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16章
父親離れ
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ロックヘルから戻る時、宝玉竜のファルヒュームと小人から岩喰虫の被害と窃盗に入られた件はエフリの都市全体の管理を見直す為にも小鬼と協力体制で全ての財貨の所在を明らかにしてエフリの都市、ロックヘルの元へ戻すと宣言していた。
その為に温泉大陸の小鬼はロックヘルに一時預かりになったのである。
これに関してはテンが自分も残ると言い、休暇申請まで出してきたので仕方なく、テンと小鬼がエフリの都市に残して行く事になった。
【刻狼亭】でも協力して事に当たるとは言っているが、基本、【刻狼亭】は釣書の問題と13代目の印を取り戻す為に動くので他の財貨に関してはファルヒュームと小人の仕事だと思っている。
「テン、小鬼何かあれば腕輪で連絡を」
「はい。わかってますよ~」
「僕、頑張ります!」
ルーファスはこれ以上は【刻狼亭】を留守にするわけにもいかず、一時撤退になり温泉大陸に戻る事になった。
獣騎のザックに乗り2日かけて温泉大陸に戻ると、【刻狼亭】の料亭の前で朱里やリュエール達が出迎え、ザックをシュトラールに返すとザックは嬉しそうにシュトラールに甘えて自分の獣舎に戻って行った。
「ルーファスおかえりなさい」
「ただいま、皆変わりない様だな」
一番に朱里の頭に顔を擦り付けて匂いを嗅いでから頬にキスをして、朱里が腕に抱いているルーシーのおでこにもキスをする。
「父上、おかえりなさい」
「父上、遅かったのですわ!」
ミルアとナルアは帰りを今か今かと待っていたのでルーファスに左右にしがみ付く。しかし、おでこにキスを落とされて、尻尾を振りながらも「きゃー!」と言って朱里の後ろに隠れてしまう。
「ふふっ、すっかり恥ずかしがり屋さんね」
「出掛ける前は喜んでいたのにな」
ほんの少し寂しそうなルーファスに朱里が「ルーシーと私は喜んでますよ」と笑ってルーファスにまたキスをされているとミルアとナルアが「きゃー!」と顔を赤くして料亭の中に入って行ってしまう。
「あらあら」
「これが娘の父親離れか・・・」
「ルーファスにはまだルーシーが居ますよ」
「そのうちルーシーにも逃げられそうだ」
ほんの少し耳を下げてルーファスがルーシーを見ると、きゃっきゃっと声をあげて笑われ顔に笑みを浮かべる。
「父上、おかえり。仕事が山になってますよ」
「リュー【刻狼亭】は変わりなかったか?」
「変わりないよ。ただ、ギルドの方から釣書の詐欺に関しての書類がかなり出てるから、業務よりもこっちの方が大変だよ」
「わかった。早急に対処しよう」
リュエールがやっと自分の仕事は終わりとばかりに肩を鳴らすと、横に居たキリンに肩を揉まれて「平気だよ」と笑って、2人揃ってルーファスに軽く頭を下げて料亭内に入っていく。
「ルーファス、料亭の方でお食事出来てますから、少しゆっくりしてからお屋敷に戻りましょう」
「ああ。しかし、先に書類に目を通してから食事にしないとリューにも逃げられそうだ」
「ふふっ、子供達のお父さん離れが忙しいですね」
「オレにはアカリが居るからそれでいいさ」
「私には逃げられないと?」
「逃げても追うし、離さないぞ?」
「ふふっ、逃げませんし離しませんよ?」
ルーファスと朱里が寄り添って無事に自分の横に番が居る心の安心感を堪能していると、朱里の足元でまだルーファスから抱っこもキスも貰えていないティルナールとエルシオンがルーファスの足をペシペシ叩き、ルーファスが2人を抱き上げて頬をスリ寄せるとティルナールとエルシオンに頬にキスをされて苦笑いする。
「お前達、それは男にせずに自分の好きな女にとっておけ」
「あーい」
「がぶがぶー」
「ふふっ、ルーファスにはまだティルにエルもいますね。お父さん離れにはまだ早いお年頃ですよ」
「そうだと良いんだが」
