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14章
狂った果実22
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蔦に絡めとられて「何事?!」と目を丸くする朱里にドラゴン達もルーファス達も目を丸くする。
蔦はケイトから出ていて、蔦は小さな赤い蕾をポンポンと付けて行く。
「えーと・・・助けて?」
朱里が眉を下げてどうすればいいのかをドラゴン達に聞く。
ドラゴン達も困惑している為にどうすればいいのかお互いに目線でどうしよう?と言い合っている。
「アカリ、きつかったりするか?」
「きつくは無いかな?ただ、ピッタリとケイトにくっついてるかな?」
「ふむ・・・」
ザブザブと温泉にルーファスが入り朱里の絡めとられている蔦を手で少し引っ張ってみる。
ペイッと、ルーファスの手を振り払い蔦は朱里の体にピタッと張り付く。
「・・・ケイト、アカリはオレの番だ。返せ」
ルーファスが手をゴキゴキと鳴らしながら蔦を手にとると、ドラゴン達が一斉にルーファスを止めに掛かる。
「わーっ!ルーファス待って!待って!」
「わーっ!ルー落ち着いて!」
「主は心が狭いのぅ」
「ケイト!嫁は我の物だ!」
「皆落ち着けよ!」
リュエールとシュトラールはお互いにどうすべきか左右に首を傾げて「どうしよっか?」と言い合っている。
「ケイト、ちゃんと生きているのよね?兄さんはここに居るわ」
ケルチャがケイトの首に手を回して抱きつくと、朱里に巻き付いていた蔦の蕾がポンと花を咲かせていく。
ケイトの体の色が戻っていき、ケイトの目が開き金色の目がケルチャを捕えると目を瞬かせる。
「兄さん・・・」
「ああ。良かった!ケイト!」
「此処は?・・・凄く熱いわ」
「ここは温泉大陸の温泉の中よ」
ケイトが体を起こして周りを見回すと、黒い狼獣人を止める同朋のドラゴン達に黒い狼獣人の子供が2人。
何が起きたのか?と、ケイトは首を傾げる。
「あのー・・・私をそろそろ放してはいただけないでしょうかー・・・」
「ん?何この子?なんでわたしに張り付いてるの?」
自分の体にピッタリと蔦で張り付いている朱里にケイトが眉間にしわを寄せる。
好きで張り付いているんじゃなくてケイトのせいなのだけど?と、ツッコミたいところだが、朱里は大人しく蔦を解いてくれるのを待つ。
「あー、あーっ!この子、覚えがあるわ!」
「ふぇ?初対面ですよ?」
「ドリアードの狂人の中で見たわ。わたし達を解放してくれた子でしょ?あなた」
朱里が首を傾げ、ルーファスが「【核】を噛み砕いて【魔果】から解放したという事だろう?」と言い換えると、ケイトが目を細めて頷く。
「えと、あんまり覚えていません・・・と、いうか恥ずかしいので忘れてください・・・」
食い意地で【魔果】の実を食べてしまった朱里としては羞恥で死んでしまいそうなのでやめてくださいというところである。
「わたし達はあのドリアードの狂人に捕らえられてずっと狂人の中で足掻いていたの。狂人の見る物も共有していたから、あなたが狂人が最後に見た子。狂人が驚いてたわ。また【核】を切り離して逃げるつもりが、食べちゃうし、【核】を砕いて狂人を消滅させてしまうんだもの。砕いた時点であなたに乗り移ろうとしてたのに、あなた、【核】を浄化してしまうんだもの。狂人の中でわたし達は拍手喝采しながら、解放されていったわ」
「ううっ、本当に勘弁してくださぃ・・・」
プシュー・・・と朱里が耳まで赤くしてガクリと項垂れる。
「他の捕らわれていた人達を代表してお礼を言わないとね。ありがとう。これでわたし達は自由だわ」
「いえいえ、どういたしまして、です・・・ううっ恥ずかしい」
芋づる式に自分が【魔果】を食べた後のワガママっぷりを思い出して朱里が記憶を消してーっと叫びたい気持ちでぐったりとする。あの後、ハガネに「アカリさんは今日はどうするんだ?」と事あるごとにさん付けされて揶揄われたのだ。性格の良い従者である。
「兄さん、お別れだわ。色々迷惑かけちゃってごめんね」
「え?何言ってるのよ?!だって、アンタ生きてるでしょ?!」
「体がもう持たないわ。何百年経ったと思ってるの?」
「嫌よ!アンタ助ける為にこんなに皆必死になったのよ?!」
ケイトが小さくため息を吐いて笑い「ごめんなさいね」とケルチャの頭に頭を擦り付ける。
「あのまま狂人の中で死んでしまうより、こうして外で大好きな兄さんの顔が見れて同朋にも会えたし、助けてくれた子にもお礼が言えたから満足よ」
ゆるゆると朱里を絡めとっていた蔦が解け、ルーファスが朱里を引き寄せたのを見てケイトが「ありがとう」と笑顔をむける。
ルーファスが手の平から鍵を出すと空間を開け手を探り、実を一つ取り出す。
「『竜の癒し木』の実があれば卵に孵れるか?」
ケイトが目を丸くして頷くと、ルーファスがケイトに実を放り投げる。
ケイトが実を食べるとケイトの体がゆっくりと崩れていく。
温泉の中に赤い花が浮かび、蔦が絡まった茶色い卵がプカプカと浮く。
ケルチャが卵を拾い上げると朱里とルーファスの元へやってくる。
