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5章
霧の中 ※微々R18
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「くしゅんっ」
小さなクシャミをしながら朱里が霧靄の中を歩く。
カラコロと下駄の音をさせて、あてどもなく歩いていく。
(・・・あれ?私、どうしたんだっけ?)
霧靄と同じ様に自分の頭にも靄がかかった様に思い出せない。
自分の恰好を見下ろせば、【刻狼亭】の女将の着る白い着物姿だった。
最近は休業中という事もあり、洋服で過ごしていたはずなのになぜだろう?と、朱里は頭をひねる。
(それにしても、寒いなぁ・・・ここ)
ブルッと体を震わせて自分自身を抱きしめる様に両腕をさすりながら歩く。
ズキンと、なぜか胸がたまに痛くなる。
(なにか忘れている気がするんだけど、何だっけ?)
ズキンとまた心臓が痛くなる。
心臓の上の方がズキンとするたびに泣きそうになる。
カラコロ・・・。
(私、どこに向かっていたんだっけ?)
向かう宛ても解らないのに足は動いていく。
霧靄の中を小さな灯りが見える。
ようやく物が見えた安心感に朱里の足は速くなる。
こんな寒い場所は嫌だと必死に足を速めたが寒さは増して指先が冷たくなる。
「ケホッ、ケホッ、くしゅん」
ズズッと鼻をすすり、朱里が咳とクシャミをしながら着物の裾で鼻を押さえる。
(寒いし、クシャミ出るし、咳は出るし・・・風邪かな?)
そこで、ハタッと思い出す。
そういえば、ここ2日くらい少し熱っぽくて風邪かもしれないと言われてなかっただろうか?
夏と秋の季節の境目で体調を崩したのかもしれないと思っていたんだった・・・。
アルビーが帰ってくるまであと2日くらいだから特殊ポーションを飲んだんだった。
治らなかったんだろうか?
また胸がズキンと痛んで、足が止まる。
涙がポロっと目から溢れて、首をかしげる。
「ケホッ、コホッ、コホッ」
咳が出て喉に痛みが出る。
(ああ、咳で喉が切れたのかも?喉が鉄さびの味がする)
寒さが酷くなってしゃがみ込むとそれ以上は歩けなくて歯がカチカチと音を立てる。
胸の痛みがズキンと跳ね上がり、この痛みに覚えがある事に気付く。
(竜人国に連れ去られた時にルーファスの事を考える度に走っていた胸の痛みに似てる。あとルーファスと初めて夫婦喧嘩した時の胸の痛みにも似てる)
そういえばルーファスは何処に行ったんだろう?
最近はいつも一緒に居たのに、何で今一緒に居ないんだろう?
手足の冷たさと背筋のゾクゾクとした寒さに両手に息を吐きかければ、肺の奥まで入り込んだような鉄さびた痛みのある吐息に息苦しさを感じる。
胸がズキズキして痛い。
(ルーファス、ルーファス何処にいるの?怖いよ!)
全身が痛くなり、スッと冷水を浴びせられたように全身が冷たくなる。
その場に倒れ込んで胸を押さえると、胸の痛みが激しくなる。
(怖い。ここ何処?何なの?ルーファス助けて!)
「・・・あっ」
目の前が真っ暗になるとまるで自分の口から息が出ていく様に吸い取られていく。
(息が・・・出来ない・・・)
「・・・」
何も考えられなくなって、じっとしていると胸がズキリと痛み、口の中が甘くなる。
胸が痛い。
ズキズキして胸が痛い。
「ぁ・・・」
口の中の甘さと共に肺に無理やり息を吹き込まれたような息苦しさに空気が戻る。
(何だったんだろう今の?それに、この甘さはルーファスのキスの味だ)
ペロッと口の中を味わえば広がる甘さは鉄さびた味と番同士の甘いキスの味だ。
しかし、体の寒さは変わらない。
ふいに体がポカポカし始め、目の前に灯りが現れる。
(あっ、温かい)
包み込まれるような温かさ、安心する。
(胸がまた痛いけど、この温かさは好きだな)
霧靄の中で不意に誰かに手を引かれて起こされた。
身じろぎをするとグッと誰かが布団の中で抱きしめている。
「アカリ、アカリ!目を覚ましたか?!」
涙でボロボロのルーファスが朱里を抱きしめていた。
「ルーファス・・・?」
裸のルーファスに布団の中で抱きしめられて泣かれている状態に朱里は混乱しかない。
ルーファスが朱里のオデコに手を当ててホッと息を吐く。
「どうしたの?ルーファス大丈夫?」
ルーファスに泣きながら「まったく」と苦笑いされて朱里は首をひねる。
「大丈夫じゃないのはアカリだ。アカリは風邪を悪化させて1回心臓が止まったんだぞ?アルビーが帰ってくるのがあと少し遅かったら、本当に危なかったんだからな!」
「私、特殊ポーションちゃんと飲んだじゃない?治らなかったの?」
ルーファスがギュッとまた朱里を抱きしめると「何日前の話だ」と涙声で言われる。
「アカリは風邪気味だからとポーションを飲んだ後に、また風邪を新たに引いてずっと寝込んでいたんだ。アルビーが帰国を2日遅らせたせいでアカリは悪化して体は冷たくなっていくし、息をしなくなるし・・・オレを置いてどこにもいくな・・・頼むから」
「ごめんなさい・・・」
朱里がルーファスの涙を手で拭き取ると、またルーファスが涙を溢れさせる。
(夢の中で胸がズキズキと痛かったのはきっとルーファスの声に私の心が反応していたからだったんだ・・・何度も痛くなったから、ルーファス何回も声を掛けてくれてたのかな?)
