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からくり奇譚 編
074. イオタの一撃
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ドン、という大音声。
雪を中心に、放射状に神気が溢れた。
彼女の身体からは青白い神気が立ち昇り、炎のように揺らめいている。
完全に “神” に呑まれたのだ。
とはいえ雪の意識がなくなったわけではない。奥に追いやられて表に出れなくなっただけだ。
どうしよう、と雪は困惑した。まさかここまで時間がかかるとは思わなかった。
黒装束の男。ふざけた格好だし全く覇気を感じなかったが、なかなかどうして、間違いなく神降ろしをしていない雪よりも強い。
そこで雪はふと気付いた。黒装束の男の周囲に漂っている気配に。
これはまさか───神気!?
じっと気配を探ると、少しずつ視えてきた。女性だ。
まさか、彼には女神の加護がついているというのだろうか。
「さて、と。久しぶりにやる気を出すか」
ユーゴの態度がいつもより幾分か真剣なものになった。言葉通りということだ。
それに雪を支配する神格も気づき、攻撃を仕掛けた。
次々と襲いくる数十本の刀。まるで数十人もの侍に同時に斬りかかられているようだ。
ユーゴは鬼神核に念じた。
【電光石火】発動!
周囲の時間を四分の一にまで落とすと、迫りくる刀が酷く緩慢なものになる。
ユーゴは刀を全て叩き落し、雪に向き直る。
雪の中の神格は驚きはしたものの、自ら太刀を構えて斬り掛かってくる。
さすがは一部たりとはいえ神というべきか。この【電光石火】の世界にあっても減速率が著しく低い。その神性でもってこの現象に抗っているのだ。
「助かったぜ。そっちから来てくれて。飛田屋で【電光石火】を結構使っちまってたからな。残り五秒だ。もう決めさせてもらうぜ」
【電光石火】でほぼ時間停止状態まで遅らせる。
雪の前に近づき、イオタの峰を雪の首筋に優しく触れさせる。
【電光石火】が時間切れで解除されると、雪の身体から神気が消し飛んだ。
神秘破壊デバイス。これがイオタの本領である。
例えば神聖術。例えば魔法。例えば神の権能。これらの波長を解析して吹き飛ばすのだ。
解析中にユーゴが神由来の能力を使わなかったのも、対象とは違う力が近くにあると解析に時間がかかるためである。
ぐらり、雪の身体が後ろへ崩れ落ちる。
「おっと」
ユーゴの腕が雪の華奢な体を受け止めた。
「おい、大丈夫か?」
「…………ぁ」
虚ろな目でユーゴを見て何かを言いかけたが、そのまま瞳を閉じて気絶してしまった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ドン、という大音声に、信衛はそちらへ振り向いた。
フィールエルも神聖術を消して同じ方向を向く。
「あ、姉上‼︎」
可視化されるほど濃い神気が雪を取り巻いている。
あんな状態の雪を初めて見た。だが───、
「間違いない。暴走したんだ」
「おい、サムライ少年。あれはいったいどうしたんだ?」
雪のただならぬ様子に、フィールエルが問いかける。
「あれは、姉上の術【神威】。その身に髪の一部を降ろすという天稟です。だが、暴走しています」
その言葉に、フィールエルはユーゴを見る。
全身が傷だけだ。しかも刀剣まで使っている。あんなユーゴの姿を見るのは初めてだった。
「ユーゴ……」
さすがに心配になって思わず呟いてしまう。
半神となった雪は、神力で数多の刀を創り出し、ユーゴを襲わせていた。
「な、なんという速さ。鬼神の如き動き……」
信衛が神威状態の雪と戦うユーゴの動きを見て、呟きが漏れた。
フィールエルも瞠目した。ユーゴだけがDVDの四倍速にしたみたいだった。
あまりにも速すぎてユーゴが何人もいるようだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ええ⁉︎ ぶ、分身の術っ⁉︎」
春は身を潜めていることも忘れて叫んだ。
彼女の視線の先では、ユーゴがいくつもの残像を作りだし、まるで分身しているかのような錯覚を起こさせている。
それも忍術のように霊力と術式を用いて分身体を作り出しているわけではなく、超速で動くことによって何人もいるように見えているのだ。
霊力は鍛えれば誰でも使えるようになる力だし、忍者も体系化されているので誰しもが不可能というわけではない。
忍術の分身は確かに高難度の忍術だが、春にしてみれば、ユーゴのやっていることの方が逆に人間技ではない。
春とは反対側の林の中では、ネルも驚いている。
