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5章
セイラン
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森の精霊の王セイラン。
もう、精霊の王族でキチンとした血筋で残っているのは森の精霊の王セイランと、水の精霊の王の2人だけだった
王達にとって、他の精霊の王族と婚姻を結ぶのは禁忌とされていた。
しかし大地の王と風の王の息子と娘が婚姻を結び、子供を成した。
生まれた子供は土と風の精霊の力を持った子供だった。
強力な力を持った子供に興味を抱いた水の王が、土と風の国を滅ぼし、その子供に無理やり自分の子供を産ませた。
その生まれた子供がサアユの父親だった。
父親は土・風・水の精霊の力を持っていたが、土も風も使い物と呼ぶには弱く、水の精霊の力のみ多少は使える程度の失敗作と水の王に言われていた。
だからなのか、サアユの父親は逃げ出すように村娘と駆け落ちをして子供を儲けた。
しかし、サアユの膨大な魔力は弱い精霊族では近寄れず、母親を殺してしまい、父親はサアユを連れて父王の元へ戻るしか出来なかった。
セイランの父王は水の王のやり方に異議を唱え、戦争になってしまった。
そして、水の王に殺され、セイランは森の王になり、サアユの父親を報復の意味で殺した。
仕上げとばかりに水の王族の血を根絶やしにするつもりで幽閉されたと噂されている隠された王女を求めてアクアトーネ都市に奇襲を仕掛けた。
アクアトーネ都市が近づけば近づく程に自分の心臓がうるさく、沸き上がる不思議な気持ちと高揚感にセイランは「武者震いか?」くらいの気持ちで居たが、アクアトーネ都市に着いた瞬間、解かった。
自分の『番』がこの街のどこかに居ると。
地下奥深くから、花の様な甘い香りと引き寄せられる感覚。
まさか、水の王の孫が自分の『番』とは驚いたが、王女は初めて見た海と太陽に「綺麗」と涙を流すほどに、何も知らず不遇を強いられてきた。
そんな王女にこれ以上、何かをしようとはセイランは思わなかった。
今までの不遇を自分が幸せな物に変えて行ってやりたい。
それがセイランがサアユに抱いた初めての想いだった。
サアユは出会ってから「アレは何?」と質問して来たり、自分で体験しようと色々と活動的に動いたりと、自由でいて強気で何者にも負けない強い意思を持っていた。
大抵の体験事は失敗したりしてセイランが慌てて駆けつける事が多かったが、サアユはそんな失敗事も笑い飛ばすぐらいには強い女性だった。
魔力は『番の義』で少し安定し、弱い精霊族にも害が無くなったが、相変わらず魔法は使えず、たった1つの魔法しか覚えることは無かった。
そして、魔法が使えない分、体術を極めていっていた。
もうセイランが相手をするのも無理なほどにサアユの体術は目を見張るものがあった。
妖艶で美しく精霊らしい見た目なのに武道派。
それがサアユだった。
「サアユ、また騎士団をいじめたんだって?」
森の国の王宮に戻ると、セイランが腰に手を当てて「出直しておいで!」と騎士団長に言い放つサアユに声を掛ける。
サアユはフフーンと、得意そうに笑いセイランに笑って見せる。
「私に勝てない様じゃセイランを守る騎士団とは言えないわ!」
「そうか。サアユが私を守ってくれるんだろ?」
「当たり前よ。ああ、でも真面目な話。戦力増強に人を雇い入れたいわ」
サアユがセイランに駆け寄り、おかえりなさいと抱きしめるとセイランからキスを送られサアユが微笑んで幸せそうに寄り添う。
「水の王が水人と亜人を集め始めたと聞くしな。増強は必要だな」
セイランにサアユが「なら私達は獣人とかどう?」と笑うとセイランも「考えておこう」と答えた。
まさかこの提案でハガネはサアユにスカウトされるとは思わなかったが・・・。
もう、精霊の王族でキチンとした血筋で残っているのは森の精霊の王セイランと、水の精霊の王の2人だけだった
王達にとって、他の精霊の王族と婚姻を結ぶのは禁忌とされていた。
しかし大地の王と風の王の息子と娘が婚姻を結び、子供を成した。
生まれた子供は土と風の精霊の力を持った子供だった。
強力な力を持った子供に興味を抱いた水の王が、土と風の国を滅ぼし、その子供に無理やり自分の子供を産ませた。
その生まれた子供がサアユの父親だった。
父親は土・風・水の精霊の力を持っていたが、土も風も使い物と呼ぶには弱く、水の精霊の力のみ多少は使える程度の失敗作と水の王に言われていた。
だからなのか、サアユの父親は逃げ出すように村娘と駆け落ちをして子供を儲けた。
しかし、サアユの膨大な魔力は弱い精霊族では近寄れず、母親を殺してしまい、父親はサアユを連れて父王の元へ戻るしか出来なかった。
セイランの父王は水の王のやり方に異議を唱え、戦争になってしまった。
そして、水の王に殺され、セイランは森の王になり、サアユの父親を報復の意味で殺した。
仕上げとばかりに水の王族の血を根絶やしにするつもりで幽閉されたと噂されている隠された王女を求めてアクアトーネ都市に奇襲を仕掛けた。
アクアトーネ都市が近づけば近づく程に自分の心臓がうるさく、沸き上がる不思議な気持ちと高揚感にセイランは「武者震いか?」くらいの気持ちで居たが、アクアトーネ都市に着いた瞬間、解かった。
自分の『番』がこの街のどこかに居ると。
地下奥深くから、花の様な甘い香りと引き寄せられる感覚。
まさか、水の王の孫が自分の『番』とは驚いたが、王女は初めて見た海と太陽に「綺麗」と涙を流すほどに、何も知らず不遇を強いられてきた。
そんな王女にこれ以上、何かをしようとはセイランは思わなかった。
今までの不遇を自分が幸せな物に変えて行ってやりたい。
それがセイランがサアユに抱いた初めての想いだった。
サアユは出会ってから「アレは何?」と質問して来たり、自分で体験しようと色々と活動的に動いたりと、自由でいて強気で何者にも負けない強い意思を持っていた。
大抵の体験事は失敗したりしてセイランが慌てて駆けつける事が多かったが、サアユはそんな失敗事も笑い飛ばすぐらいには強い女性だった。
魔力は『番の義』で少し安定し、弱い精霊族にも害が無くなったが、相変わらず魔法は使えず、たった1つの魔法しか覚えることは無かった。
そして、魔法が使えない分、体術を極めていっていた。
もうセイランが相手をするのも無理なほどにサアユの体術は目を見張るものがあった。
妖艶で美しく精霊らしい見た目なのに武道派。
それがサアユだった。
「サアユ、また騎士団をいじめたんだって?」
森の国の王宮に戻ると、セイランが腰に手を当てて「出直しておいで!」と騎士団長に言い放つサアユに声を掛ける。
サアユはフフーンと、得意そうに笑いセイランに笑って見せる。
「私に勝てない様じゃセイランを守る騎士団とは言えないわ!」
「そうか。サアユが私を守ってくれるんだろ?」
「当たり前よ。ああ、でも真面目な話。戦力増強に人を雇い入れたいわ」
サアユがセイランに駆け寄り、おかえりなさいと抱きしめるとセイランからキスを送られサアユが微笑んで幸せそうに寄り添う。
「水の王が水人と亜人を集め始めたと聞くしな。増強は必要だな」
セイランにサアユが「なら私達は獣人とかどう?」と笑うとセイランも「考えておこう」と答えた。
まさかこの提案でハガネはサアユにスカウトされるとは思わなかったが・・・。
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