公爵令嬢は破棄したい!

abang

文字の大きさ
10 / 75

伯爵令嬢の秘密の朝



エミリーは朝から目当てのテオドールが居なくてイライラしていた。

実技の授業が始まるので新調した動きやすい服はとびきりセクシーに可愛く仕立てた。


(実用性はあんまり無いのだけど、ただの授業だし大丈夫ね!)


エミリーの母は私はとても甘く、父は美さに惚れた母に弱いので実家の伯爵家ではなんでも思うがままだった。


胸元が開いたピンクのブラウスと、パンツは身体のラインがピッタリと出る黒い生地のもので両サイドが網タイツのように透けている。

はしたないとエミリーを見下す者もいるが、貴族の中には肌を見せて武器とする貴族令嬢にはない考えを野心が高いと支持する者もいた。

(せっかく早く着替えたのにテオ様はいないし……生徒会室かしら?)


「ごきげんよう~!」


生徒会室に当たり前のように入ったエミリーは水色の綺麗な髪を下ろしたダグラスと、逞しい筋肉がセクシーなギデオンの二人しか見当たらずがっかりするが、彼らは着替えの最中のようだ。


「あっ……きゃぁ!」

「「エミリー嬢!?」」

「お着替え中だったのですね、お二人も魔法科ですものね……」


美丈夫の着替えなんていつまでだって見ていたいが、エミリーはここは恥じらうフリをしておかないと……と純粋そうな照れた表情を貼り付けた。


けれどいくら純粋そうか笑顔であっても、ダグラスの目に映るエミリーは何とも煽情的であった。


貴族女性では珍しい、身体の形がピタリと分かる授業用の服は彼女の豊かな胸を強調させその胸元は頂が見えるか見えないかというギリギリの所まで開いている。


細い足を黒のパンツが更に引き締め、その両端は腰から足首までがレースのようなもので透けていて布の奥を想像させる、


そんなエミリーの姿にギデオンはもう完璧に陥落したようだった。

不憫なエミリーを守っているうちに彼女に惹かれていることには気づいていたが政略であるとはいえ一応婚約者のいる身。

ダグラスは彼女から目を逸らしキデオンにも何事もなく接するようにと耳打ちしてからエミリーに返事を返した。


「ああ、私達はここで着替えていたんだ。エミリー嬢は斬新で素敵な格好だね」


「おっ俺はエミリー嬢の格好好きだ!俺の婚約者なんかより数百倍いい」


「まぁ、ギデオン様ったらダメですよ?婚約者様を大切にしないと」


と彼女がギデオンの腕に触れながら照れたように彼を覗きこむと、ギデオンは一瞬固まったかと思うともう我慢出来ないというように顔を熱らせ、自身の主張した部分を隠すように座った。


「ダグ様?」と思わず無言だったダグラスを覗き込んで心配そうにするエミリーのブラウスの中が見えてしまい急いで目を逸らしたダグラスだったが……

「あっ…はしたないわ、恥ずかしいです」

視線に気付いてボタンをひとつ閉めながら見上げてくるエミリーの誘惑するような瞳に理性というものが消えていくのを感じた。


(あーあ。テオ様居ないし……ダグ様とギデオン様でいっか。まだまだ時間あるし遊んでいこうっと)


エミリーの格好と魅了の力によって理性の吹き飛んだ二人にエミリーは舌なめずりした。

ほんの少しだけ力を使って遊んでいたはずが、どうやらエミリーへの想いの強さでテキメンな効果を表すらしい。

二人はもうすっかりエミリーしか見えていないようだった。

「エミリー嬢…っ」

「エミリー嬢っ」


二人の熱っぽい視線にエミリーは熱くなる疼きを感じながら貼り付けた純粋な笑顔で無知を演出し、微笑む。


すると二人はエミリーの手を取りソファに座らせると、地面に両の膝をついて強請るように手の甲にキスをした。


「そ、そんな!どうされたのですか?」


そう白々しく恥じらうエミリーの芝居には気付かず、たとえ気付いたとしても安っぽい芝居すらも可愛いと思ってしまう程に二人は魅了されていた。


(まぁ魅了にかかれば言いなりだし、バレる危険はないわね)


エミリーを挟んで両端からキスの雨を降らせる二人の見えないところでニヤリと顔を歪めた。


「だめです!恥ずかしいわ……今から何をするの?」


エミリーの反応に二人は身を震わせる。


「あぁエミリー嬢……貴女に幸せを教えてあげたいのです。優しくします」

「いや、俺が教えてやる。良くするから、な?」


いつもは女生徒達の憧れで立派な紳士である二人が、頬を染め目を潤ませ、欲望を隠そうともせず縋るようにエミリーを欲する心酔ぶりに気が良くなった。


(テオ様はまた今度で良いわ。こんなにも私を好きだなんて悪く無いわね)


「何だか分かりませんが……貴方達を信じます」


純情な素振りでエミリーは目を閉じて身を預けたーー。


(このふたりはきっと使えるわね)

(美丈夫が二人同時に私に心酔だなんて気分いいわ!)


