嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。

しあ

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15、外でそんなことが起きてたとは…




「リアム皇子なら、ここに居ますが?」
「本当ですか!?」
「あ、ちょっと…!」


何やら騒がしい。


「リアム様!ここに居られたのですか!」


マーガレットを押しのけ誰か入ってきたかと思うと、焦った様子でリアム様を呼ぶ女性が居る。


「あ、メリー。どうしたの?」
「どうしたの?ではありません!今、城内でリアム様の捜索が行われているのですよ!」



なんだって!?


リアム様の乳母のメリーはとんでもない事を言うので、マーガレット達と顔を見合わせて驚いてしまう。


「あの、リアム様。もしかして、この部屋に入る事を、誰にも伝えてこなかったのでしょうか?」
「うん。だって、母上も父上も忙しそうだったから…」
「リアム様、皇后陛下に対してその口の利き方はなんですか。それに、何故周りに伝えずに勝手に行動なされたのですか!」


まさか誰にも伝えずこの部屋に入ってきていて、外でリアム様が捜索されているとは思わなかった。


すごく心配したのだろう。メリーは汗で滲んだ額をそのままに、リアム様を叱っている。


「ごめんなさい…」
「どれだけ心配したと思っているのですか…。イザベラ様も、皇帝陛下も探しておられたのですよ。次からは必ず、何処に行く時でも一人で行動せず、誰かには伝えてください」
「はい…」
「お騒がせしてすいません、皇后陛下。リアム様にはしっかりと罰を受けていただきますので、何卒ご容赦くださいませ」


ご容赦と言われましても…。


「私はリアム様が来てくださって嬉しかったから、どうか罰は与えないであげてちょうだい。それに、ここに引き止めたのは私だから、リアム様を必要以上に叱らないであげて」
「皇后陛下…かしこまりました」
「うん、お願いね」


私が罰を与えないでと言うと、メリーはどこかホットした様子だった。きっとメリーもリアム様には罰を与えたくは無かったのだろう。


リアム様の懐き様を見て予想はしていたが、やはりメリーはリアム様の事をかなり大切に思っているようだ。きっと、すごく可愛がっているんだろうなぁ。


「では、私達はこれで失礼致します。皇后陛下の貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。それではリアム様、参りましょうか」
「うん。皇后陛下、アイリを見せてくれてありがとう。それと、昨日僕を助けてくれてありがとうございました」
「いえ、お役に立てて良かったです。またいつでも来て下さい。きっとアイリも喜びますから」
「うん!絶対また来るね!」
「リアム様」


ニコニコと手を振るリアム様に、メリーが言葉遣いなどを注意するが、私としてはこのままの方が仲良くなった気がして嬉しいので、メリーに目をつぶってもらうようにお願いする。


少し渋られたが、最後は何とか納得してもらえた。


「じゃあ、またね、皇后陛下。それにアイリも」
「はい。お部屋までお気を付けてお帰りください」
「失礼致します」


ドアの前でリアム様が手を振り、メリーが頭を下げて退出する。


はずだったがーーー。


何やらまた外が騒がしい。


「突然申し訳ありません。無礼をお許し下さい。しかし、皇子が居なくなってしまい、心当たりがないか…リアム!」
「ここに居たのかリアム!探したぞ!」
「母上、父上まで、どうされたのですか?」


今の今までリアム様を探してたであろうイザベラ様と皇帝が突然部屋の中へ入ってきた。そして、感動の再会?をしている中で、リアム様だけが首を傾げている。


リアム様としては、ずっとこの部屋でアイリと遊んでいたから、外でどれだけの人が心配していたかは分かっていないのだろう。私も、アイリが居なくなったとなったら、今のイザベラ様みたいに、子供を見つけて抱きしめながら泣いてしまうのだろうな。


「リアム、本当に無事でよかった」
「リアム、皇后に何かされなかったか?大丈夫だったか?」


おい皇帝、勝手に人の部屋に入ってきて言う言葉がそれかよ。本当に、いちいち癇に障ることしか言えないのか。


皇帝の言葉にイラッと来たが、そんな皇帝にリアム様が笑顔で言い返してくれる。


「いいえ、何もありませんでしたよ。何故か泣いておられたので、お慰めして、昨夜私を救っていただいたことを感謝していただけです。それに、私の妹を見せて頂き、とても優しくしていただきました」
「そ、そうか…」


涙の原因は皇帝だし、笑顔で優しくしてもらえたと言われたので、変に心配してしまった皇帝は気まずそうに頷いている。その姿に少しだけ溜飲が下る。


しかし、リアム様は皇帝の前では丁寧な言葉を使うのか。親子なのに…なんだか距離を感じるやり取りだな。


「ルビア様、皇子を見ていて下さり、ありがとうございました。昨夜の事と言い、ルビア様には感謝してもし切れません」
「いえ、私は出来ることをしたまでです。それに、感謝なら昨日頂きましたので、これ以上の感謝は不要です」
「ルビア様の深いお心に感謝致します。それではリアム、行きましょうか。これ以上ご迷惑はかけられないわ」


そう言ってイザベラ様はリアム様と頭を下げて部屋を出ていった。そして、何故か出ていこうとしない皇帝をマーガレットが笑顔で追い出してくれて、部屋の中は静かになった。


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