彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

光と影 4

「これがいい」
「いいな」
「こちら、黒とオフホワイト、ピンクパープルのご用意がございます」
「全部もらう」
「…悠仁、どうして？私は黒がいいんだけど…」
「マンションと屋敷に置くだろ？どっちでも好きな物に囲まれてりゃいい」
「この色…似合わないと思うけど…」

玖未が遠慮がちにピンクパープルを指差した。彼女が‘これがいい’と言ったのは黒ニットで肘から先、五分袖丈から七分袖丈までがレース編みのようになったものだ。

「着たことがないだけで、似合うと思うぞ」

今日はまるで見た時のようにオールバックポニーテールにしている玖未にピンクパープルのニットを当てて一緒に鏡を覗く。

「ほら、な？」
「ブラックやホワイト、デニムカラーにもよく合うお色でございます。よろければご試着下さい」

半ば強引に玖未を試着室に入れると、川中さんが合うボトムスを手早く集めてくる。

「思ったより…大丈夫」
「知らなかっただけで似合うんだ」

そこからは早かった。

それに似合うパンツとスカートを選ぶと、シャツワンピースは長袖2点、カットソーワンピースは七分袖と半袖をそれぞれ3点、カーディガンは丈やカラー違いで4点、ブラウス、Tシャツ、スカート、パンツ…ちょっと数えきれないが、何も持たない玖未に必要な物だと購入する。

「こちらがご連絡頂いていた物です。どうぞご覧ください」

一段落したところで川中さんが俺に差し出した物を、玖未が何かと見ている。

「玖未、プールでどうする？ここから一緒に選ぶぞ」