「アタシ達、兄妹の契約は『兄妹を助けた者に仕える』よ。アカリ、ルーファス、アンタ達夫婦に仕える事を約束するわ。アタシは木竜ケルチャ、花竜ケイトはアンタ達の従者よ」
蔦はケイトから出ていて、蔦は小さな赤い蕾をポンポンと付けて行く。
「えーと・・・助けて?」
朱里が眉を下げてどうすればいいのかをドラゴン達に聞く。
ドラゴン達も困惑している為にどうすればいいのかお互いに目線でどうしよう?と言い合っている。
「アカリ、きつかったりするか?」
「きつくは無いかな?ただ、ピッタリとケイトにくっついてるかな?」
「ふむ・・・」
ザブザブと温泉にルーファスが入り朱里の絡めとられている蔦を手で少し引っ張ってみる。
ペイッと、ルーファスの手を振り払い蔦は朱里の体にピタッと張り付く。
「・・・ケイト、アカリはオレの番だ。返せ」
ルーファスが手をゴキゴキと鳴らしながら蔦を手にとると、ドラゴン達が一斉にルーファスを止めに掛かる。
「わーっ!ルーファス待って!待って!」
「わーっ!ルー落ち着いて!」
「主は心が狭いのぅ」
「ケイト!嫁は我の物だ!」
「皆落ち着けよ!」
リュエールとシュトラールはお互いにどうすべきか左右に首を傾げて「どうしよっか?」と言い合っている。
「ケイト、ちゃんと生きているのよね?兄さんはここに居るわ」
ケルチャがケイトの首に手を回して抱きつくと、朱里に巻き付いていた蔦の蕾がポンと花を咲かせていく。
ケイトの体の色が戻っていき、ケイトの目が開き金色の目がケルチャを捕えると目を瞬かせる。
「兄さん・・・」
「ああ。良かった!ケイト!」
「此処は?・・・凄く熱いわ」
「ここは温泉大陸の温泉の中よ」
ケイトが体を起こして周りを見回すと、黒い狼獣人を止める同朋のドラゴン達に黒い狼獣人の子供が2人。
何が起きたのか?と、ケイトは首を傾げる。
「あのー・・・私をそろそろ放してはいただけないでしょうかー・・・」
「ん?何この子?なんでわたしに張り付いてるの?」
自分の体にピッタリと蔦で張り付いている朱里にケイトが眉間にしわを寄せる。
好きで張り付いているんじゃなくてケイトのせいなのだけど?と、ツッコミたいところだが、朱里は大人しく蔦を解いてくれるのを待つ。
「あー、あーっ!この子、覚えがあるわ!」
「ふぇ?初対面ですよ?」
「ドリアードの狂人の中で見たわ。わたし達を解放してくれた子でしょ?あなた」
朱里が首を傾げ、ルーファスが「【核】を噛み砕いて【魔果】から解放したという事だろう?」と言い換えると、ケイトが目を細めて頷く。
「えと、あんまり覚えていません・・・と、いうか恥ずかしいので忘れてください・・・」
食い意地で【魔果】の実を食べてしまった朱里としては羞恥で死んでしまいそうなのでやめてくださいというところである。
「わたし達はあのドリアードの狂人に捕らえられてずっと狂人の中で足掻いていたの。狂人の見る物も共有していたから、あなたが狂人が最後に見た子。狂人が驚いてたわ。また【核】を切り離して逃げるつもりが、食べちゃうし、【核】を砕いて狂人を消滅させてしまうんだもの。砕いた時点であなたに乗り移ろうとしてたのに、あなた、【核】を浄化してしまうんだもの。狂人の中でわたし達は拍手喝采しながら、解放されていったわ」
「ううっ、本当に勘弁してくださぃ・・・」
プシュー・・・と朱里が耳まで赤くしてガクリと項垂れる。
「他の捕らわれていた人達を代表してお礼を言わないとね。ありがとう。これでわたし達は自由だわ」
「いえいえ、どういたしまして、です・・・ううっ恥ずかしい」
芋づる式に自分が【魔果】を食べた後のワガママっぷりを思い出して朱里が記憶を消してーっと叫びたい気持ちでぐったりとする。あの後、ハガネに「アカリさんは今日はどうするんだ?」と事あるごとにさん付けされて揶揄われたのだ。性格の良い従者である。
「兄さん、お別れだわ。色々迷惑かけちゃってごめんね」
「え?何言ってるのよ?!だって、アンタ生きてるでしょ?!」
「体がもう持たないわ。何百年経ったと思ってるの?」
「嫌よ!アンタ助ける為にこんなに皆必死になったのよ?!」
ケイトが小さくため息を吐いて笑い「ごめんなさいね」とケルチャの頭に頭を擦り付ける。
「あのまま狂人の中で死んでしまうより、こうして外で大好きな兄さんの顔が見れて同朋にも会えたし、助けてくれた子にもお礼が言えたから満足よ」
ゆるゆると朱里を絡めとっていた蔦が解け、ルーファスが朱里を引き寄せたのを見てケイトが「ありがとう」と笑顔をむける。
ルーファスが手の平から鍵を出すと空間を開け手を探り、実を一つ取り出す。
「『竜の癒し木』の実があれば卵に孵れるか?」
ケイトが目を丸くして頷くと、ルーファスがケイトに実を放り投げる。
ケイトが実を食べるとケイトの体がゆっくりと崩れていく。
温泉の中に赤い花が浮かび、蔦が絡まった茶色い卵がプカプカと浮く。
ケルチャが卵を拾い上げると朱里とルーファスの元へやってくる。
「アタシ達、兄妹の契約は『兄妹を助けた者に仕える』よ。アカリ、ルーファス、アンタ達夫婦に仕える事を約束するわ。アタシは木竜ケルチャ、花竜ケイトはアンタ達の従者よ」
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