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27章
花咲くコハルの大冒険④ 完
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ルーファスが頬杖をついて神社の社に座り、私はスクルードとコハルとシャルちゃんに、昔の懐かしい遊びを教えていた。
地面に丸を描いて、そこを足で片足で跳んだり、両足を広げたりして丸の中に足を入れながら歩く遊び。
通称『けんけんぱ』。
けんけんは飛び跳ねる、ぱっは、足を開いたりする事から名づけられた遊び。
地面に丸さえ描けばいい、お金の掛からない遊びだ。
「いっくよぉー!」
「けん、けん、ぱっ!」
「……けん、けん、けん、ぱっ」
「んじゃ、私がお手本を! けん、けん……わきゃっ!」
ズルッとコケて尻もちをついた私を、コハル達が笑い、ルーファスが「アカ……アリ! 全く、運動神経が悪いな」と苦笑いして、手を差し伸べて引き起こしてくれた。
子供の頃はもう少し運動神経が良かったと思ったのだけど、中身がオバちゃんだから無理なのかしら?
私の代わりにルーファスが子供達と遊び、神社は昔懐かしい感じがする。
着物の子供に、遊びが昔ながらの物だからか、とてもノスタルジー。
しばらく遊んでいると、ハガネが再び神社にやってきた。
「おーい。お前等、飯にすんぞー」
「あっ、ハガネだー!」
「はがねー!」
流石、ハガネ。子供達の人気は絶大である。
ハガネが昼食に呼びに来て、皆でワイワイしながら屋敷に帰り、本日のお昼はキャベツを使ったとんぺい焼き。
キャベツを豚肉と炒めた物を卵に包んで、ソースを掛けて食べるもので、お好み焼きの様なオムレツの様な、子供が好きな感じのもの。
子供が食べやすいように具材も細かく切っている辺りが、ハガネの気配り上手なところかな?
「そういや、アリとルーのソレ。一日経てば効果も切れるみてぇだぞ」
「本当!? よかったぁ」
「つまり、あと半日はこのままか」
ハガネの言葉に戻るなら良かったと胸を撫でおろし、昼食の後はお昼寝タイムと子供達のスケジュールに合わせて子供用の布団を敷いて、ルーファスと私も一緒に布団に潜り込む。
別に寝なくても大丈夫だと言ったんだけど、コハル達が絵本を読んでとせがむから、絵本を読むのに一緒に布団に潜り込んだ形になった。
「……と、その時!! 大変! 大きな岩が……って、皆寝ちゃったかな?」
「ああ。洞窟の探検辺りで、コハルが撃沈して、松明のところでシャルも撃沈。岩の隠し扉でスーも撃沈したな」
「つまり、二ページ分無駄に読んじゃったんだね」
「ククッ。アカリの読み聞かせは楽しいからな。止めるのが遅れた」
ルーファスがニッと笑って、少年の顔をしたルーファスは子供らしくて、可愛いなぁとか思ってしまった。
シュトラールの子供の頃に似ている気もするけど、シュトラールは子供の頃はリュエールの後を追って歩いて、泣き虫なところもあったから、ここまで堂々とはしていなかったかな?
