黒猫と異世界転移を楽しもう!

かめきち

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第1章 異世界転移と旅立ち

第35話 訓練3 鉱山

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 しっかり朝には起きて、朝食をいただいた後に、今日から鉱山に2泊は泊まる予定なので宿のエルダに数日開ける事を話しておく。
 まずは依頼を受けるためと、採掘許可証をもらいに商人ギルドを目指す。


 商人ギルドへ着くと、前回と同じお姉さんがカウンターに座っていたので話しかける。

 「こんにちは、発掘許可を頂きたいのですが。」

 声をかけながら、ラーレからの依頼書を受付嬢に渡す。

 「こんにちは、ラーレさんからのご依頼ですね。 前回もご利用いただきましたが、再度身分証を確認させていただきますがよろしいでしょうか?」

 冒険者のギルドカードを提示し、許可証にサインをする。
 
 「Eランクになられたのですね、おめでとうございます。 銀の採掘という事ですが日数はいかがいたしましょう?」

 「一応2泊を予定しておりますが、採掘量によっては3泊になるかも知れません。 そのときはどうすればよいですか?」

 「その場合は登山口の管理室に連絡いただくか、始めから3泊にして、2泊で済んだのなら帰って来られた時に返金いたしますが。」

 「それなら3泊にしておいてください。」

 「かしこまりました。」

 採掘料金の9銀貨を支払い、発掘許可証を受け取ってから商人ギルドを後にする。
 途中の商店で食料や、使ってしまったポーションなども補充する。

 
 鉱山へは前回と同様、2時間少しでたどり着く事が出来た。

 《さて、今回はおれは銀を中心に【探知】で探していこうと思うから、アリスは宝石系を捜してくれるか? あと警戒はもちろんしておくからな。》

 (分かりました。宝石も出来るだけいろいろな宝石を検索します。 もちろん警戒も忘れませんよ。)

 今回は3泊出来る事も考えて、前回よりも奥に進んでいく。
 途中ロックバードが数匹出てきてが、問題なく討伐していく。

 《おっ、この先に銀が結構あるみたいだ。 ここで採掘するからアリスは警戒を頼む。》

 (分かりました。)

 つるはしを持って採掘していくおれの後ろで周囲を警戒してくれているアリスを頼もしく思いながらもどんどん採掘していく。
 
 《なぁアリス、【土魔法】とかで一気に採掘とかは出来ないのか?》

 (出来ますよ。 私もヤストも今は【土魔法】は使えないので不可能ですが。)

 《だよな。 そう言えば魔法の属性は何でも覚えれるものなのか?》

 (何でもは難しいですね。 スキルもそうですが人によって適正がありますので、覚えやすいスキル、覚えにくいスキルがあります。 あと適正がないと決して覚えれないスキルもあります。 ヤストの持っている【時間魔法】や【空間魔法】は適正がないと覚えれません。 それと【光魔法】・【闇魔法】も適正が必要ですね。 火・水・風・土の四大属性も適正はありますが魔力を持っていればどの属性でも少しは使えるようになります。)

 《なるほどな、適正が無いと覚えられないのは分かるけど、適正があるのと無いのでは四大属性はどれくらい違うんだ?》

 (例えば【水魔法)なら、ほとんど適正の無い方なら水魔法スキルを覚えるのに1年間、がんばって覚えても【生活魔法】のウォーター程度です。大魔術士と言われるような魔力を持つ方が最適な適正なら1時間で取得出来ますし、滝を作り出す事が出来るようになったりしますね。)

 《そんなに差があるのか!!》

 (そうです。 だから自分の適性を見極める事はすごく重要なんです。)

 《なるほどな。 自分の適性を見極める方法は無いのか?》

 (あるにはありますが、適正は本人の成長と共に変わる事もあるので鵜呑みにしすぎない方がいいようです。)

 《そうか、今までおれはすんなりとスキルを取得していってるけど、どうなんだろう。》

 (ヤストと私はギフトと称号のおかげでスキルの取得が容易なのと、いろいろな事に適正があるのでしょうね。 これ自体もヤストの好きなチートですね。)

 ニヤッとアリスに笑われたような気がしたが、

 《ありがたくチートもギフトも頂いたんだから、一緒に強くなっていこうな。》

 微笑みながらそう返すと、少し照れたようにアリスも同意してくれ、照れを誤魔化すように続ける。

 (必要なスキルを取得したら、いろいろなスキルも覚えてもらいますからね。)

 《分かったよ。 いつもおれの事を考えてくれてありがとうな。》

 アリスは警戒してる振りをして、後ろを向いてしまった。
 実際に警戒は続けてくれているのだが尻尾が左右に揺れている。


 その日は魔物はほとんど襲ってこないで、採掘に集中でき、金銀鉄銅の他にアメジストや水晶等の宝石も採取できた。
 暗くなる前に自分達の掘り進めた穴で野営の準備をする。

 《アリス、少し早いが暗くなる前に食事をして、交替で休んでから明日は日が出たら作業を再開しよう。》

 (それが良いでしょうね。 最初の見張りは私がしますからね。)

 食事といっても、商店や屋台で購入したすぐに食べれる物なので準備もすぐに終わり、食事にする。

 《アイテムボックスは本当に便利だな。 食事も調理しないでも温かいまま食べれるし。》

 (時間が止まる効果のあるアイテムボックスだからですよ。 私以外には自重してくださいね。)

 《もちろんわかってるよ。 あと気になってたのが結界みたいな事は出来ないのか?おれとアリスしかいないのに野営の度に交替で起きないといけないのはかなりきついよな。》

 (ありますよ。結界は特殊なので【結界】というスキルがあります。 あと属性魔法で物理的に壁を作ったりする方法と、【気配察知】のレベルを上げて睡眠中にも警戒する事も可能です。 【結界】のスキルはヤストは覚えれると思います。)

 《ん?なんでだ?》

 (【結界】は適正も必要ですが、それ以上に空間の把握が必要なのです。ヤストは空間の概念もご存知ですし、なにより【空間魔法】が使えますからね。)

 《1回試してみようか。》

 やり方を聞いて、まずは穴の入り口を塞ぐ様にイメージをして「結界」と唱えてみる。
 なんとなく出来そうなのと、空気を通すガラスをイメージして試していると、

 「スキル結界を取得しました。」

 もう一度試してみると、触れれるガラスのような結界が穴の入り口を塞いでいた。
 
 《出来たな・・・》

 (早すぎですね・・・ もう少し魔力を込めて結界の外側に再度結界を張ってみてください。何度も言いますがイメージが大事ですからね。)

 アリスの言うとおり、結界の外側に網入りの防弾ガラスをイメージしついでに魔力も通さないようにイメージする。
 内側のガラスのような結界を消そうとイメージすると消えて、後で張りなおした半透明で網入りガラスのような結界が出来上がった。

 (出来ましたね。 それでは。)

 アリスがいきなり結界に向かってウインドカッターを放ったが、擦り傷のようなものが出来ただけで十分耐え切れそうだ。

 (大丈夫そうですね。 一応私が見ておきますので、ヤストは休んでいてください。)

 いきなり魔法で試したアリスにちょっと恐ろしいものを感じながら、横になった。

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