料亭に入り、ルーファスは奥の仕事部屋へ行き、朱里は先に準備してある個室食事の席へ行き、子供達と一緒にルーファスの仕事を終わるのを待ちながら、キリンやフィリアと喋りながら時間を潰す。
リュエールもシュトラールも結局、ルーファスの書類仕事を手伝いに席を離れたので嫁と子供達だけが残されている。
「キリン姉様、『星降り祭り』はリュー兄様と一緒にまわるのですか?」
「うん。そうだよー。ミルちゃんナルちゃんはお友達とまわるの?」
「今年は危ないのです」
「今年は旅館の上で母上と一緒に過ごすのです」
ミルアもナルアも首を横に振って朱里にしがみ付くと、耳を下げてプルプルしている。
朱里とミルア、ナルアが一緒にいると3姉妹の様にも見える事にキリンは少しだけここにリュエールを混ぜたらどうなるだろうと少し思うが、直ぐに悪寒がして考えるのを止める。
「今年こそは皆でお祭りを回りたかったんだけど、釣書の姿絵で私は何かあるか分からないし、ミルアもナルアも危ないから例年通り旅館の上で花火を見るのよ」
「残念なのです」
「フィリア姉様もシュー兄様とまわるのでしょう?」
「はい。私初めてのお祭りなのでシューに色々教えてもらうのを楽しみにしているんです」
フィリアはミルアとナルアに申し訳ないと思いつつも子供の頃から城の外のお祭りを遠目でしか見た事が無かった為に『星降り祭り』を愉しみにしていて最近の夫婦の会話はお祭りの話ばかりだったりする。
「ティルもいくー」
「エルもー」
「ルーもー」
三つ子がキリンとフィリアにしがみ付くと「いっしょいくぅー」と騒ぎ、朱里が「メッ。母上と一緒ですよ」と3人を嗜めていると、ルーファス達が書類仕事が終わったのか戻って来る。
「ティル達はオレが連れてまわってやろうか?」
「ちちえーいやー」
「きにゃんーといくー」
「ふぃにゃーといくー」
ルーファスの申し出に三つ子は拒否の姿勢でキリンとフィリアの後ろに隠れ、リュエールとシュトラールに回収されて「ふにゃあああ」と声を上げると朱里の元へ戻される。
大人気ない兄達に三つ子が朱里に「にーたま、めぇ!」と騒ぎ朱里に兄達を叱ってと頼み、朱里が苦笑いしてお手上げポーズをとると三つ子も朱里でも駄目なのかとガクリと首を下げた。
その為に温泉大陸の小鬼はロックヘルに一時預かりになったのである。
これに関してはテンが自分も残ると言い、休暇申請まで出してきたので仕方なく、テンと小鬼がエフリの都市に残して行く事になった。
【刻狼亭】でも協力して事に当たるとは言っているが、基本、【刻狼亭】は釣書の問題と13代目の印を取り戻す為に動くので他の財貨に関してはファルヒュームと小人の仕事だと思っている。
「テン、小鬼何かあれば腕輪で連絡を」
「はい。わかってますよ~」
「僕、頑張ります!」
ルーファスはこれ以上は【刻狼亭】を留守にするわけにもいかず、一時撤退になり温泉大陸に戻る事になった。
獣騎のザックに乗り2日かけて温泉大陸に戻ると、【刻狼亭】の料亭の前で朱里やリュエール達が出迎え、ザックをシュトラールに返すとザックは嬉しそうにシュトラールに甘えて自分の獣舎に戻って行った。
「ルーファスおかえりなさい」
「ただいま、皆変わりない様だな」
一番に朱里の頭に顔を擦り付けて匂いを嗅いでから頬にキスをして、朱里が腕に抱いているルーシーのおでこにもキスをする。
「父上、おかえりなさい」
「父上、遅かったのですわ!」
ミルアとナルアは帰りを今か今かと待っていたのでルーファスに左右にしがみ付く。しかし、おでこにキスを落とされて、尻尾を振りながらも「きゃー!」と言って朱里の後ろに隠れてしまう。
「ふふっ、すっかり恥ずかしがり屋さんね」
「出掛ける前は喜んでいたのにな」
ほんの少し寂しそうなルーファスに朱里が「ルーシーと私は喜んでますよ」と笑ってルーファスにまたキスをされているとミルアとナルアが「きゃー!」と顔を赤くして料亭の中に入って行ってしまう。
「あらあら」
「これが娘の父親離れか・・・」
「ルーファスにはまだルーシーが居ますよ」