あんなに追い詰められたユーゴは見たことがなかったからだ。
だが、雪が大太刀で斬りかかると、ユーゴの姿がいつの間にか雪の直前にあり、持っていた黒い剣を彼女の首筋に当てた。
そして雪の体が崩れたが、ユーゴが倒れないように支えた。
決着がついたのだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
信衛が駆けつけ、ユーゴの腕に抱かれている雪を見た。
フィールエル、ネル、春もその場に駆けつけた。
信衛も春も、雪に命の別状がないとわかると安堵した。
「おい、どうする。まだやるのか?」
ユーゴが信衛に問いかけた。
「……いえ、止めておきましょう。琴吹殿から、あなた方が飛田屋を襲ったらしいので引っ捕らえて欲しいと要請を受けましたが、どうやら拙者達には無理そうです。姉上の神威が通用しない人に、拙者達がどうにか出来るとは思えません。ですが、せめてなぜ飛田屋を襲ったのかを窺っても良いでしょうか?」
「なんだ。それは聞いてないのか?」
「ええ、侵入した賊と飛田屋の主人が石彦山の廃寺にいるはずだとしか。拙者は初めは本当にただの賊かと思ったのですが、どうも様子がおかしいと思って」
「というと?」
「本来、助けを求めるはずの飛田屋の主人の姿がありません。逃げたのでしょう」
「「「 あ 」」」
戦闘ですっかり錦兵衛のことを忘れていた。
「それに、有利になったにも関わらず、あなた方は逃げようとはしていません。少なくともあなた方自身は疚しいことをしたとは思っていないのでは?」
「まぁな。仕方ない。話してやるか」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「そうですか。人魚の人身売買。これは確かに重罪です」
「で、最後の一人を吐かせようとしたら、お前らが襲ってきたわけだ」
「……それは、申し訳ありませんでした」
「謝るなよ。お前らは自分の役目を果たそうとしてただけだろ。それはそれとして、俺たちは人魚の子供たちを取り返しただけで終わらせるつもりはないぜ」
「買い手を全て捕らえて後顧の憂いを断つというわけですね」
少し思案して信衛は続けた。
「わかりました。拙者たちも手伝いましょう」
「あ? でもなぁ……」
「貴方のご懸念はご尤もです。ですが、この国にいるのは腐った役人ばかりではありません。お任せ下さい。こう見えても拙者、顔は利く方なんですよ」
「う……ん」
その時、雪が気付いた。
しばらくぼうっとしていたが、やがて意識がはっきりしてきたのか、泳いでいた視線が定まってきた。
「進ちゃん…いえ、信衛。お願いがあります」
「はい。姉上」
「このお方を九能城に招いて下さい。大事なお話があるの」
雪がユーゴを指さして言った。
──────to be continued
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
お読みいただき誠にありがとうございます。
この作品が
「面白い」 「続きが読みたい」 「推してもいい」
と少しでも思って頂けた方は、
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アマチュアである作者は皆様に支えられております。
この作品を皆様で盛り上げて頂き、書籍化やコミカライズ、果てはアニメ化などに繋がればいいなと思います。
この作品を読者の皆様の手で育てて下さい。
そして「この作品は人気のない時から知ってたんだぜ?」とドヤって頂けることが夢です。
よろしくお願いいたします。
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とはいえ雪の意識がなくなったわけではない。奥に追いやられて表に出れなくなっただけだ。
どうしよう、と雪は困惑した。まさかここまで時間がかかるとは思わなかった。
黒装束の男。ふざけた格好だし全く覇気を感じなかったが、なかなかどうして、間違いなく神降ろしをしていない雪よりも強い。
そこで雪はふと気付いた。黒装束の男の周囲に漂っている気配に。
これはまさか───神気!?
じっと気配を探ると、少しずつ視えてきた。女性だ。
まさか、彼には女神の加護がついているというのだろうか。
「さて、と。久しぶりにやる気を出すか」
ユーゴの態度がいつもより幾分か真剣なものになった。言葉通りということだ。
それに雪を支配する神格も気づき、攻撃を仕掛けた。
次々と襲いくる数十本の刀。まるで数十人もの侍に同時に斬りかかられているようだ。
ユーゴは鬼神核に念じた。
【電光石火】発動!
