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4.ミリア医師side
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【ミリア医師サイド】
私は皇室に属する医者の1人だった。
アリーシャ様専属医師になる前は、いつも通り皇室関係の高貴なる方々の診察と雑務などの業務を日々こなし、時間があれば下町に降り孤児院の方に顔を出して診察をしていた。
孤児院の診察は、完全に善意のみの診察で悪化してたり手遅れの子に関しては涙を飲むしかない。
私は皇室に属する医者の1人。本来なら孤児院へ見に行く事も良く思わない連中も多数いる中、自由に動かせて貰っている。ひとえに私の上司(師匠)のお陰だ。
そんな中、孤児院へ無料で薬や薬草などを処方すると言う事は出来ない。私の他に、私の行動に目を瞑ってくれている師匠にまで罰が与えられる可能性があるからだ。
ただでさえ迷惑をかけているのに。
だから処方するとなると孤児院の診察すらしてあげられなくなるのが現状で...。
自分の非力さに嫌になる事だってある。でも...!
孤児院の診察。薬や薬草の処方が出来ないなら無意味だ!と言われた事もある。
しかし、軽度のうちに。初期のうちに。なんでも早めに発見する事で、他の子に移る前に別の場所に隔離する。
薬などを処方できない以上、たとえ些細な風邪だとしても感染が広がると...より体力のない小さな子供から亡くなっていく。
そう言う事を防ぐ意味でも診察だけでも実施し、患者には早めに安静にしてもらい、体力の回復を祈る。
小さな事かもしれない。些細な事かもしれない。
しかし医師を目指した時から胸に抱いた『1人でも多くの人を助けたい。』その気持ちを師匠は分かってくれている。理解者がいると言うのは本当に心強く、行動する時に責任感とやり甲斐を感じさせてくれる。
こんな私でも。
こんな私なんかでも、誰か1人でも助けたい。その原動力になっているんだと思う。
同じ皇室医師の連中に、いくら無駄だと言われても、孤児院の子供たち。シスターや院長の、完治した時の笑顔は何者にも変え難くまた、私の医師を目指した初心をいつも思い出させてくれる...。
確かに亡くなってしまう子もいる。しかし、診察をして早めに対処することにより、明らかに孤児院の発病者数が減ったそうだ。
発病者数が減る。
これは単純に考えて、孤児院で自分たちが食べる為に育てている野菜の世話、農業をする働き手が安定して得られると言う事だ。病気になる子が出て、それが移り蔓延なんかしてみろ。野菜の世話どころじゃない。農地も荒れ果て、食べ物もなく病気が蔓延し後は死ぬのみ。地獄だろ。
私は、そう言う場所から師匠に救って貰った...。あんな絶望、他の子にまで経験させたくない。1人でも健康に元気に。健やかに過ごして欲しい。孤児院出だと、大人になれば辛い事の方が多いかもしれない。だからせめて今は健やかに、得られる全ての事を享受できるように手助けしてあげたい。
かつて私がしてもらったように。
そんな活動をしている最中、師匠の紹介を経て、アリーシャ様の兄上である御当主様がアリーシャ様の専属になってもらえないかと私を勧誘して下さったのだ。
もちろんアリーシャ様の事が第一だか、今まで通り空いた時間があれば、孤児院への診察は勿論、何より薬や薬草代まで御当主様が負担してくださると言うのだ!皇室医師を外れると言うのは少し不安があるが、この国の中でも力を持つ公爵家の御当主様から直接お声掛け頂くなんて、とても名誉なことだ。
なんでもアリーシャ様の生い立ちが複雑ゆえ、腕の良い医師を専属で常駐させたいが、通常の皇室医師では考えが偏っていたり貴族主義である為、アリーシャ様の専属とする事に不安を覚えたためらしい。
確かに、孤児院に出入りする皇室医師なんて私か師匠くらいだしな。
あと...仲良くなった侍女達から聞いた話では、御当主様は今まで離れて暮らしていた妹様を大変可愛がられており、男性医師では何が間違いがあってはならない!との考えもあられたので、女性医師を探されていたとか。
なんとも微笑ましい御兄妹だ。
私は皇室に属する医者の1人だった。
アリーシャ様専属医師になる前は、いつも通り皇室関係の高貴なる方々の診察と雑務などの業務を日々こなし、時間があれば下町に降り孤児院の方に顔を出して診察をしていた。
孤児院の診察は、完全に善意のみの診察で悪化してたり手遅れの子に関しては涙を飲むしかない。
私は皇室に属する医者の1人。本来なら孤児院へ見に行く事も良く思わない連中も多数いる中、自由に動かせて貰っている。ひとえに私の上司(師匠)のお陰だ。
そんな中、孤児院へ無料で薬や薬草などを処方すると言う事は出来ない。私の他に、私の行動に目を瞑ってくれている師匠にまで罰が与えられる可能性があるからだ。
ただでさえ迷惑をかけているのに。
だから処方するとなると孤児院の診察すらしてあげられなくなるのが現状で...。
自分の非力さに嫌になる事だってある。でも...!
