私たちの恋愛模様

恭利

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1.狂愛~ゆかの恋~ 第4話

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第4話

その後も、私は社会人になってから出来たルーティンで
楽しい日々を過ごしていた。
するとまた週末にゆかちゃんから電話がかかってきて、
1人で自宅近くのスナックで飲んでかなり酔っている様子で、
『おい!今すぐ店に来い!』と男が乗り移ったかと思うぐらい
荒々しい口調で叫んできた。

私は仕事が終わって満員電車に揺られ、やっと家に着き
お風呂も済ませて、母が作ってくれたご飯をゆっくり
食べ終わったところで、車で7分くらいの場所でも
行くの面倒だなと思ってなかなか返事をしなかったら、
今度は急に泣きながら『早く来て!』とヒステリックに
言いだした。店でずっとそんな感じなのか、たまりかねた
店のママさんが受話器をゆかちゃんから取り上げ私に、
『悪いけど店に来て連れて帰って、この子1人では帰れないから』
とママさんにお願いされた。

私は店に迷惑をかけるわけにもいかないから、仕方なく迎えに
行くことにした。
すぐにスウエットに着替えて、母に経緯を説明してから
車でスナックに向かった。
店の前に車を止めて、初めて行くお店だからどんな雰囲気かも
分からなくて静かにドアを開けたら、カウンターだけの小さな
お店だった。

ゆかちゃんは、カウンターで酔っぱらってうつむいていた。
私はゆっくり、ゆかちゃんの背中に手をあてて
『ゆかちゃん、帰ろうか』と耳元でささやいた。
その瞬間、急にバッと体を起こして突然ゆかちゃんが竹林の
名前を何度も大声で繰り返し叫んで、私にこの場所に竹林を
呼べと言い出した。
『そんなん無理やから!私と帰ろう!』と言いながら少し
暴れてるゆかちゃんの体を押さえたら興奮した勢いで、
グラスを床に投げつけたから私は驚きと同時に思わず、
ゆかちゃんの頬をたたいてしまった。

また更に興奮したゆかちゃんは、男のような口調で
『なにするねん!!』と叫び、私に『早くお前が、竹林を連れて来い!!』
と叫びながら椅子を蹴りだしたので私は手に負えなくなって以前から
親しくしていたゆかちゃんの家のレストランで働いている従業員の
おじさんに電話をしてスナックまで来てもらった。
おじさんの車にゆかちゃんを乗せる時も、おじさんを蹴ったり
してたから私は『いい加減にしろ!!』と叫んで、店のお客さんと
ママさんに謝りながらおじさんと私とで、ゆかちゃんをなんとか
車に乗せおじさんに連れて帰ってもらった。

それからしばらくたった、ある週末に私と、せなちゃんと、
おかちゃんの3人で天王寺方面で遊ぶ事になり、色んなお店を
見ながらブラブラとして少し疲れた私たちは休憩スポットで
お茶をすることにした。
そこで、この前ゆかちゃんがスナックで暴れて大変だった話を
2人にしたら、せなちゃんが『ゆかちゃんは中絶してからもだったけど、
竹林と別れてから更に精神的に不安定になったね...』
と言うと、おかちゃんが『今度、茂子の家で以前のようにお酒を飲んで、
皆で馬鹿笑いをして、ゆかちゃんを笑わそうよ!』っと提案して、
私もせなちゃんも賛成!賛成!と言い集まる日を決める事にした。

茂子は同じ高校で3年生の時に、おかちゃんと同じクラスメイトだった。
私たちはおかちゃんを通じて茂子と仲良くなってからは、
よくみんなで遊んでいた。
さっそく茂子に電話をして事情を話し集まる日程を決めた。

ゆかちゃんは家業のレストランで働いていて日程は合わせられるから、
いつも私達が日程を決める事が多く、ゆかちゃんには集まる日だけを連絡する。

茂子は高校中退で子供を産み、シングルマザーで市営住宅に1歳の
子供とふたりで暮らしている。
だから私たちは、卒業後もいつも気兼ねなく茂子の家に集まり一泊して、
茂子が作ってくれた朝ご飯を食べて解散するのがいつもの流れだ。

集まる当日、みんなを迎えに行った私は、車で50分ぐらいかかる
茂子の家までの道のりを、せなちゃんやおかちゃんと楽しそうに
会話が弾んでいるゆかちゃんを横目に見て、今日くらいは嫌なことを
忘れて楽しんでくれたらいいなと思いながら 走らせていた。

