公爵令嬢は破棄したい!

abang

文字の大きさ
44 / 75

王弟殿下は諦めない

しおりを挟む


「エレメント!」

「あぁ兄上。まだ生きてたんたね。さすがノーフォードと言うところか…」

エレメントが虚ろな目で国王を見たあと、ディアーナを見る。

マケールが庇うようにディアーナの前に立ち視線を遮ると、エレメントは狂ったかのように笑った。

「くっ…っあははははははは!!!!

お前達、今にセルドーラがテオドールの首を持ってくるぞ!!!!あははははは!!」




「!?」

「そんな筈ないわ、あの子達がまさか…」



「エラサには多すぎる位の大軍を送ってある、テオドールとセシールといえど、もたないだろう。」


「なんと!エラサに!?」


「やはりか…、だかなぜ、」


国王は驚愕したが、マケールはやはりと納得しただけであった。


「セルドーラの王太子はセシールにご執心でね。エサとしてくれてやったのさ!!」


「あなた…!!一体なにを言っているの!?」


「さあ、ディアーナ様はわたしと一緒に、僕が幼い頃からずっと、貴方に憧れていた、ずっと愛していたんだ!」



「私は…マケールを愛しているわ。」


「きっと僕を愛するさ!!!」


「それはないわ。私には生涯マケールだけよ。」


「嘘だ!きっと変わる!!!」


「いいえ、残念ながら…。」



「見苦しいぞ、エレメント。ディアーナを誰にもやる気はない。私の生涯、唯一の愛する女性だ。」


エレメントが血走った目で、マケールに攻撃を仕掛ける、


マケールが跳ね返してエレメントが尻餅をついた時、

急に、転移空間が数個開き、


アルフレッドの首を持ったテオドール、

リアムとダンテ、アルマンとトリスタン、

フェランとシェリー、グレゴリーが到着し、

続けて、

セシール抱いたクロヴィス

マチルダとリシュ、クレマンが現れた。



皆、膝を着き、国王に向いた。


「陛下、この通り、攻め入ったセルドーラの王太子であり、敵軍の主将、アルフレッド王子を討ち取りました。」


テオドールがアルフレッドの首を置いて、クロヴィスとアイコンタクトを取ると、クロヴィスが頭を下げたまま言う。


「セシール嬢により、事の終結を迎えました。この王都においてもセシール嬢の力が作用したものと考えております。」


「偽物だ!そんなわけない。あの大軍が…」


「では、叔父上。王都に居た兵が消えた事はなんと?」


エレメントは膝を床について蹲った。

「なんで、っ」






くるりと仰向けになり、地べたに背中をついたまま、エレメントは力なく額に腕を乗せて言った。

「もういい、お前達に力尽くでなんか無理な話だったよ。

ただ、テオドール…」


「なんでしょう、」

「お前はセシール嬢の心を手放してしまったようだね、ククッ」

テオドールは、拳を強く握りしめ悲しそうな顔をした。
返す言葉が無かったのだ。




「いいえ、愛想を尽かされたの間違いでしょう。セシールはよく耐えてくれたわ。」



「義姉上…」


エレメントは上体を起こし、国王が焦ったように声を少し荒げる。


「出てきてはならんと言ったはずだ!」


王妃が階段をおりながら何ともない顔で続けた。


「ディアーナと私は良き親友です。彼女がここにいるのに、私だけ部屋にいるわけにはいきません。裏に居た敵兵はとっくに片付けてしまっています。」


"あなた達のように化け物じみていないので、来るのに時間がかかりましたが…。"

と少し疲れたように笑った王妃に国王は立場を忘れたかのようにかけより、頬を触り、頭を撫で、心配そうに「どこにも怪我はないか?」と聞いていた。


そんな国王を制し、テオドールに向いた王妃。


「あなたは馬鹿です。どこを探してもセシール程良い子はいないでしょう。」



テオドールは瞳をギュッと閉じ、涙を堪えるように眉間にシワを寄せた。



「母上…っ。ちゃんと、理解しています。セシールを失わない方法が、見つからなくて。虫が良いと思いながら、言い訳をして、優しい彼女を引き止めるしかしなかった。」


テオドールを向いて厳しい目線で頷き、エレメントへ感情のない表情を向けた。


「ですが、罪人となった貴方に関係のない事です。詳しくは後で話を聞きましょう。国王陛下、」


王妃が国王に促すと、急いで国王の顔に戻って罪状を言い渡した。


「この謀反によって王都では多くの命を落とした。エレメント・シズリー・アルベーリアを死刑と処す。」


エレメントは諦めたように軽く笑っただけだった。




(一度くらいはディアーナ、あなたを私のこの腕で抱きしめたかった。)


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

三年の想いは小瓶の中に

月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。 ※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

あなたへの愛を捨てた日

柴田はつみ
恋愛
公爵夫人エステルは、冷徹な夫レオニスを心から愛していた。彼の好みを調べ、帰宅を待ちわび、献身的に尽くす毎日。 しかし、ある夜会の回廊で、エステルは残酷な真実を知る。 レオニスが、未亡人クラリスの手を取り囁いていたのだ。 「君のような(自立した)女性が、私の隣にいるべきだった」 エステルは悟る。自分の愛は彼にとって「重荷」であり、自分という人間は彼にとって「不足」だったのだと。その瞬間、彼女の中で何かが音を立てて砕け散る。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました

由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。 尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。 けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。 そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。 再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。 一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。 “尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。 静かに離婚しただけなのに、 なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。

【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

処理中です...