孤児院の診察。薬や薬草の処方が出来ないなら無意味だ!と言われた事もある。
しかし、軽度のうちに。初期のうちに。なんでも早めに発見する事で、他の子に移る前に別の場所に隔離する。
薬などを処方できない以上、たとえ些細な風邪だとしても感染が広がると...より体力のない小さな子供から亡くなっていく。
そう言う事を防ぐ意味でも診察だけでも実施し、患者には早めに安静にしてもらい、体力の回復を祈る。
小さな事かもしれない。些細な事かもしれない。
しかし医師を目指した時から胸に抱いた『1人でも多くの人を助けたい。』その気持ちを師匠は分かってくれている。理解者がいると言うのは本当に心強く、行動する時に責任感とやり甲斐を感じさせてくれる。
こんな私でも。
こんな私なんかでも、誰か1人でも助けたい。その原動力になっているんだと思う。
同じ皇室医師の連中に、いくら無駄だと言われても、孤児院の子供たち。シスターや院長の、完治した時の笑顔は何者にも変え難くまた、私の医師を目指した初心をいつも思い出させてくれる...。
確かに亡くなってしまう子もいる。しかし、診察をして早めに対処することにより、明らかに孤児院の発病者数が減ったそうだ。
発病者数が減る。
これは単純に考えて、孤児院で自分たちが食べる為に育てている野菜の世話、農業をする働き手が安定して得られると言う事だ。病気になる子が出て、それが移り蔓延なんかしてみろ。野菜の世話どころじゃない。農地も荒れ果て、食べ物もなく病気が蔓延し後は死ぬのみ。地獄だろ。
私は、そう言う場所から師匠に救って貰った...。あんな絶望、他の子にまで経験させたくない。1人でも健康に元気に。健やかに過ごして欲しい。孤児院出だと、大人になれば辛い事の方が多いかもしれない。だからせめて今は健やかに、得られる全ての事を享受できるように手助けしてあげたい。
かつて私がしてもらったように。
そんな活動をしている最中、師匠の紹介を経て、アリーシャ様の兄上である御当主様がアリーシャ様の専属になってもらえないかと私を勧誘して下さったのだ。
もちろんアリーシャ様の事が第一だか、今まで通り空いた時間があれば、孤児院への診察は勿論、何より薬や薬草代まで御当主様が負担してくださると言うのだ!皇室医師を外れると言うのは少し不安があるが、この国の中でも力を持つ公爵家の御当主様から直接お声掛け頂くなんて、とても名誉なことだ。
なんでもアリーシャ様の生い立ちが複雑ゆえ、腕の良い医師を専属で常駐させたいが、通常の皇室医師では考えが偏っていたり貴族主義である為、アリーシャ様の専属とする事に不安を覚えたためらしい。
確かに、孤児院に出入りする皇室医師なんて私か師匠くらいだしな。
あと...仲良くなった侍女達から聞いた話では、御当主様は今まで離れて暮らしていた妹様を大変可愛がられており、男性医師では何が間違いがあってはならない!との考えもあられたので、女性医師を探されていたとか。
なんとも微笑ましい御兄妹だ。
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