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後日談、第3王子視点 1
クソ!クソ!クソ!
何故この俺が平民と同じ空間で魔道具など販売しなければいけないんだ!
「俺は第3王子だったんだぞ!もっと敬意を払え!」
「そんな事を言っても、君はもう王族でもなく平民になったんだ。早く現実を受け止めて仕事をしてくれ」
「うるさい!うるさい!うるさい!気安く俺に話しかけるな!この薄汚れた平民風情が!」
「はぁ…こっちだってエレノア様とアラン様がどうしてもと言うから働かせてやっているだ。そうでもなきゃ、アンタみたいに何も出来ない役立たずを誰が雇うかよ」
俺が何も出来ない役立たずだと!?
何故そんなことをコイツに言われなくちゃいけないんだ!クソ!そもそもあの女が悪いんだ!
有難くも俺の婚約者に選ばれていながら俺の意見を全く尊重せずに俺に口答えばかりしやがって!
見た目はそれなりだが性格は最悪だ!
女は男を立てるものだろうが!
あの女が俺の婚約者になったせいで俺の人生はめちゃくちゃだ!
あの女さえいなければ今頃俺は皆に尊敬され、愛する者と幸せに暮らせていたんだ。
それなのにあの女はそれを狂わせ、あまつさえ俺を働かせ金までせびってきやがる。どこまでも最悪な女だ。
俺と共に平民へと堕とされたディアは日に日に俺に不満をぶつけてくるようになるし、なんて最悪な人生なんだ。
そもそもアイツが馬鹿な嘘をつかなければ俺は地位を失う事はなかったんだ!
どいつもこいつも、俺の周りには最低なヤツしかいないな!
「なあ、店員さん。光の魔道具はどこにある?」
「………」
「ちょっと、聞いているんだけど」
「………」
「ねぇ、あなた!耳がないのか!?」
「うるさぁい!平民如きが尊い血筋の俺に話しかけるな!」
平民はどうしてこうも頭が悪いんだ。
俺に話しかけるなど恐れ多いと理解するべきだろうが。
「うわぁ…アンタが平民になったと言う王子か。噂は聞いていたけど、見た目は良くても本当に人間として最低な人だな。アンタみたいなのが王族でなくなってよかったよ」
「はぁ!?俺に向かってなんてことを言いやがる!」
「くっ、こっんの!事実だろうが!」
「ぐわっ!」
生意気な口を聞く奴の胸倉を掴めば、逆に地面に押し付けられる。
「離せ!不敬だぞ!今すぐその首をはねてやる!」
「出来るもんならやってみろよ!」
「くそっ、なめやがって!」
くっ、起き上がろうとするのに全く動かないだと…!
「おい!誰かいないか!誰かこの不敬者の首を即刻はねろ!」
「、何の騒ぎだ!?」
俺が声を上げれば、奥から俺をこき使う店の平民が出てくる。
「いい所に来た!今すぐこいつの首をはねろ!」
「黙れ!」
「ぐっ、お、お前!なんてことをするんだ!」
俺の指示に従わずに突然俺の顔を蹴ってきた店の平民を睨みつける。
俺がこんな無様な格好をされているのに顔面を蹴るとはどういうことだ!
「お客様、申し訳ありません。この者がなにか粗相をしでかしたようで、店主である私から謝罪させていただきます。本当に申し訳ありませんでした」
「いや、アンタもこんな奴の面倒を見さされて苦労するな」
「いえ、これも仕事ですから。ですが、今日でその役目も最後になりそうです」
最後…?
ということは、ようやく俺はこの店から解放されるのか!
おそらく父上が勘当を解いてくれたのだろう。
少し騒動を起こしたくらいでこの仕打ちはやり過ぎだと思うが、王族に戻れるならその事は水に流そう。
それよりも、王族に戻った暁には、この無礼者達を即刻処罰してあの女にもそれ相応の罰を必ず受けさせてやる。
この俺にこんな屈辱的なことをさせておいてただではすまさんぞ。
まず初めに何をするか…。
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