嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。

しあ

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14、予期せぬ来訪者

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みんなが心配してくれる中、涙は全然止まらず、アイリに涙が落ちないようにマーガレットがハンカチで拭ってくれる。


「ルビア様、ルミリオ陛下には私からキツく言っておきましたので安心して下さい」
「ありがとう…」
「…大丈夫?」
「え…?」


マーガレットに感謝してると、突然小さくて暖かい物が、アイリを抱いている手に重ねられた。


「リアム様…?どうしてここに?」


顔を上げれば、昨夜会ったばかりの皇子様が私を心配そうに見上げていた。


「泣いてる声が聞こえたから、見に来たの。大丈夫?どこか痛い?」


昨日と違って砕けた口調で話すリアム様は、年相応のあどけなさを残していて可愛らしい。おそらくこれが、本来の彼の姿なのだろう。


泣いている私を心配して入ってきてくれるなんて、なんて優しい子なのだろう。可愛らしい姿に、気付けば涙も止まった。


「痛くないので大丈夫ですよ。ありがとうございます」
「本当?あ、そうだ。僕、さっき飴をもらったから、皇后陛下にも分けてあげる。はい!」
「リアム様の飴なのに、頂いてもいいのですか?」
「うん!メリーがいつも、悲しんでいる人には優しくしなきゃダメだって言ってたから良いよ」
「では、有難くいただきます」


メリーとは、リアム様の乳母の名前だったかな?そういえば、いつも彼女が付き添っているのに、今日は居ないようだ。


「あの、今日は1人でここまで来られたのですか?」
「ううん、母上と。でも、父上と話していたから、先に入ってきたの」
「先に?」
「うん!今日は、昨日僕を助けてくれてありがとうございましたって母上と言いに来たの」
「そうなのですか。わざわざ来ていただいてありがとうございます」


昨日もしっかりお礼を言ってもらったのに、改めて来てくれるなんて丁寧な親子だ。


私も、アイリがリアム様のように礼儀正しい子になってくれる様にしっかりと育てないと。なんて密かに心で決意していると、リアム様がアイリのことを覗き込む。


「赤ちゃん見てもいい?」
「良いですよ」


アイリを見えやすいようにリアム様に近づければ、リアム様がニッコリと笑う。アイリももちろん可愛いけど、リアム様もすごく可愛くて自然と笑みが盛れる。


「ちっちゃくて可愛いね。僕の妹…なんだよね?」
「そうですよ。名前はアイリと言います。良かったら仲良くしてあげて下さい」
「うん!いっぱい仲良くする!アイリ、お兄ちゃんだよー」


妹が出来たことが嬉しいのか、リアム様はアイリの掌をつんつんとつつく。


「わぁ!握った!皇后陛下!アイリがギュッでした!」
「ふふふ、そうですね。アイリもお兄ちゃんが来てくれて嬉しいのかも知れません」
「そうかなぁ?」


照れたように笑うリアム様と、リアム様の指をぎゅっと握るアイリが愛おしくてたまらない。


なんとなく、皇后と側室の子供は仲が悪いイメージがあったけど、リアム様とアイリはそういう関係にならなそうで本当に良かった。このまま行けば、きっと仲良しな兄弟になるに違いない。


「ねぇ、皇后陛下」
「なんですか?」
「アイリはお花好き?」
「どうでしょう…この部屋から出たのは昨日が初めてなので、お花もまだ見た事がないんです」
「そうなの?なら、僕が摘んできてあげる」
「それはきっとアイリも喜びますよ」


言動がいちいち可愛くて困ってしまう!妹のために色々してあげようとする姿が本当に尊い!


「リアム様は本当に優しい方ですね」
「、!…えへへへ」


我慢出来ずにリアム様の頭を撫でれば、一瞬驚いたように固まり、次の瞬間、すごく嬉しそうな顔で笑った。


良かった。今までの態度が態度だった為に、拒絶されるかと思ったけど、何とか受け入れられたみたいだ。


そういえば、記憶の中の私は、リアム様には無関心で嫌がらせとかしていなかったようだ。だから、多少は私への印象がマシなのかな?それならそれでよかった。おかげでこうやってリアム様の頭を撫でさせてもらえるのだから。


「皇后陛下の手は気持ちいいね」
「そうですか?それなら良かったです」
「僕もアイリを撫でてもいい?」
「ええ、もちろんです」


アイリの頭を少し緊張したようにリアム様が撫でる。


「メリーがね、赤ちゃんは弱いから、優しく触らないといけないって教えてくれたんだ」
「メリーはリアム様に色々教えてくれるんですね」
「うん!メリーはすごく物知りで、いつも色んなことを教えてくれるんだ」


まるで自分が褒められたかのように、リアム様は笑う。


「アイリにも、今度メリーに会わせてあげるね。すごく優しくて僕の好きな人なんだ」
「よかったねぇアイリ。今度、お兄ちゃんの好きな人に会わせてくれるんだって。楽しみだね」
「きっとアイリも好きになるよー」


アイリを撫でながらリアム様が色んなことを話してくれていると、いつの間にかアイリの授乳の時間になっていた。


授乳後、リアム様がミルクを飲ませたいと言うのでお願いしてみたら、なんて可愛いんでしょう…。この時代にカメラが無いのが本当に悔やまれる…。ここに天使がいるよ…。


「あら、誰でしょう」


2人に癒されていると、ノックする音が聞こえたので、マーガレットが対応してくれる。

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