茂子は私たちが着く頃に、子供をあやしながら外に出て待っていた。
車を駐車する場所を教える為に、待ってくれていたのだ。
この日も私の車が見えたら手を振って誘導してくれた。
車を駐車してみんなが車から降りながら茂子と言葉を交わしている。

茂子の家に到着して、みんなはそれぞれの手土産を説明しながら
茂子に渡している。
私はリビングに行き持って来たビールケースを冷蔵庫の横に置いて、
茂子に声を かけて1歳の坊主を抱きながら子供と会話をしていた。
そこに、ゆかちゃんが近づいてきて抱いている子供を一緒に
あやしながら一生懸命赤ちゃんと会話して、しばらく私と
ゆかちゃんと子供とで過ごした。
茂子が2、3品料理を作ってくれていたので、食事を始める為に
バタバタとみんなが料理を運びだした。

それぞれ席について、しばらく飲んで食べて何時間か経った頃、
ゆかちゃんがトイレに立ち、なかなか席に戻って来ないので、
茂子が見に行くと『隣の部屋で寝てたわ』と言いながら
帰って来たので『寝かせておこう』と言って、4人で
飲んでいると、おかちゃんがトイレに行ったついでに、
ゆかちゃんの様子を見に行ったみたいで戻って来た時に、
『ゆかちゃんがおしっこちびっている!』
と言い出した。

びっくりして皆で隣の部屋にいるゆかちゃんに駆け寄ったら、
茂子は怒るでもなく『子供よりひどい寝しょんべんや~』
と吹き出す笑いを堪え、私はどうしたらいいのかアタフタと
していると、おかちゃんが、ゆかちゃんの下着を脱がして、
茂子が自分の新しい下着をせなちゃんに渡し、せなちゃんが
ゆかちゃんに着せていた。
さすがに長い付き合いだからか、なかなかの連携プレイで、
凄いな~ぁと思った。その点、私はダメだな...と少し落ち込んだ
(引きつり笑いしかでない)そんな騒動を起こしている、
ゆかちゃんはいっさい起きることなく気持ちよさそう
にぐっすりと寝ていた(笑)

それからも相変わらずゆかちゃんは、月に2回程、週末夜12時を
回ったタイミングで私に電話をしてきて『怖い!怖い!』
と伝えてくるのだ...
5分程、相手をすると気が済む様でタイミングをみて
『おやすみ』と言ったら電話を切るという、その繰り返しだった。
それが分かっているので、最初は心配していた私も慣れてきて
作業の様になっていた。

ある日、せなちゃんの彼氏が『サーフボードを買い替える為に
ショップに行くけど一緒に行く?』と誘ってくれたので以前から
サーフィンの話を聞いて興味があった私は、嬉しくてすぐに行くと
返事をして、ゆかちゃんも誘ってみようと家に電話をしたら、
たまたま家に居たゆかちゃんのお母さんが電話を取ったので挨拶をした
私に、『ひなちゃん、最近家に遊びに来ないけど忙しい?』と聞いてきた。
私は『そうでもないけど、仕事をしてると学生の時みたいに頻繁に遊べへんから』
と笑いながら『もう~おばちゃん、私も社会人ですよ』と少し昔の話を
しながら笑ってタイミング的に話が切れそうな時にすかさず、
『ゆかちゃんは居ますか?』の言葉に被せる様に、
『家にたまには来てゆかと遊んでね!おばあちゃんが亡くなってから、
おかしなことを言ったり部屋にこもったりするから、何かとりついてるのか?と
思っておばちゃんもどうしたらいいのか分からなくて、占い師の所に行ったり、
お寺に拝みに行ったりしてるのよ...』と言ってきた。

私はその話を聞いて、ゆかちゃんはおばあちゃん子だったから、おばあちゃんが
いなくなった事が寂しくて、その上、中絶した子供の事とか、竹林と別れたことも
全部が重なって、気持ちの置き所が無くて暗闇のトンネルに入って出てこれない
状況に陥っているのかなと思ったと同時に、精神が不安定過ぎてもっとこの先
大変な事が起きたらどうしよう...と不安にもなった。

だから、今回のサーフィンの話は気分転換にもなって良いのではないか?と思った。










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