嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。

しあ

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8、皇帝から夕食を誘われました

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「何故今日もいらっしゃったのですか?」


アイリに泣かれて落ち込んで帰った皇帝は、何故だか次の日も来た。


「皇后とアイリに挨拶をしに来ただけです」
「そうですか」
「では、私はもう行きます」
「あ、はい」


来たと思ったら、アイリを見てすぐ何処かへと去っていった。一体何がしたかったのか…。


そんな皇帝の不可解な行動は、次の日も、その次の日も続き、1週間が経った頃に、皇帝が言った。


「今日は天気が良いのですが、散歩でもどうでいかがですか?」
「生後1ヶ月になるまでは赤ちゃんを外に出すことは控えたいのでお断りします」


どうして急に散歩に誘ってきたのか本当に意味が分からない。誰かと散歩がしたいなら、側室の人とすればいいのに。何故こんなにも私達に構いたがるのか。


散歩を断られて少し落ち込んだ様子に見えたけど、皇帝はアイリが生後1ヶ月になるまで通ってきた。


「今日で1ヶ月になりましたね」
「そうですね」
「アイリの生後1ヶ月に記念に夕食でも一緒にどうですか?」
「・・・いいですよ」
「本当ですか!」


承諾すれば、皇帝は驚いたように声を出す。断られるとでも思ったのだろうか。


生後1ヶ月といえば、前世ではお宮参りをしてお祝いする時だ。この世界にそんな行事は無いようだけど、せっかくなのでお祝いくらいはしたい。


なので承諾したのだけど、まさか驚かれるとは思ってもみなかった。今まで少し冷たく接し過ぎたのかもしれない。


だけど、第一印象は最悪だったし、寝不足でやっと寝れる…と思った時に、まるで見計らったかのようにいつも来るのだから仕方ない。と言い訳させて欲しい。誰だって、睡眠時間が削られれば怒りっぽくもなるし、それが第一印象最悪の人なら尚更だ。


しかし、そんな人でもアイリの父親である事は変わりないので、生後1ヶ月をお祝いするために、今夜食事をすることになった。


のだけどーーー。


「断ればよかったかな…」
「何をおっしゃるんですか、久しぶりの夫婦揃ってのお食事ではありませんか」
「そうですよ。それに、アイリ様が生まれてからというもの、全く着飾ることがなかったのですから、たまにはオシャレを楽しみましょう」


いつも身の回りの世話をしてくれるミリアナとジェーンが楽しそうに私の身なりを整えていってくれる。ちなみにマーガレットは、アイリを抱きながら楽しそうに鏡の中の私を見ている。


本当にこの世界の貴族って大変だな。食事するだけなのに髪を結って化粧して、ドレスを着込んでめかしこんで…。家でご飯を食べるだけなのに、何故こんなにも準備に時間がかかるんだ。


「適当で良いよ」
「適当なんて!何をおっしゃるんですか!ルビア様は美しいのですから、着飾らなくては勿体ないです」


そう言ってジェーンが楽しそうに化粧を施してくれる。


「今だから言えますが、ルビア様は薄く化粧された方がより美しさが際立つと思っていたのです」


確かに、記憶の中にいる私は全く似合わない、塗りたくっただけの化粧をよくしていた。やっぱり周りも似合わないって思ってたんだ。


思ってたけど、言えばきっと私が理不尽に怒鳴りつけたり、体罰を与えたり、クビにしたりするから言えなかったのだろうな。


それにしても、記憶の中の私は本当にめちゃくちゃだな。私だったら絶対に関わりたくないタイプの人間だ。


そりなのに、ミリアナとジェーンは私が皇后になってからずっと専属侍女として使えてくれているから凄いとしか言えない。侍女としてのプロ意識が本当に高くて責任を感のある人達なんだろうな。


「さぁ、準備が終わりましたので夕食の席へ参りましょうか」
「うん。あ、でも待って、アイリに少しだけ授乳させて」


ご飯を食べるだけだしそんなに時間は掛からないと思うけど、アイリの授乳時間に被るかもしれないので少しあげておく。


そして、いざ出ようと思うと、アイリがおしっこをしたのでオムツを変えたりしていると、予定の時間より遅くなってしまった。


かなり前から用意していたけど、赤ちゃんが居るから予定通りにいかないのは仕方のないことだ。前世でも、出ようとすると子供がトイレに行きたがる、なんてよく聞いていたし。


とりあえず、皇帝を待たせているので早く行かないと。そして謝罪しないと。

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