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第57話 寝間着
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パーティーはつつがなく進行した。
時折、ヴァンパイアの妹、カーミラ嬢の視線が鋭く刺さってくる以外は。
また何か言われるのだろうかとも思ったが、ユリウスが常にそばにいたためか、その後は特に何もなかった。
最後にパーティーはダンスで締められた。
もちろん私にダンスの経験などない。
ユリウスが優しく手と体を引いてくれた。
私は体を預けるだけでよかった。
小楽団による音楽もおそらく私のために緩やかなものが用意されていた。
淡い光に照らされ、私達はホールを一周した。
パーティーを切り上げる頃には夕食の時間だったけれど、話をしながら、合間でひっきりなしに食事をとっていたため、あまりお腹が空いていなかった。
夕食はスープだけで済ませ、入浴する。
疲れを洗い流すために、いつもより長めに風呂に入っていた。
そして風呂から上がった私を待っていたのは、思いもかけない寝間着だった。
「に、ニンフ、シルフ、これは……?」
「お似合いです!」
「セクシーです!」
「きっと陛下もイチコロです!」
レースでできたその寝間着は、肌のほとんどを隠していなかった。
胸元と下半身には厚めの布があてがわれているが、なんとそれは真ん中から開くことができるようになっていた。
「こ、こんなのただの痴女じゃない!?」
私は着させられた布をつまみながら、悲鳴を上げた。
「陛下がリボン以外の寝間着をご所望でしたので……」
「魔界にはろくな寝間着がないの!?」
なんという文化の盲点だろう。
リボンの寝間着をやめたらこんな破廉恥きわまりない寝間着を差し出されるなんて。
「も、もういいわ、いつものリボンの寝間着を持ってきて……」
「ええ……せっかく着ましたのに……」
「陛下も楽しみにしてますのに……」
「これを!?」
どうしても着替えたかった私だったが、ニンフたちに押し切られて、破廉恥な寝間着で寝室に放り込まれた。
いっそユリウスの部屋に通じる扉の鍵を閉めてしまおうかとすら思った。
しかし私が煩悶している間に扉がノックされた。
「……どうぞ」
「王妃、今日はお疲れ……さま……」
ユリウスは私の寝間着を見て固まった。
「…………」
「…………」
ユリウスの顔は見るからに困惑していた。
どうやらこの寝間着は魔界のスタンダードというわけではなさそうだった。
「脱ぎます!」
羞恥と混乱が私の脳裏を支配する。
「落ち着け」
オロオロとユリウスが手を伸ばしてくる。
「もう脱ぎますからあ!」
「落ち着こう、ミラベル、に、似合っている!」
「うううううう」
若干引いた顔をしながらユリウスは私のそばに歩み寄った。
そしてゆっくり私を抱き締めた。
ガウンの向こうにユリウスの香りがする。
「その、なんだ、ビックリしただけだ。大丈夫。かわいいし……うん、刺激的だ、うん」
「お恥ずかしいです……」
耳まで真っ赤になっているのがわかる。
「まあ、これはこれで……悪くない」
「うう……」
ユリウスの手が私の顎をすくい上げた。
「まだ何もしていないというのに顔が真っ赤だな、ミラベル」
「そ、それは……だってこんな恥ずかしいかっこう……」
「何度もそれ以上の姿を俺に見せているのに?」
「う……」
確かに裸と比べれば布がある分、恥ずかしくは……。
「いえ、これ裸の方がマシでは!?」
「そう風情のないことを言うな」
ユリウスは空いてる方の手で私の背を撫でた。
レース越しに撫でられるのはほとんど素肌を撫でられるのと同じ感触だった。
「…………っ!」
体がブルリと震える。
「久しぶりの夜だ、楽しもう、ミラベル」
「うう……」
「……君がどうしても嫌だというのなら出直すが……」
そう言ったユリウスの顔は明らかに落ち込んでいた。
「い、いえ、大丈夫です……」
嫌というかただただ恥ずかしいのだ。
「よし」
ユリウスは私の体を優しくベッドに押し倒した。
