シニカル ショート ストーリーズ

直木俊

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承認否欲求のススメ

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今日は化粧のノリが悪いと思って電車に乗っていると、周りの人がこちらをジロジロ見ているような気がする。

自意識過剰の症状だが、多かれ少なかれ、誰にでもこの傾向はあると思う。

しかし、実際には、もっと酷い事を思っているかもしれないのだ。

例えば、「あんなにブザイクな顔をしているのに、スタイルはもっと酷い。よく平気で電車に乗っているものだ。自分だったら、ここで自殺する。」と電車に乗っている30人全員がそう思っているかもしれない。

人の思っていることなんて分からないものだ。

最近は皆「いいね」の数で一喜一憂しているが、「自分だったら死ぬ」とか「今すぐ死ねば」というボタンがあったら、さぞかし刺激的だろう。大体、人は他人のことをディスりながら、心の平穏を保っているものだ。

人を褒めている場合、特に女性の場合は、百パーセント嘘だと断言しよう。これが間違いだという女性がいたら、間違いなく嘘つきだ。しかし、褒められた女性は百バーセント本気にする。女性とはそういう生き物なのだ。



というのは、冗談だ。なぜなら私は男だからだ。女性にバカにされ嫌われるのは、なにより怖いのだ。



ということで、人の評価に振り回されるバカらしさがお分かり頂けると思う。自分のことは自分がよく分かっているので、わざわざ、ディスりたがっている野獣群れの中の、子羊のようにならなくて良いし、人に媚びて評価してもらおうと躍起になることもない。

人からは、最低なやつだと思われている位が丁度良い。ナニカやらかしても、やっぱりなと思われるだけだし、少し良い事をしただけで感心してもらえる。


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