「それにしても、子供達の体温で布団が温かくて眠くなるな」
「寝ちゃってもいいですよ? 私も少し眠くなってきたし……あとはハガネにお任せ―……」
「まぁ、子供の姿では何もできないからな」
「そそっ。台所も背が届かないしね。お洗濯物も無理。うん。私は今日はお休みの日」
ルーファスにおでこにチュッとキスをされて、「おやすみ」と言われると、眠気でウトウトと微睡んで意識を手放す。
今日は、子供達が普段どうやって遊んでいるのかとか、子供達の他の子への態度とかが知れて、なかなかに楽しかった。子供が九人居ても、それぞれ違う面を持っているから、新鮮で良い。
あとは、ルーファスの子供の頃が見れて良かった。
あっ、起きたら、写真撮らなきゃ! 貴重な一枚になるはず。
ふふふ~。
「ふへ……へ」
「アカリが寝ながら笑ってんなぁ」
「まぁ、アカリは元から寝ながら笑うタイプだ。珍しくは無い。今日は楽しかったんだろうさ」
「大旦那はガキになっても、可愛げが足りねぇなぁ」
「オレは可愛げとは無縁の子供時代だからな」
フンッと笑い、ハガネの淹れたお茶を飲みながら、カメラで寝てるアカリとコハルを撮る。
「ふむ。やはり、母娘だな。コハルはアカリに似ていると思ったが、目を閉じて寝ているとそっくりだ」
「まぁ、髪の色と目の色さえ同じなら、一番似てるからなぁ」
「寝ながら笑うところもな」
ハガネがコハルを見れば、コハルもアカリ同様「ふふっ」と口元を緩ませて笑いながら寝ている。
似たもの親子だなと、ハガネもニマッと笑う。
「どんな夢見てんだかな」
「コハルは何処でも物怖じせずに行くようだから、夢の中でも冒険中なんだろうな」
「アカリの運動神経まで似なくて良かったよなぁ」
「んー、まぁ、そこはオレの子でもあるからな」
「まぁ、そこは違ぇねぇーよなぁ」
アカリの運動音痴は折り紙付きだから……という言葉は呑み込み。二人はうんうんと頷くのだった。
翌日には元に戻った夫婦なものの、コハル達に「アリとルーがいないのぉ」と騒がれ、眉を下げることになる。
ついでに、製薬部隊の怪しい実験がリュエールによって禁止されたのは言うまでもない……が、それでもやらかすのが製薬部隊ではある。
今日も庭でコハルの笑い声とシャルの笑い声がし、何をしているのかと夫婦が庭を見れば、シャルの風魔法でコハルが出した花が大量に巻き上げられ、温泉大陸じゅうに散る事となる。
顔を手で押さえるルーファスと、頬を両手で押さえるアカリの姿が、本日のハイライトというところだろうか?
元気なトリニア家の子供達は今日も無邪気に、温泉大陸を驚かせて小さな冒険をしつつ日々を成長中である。
地面に丸を描いて、そこを足で片足で跳んだり、両足を広げたりして丸の中に足を入れながら歩く遊び。
通称『けんけんぱ』。
けんけんは飛び跳ねる、ぱっは、足を開いたりする事から名づけられた遊び。
地面に丸さえ描けばいい、お金の掛からない遊びだ。
「いっくよぉー!」
「けん、けん、ぱっ!」
「……けん、けん、けん、ぱっ」
「んじゃ、私がお手本を! けん、けん……わきゃっ!」
ズルッとコケて尻もちをついた私を、コハル達が笑い、ルーファスが「アカ……アリ! 全く、運動神経が悪いな」と苦笑いして、手を差し伸べて引き起こしてくれた。
子供の頃はもう少し運動神経が良かったと思ったのだけど、中身がオバちゃんだから無理なのかしら?
私の代わりにルーファスが子供達と遊び、神社は昔懐かしい感じがする。
着物の子供に、遊びが昔ながらの物だからか、とてもノスタルジー。
しばらく遊んでいると、ハガネが再び神社にやってきた。
「おーい。お前等、飯にすんぞー」
「あっ、ハガネだー!」
「はがねー!」
流石、ハガネ。子供達の人気は絶大である。
ハガネが昼食に呼びに来て、皆でワイワイしながら屋敷に帰り、本日のお昼はキャベツを使ったとんぺい焼き。
キャベツを豚肉と炒めた物を卵に包んで、ソースを掛けて食べるもので、お好み焼きの様なオムレツの様な、子供が好きな感じのもの。
子供が食べやすいように具材も細かく切っている辺りが、ハガネの気配り上手なところかな?
