嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。

しあ

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43、何が本当?




ああ、もう全員居なくなれば良いのよ!なんなのよ!私にばかり辛く当たって!


何度言ってもイザベラ様は皇后の仕事を私に譲ろうとはしないし!まるで自分が皇后だとでも言いたいわけ!?


顔を合わせれば毎回毎回こちらが何もしていないのに泣いて!鬱陶しいのよ!いい加減にして欲しいわ!


そうやっていつも私の事を悪者にしようとするくせに、周りに人がいなければ、


「ルミリオ陛下に愛されてもいないのに、よく皇后になろうと思いましたね。可哀想で仕方ありませんわ」


「私は次期皇帝の息子がいますが…ルビア様は出来そうにありませんね?」


「あら、まだルミリオ陛下と夜を共にしたことが無いのですね…ですが、私の息子がおりますので、世継ぎについてはお気になさる必要はありませんよ」


「最近、ルミリオ陛下に会うことも出来ていないとか…。書類上とはいえ夫婦ですのに…お可哀想に」


「両親からも連絡を絶たれてしまって…お可哀想に。私がルビア様なら死にたくなりますね」


楽しそうにそう言ってくる彼女に腹が立って仕方がない。言い返せば、タイミング良く誰かが来て、また私が彼女を陰で虐めていたと言われてしまう。


私もいい加減学習して無視をすればいいのに、私が言い返すまでずっと嫌味を言い続けられれば、我慢も出来なくなってしまう。それに、言わなければ、本当に私の心が立ち上がれないほどに折れてしまいそうな気がする。


自分でも愚かな行為だと分かってはいる。だけど、こうするしか私には自分の心を守る術がない。


せめて、お父様達から手紙でもいただければ、少しは気が紛れるのに。そう思っていた時、ミリアナがお父様から手紙が届いた事を教えてくれる。


早る気持ちを抑えて手紙を開封する。お父様なら、私の今の状況を憂いてくれるはずだ。そう思って開いた手紙には、私が想像する物とは真逆のことが書かれていた。


要約すれば、皇后として恥ずかしい行動は止め、嫁いだのだから、自分の役割を果たし世継ぎを作れ。私の娘として恥ずかしい行動をこれ以上するなら、もう二度と手紙を送ってくるな。当分会いたくもない。


手紙の内容に、私は絶望した。


お父様なら、私の事を信じて下さると思っていたのに…。お父様も、周りの人と同じように私を否定するのですか。


私は…私は世間で噂されているようなことは何もしていないのに…どうすれば良いのですか…。ルミリオ陛下との世継ぎを作れと言われても、話さえまともにさせてもらえない相手に対してどうしろと言うのですか。


お父様の手紙に、何とか耐えていた自分が壊れていく音が聞こえる。


もう、どうしていいか分かりません…。私はそんなにも人から非難される事をしたのですか?


確かに、ルミリオ陛下とイザベラ様の仲を引き裂く形になってしまったかも知れませんが、不正を行って結婚したわけではありません。それは、お父様もよくご存知でしょう?


それに、今まで私はお父様に恥じるような生き方はしてきていないはずです。欲しいものは必ず手に入れてきましたが、それも、不正などはせず、自分の力で手に入れてきたのです。


そんな私を誇りに思って下さっていたお父様が、私の事を疑うのですか…?


どうして…どうして、みんな私を信じてくれないのですか…。私は…私は…!





「ルビア?大丈夫か?」
「っ、だ、大丈夫です…。すいません、少しボーっとしてしまって…それよりも、どうしてこちらへ?」


今見た記憶の中では、手紙で会いたくないと書いていたはずなのに。今の彼らは、娘の事を心底心配しているように見える。


「どうしてって…。娘が嫁いでから1度も連絡を寄越さず、世間で好き勝手お前の悪評を広められていれば心配するに決まっているだろう」
「そうよ…。貴女が悪女なんて…本当に誰が言い出したのかしら。確かに貴女は気が強いし、言いたいことはハッキリと言うけれど、間違ったことは言わない子なのに」
「ああ、ルビア…本当に会えてよかった」
「ええ、本当に…」


泣いてしまうのではないかと心配になるほど、お父様もお母様も声が震えている。娘のことを溺愛しているのは知っていたけど、本当に娘の事を大切にしている人達なんだと改めて知った。


だけど、どうしてこんなにも娘を大切にしている人が、あんな手紙を送ってきたの?それにーー。


「どうして今まで会いに来て下さらなかったのですか…」
「それは…」


あ、今の言い方は良くない。さっきの記憶に感化されて、少し恨み節で言ってしまった。私の質問で申し訳なさそうに眉が下がるのを見て、もう少し言い方があっただろう、と後悔する。


さっき、お父様もお母様も、私からの連絡は来ていなくて、向こうからは手紙を送ってくれていたと言っていた。それってつまり、間で私達の手紙を誰かが止めていたという事だろう。


もしそれが事実なら、記憶の中で見たお父様からの手紙は本物かどうか怪しくなってくる。誰かがルビアを孤立させ、精神的に追い詰めるためにあんな手紙を偽装した…?


「…ルビア、すぐに会いに来なかった私が悪かった」
「いえ…お父様は何も悪くはありません。私こそ、考え無しに責めてしまい申し訳ありませんでした。…あの、今お時間ありますか?」


パーティの最中ではあるけれど、私達は話し合う必要があるように思える。


 

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