「じゃあ、するか」
「はい……」
恥じらいを隠せずに、私は目を閉じた。
時折、ヴァンパイアの妹、カーミラ嬢の視線が鋭く刺さってくる以外は。
また何か言われるのだろうかとも思ったが、ユリウスが常にそばにいたためか、その後は特に何もなかった。
最後にパーティーはダンスで締められた。
もちろん私にダンスの経験などない。
ユリウスが優しく手と体を引いてくれた。
私は体を預けるだけでよかった。
小楽団による音楽もおそらく私のために緩やかなものが用意されていた。
淡い光に照らされ、私達はホールを一周した。
パーティーを切り上げる頃には夕食の時間だったけれど、話をしながら、合間でひっきりなしに食事をとっていたため、あまりお腹が空いていなかった。
夕食はスープだけで済ませ、入浴する。
疲れを洗い流すために、いつもより長めに風呂に入っていた。
そして風呂から上がった私を待っていたのは、思いもかけない寝間着だった。
「に、ニンフ、シルフ、これは……?」
「お似合いです!」
「セクシーです!」
「きっと陛下もイチコロです!」
レースでできたその寝間着は、肌のほとんどを隠していなかった。
胸元と下半身には厚めの布があてがわれているが、なんとそれは真ん中から開くことができるようになっていた。
「こ、こんなのただの痴女じゃない!?」
私は着させられた布をつまみながら、悲鳴を上げた。
「陛下がリボン以外の寝間着をご所望でしたので……」
「魔界にはろくな寝間着がないの!?」
なんという文化の盲点だろう。
リボンの寝間着をやめたらこんな破廉恥きわまりない寝間着を差し出されるなんて。
「も、もういいわ、いつものリボンの寝間着を持ってきて……」
「ええ……せっかく着ましたのに……」
「陛下も楽しみにしてますのに……」
「これを!?」
どうしても着替えたかった私だったが、ニンフたちに押し切られて、破廉恥な寝間着で寝室に放り込まれた。
いっそユリウスの部屋に通じる扉の鍵を閉めてしまおうかとすら思った。
しかし私が煩悶している間に扉がノックされた。
「……どうぞ」
「王妃、今日はお疲れ……さま……」
ユリウスは私の寝間着を見て固まった。
「…………」
「…………」
ユリウスの顔は見るからに困惑していた。
どうやらこの寝間着は魔界のスタンダードというわけではなさそうだった。
「脱ぎます!」
羞恥と混乱が私の脳裏を支配する。
「落ち着け」
オロオロとユリウスが手を伸ばしてくる。
「もう脱ぎますからあ!」
「落ち着こう、ミラベル、に、似合っている!」
「うううううう」
若干引いた顔をしながらユリウスは私のそばに歩み寄った。
そしてゆっくり私を抱き締めた。
ガウンの向こうにユリウスの香りがする。
「その、なんだ、ビックリしただけだ。大丈夫。かわいいし……うん、刺激的だ、うん」
「お恥ずかしいです……」
耳まで真っ赤になっているのがわかる。
「まあ、これはこれで……悪くない」
「うう……」
ユリウスの手が私の顎をすくい上げた。
「まだ何もしていないというのに顔が真っ赤だな、ミラベル」
「そ、それは……だってこんな恥ずかしいかっこう……」
「何度もそれ以上の姿を俺に見せているのに?」
「う……」
確かに裸と比べれば布がある分、恥ずかしくは……。
「いえ、これ裸の方がマシでは!?」
「そう風情のないことを言うな」
ユリウスは空いてる方の手で私の背を撫でた。
レース越しに撫でられるのはほとんど素肌を撫でられるのと同じ感触だった。
「…………っ!」
体がブルリと震える。
「久しぶりの夜だ、楽しもう、ミラベル」
「うう……」
「……君がどうしても嫌だというのなら出直すが……」
そう言ったユリウスの顔は明らかに落ち込んでいた。
「い、いえ、大丈夫です……」
嫌というかただただ恥ずかしいのだ。
「よし」
ユリウスは私の体を優しくベッドに押し倒した。
「じゃあ、するか」
「はい……」
恥じらいを隠せずに、私は目を閉じた。
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