「そういや、アリとルーのソレ。一日経てば効果も切れるみてぇだぞ」
「本当!? よかったぁ」
「つまり、あと半日はこのままか」
ハガネの言葉に戻るなら良かったと胸を撫でおろし、昼食の後はお昼寝タイムと子供達のスケジュールに合わせて子供用の布団を敷いて、ルーファスと私も一緒に布団に潜り込む。
別に寝なくても大丈夫だと言ったんだけど、コハル達が絵本を読んでとせがむから、絵本を読むのに一緒に布団に潜り込んだ形になった。
「……と、その時!! 大変! 大きな岩が……って、皆寝ちゃったかな?」
「ああ。洞窟の探検辺りで、コハルが撃沈して、松明のところでシャルも撃沈。岩の隠し扉でスーも撃沈したな」
「つまり、二ページ分無駄に読んじゃったんだね」
「ククッ。アカリの読み聞かせは楽しいからな。止めるのが遅れた」
ルーファスがニッと笑って、少年の顔をしたルーファスは子供らしくて、可愛いなぁとか思ってしまった。
シュトラールの子供の頃に似ている気もするけど、シュトラールは子供の頃はリュエールの後を追って歩いて、泣き虫なところもあったから、ここまで堂々とはしていなかったかな?
「それにしても、子供達の体温で布団が温かくて眠くなるな」
「寝ちゃってもいいですよ? 私も少し眠くなってきたし……あとはハガネにお任せ―……」
「まぁ、子供の姿では何もできないからな」
「そそっ。台所も背が届かないしね。お洗濯物も無理。うん。私は今日はお休みの日」
ルーファスにおでこにチュッとキスをされて、「おやすみ」と言われると、眠気でウトウトと微睡んで意識を手放す。
今日は、子供達が普段どうやって遊んでいるのかとか、子供達の他の子への態度とかが知れて、なかなかに楽しかった。子供が九人居ても、それぞれ違う面を持っているから、新鮮で良い。
あとは、ルーファスの子供の頃が見れて良かった。
あっ、起きたら、写真撮らなきゃ! 貴重な一枚になるはず。
ふふふ~。
「ふへ……へ」
「アカリが寝ながら笑ってんなぁ」
「まぁ、アカリは元から寝ながら笑うタイプだ。珍しくは無い。今日は楽しかったんだろうさ」
「大旦那はガキになっても、可愛げが足りねぇなぁ」
「オレは可愛げとは無縁の子供時代だからな」
フンッと笑い、ハガネの淹れたお茶を飲みながら、カメラで寝てるアカリとコハルを撮る。
「ふむ。やはり、母娘だな。コハルはアカリに似ていると思ったが、目を閉じて寝ているとそっくりだ」
「まぁ、髪の色と目の色さえ同じなら、一番似てるからなぁ」
「寝ながら笑うところもな」
ハガネがコハルを見れば、コハルもアカリ同様「ふふっ」と口元を緩ませて笑いながら寝ている。
似たもの親子だなと、ハガネもニマッと笑う。
「どんな夢見てんだかな」
「コハルは何処でも物怖じせずに行くようだから、夢の中でも冒険中なんだろうな」
「アカリの運動神経まで似なくて良かったよなぁ」
「んー、まぁ、そこはオレの子でもあるからな」
「まぁ、そこは違ぇねぇーよなぁ」
アカリの運動音痴は折り紙付きだから……という言葉は呑み込み。二人はうんうんと頷くのだった。
翌日には元に戻った夫婦なものの、コハル達に「アリとルーがいないのぉ」と騒がれ、眉を下げることになる。
ついでに、製薬部隊の怪しい実験がリュエールによって禁止されたのは言うまでもない……が、それでもやらかすのが製薬部隊ではある。
今日も庭でコハルの笑い声とシャルの笑い声がし、何をしているのかと夫婦が庭を見れば、シャルの風魔法でコハルが出した花が大量に巻き上げられ、温泉大陸じゅうに散る事となる。
顔を手で押さえるルーファスと、頬を両手で押さえるアカリの姿が、本日のハイライトというところだろうか?
元気なトリニア家の子供達は今日も無邪気に、温泉大陸を驚かせて小さな冒険をしつつ日々を成長中である。
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