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15章
取調室の妖精
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引きずる様にして連れてこられたのは、黒い東の方にある国の建築物のお店で、森の中だと思っていた場所は意外にも直ぐに街中に繋がっていた。
白い壁のある地下にある取調室に連れてこられて、薄い黄色の髪のにこやかな青年と小さな魔族に今までの経緯を話す事になった。
「転移魔法ですか~小鬼知ってます?」
「一応ある事は知っていますが、今でも使える人が居るのは驚きです!流石はエルフというところでしょうかね?その情報僕他の小鬼にも喋って良いですか?!」
「ん~。少し情報をちゃんと精査してからにしましょうねぇ~」
目を輝かせる小鬼に青年は指で頭を撫でて、目を細めた後でキリンの方へ向ける顔は表情自体は笑っているが目は笑っていない。
なんて身内贔屓がハッキリした青年だろうとキリンは思う。
「この大陸は温泉大陸と言って入国審査をして書類と入国許可証が無いと入れない所なんですよ~。あなたは密入国者という事になりますねぇ」
「そんな!わたしはそんなつもりも無いし、調べて貰えば悪いエルフじゃないのは解ってもらえると思うの!」
青年は少し眉を下げて書類を出す。
書類にはキリンが先程手に掛けようとした鳥の精密な絵と保護鳥であること、禁猟されていること、密猟など犯した場合は罰金刑が課せられることが書かれている。
「嘘ぉ・・・あんな鳥に150金貨(1金貨10万円)」
「残念ながらこの温泉大陸でしか生きられない保護鳥ですのでぇ~」
「こんなお金無い!」
「あはは~困りましたねぇ」
笑い事では無いのに、青年は楽しそうにキリンに笑う。
性格悪いんじゃないだろうか?とキリンは泣きたくなる。知らなかったんだから仕方がないじゃないかと思う。
あと、朝ご飯も食べてなかったから、丁度いい朝食に見えたのもある。
「まぁ、あなたの場合は~、この温泉大陸の当主一族に矢を向けましたからねぇ。それが一番問題かと思いますよぉ~」
「あの人達はそんなに偉いの?当主って村長クラスの島を仕切る人じゃないの?」
「まぁ、この大陸は少し変わっていますが、いうなれば国王一族に弓を向けた・・・と、説明すれば早いですか~?」
ゴンッとキリンは白いテーブルに頭をぶつける。
密入国者で密猟者で国王暗殺未遂・・・の3コンボを決めたというところだろうか?
「お金なんか逆さに振ってもでないです・・・」
「でしょうねぇ~。交渉は当主とするしかないでしょうが、当主の番を害した事でかなり激怒していますからぁ・・・最悪、あなたの住んでいたエルフの森が潰されても仕方がないレベルかもしれません~」
ニコッと笑って青年が書類をトントンと整える。
恐ろしい事をサラッと言わないで欲しい。キリンは好きで自分の村を出たわけでは無い。
人の話を聞かないネリリスお婆ちゃんが全て悪いのだ。
占い師で村の事は全て占いで決めてしまう村の生き字引のお婆ちゃん。
自分の祖母では無いが、小さな頃からネリリスお婆ちゃんの決めた事は絶対で、逆らう事は許されないのだ。
そういえば運命の伴侶は黒い獣とか何とか言っていた気もするけれど、ネリリスお婆ちゃんのせいで伴侶どころか自分は借金まみれの犯罪者になりそうです。
ネリリスお婆ちゃんは少しボケてきたんじゃないかな?と、思う事もしばしばあるくらいに言動がちょっとアレなところがある。でも、災害や収穫の時期などはネリリスお婆ちゃんは外したことが無い。
運命の黒い獣・・・そういえばあの少年も黒い髪に耳も黒だった。
背の高い方も。黒い狼獣人に顔が似ていたから親子だろうか?
それをいうなら、少女も少年も似た顔をしていた。でも少女には耳はなかったし・・・関係性がよくわからない。
「とりあえず、ここであなたから聞いた事を報告しに行きますのでぇ、あなたにはもうしばらくここに居てもらいますね~」
「はい・・・」
「逃げてもいいんですけどぉ、追われるだけなのでぇ気を付けて下さいねぇ~。小鬼行きましょうか~」
「はい。テンさん」
小鬼が男の手から肩に乗ると鼻歌交じり「エルフの情報欲しいです!」と声を上げている。
青年が部屋から出ていくと、キリンはどっと疲れが出てテーブルの上に頬をつけながら「あー・・・」と声を出す。
「家に・・・帰りたい・・・」
これがネリリスお婆ちゃんに叩き起こされる前の夢の中ならばどれだけ幸せな事か。
「ハァー・・・でもあの鳥には悪い事しちゃったな」
確かに保護されている鳥ならばあの少年が怒るのは無理ないよねーと、ため息を吐く。密猟者呼ばわりも致し方が無い。
「人に矢が当たらなくて良かった・・・」
いや、あの黒い狼の背中にかすっていたので多分、背中に傷が出来ているはずだ。
これも慰謝料発生とかしちゃうのかなー・・・ううっ、わたしは村で引きこもっていたい!
