ほのぼの九尾さんの百合ハーレム観光(育成)日記 ~TS少女なわたし、神が邪魔でえっちぃことだけしていていられない~

ナギ@にわか

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6.腐れ冒険者とわたしの宣言

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 異世界物の定番と言っていい冒険者ギルド。
 どうして、異世界に行くと冒険者ギルドに行きたがるのか。

 仕事が無いから?
 身分証を作りたいから?
 お金が欲しいから?

 それもあるだろうけど、本質は違う。
 きっと、かっこよくて面白そうだからだと思う。依頼がたくさん貼られた掲示板や、二つ名持ちの有名冒険者、綺麗な受付嬢さん……特に綺麗な受付嬢さん!

 なので、

「それっぽい建物だねっ!」

 早速来てみた。
 では、受付嬢さんに会いに行こ~!

 ガチャッ

「…………」

 扉を開けて3秒で希望は砕かれた。
 ……うん、知ってた。
 現実はそう甘くないって。
 むしろ、ルナさんに会えたことが奇跡。

 まず、一番大事な受付嬢さん。
 どう見ても男の人だし、脂ギッシュだし、積極的に話しかけたいとは思わない。女の人じゃない時点で、ねぇ?

 冒険者の人たちは、まあ、質が低いとしか……夜になってもいないのに、酔っ払いばっかりってどうなの? いい装備を付けてる人も全く居ないし、やる気があるようには見えない。
 その証拠に、掲示板の依頼は何枚も重なった上ではみ出ている。

 この街がしょぼいだけ、ということにしよう、そうしよう。そうじゃないとわたしの夢が砕け散っちゃうから。

 わたしが入ってきたことで集めた視線はスルーして……ぞわっとする視線も達人スルーして、脂ぎってない方のやる気のない受付へ。

「登録お願いします」
「はぁ? お前みたいなガキじゃすぐに死んじまうよ、帰れ帰れ」
「えっと、冒険者じゃないと買い取ってもらえないんですよね? すぐに見つかるようなお仕事もないので、お願いします」

 カグラ様から、冒険者にならないと冒険者ギルドでは買い取ってもらえないこと、8歳以上であれば誰でも登録できることは予め聞いていた。

「娼婦にでもなりゃいいだろ? ほれ、ここに居るやつらから稼ぎ放題だぜ?」

 ニヤニヤと舐め回すような視線。
 この時点で、冒険者ギルドとか割と興味無くなってたけど、買い取って貰えないのは困るので帰るわけにはいかない。

 だからといって、お尻に伸ばされた手も許容するつもりはない。

 後ろ手に掴むと、力任せに握り潰そうとするのではなく、振り返る時の回転を利用して捻る。
 何かで見たようなのをやってみた。

「ギャァァッ!? 手が、手がぁッ!!」
「自業自得。はぁ……あの門番さんを見習って欲しいよ……で? まだやるの? それなら本気で相手しないとね」

 変態死すべし慈悲はない。聖炎を両手に纏ってお相手しましょう。某ファミリーの10代目みたいに!
 なお、変態でも女の子の場合はご褒美の模様。

「い、いや、俺っちが悪かった」
「そっか。……という訳で、登録お願い出来る?」
「あ、ああ……」

 一人称が変わってる人は放置して、ギルド職員に向き直る。セクハラ男に使う敬語はないです。

 か、カグラば――ぷふっ……笑っちゃダメ!
 渡したカグラ盤をコピー機みたいなのに通すと、戻ってきたカグラ盤とは別に花のような形のイヤリングも出てきた。

 これでパーティーメンバーと念話……電話を直接頭にかけられるような感じになり、パーティーの登録も念じるだけでいいそう。同意していれば繋がるようになるとかなんとか。

 出る前に掲示板を見ると、ゴブリンの魔石に関するものがあったので、売らずに納品しておいた。報酬は10ユーラ。1000円を上回る程度。
 高いのか安いのか分からないけど、6個分だから60ユーラ。

 ルナさんを1時間レンタル出来る。
 でも、1時間だけだと移動で終わりそう。

 そんなことを考えていた時だった。

「がっはっは、今日も大量じゃねぇか!」
「あれって……」

 嗅いだことのある匂いに誘われて後ろを振り返ると、入ってきたばかりの冒険者とそれに付き従う一人称が『俺っち』の人。
 そして、扉の向こうに見えたルナさん。

「いや~、いつもありがとうございます。うちはゴリ様のお陰で回っているようなものですから」
「そうだろう、そうだろう! 俺様にかかればこんなもん余裕だぜ」
「さすが兄貴っす!」

 ゴリ様……それ、本当に名前?

 職員の媚びへつらった表情。
 あれはルナさんが倒したものだというのに、偉そうな男。
 ひとりで運ばされる俯いたルナさん。

 まあ、奴隷の功績が主人のものになるというのはよく見る話なので、そこまで気にすることでもないのかもしれない。
 下手にわたしが騒いでも、結果的にルナさんへ皺寄せがいく可能性がある。余計なことはしないでおこう。

 ただ、運び込んでる途中だから出られないんだよね。

「あっ……」

 ぼーっとルナさんを眺めていたから気づけた。
 イノシシの魔物を、横に居た男が押したことに。丁度こちらに倒れてきていたので、わたしも一緒に支える。

「ルナさん、大丈夫?」
「カグヤ様……」

 一瞬目を見開き、すぐに微笑みへと変わる。
 天使のようなルナさんを後目に、犯人である、恐らくは仮の主人なのだろう男を睨んだ。

『わたしの可愛いルナさんに何してくれてんの? 100回くらい殺されたいってことだよね?』

 という意味を込めて。
 その視線に気づいた男は、不愉快そうに顔を歪めた後ニヤリと笑った。どうやら、わたしの怒りは伝わっていないらしい。
 殺意が足りてなかったのかな。

「その半端もんの知り合いか?」
「……だったら、なに?」
「そいつはな――」
「っ」

 横でルナさんがビクッと震える。

 だからわたしは、

「―――――なんだぜ?」
「えー? ごめんね、よく聞こえなかったー(棒)」
「だから、―――って、聞いてねぇだろてめぇ!?」

 その通りです。
 耳をぺたっとさせた上で、塞いでいた。なので、何を言っていたのかは本当に分からない。

「だって、ルナさんが聞いて欲しくないって言ってるのに、他人から聞いちゃったら可哀想だもん。教えてくれるまで、わたしは待つよ?」
「あ……」

 男に言っているようで、その実ルナさんにしか向けていない言葉。教えてくれるということは、信じてもらえたということでもある。
 本当はすぐにこの街を出ていこうと思ってたけど、こんなルナさんを見たら放って置けるはずがない。

 毎回困っている人を助けるのか?

 そんな下らないことを考えていた。でも、助けたい人が居るのに助けないなんて、間違いなく後悔するし、自分自身が許せない。
 カグラ様のお陰で叶えるだけの力もある。

「わたしの用は終わったし、帰るけど……ルナさんに何かあったら、骨も残らないと思ってね?」
『っ!?』

 今度の言葉には殺気が乗っていたらしく、ルナさん以外の全員が顔を青ざめさせていた。そんなに怖い顔してた?
 でも、うん、これで安心かな。

「カグヤ様、お気をつけて」

 ルナさんの声を背に外へ出る。

 さてと……もうすぐ真っ暗になる。
 宿を取りたいけど、その前に行きたいところがあるんだよね。
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