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これは予想外でしたわ。
何故このような格好をなさっているのかしら。
この格好はまるでーーー。
「一目見た時から、私は君に惹かれていた。だが、弟の婚約者になってしまったから君の事は諦めていた。しかし婚約破棄をした今なら言える。エレノア、君を愛している。どうか、私と結婚してほしい」
お待ちくださいませ…。
突然の事で頭が追いつきませんわ。
確かにアラン様は素敵なお方で、私が困っている時はいつも助けて下さったり、魔道具に興味がある私に優しく魔道具について教えてくださりました。
ですが…。
ですが、まさか私のことをその様に想ってくださっているなんて知りませんでしたわ…。
だって…だって………ずっと私の片想いだと思っていましたから。
「私で……良い、のでしょうか…?」
顔が熱くてアラン様の事を真っ直ぐに見れませんわ。どうしましょう。これ程心臓が大きく音を立てて鼓動するのは初めてですわ。
「エレノア」
「は、はい…」
「それは承諾と受け取っても良いのかな?」
「は、い…キャッ、」
言葉に詰まりながらも返事をすれば、いきなり腕を引っ張られ、気付けばアラン様の胸の中にいました。
「あ、アラン!皆様が見ておられますわ!」
「ああ、そうだね。この幸せな瞬間を皆に見てもらおう」
「な、なに、を…」
「愛しているよ、エレノア」
「ん、」
美しいお顔が近付いてきた、と思った頃にはアラン様の唇で私の物を塞がれていた。
沢山の人がいらっしゃると分かっていても、想い人と心が繋がったこの幸福感で感覚が麻痺してしまったのか、深く長いアラン様の愛を抵抗することも無く受け入れてしまった。
私達の唇が離れた頃に、静まり返っていた会場中で拍手が起こる。
その音で我に返る。
わ、私は公衆の面前でなんて事を…!
これではまるで、あの第3王子と同じではありませんの!
「恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。私達は皆から祝福されているみたいだからね」
「しゅ、祝福だとしても、私は皆様の前でなんて事を…」
穴があったら入りたいとはこのことですわ!
「私の奥様は恥ずかしがり屋だね。だけど、そんな所も可愛くて好きだよ」
そう言って私のおでこに優しいキスを送ってくださる。
だけど、今はやめてくださいませ。
もう恥ずかしさでどうにかなってしまいそうですわ!
「いやはや…まさか、あの魔道具しか興味の無かったアランが求婚とは…人生何が起こるかわからんものだな、妃よ」
「ええ、そうですわね。ですが、私はアランがエレノア嬢を想っていることは察しておりましたので、ようやく恋がかなった事を嬉しく思いますわ」
「なに?そなたはアランの気持ちを知っていたのか?」
「ええ、エレノア嬢が婚約を結んだ時、あの子は酷く落ち込んでおりましたからね」
「母上!」
王妃殿下が楽しそうに語る内容に、アラン様が焦ったように声をあげられる。
そのアラン様に対し、国王陛下と王妃殿下は微笑ましそうに笑っていらっしゃる。
ですが、もうやめて下さいませ!
アラン様の気持ちを知っただけでもいっぱいいっぱいですのに、皆様の前でキスをし、更に昔の話まで…!
「ふふふ、あまり昔話をするのもよくありませんね。それよりも、エレノア嬢」
「は、はい!」
どうにか気持ちを落ち着かせようとしていると、王妃殿下が声をかけてくださる。
「どうか、アランの事をよろしく頼みます。そして、今まであれの面倒を見てくれたこと、感謝します」
「いえ、勿体なきお言葉です」
「皆の者、我が息子アランの恋がかなった祝杯を共にあげてくれ!」
そう言って国王陛下が杯を掲げる。
先程の乾杯と違って、今度は皆様の顔が笑顔になっていますわ。
婚約破棄で始まったパーティーですが、まさかこんなにも幸せな気持ちになれるなんて思ってもいませんでしたわ。
それもこれも、隣にいるこの愛しい人のおかげですわね。
「アラン様」
「うん?なんだい?」
「愛しております」
「、その顔でその言葉はズルいよ…。結婚したら、覚えておいてね」
ズルいとは、覚えておいてとは、一体なんのことでしょうか?
よく分かりませんが、アラン様とこれからも共に居られるこの奇跡に感謝致します。
第3王子との婚約期間は最低なものでしたが、最後に幸せを運んでくださったので、今までの事は水に流して差し上げますわ。
ですか、慰謝料はしっかりといただきますので、頑張ってくださいね?
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