そんなエミリーの心の内など知らず、ダグラスとギデオンはこんなにも自分はエミリーに惹かれていたのかと益々彼女の魅了に深くのめり込んでいった。


何も知らないテオドールはセシールとマチルダと別れ、久々の穏やかな朝に清々しい気分で授業の準備をしていた。

あなたにおすすめの小説

死ぬまでに叶えたい十の願い

木風
恋愛
「あなたを妻として、愛することはない。おそらく、生涯抱くこともないだろう」 三年間の白い結婚——捨て置かれた王太子妃エリアーナに、側妃が『死の呪い』をかけ余命一年を宣告する。 離縁を願うも拒否され、代わりに「死ぬまでに十の願いを叶えて」と契約する—— 二人きりの外出、星空、海…ささやかな願いが王太子の心をほどいていく。

白い結婚のまま、旦那様は薔薇のような美人に夢中になりました

柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢リディアは、美貌で有名な侯爵レオンハルトに嫁いだ。 けれど結婚して二年、夫婦は一度も結ばれないまま――白い結婚だった。 それでも旦那様は優しかった。 冷たいわけではない。気づかいの言葉も、穏やかな笑顔もくれる。 だからリディアは、愛されてはいなくても、いつか少しは夫婦になれるのではないかと信じていた。 そんなある日、彼女は知ってしまう。 旦那様が薔薇の君と呼ばれる絶世の美女に心を奪われていることを。 彼が触れなかったのは私にだけだったのだと。 都合のいい奥方として、役に立っていたと悟る 静かに離縁を決意したリディアは、実家へ戻ったあと、女子学院で働き始める。 すると侯爵夫人時代には当たり前だった実務のすべてが、外では驚くほど必要とされていた。 感謝され、認められ、自分の足で立ち始めた彼女は、少しずつ見違えるほど美しくなっていく

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結保証】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる── 侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。 だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。 アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。 そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。 「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」 これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。 ⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。 4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。

壊れた心はそのままで ~騙したのは貴方?それとも私?~

志波 連
恋愛
バージル王国の公爵令嬢として、優しい両親と兄に慈しまれ美しい淑女に育ったリリア・サザーランドは、貴族女子学園を卒業してすぐに、ジェラルド・パーシモン侯爵令息と結婚した。 政略結婚ではあったものの、二人はお互いを信頼し愛を深めていった。 社交界でも仲睦まじい夫婦として有名だった二人は、マーガレットという娘も授かり、順風満帆な生活を送っていた。 ある日、学生時代の友人と旅行に行った先でリリアは夫が自分でない女性と、夫にそっくりな男の子、そして娘のマーガレットと仲よく食事をしている場面に遭遇する。 ショックを受けて立ち去るリリアと、追いすがるジェラルド。 一緒にいた子供は確かにジェラルドの子供だったが、これには深い事情があるようで……。 リリアの心をなんとか取り戻そうと友人に相談していた時、リリアがバルコニーから転落したという知らせが飛び込んだ。 ジェラルドとマーガレットは、リリアの心を取り戻す決心をする。 そして関係者が頭を寄せ合って、ある破天荒な計画を遂行するのだった。 王家までも巻き込んだその作戦とは……。 他サイトでも掲載中です。 コメントありがとうございます。 タグのコメディに反対意見が多かったので修正しました。 必ず完結させますので、よろしくお願いします。

【完結】生贄になった婚約者と間に合わなかった王子

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
フィーは第二王子レイフの婚約者である。 しかし、仲が良かったのも今は昔。 レイフはフィーとのお茶会をすっぽかすようになり、夜会にエスコートしてくれたのはデビューの時だけだった。 いつしか、レイフはフィーに嫌われていると噂がながれるようになった。 それでも、フィーは信じていた。 レイフは魔法の研究に熱心なだけだと。 しかし、ある夜会で研究室の同僚をエスコートしている姿を見てこころが折れてしまう。 そして、フィーは国守樹の乙女になることを決意する。 国守樹の乙女、それは樹に喰らわれる生贄だった。

【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。