「そのうちルーシーにも逃げられそうだ」
ほんの少し耳を下げてルーファスがルーシーを見ると、きゃっきゃっと声をあげて笑われ顔に笑みを浮かべる。
「父上、おかえり。仕事が山になってますよ」
「リュー【刻狼亭】は変わりなかったか?」
「変わりないよ。ただ、ギルドの方から釣書の詐欺に関しての書類がかなり出てるから、業務よりもこっちの方が大変だよ」
「わかった。早急に対処しよう」
リュエールがやっと自分の仕事は終わりとばかりに肩を鳴らすと、横に居たキリンに肩を揉まれて「平気だよ」と笑って、2人揃ってルーファスに軽く頭を下げて料亭内に入っていく。
「ルーファス、料亭の方でお食事出来てますから、少しゆっくりしてからお屋敷に戻りましょう」
「ああ。しかし、先に書類に目を通してから食事にしないとリューにも逃げられそうだ」
「ふふっ、子供達のお父さん離れが忙しいですね」
「オレにはアカリが居るからそれでいいさ」
「私には逃げられないと?」
「逃げても追うし、離さないぞ?」
「ふふっ、逃げませんし離しませんよ?」
ルーファスと朱里が寄り添って無事に自分の横に番が居る心の安心感を堪能していると、朱里の足元でまだルーファスから抱っこもキスも貰えていないティルナールとエルシオンがルーファスの足をペシペシ叩き、ルーファスが2人を抱き上げて頬をスリ寄せるとティルナールとエルシオンに頬にキスをされて苦笑いする。
「お前達、それは男にせずに自分の好きな女にとっておけ」
「あーい」
「がぶがぶー」
「ふふっ、ルーファスにはまだティルにエルもいますね。お父さん離れにはまだ早いお年頃ですよ」
「そうだと良いんだが」
料亭に入り、ルーファスは奥の仕事部屋へ行き、朱里は先に準備してある個室食事の席へ行き、子供達と一緒にルーファスの仕事を終わるのを待ちながら、キリンやフィリアと喋りながら時間を潰す。
リュエールもシュトラールも結局、ルーファスの書類仕事を手伝いに席を離れたので嫁と子供達だけが残されている。
「キリン姉様、『星降り祭り』はリュー兄様と一緒にまわるのですか?」
「うん。そうだよー。ミルちゃんナルちゃんはお友達とまわるの?」
「今年は危ないのです」
「今年は旅館の上で母上と一緒に過ごすのです」
ミルアもナルアも首を横に振って朱里にしがみ付くと、耳を下げてプルプルしている。
朱里とミルア、ナルアが一緒にいると3姉妹の様にも見える事にキリンは少しだけここにリュエールを混ぜたらどうなるだろうと少し思うが、直ぐに悪寒がして考えるのを止める。
「今年こそは皆でお祭りを回りたかったんだけど、釣書の姿絵で私は何かあるか分からないし、ミルアもナルアも危ないから例年通り旅館の上で花火を見るのよ」
「残念なのです」
「フィリア姉様もシュー兄様とまわるのでしょう?」
「はい。私初めてのお祭りなのでシューに色々教えてもらうのを楽しみにしているんです」
フィリアはミルアとナルアに申し訳ないと思いつつも子供の頃から城の外のお祭りを遠目でしか見た事が無かった為に『星降り祭り』を愉しみにしていて最近の夫婦の会話はお祭りの話ばかりだったりする。
「ティルもいくー」
「エルもー」
「ルーもー」
三つ子がキリンとフィリアにしがみ付くと「いっしょいくぅー」と騒ぎ、朱里が「メッ。母上と一緒ですよ」と3人を嗜めていると、ルーファス達が書類仕事が終わったのか戻って来る。
「ティル達はオレが連れてまわってやろうか?」
「ちちえーいやー」
「きにゃんーといくー」
「ふぃにゃーといくー」
ルーファスの申し出に三つ子は拒否の姿勢でキリンとフィリアの後ろに隠れ、リュエールとシュトラールに回収されて「ふにゃあああ」と声を上げると朱里の元へ戻される。
大人気ない兄達に三つ子が朱里に「にーたま、めぇ!」と騒ぎ朱里に兄達を叱ってと頼み、朱里が苦笑いしてお手上げポーズをとると三つ子も朱里でも駄目なのかとガクリと首を下げた。
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