公爵令嬢は破棄したい!

abang

文字の大きさ
48 / 75

騎士団長は情けない

しおりを挟む

王宮の門の前で膝付き頭を下げたギデオンに、鎖に繋がれたエミリーは恥ずかしげもなく脚を広げてギデオンをゲシゲシと蹴っていた。

「離しなさいよ!嫌よ!捕まってたまるもんですか!誰か!
見てないで服を寄越しな、見てんじゃねーよ!!!!」

皆が目を疑った、元々平民寄りではあったが、みるからに下品な所作と言葉遣い、そして恥じらう様子も無かったことだ。


そして、ギデオンはすぐに謁見の間に通され、経緯を説明することとなった。

ギデオンは罪を認め。自分を恥じていたが、彼の父親であり騎士団長のドレッグが現れた時には涙を流し。崩れ落ちていた。  

一方エミリーは牢へ行く道のりを衛兵2人に連れられていた。


「ねぇっ!ねえってば!貴方達取引きしない?」


引かれる鎖をに前のめりになりながら焦って2人に追いつき、
脚を大きく開いたが、、


「何を言っているんだ?」

「私には妻がいる」

二人の衛兵は全く興味を示さず、エミリーを牢まで引き摺っていった、

エミリーは自信を失っていた。

(ああもうこんな雑魚どもにすら見向きもされない、)


ーー謁見の間

「ギデオン、おぬし…大馬鹿者めが!!国王、儂もこの愚弟と共に処分して下さい!!!!」

ドレッグは額を床につけ嘆願した。


「ならん。お前は騎士団長であろう!」



「このような事態を招き、このまま団長として居るわけにはいきません!!」


「ギデオンの処分は追って決める。このまま待機するように!ギデオンは牢に!!」


ギデオンは牢に入れられ、エミリーが捕まった事すぐにアルベーリアに広がった。


そして集められたのは少ない家門の者達であった。
着る物を与える配慮もないまま、皆が見守る中、床より何段か高い処刑場のような場所で剣を首にあてられ、涙と鼻水を流しながらガクガクと震えて、太ももには生温かい液体が伝う。


隣にいるエレメントは目を閉じて、ただ判決を待っていた。

ギデオンについては、魅了により巻き添えになった事と、直接的な罪を犯していない事を配慮し、無罪となったが、本人の希望もあり、神官の見習いとして南の国境近くの教会へ引き取られることとなった。


「して、デボラ嬢。罪状は分かっているな?」


「そ、そんな!私はこのエレメント様に騙されただけで、何もしていません!!!!!」


「うむ、身内の犯行に気づくことすら出来なかった…私にも責任があるということか…」

国王とエレメントは血を分けた正真正銘の兄弟であり、中が悪い訳では無かったし、テオドールも懐いていた。


「エレメント、私がどんな王であったらお前と今も笑いあえていたのか…そればかりを思ってしまう。…だが、私はこのアルベーリアの国王だ。」






「エレメント・シズリー・アルベーリアを絞首刑とする。」




あたりがざわつき、王妃は自分の手を国王の手にそっと重ねた。
そして、大丈夫だというように頷いた国王は、エミリーに向かって提案をした。


「罪人であろうと弟だ、デボラ嬢が愚弟にされたことは聞いている。」

エミリーは震えが止まり、シメたという顔をした。


「そ…そうよ!その男は私を辱めたわ!!」


「…うむ。では過酷で危険もあるがデボラ嬢の好きな仕事をひとつ用意する。そこで生涯を働き終えるか」

「もしくはエレメントと同じ絞首刑だ。」


「働くわ!死ぬよりマシだものっ、お願いします!!」
(生きてりゃチャンスあるわ!)


「では、このアルベーリア監獄の精神棟にて、奉仕するように。衣食住は補償されるが、あくまでお主も刑務である。ワガママは通用せん。奴らにも慰みが要るであろう。」


王妃は扇で顔を半分隠して、これ以上目に入れたくないと言うように目を閉じたが、口元は笑っていた。


これを提案したのは王妃だったからである。


アルベーリア監獄の精神棟は更生の見込みのないサイコパスや、精神を殺人などによって病んだ者、元々精神を病んでおり、改善の余地がないものを、他の囚人と収監すると他の者に危害を加えてしまう可能性のある為、別の棟で治療し収監している場所である。


名目上、カウンセリングとして見目麗しいエミリーを送り、彼らの心を癒すと言う目的であったが…



本当の所は、そんなにキレイ事ですむような話のできる者達ではなかった…。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

【完結】白い結婚成立まであと1カ月……なのに、急に家に帰ってきた旦那様の溺愛が止まりません!?

氷雨そら
恋愛
3年間放置された妻、カティリアは白い結婚を宣言し、この結婚を無効にしようと決意していた。 しかし白い結婚が認められる3年を目前にして戦地から帰ってきた夫は彼女を溺愛しはじめて……。 夫は妻が大好き。勘違いすれ違いからの溺愛物語。 小説家なろうにも投稿中

旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます

おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。 if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります) ※こちらの作品カクヨムにも掲載します

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない

ベル
恋愛
旦那様とは政略結婚。 公爵家の次期当主であった旦那様と、領地の経営が悪化し、没落寸前の伯爵令嬢だった私。 旦那様と結婚したおかげで私の家は安定し、今では昔よりも裕福な暮らしができるようになりました。 そんな私は旦那様に感謝しています。 無口で何を考えているか分かりにくい方ですが、とてもお優しい方なのです。 そんな二人の日常を書いてみました。 お読みいただき本当にありがとうございますm(_ _)m 無事完結しました!

【完結】地味な私と公爵様

ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。 端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。 そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。 ...正直私も信じていません。 ラエル様が、私を溺愛しているなんて。 きっと、きっと、夢に違いありません。 お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)

冷徹公爵の誤解された花嫁

柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。 冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。 一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

処理中です...