「ルーファス、心配かけてごめんなさい」
「もう大丈夫ならそれでいい。痛い所は無いか?」
朱里の髪を撫で上げてルーファスが朱里の顔を覗くと、朱里もルーファスの顔を覗き込む。
「多分、大丈夫・・・あの、ルーファス、何で私とルーファス裸なの?」
「アカリの体温が急激に冷たくなって裸で温め合った方が早かったからだ」
(ああ、雪山で裸で温め合うと良いとかたまに漫画で見るアレかな?)
「あと・・・何で私の中にルーファスの・・・アレが挿ってるの・・・?」
「番に生命力を分けるのに手っ取り早い方法がこれだった」
(最近は割りと私達プラトニックな感じだった・・・はずだよね?)
「えーと・・・もう大丈夫だと思うよ?」
「なら、いいか?」
ルーファスの顔が近づき唇が合わさると、さっきの夢の中で感じた甘みが口に広がる。
(んっ・・・大丈夫って意味通じてるよね?)
腰をグッと押し付けられるとすでに挿入されているモノがゴリっと膣内の奥であたる。
「あっ、ちがっ・・・んっ」
「アカリ、やっぱりアカリは反応があった方が可愛いな」
ルーファスがゆっくりと腰を動かすと、既に何度かされた後なのか卑猥な水音が響く。
直ぐに体は上気し、受け入れてしまい久々の行為も直ぐに絶頂を迎える。
(やっぱり、意味が違う・・・もう生命力はいいから抜いてって事だったのに・・・でも、これはきっと切っ掛け。あのままでは先に進めないから・・・私も怖がってばかりじゃダメだよね)
小さなクシャミをしながら朱里が霧靄の中を歩く。
カラコロと下駄の音をさせて、あてどもなく歩いていく。
(・・・あれ?私、どうしたんだっけ?)
霧靄と同じ様に自分の頭にも靄がかかった様に思い出せない。
自分の恰好を見下ろせば、【刻狼亭】の女将の着る白い着物姿だった。
最近は休業中という事もあり、洋服で過ごしていたはずなのになぜだろう?と、朱里は頭をひねる。
(それにしても、寒いなぁ・・・ここ)
ブルッと体を震わせて自分自身を抱きしめる様に両腕をさすりながら歩く。
ズキンと、なぜか胸がたまに痛くなる。
(なにか忘れている気がするんだけど、何だっけ?)
ズキンとまた心臓が痛くなる。
心臓の上の方がズキンとするたびに泣きそうになる。
カラコロ・・・。
(私、どこに向かっていたんだっけ?)
向かう宛ても解らないのに足は動いていく。
霧靄の中を小さな灯りが見える。
ようやく物が見えた安心感に朱里の足は速くなる。
こんな寒い場所は嫌だと必死に足を速めたが寒さは増して指先が冷たくなる。
「ケホッ、ケホッ、くしゅん」
ズズッと鼻をすすり、朱里が咳とクシャミをしながら着物の裾で鼻を押さえる。
(寒いし、クシャミ出るし、咳は出るし・・・風邪かな?)
そこで、ハタッと思い出す。
そういえば、ここ2日くらい少し熱っぽくて風邪かもしれないと言われてなかっただろうか?
夏と秋の季節の境目で体調を崩したのかもしれないと思っていたんだった・・・。
アルビーが帰ってくるまであと2日くらいだから特殊ポーションを飲んだんだった。
治らなかったんだろうか?
また胸がズキンと痛んで、足が止まる。
涙がポロっと目から溢れて、首をかしげる。
「ケホッ、コホッ、コホッ」
咳が出て喉に痛みが出る。
(ああ、咳で喉が切れたのかも?喉が鉄さびの味がする)
寒さが酷くなってしゃがみ込むとそれ以上は歩けなくて歯がカチカチと音を立てる。
胸の痛みがズキンと跳ね上がり、この痛みに覚えがある事に気付く。
(竜人国に連れ去られた時にルーファスの事を考える度に走っていた胸の痛みに似てる。あとルーファスと初めて夫婦喧嘩した時の胸の痛みにも似てる)
そういえばルーファスは何処に行ったんだろう?
