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part 10-5
「眠れない夜になるはずが…」
紗栄子を抱きしめたまま、どれだけの時間が経ったか…
「いま…俺はこの上ない…極上の癒しの中にいる…」
再び熱を持つモノの生理現象とは反対のとても穏やかな世界を自分の意識が漂うような気がする。そしてその意識もが紗栄子の意識と交じり合うような気がする。
この感覚を途切れさせたくなくて、じっと紗栄子を抱きしめたまま体温と呼吸と匂いを交わし合う。
「……分かるかも…自分の意識が…龍之介の中にある感じ…あり得ないんだけど…」
何てことだろうか。
「やはり同じ感性か…」
「毒の…こと?」
紗栄子の呼吸はまだ浅いままなので唇だけで話すような小さな音を奏でるのだが、俺の中で紗栄子が話をしているかのようにはっきりと俺に響く。
「ん…あの時、同じように思っていただろ?今も俺が、意識が交じり合う気がすると感じていると、紗栄子が…意識が俺の中にある感じと言った」
「…龍之介」
「ん?」
「この感じが…幸せっていう感じ?」
すぐに応えることは出来なかった。俺も初めて感じる感覚の中にいた。それでも、それさえも紗栄子には通じるだろうと思えた。
「紗栄子」
俺は彼女を抱きしめ直し、後頭部をポンポンとしたあと撫で始める。
「幸せだと思えば幸せ。これを幸せと思えて、これが続けばいいと思えるなら幸せなんじゃないか?」
容易に、幸せだと押し付けるのは違う気がした。
「毎日客をもてなして幸せを感じる奴もいれば、ブランド品に身を包んで豪遊するのが幸せだと思う奴もいるだろう」
「…人それぞれ」
「ん」
「私は…龍之介が同じ感覚の中で…こうしてゆったりと過ごしてくれる時間が続けばいいと…思う……かも…」
かも…な、断定できない…今すぐはな。
「…これまでと全く別のフラットな感覚なの」
「素」
俺の一音にクスッと笑う紗栄子の頭にキスをする。これまでのフラットは自分の感情を無にする作業だったのだから別物だ。それに気づいているなら、今、紗栄子と俺は同じ幸せの中にいる。
紗栄子を抱きしめたまま、どれだけの時間が経ったか…
「いま…俺はこの上ない…極上の癒しの中にいる…」
再び熱を持つモノの生理現象とは反対のとても穏やかな世界を自分の意識が漂うような気がする。そしてその意識もが紗栄子の意識と交じり合うような気がする。
この感覚を途切れさせたくなくて、じっと紗栄子を抱きしめたまま体温と呼吸と匂いを交わし合う。
「……分かるかも…自分の意識が…龍之介の中にある感じ…あり得ないんだけど…」
何てことだろうか。
「やはり同じ感性か…」
「毒の…こと?」
紗栄子の呼吸はまだ浅いままなので唇だけで話すような小さな音を奏でるのだが、俺の中で紗栄子が話をしているかのようにはっきりと俺に響く。
「ん…あの時、同じように思っていただろ?今も俺が、意識が交じり合う気がすると感じていると、紗栄子が…意識が俺の中にある感じと言った」
「…龍之介」
「ん?」
「この感じが…幸せっていう感じ?」
すぐに応えることは出来なかった。俺も初めて感じる感覚の中にいた。それでも、それさえも紗栄子には通じるだろうと思えた。
「紗栄子」
俺は彼女を抱きしめ直し、後頭部をポンポンとしたあと撫で始める。
「幸せだと思えば幸せ。これを幸せと思えて、これが続けばいいと思えるなら幸せなんじゃないか?」
容易に、幸せだと押し付けるのは違う気がした。
「毎日客をもてなして幸せを感じる奴もいれば、ブランド品に身を包んで豪遊するのが幸せだと思う奴もいるだろう」
「…人それぞれ」
「ん」
「私は…龍之介が同じ感覚の中で…こうしてゆったりと過ごしてくれる時間が続けばいいと…思う……かも…」
かも…な、断定できない…今すぐはな。
「…これまでと全く別のフラットな感覚なの」
「素」
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