周囲の時間を四分の一にまで落とすと、迫りくる刀が酷く緩慢なものになる。
ユーゴは刀を全て叩き落し、雪に向き直る。
雪の中の神格は驚きはしたものの、自ら太刀を構えて斬り掛かってくる。
さすがは一部たりとはいえ神というべきか。この【電光石火】の世界にあっても減速率が著しく低い。その神性でもってこの現象に抗っているのだ。
「助かったぜ。そっちから来てくれて。飛田屋で【電光石火】を結構使っちまってたからな。残り五秒だ。もう決めさせてもらうぜ」
【電光石火】でほぼ時間停止状態まで遅らせる。
雪の前に近づき、イオタの峰を雪の首筋に優しく触れさせる。
【電光石火】が時間切れで解除されると、雪の身体から神気が消し飛んだ。
神秘破壊デバイス。これがイオタの本領である。
例えば神聖術。例えば魔法。例えば神の権能。これらの波長を解析して吹き飛ばすのだ。
解析中にユーゴが神由来の能力を使わなかったのも、対象とは違う力が近くにあると解析に時間がかかるためである。
ぐらり、雪の身体が後ろへ崩れ落ちる。
「おっと」
ユーゴの腕が雪の華奢な体を受け止めた。
「おい、大丈夫か?」
「…………ぁ」
虚ろな目でユーゴを見て何かを言いかけたが、そのまま瞳を閉じて気絶してしまった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ドン、という大音声に、信衛はそちらへ振り向いた。
フィールエルも神聖術を消して同じ方向を向く。
「あ、姉上‼︎」
可視化されるほど濃い神気が雪を取り巻いている。
あんな状態の雪を初めて見た。だが───、
「間違いない。暴走したんだ」
「おい、サムライ少年。あれはいったいどうしたんだ?」
雪のただならぬ様子に、フィールエルが問いかける。
「あれは、姉上の術【神威】。その身に髪の一部を降ろすという天稟です。だが、暴走しています」
その言葉に、フィールエルはユーゴを見る。
全身が傷だけだ。しかも刀剣まで使っている。あんなユーゴの姿を見るのは初めてだった。
「ユーゴ……」
さすがに心配になって思わず呟いてしまう。
半神となった雪は、神力で数多の刀を創り出し、ユーゴを襲わせていた。
「な、なんという速さ。鬼神の如き動き……」
信衛が神威状態の雪と戦うユーゴの動きを見て、呟きが漏れた。
フィールエルも瞠目した。ユーゴだけがDVDの四倍速にしたみたいだった。
あまりにも速すぎてユーゴが何人もいるようだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ええ⁉︎ ぶ、分身の術っ⁉︎」
春は身を潜めていることも忘れて叫んだ。
彼女の視線の先では、ユーゴがいくつもの残像を作りだし、まるで分身しているかのような錯覚を起こさせている。
それも忍術のように霊力と術式を用いて分身体を作り出しているわけではなく、超速で動くことによって何人もいるように見えているのだ。
霊力は鍛えれば誰でも使えるようになる力だし、忍者も体系化されているので誰しもが不可能というわけではない。
忍術の分身は確かに高難度の忍術だが、春にしてみれば、ユーゴのやっていることの方が逆に人間技ではない。
春とは反対側の林の中では、ネルも驚いている。
あんなに追い詰められたユーゴは見たことがなかったからだ。
だが、雪が大太刀で斬りかかると、ユーゴの姿がいつの間にか雪の直前にあり、持っていた黒い剣を彼女の首筋に当てた。
そして雪の体が崩れたが、ユーゴが倒れないように支えた。
決着がついたのだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
信衛が駆けつけ、ユーゴの腕に抱かれている雪を見た。
フィールエル、ネル、春もその場に駆けつけた。
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「おい、どうする。まだやるのか?」
ユーゴが信衛に問いかけた。
「……いえ、止めておきましょう。琴吹殿から、あなた方が飛田屋を襲ったらしいので引っ捕らえて欲しいと要請を受けましたが、どうやら拙者達には無理そうです。姉上の神威が通用しない人に、拙者達がどうにか出来るとは思えません。ですが、せめてなぜ飛田屋を襲ったのかを窺っても良いでしょうか?」
「なんだ。それは聞いてないのか?」
「ええ、侵入した賊と飛田屋の主人が石彦山の廃寺にいるはずだとしか。拙者は初めは本当にただの賊かと思ったのですが、どうも様子がおかしいと思って」
「というと?」
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「それに、有利になったにも関わらず、あなた方は逃げようとはしていません。少なくともあなた方自身は疚しいことをしたとは思っていないのでは?」
「まぁな。仕方ない。話してやるか」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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「で、最後の一人を吐かせようとしたら、お前らが襲ってきたわけだ」
「……それは、申し訳ありませんでした」
「謝るなよ。お前らは自分の役目を果たそうとしてただけだろ。それはそれとして、俺たちは人魚の子供たちを取り返しただけで終わらせるつもりはないぜ」
「買い手を全て捕らえて後顧の憂いを断つというわけですね」
少し思案して信衛は続けた。
「わかりました。拙者たちも手伝いましょう」
「あ? でもなぁ……」
「貴方のご懸念はご尤もです。ですが、この国にいるのは腐った役人ばかりではありません。お任せ下さい。こう見えても拙者、顔は利く方なんですよ」
「う……ん」
その時、雪が気付いた。
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#ヒラ俺
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1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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