最近はいつも一緒に居たのに、何で今一緒に居ないんだろう?
手足の冷たさと背筋のゾクゾクとした寒さに両手に息を吐きかければ、肺の奥まで入り込んだような鉄さびた痛みのある吐息に息苦しさを感じる。
胸がズキズキして痛い。
(ルーファス、ルーファス何処にいるの?怖いよ!)
全身が痛くなり、スッと冷水を浴びせられたように全身が冷たくなる。
その場に倒れ込んで胸を押さえると、胸の痛みが激しくなる。
(怖い。ここ何処?何なの?ルーファス助けて!)
「・・・あっ」
目の前が真っ暗になるとまるで自分の口から息が出ていく様に吸い取られていく。
(息が・・・出来ない・・・)
「・・・」
何も考えられなくなって、じっとしていると胸がズキリと痛み、口の中が甘くなる。
胸が痛い。
ズキズキして胸が痛い。
「ぁ・・・」
口の中の甘さと共に肺に無理やり息を吹き込まれたような息苦しさに空気が戻る。
(何だったんだろう今の?それに、この甘さはルーファスのキスの味だ)
ペロッと口の中を味わえば広がる甘さは鉄さびた味と番同士の甘いキスの味だ。
しかし、体の寒さは変わらない。
ふいに体がポカポカし始め、目の前に灯りが現れる。
(あっ、温かい)
包み込まれるような温かさ、安心する。
(胸がまた痛いけど、この温かさは好きだな)
霧靄の中で不意に誰かに手を引かれて起こされた。
身じろぎをするとグッと誰かが布団の中で抱きしめている。
「アカリ、アカリ!目を覚ましたか?!」
涙でボロボロのルーファスが朱里を抱きしめていた。
「ルーファス・・・?」
裸のルーファスに布団の中で抱きしめられて泣かれている状態に朱里は混乱しかない。
ルーファスが朱里のオデコに手を当ててホッと息を吐く。
「どうしたの?ルーファス大丈夫?」
ルーファスに泣きながら「まったく」と苦笑いされて朱里は首をひねる。
「大丈夫じゃないのはアカリだ。アカリは風邪を悪化させて1回心臓が止まったんだぞ?アルビーが帰ってくるのがあと少し遅かったら、本当に危なかったんだからな!」
「私、特殊ポーションちゃんと飲んだじゃない?治らなかったの?」
ルーファスがギュッとまた朱里を抱きしめると「何日前の話だ」と涙声で言われる。
「アカリは風邪気味だからとポーションを飲んだ後に、また風邪を新たに引いてずっと寝込んでいたんだ。アルビーが帰国を2日遅らせたせいでアカリは悪化して体は冷たくなっていくし、息をしなくなるし・・・オレを置いてどこにもいくな・・・頼むから」
「ごめんなさい・・・」
朱里がルーファスの涙を手で拭き取ると、またルーファスが涙を溢れさせる。
(夢の中で胸がズキズキと痛かったのはきっとルーファスの声に私の心が反応していたからだったんだ・・・何度も痛くなったから、ルーファス何回も声を掛けてくれてたのかな?)
「ルーファス、心配かけてごめんなさい」
「もう大丈夫ならそれでいい。痛い所は無いか?」
朱里の髪を撫で上げてルーファスが朱里の顔を覗くと、朱里もルーファスの顔を覗き込む。
「多分、大丈夫・・・あの、ルーファス、何で私とルーファス裸なの?」
「アカリの体温が急激に冷たくなって裸で温め合った方が早かったからだ」
(ああ、雪山で裸で温め合うと良いとかたまに漫画で見るアレかな?)
「あと・・・何で私の中にルーファスの・・・アレが挿ってるの・・・?」
「番に生命力を分けるのに手っ取り早い方法がこれだった」
(最近は割りと私達プラトニックな感じだった・・・はずだよね?)
「えーと・・・もう大丈夫だと思うよ?」
「なら、いいか?」
ルーファスの顔が近づき唇が合わさると、さっきの夢の中で感じた甘みが口に広がる。
(んっ・・・大丈夫って意味通じてるよね?)
腰をグッと押し付けられるとすでに挿入されているモノがゴリっと膣内の奥であたる。
「あっ、ちがっ・・・んっ」
「アカリ、やっぱりアカリは反応があった方が可愛いな」
ルーファスがゆっくりと腰を動かすと、既に何度かされた後なのか卑猥な水音が響く。
直ぐに体は上気し、受け入れてしまい久々の行為も直ぐに絶頂を迎える。
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