本当に、お家に帰りたい。
白い壁のある地下にある取調室に連れてこられて、薄い黄色の髪のにこやかな青年と小さな魔族に今までの経緯を話す事になった。
「転移魔法ですか~小鬼知ってます?」
「一応ある事は知っていますが、今でも使える人が居るのは驚きです!流石はエルフというところでしょうかね?その情報僕他の小鬼にも喋って良いですか?!」
「ん~。少し情報をちゃんと精査してからにしましょうねぇ~」
目を輝かせる小鬼に青年は指で頭を撫でて、目を細めた後でキリンの方へ向ける顔は表情自体は笑っているが目は笑っていない。
なんて身内贔屓がハッキリした青年だろうとキリンは思う。
「この大陸は温泉大陸と言って入国審査をして書類と入国許可証が無いと入れない所なんですよ~。あなたは密入国者という事になりますねぇ」
「そんな!わたしはそんなつもりも無いし、調べて貰えば悪いエルフじゃないのは解ってもらえると思うの!」
青年は少し眉を下げて書類を出す。
書類にはキリンが先程手に掛けようとした鳥の精密な絵と保護鳥であること、禁猟されていること、密猟など犯した場合は罰金刑が課せられることが書かれている。
「嘘ぉ・・・あんな鳥に150金貨(1金貨10万円)」
「残念ながらこの温泉大陸でしか生きられない保護鳥ですのでぇ~」
「こんなお金無い!」
「あはは~困りましたねぇ」
笑い事では無いのに、青年は楽しそうにキリンに笑う。
性格悪いんじゃないだろうか?とキリンは泣きたくなる。知らなかったんだから仕方がないじゃないかと思う。
あと、朝ご飯も食べてなかったから、丁度いい朝食に見えたのもある。
「まぁ、あなたの場合は~、この温泉大陸の当主一族に矢を向けましたからねぇ。それが一番問題かと思いますよぉ~」
「あの人達はそんなに偉いの?当主って村長クラスの島を仕切る人じゃないの?」
「まぁ、この大陸は少し変わっていますが、いうなれば国王一族に弓を向けた・・・と、説明すれば早いですか~?」
ゴンッとキリンは白いテーブルに頭をぶつける。
密入国者で密猟者で国王暗殺未遂・・・の3コンボを決めたというところだろうか?
「お金なんか逆さに振ってもでないです・・・」
「でしょうねぇ~。交渉は当主とするしかないでしょうが、当主の番を害した事でかなり激怒していますからぁ・・・最悪、あなたの住んでいたエルフの森が潰されても仕方がないレベルかもしれません~」
ニコッと笑って青年が書類をトントンと整える。
恐ろしい事をサラッと言わないで欲しい。キリンは好きで自分の村を出たわけでは無い。
人の話を聞かないネリリスお婆ちゃんが全て悪いのだ。
占い師で村の事は全て占いで決めてしまう村の生き字引のお婆ちゃん。
自分の祖母では無いが、小さな頃からネリリスお婆ちゃんの決めた事は絶対で、逆らう事は許されないのだ。
そういえば運命の伴侶は黒い獣とか何とか言っていた気もするけれど、ネリリスお婆ちゃんのせいで伴侶どころか自分は借金まみれの犯罪者になりそうです。
ネリリスお婆ちゃんは少しボケてきたんじゃないかな?と、思う事もしばしばあるくらいに言動がちょっとアレなところがある。でも、災害や収穫の時期などはネリリスお婆ちゃんは外したことが無い。
運命の黒い獣・・・そういえばあの少年も黒い髪に耳も黒だった。
背の高い方も。黒い狼獣人に顔が似ていたから親子だろうか?
それをいうなら、少女も少年も似た顔をしていた。でも少女には耳はなかったし・・・関係性がよくわからない。
「とりあえず、ここであなたから聞いた事を報告しに行きますのでぇ、あなたにはもうしばらくここに居てもらいますね~」
「はい・・・」
「逃げてもいいんですけどぉ、追われるだけなのでぇ気を付けて下さいねぇ~。小鬼行きましょうか~」
「はい。テンさん」
小鬼が男の手から肩に乗ると鼻歌交じり「エルフの情報欲しいです!」と声を上げている。
青年が部屋から出ていくと、キリンはどっと疲れが出てテーブルの上に頬をつけながら「あー・・・」と声を出す。
「家に・・・帰りたい・・・」
これがネリリスお婆ちゃんに叩き起こされる前の夢の中ならばどれだけ幸せな事か。
「ハァー・・・でもあの鳥には悪い事しちゃったな」
確かに保護されている鳥ならばあの少年が怒るのは無理ないよねーと、ため息を吐く。密猟者呼ばわりも致し方が無い。
「人に矢が当たらなくて良かった・・・」
いや、あの黒い狼の背中にかすっていたので多分、背中に傷が出来ているはずだ。
これも慰謝料発生とかしちゃうのかなー・・・ううっ、わたしは村で引きこもっていたい!
本当に、お家に帰りたい。
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