DIDN’T

Mehoko0095

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遭遇

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 丘の下のコンビニで、カップ麺と肉まん、それと炭酸飲料を買って家に帰ろうと自転車に乗り、横断歩道を渡ろうと信号待ちをしていた時のことだった。
「あ、新宮くん。今帰り?」
 十字路の右から鳥羽(とば)桃香が歩いてきた。先生が帰宅せよと言ったすぐ後に学校を出たにしては少し遅い時間だ。
「桃香、帰るの遅くないか?」
 信号を見て、青になるのを待っているふりをしながら桃香に聞く。桃香は俺の家のすぐそばに住んでいて、学校では知られないようにしているが俺の幼馴染だ。
「帰りが遅くなったのには訳があってね。新宮くん、途中まで一緒に帰ろうよ。話してあげる。」
 そう言いながら桃香は得意のにんまり顔をした。白くて柔らかい頬が魅力的だ。
「いいけど、何かあったのか?帰りが遅くなった理由って何。」
 信号が変わったので横断歩道を桃香に合わせて歩いて渡る。そもそも俺の家は学校から家までは対して遠くないので、自転車は必須ではなかった。
「先生が、帰りなさいって言ったでしょ。あの後教室を出たら笹木くんが先生と歩いててね。なんか話してた内容からすると、山田くんの話で。笹木くん、怒られてたみたい。詮索するなとか何とか言われてた。」
「そうなんだな。それで?」
 桃香は肩をすくめ、それだけ、と言った。
 今は学校を出て三十分後。道に他の生徒の姿はなく、車が時折行き交う程度だった。丘を登りながら桃香は話を続けた。
「山田くん、気に入ってた小説が焼けちゃって悲しいって。それに教科書とか、色々無くなっちゃったって。火元の特定してもらったら、玄関だったんだって。マッチが火の原因みたいだよ。つまり、放火、だよね。」
「山田の家、ざっくりとしか覚えてないけど私道を入った先だよな。目撃者とかいないのか?」
「それが、いなくてね。あのあたり、家がまばらだし。それにしてもあの日は風が強かったよね。延焼して、何軒か焼けてるんでしょ。不幸は重なるものだね。」
 そう言って桃香はこちらを見た。
「笹木くん、新宮くんのこと怪しんでる。でしょ?何でか分かる?」
 まじまじとこちらを見る桃香の顔に耐えられず、目を背けて口を開いた。
「わからない。俺は何にも恨んでも羨んでもないんだけれど、山田のことなんか。それより今は勉強の方に興味が大事だし。」
「実はね、笹木くん、本当は―」
 桃香が口を開いて言いかけたその瞬間、パトカーがサイレンを鳴らして丘の上から走ってきた。明らかに何か急いでいるように見えて、何かまた起きたのではないか、という気がした。
「とにかく、今日家に来て。話の続きがあるから。」
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