらしき、虎獣人の女の子が描かれている。
「これは?」
「こいつはオレの旧友で、ニコラ・エクトバールと、その孫のヒルデルカ・エクトバールだ。実は……孫自慢をされて……つい、フリーレンを連れて遊びに行くって言っちまったんだよ」
「ああ、成程……」
グーエンが呆れた顔でリヒトル団長を見て、私は眉を下げて「そういうこともあるよねぇ」と笑う。
「少しの間、トルシャガ街にフリーレンを連れて行きたいんだが……駄目か?」
「駄目も何も、レンはまだヒナと離れて過ごした事はありませんし、ヒナも不安でしょう?」
「んー、私はどちらでも大丈夫。ご飯とおしめのお世話が出来るなら……」
「ヒーナー……」
「だって、可愛い子には旅をさせよって言うじゃない?」
グーエンは鼻にしわを寄せて、こめかみを指で押さえて首を振る。
たまには、お母さんだってのんびりしたいのよ……まぁ、凄く不安だから、付いて行かないといけない気がするけどね。
「トルシャガ街は遠いのですか?」
「ヒズマに飛んでもらえば、一時間で着くぞ」
ヒズマというのは、ハヤブサ獣人で飛行系獣人の中ではトップの速さを誇っている人だ。
でもスピードがあり過ぎて、フリーレンの体では耐えきれないと思う。
「駄目です。まったく、行くにしても、私とヒナも付いていきますし、ヒズマさんはスピード狂なのでレンもヒナも吐き戻してしまいます。普通に馬車で行きますよ」
「ええ!? グーエン行く気なの?」
グーエンは笑顔で「当たり前じゃないですか? 折角、リヒトル団長の奢りで、しかも休みまで貰って旅行に行けるのですから」と、リヒトル団長を固まらせた。
まぁ、そうなるよねぇ。
そんな訳で、我が家はリヒトル団長のお陰? で、旅行へと出発することになった。
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