ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神

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めいでぃっしゅへようこそ! 編

091. 五章プロローグ: 転生したら乙女ゲームの悪役令嬢の取り巻き(モブ)で、破滅フラグから悪役令嬢を救った私の話

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 ゼフィーリア・バーグマンが前世の記憶を取り戻したのは、両親に連れられてオペラを鑑賞した七歳の時だった。
 オペラで歌われた初めて聞くはずのメロディ。それになんとなく聞き覚えがある。
 そう思った瞬間だった。
 それは女子高校生であった前世でプレイしていた、とある乙女ゲームのイベントシーンで流れる劇中歌だった事を思い出した。
 そこから芋づる式に思い出した。前世のこと、いま自分が存在しているのがその乙女ゲームの設定そのままの世界だということ、そして、ゼフィーリア・バーグマンという自分が、そのゲーム “セイクリッド・マテリアル” の主要キャラクターではなく、ただの脇役だということを。

 ゼフィーリアはゲームの主人公ベレッタに意地悪をする悪役令嬢 “マルガレーテ” の取り巻きの一人で、立ち絵も2パターンくらいしか無いような、影の薄いキャラクターだった。
 しかもゲームの中盤には物語からフェードアウトしてしまい、二週目のプレイを始めた時に、「あ。そういえば、こんなキャラクター居たな」と思い出される程度の認知度だった。
 ネームドキャラであるのが奇跡というほかない。前世でやり込んでいなければ、記憶に掠りもしなかっただろう。
 確かに現在、ゼフィーリアである自分にはマルガレーテという友人がいる。
 明るくて優しい、面倒見の良いマルガレーテが、ゲーム中での高慢ちきで意地の悪いキャラと同一人物とは思えないが、ゲームと同じ運命であれば、マルガレーテはいずれ悲惨な目に遭ってしまう。
 それを指を咥えて見過ごすのは忍びない。
 ゼフィーリアはその時から、マルガレーテを救うために注力した。
 とはいえ、未だ七歳の身であるゼフィーリアに出来ることは限られている。
 晴耕雨読ということで、まずは地力をつけるために教養や知識を身に付けることにした。
 幸いにしてゼフィーリアの家は高位の貴族だったので、それらは問題なく学ぶことが出来た。
 一方でマルガレーテとも以前よりも会う時間を増やし、積極的に親交を深めていった。
 彼女に異変が起こらないか、見守るために。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 数年後、三門貴族の子弟達が通う学園へ入園したゼフィーリアは、ゲームの主人公ベレッタや攻略対象である男性キャラクター達との出会いを果たした。
 それから紆余曲折あり、ゼフィーリアはマルガレーテの破滅フラグを回避させることに成功した。
 何故か男性キャラクター達に惚れられたり、設定にないはずの謎の能力にゼフィーリアが目覚めたりといった余計なイベントがついてきたが……。
 ひとまずこれで一安心。後は楽しく生きるだけだ。
 そう安堵したのも束の間、今度はベレッタに国家転覆の容疑がかけられたのだ。
 その時ゼフィーリアは思い出した。
 セイクリッド・マテリアルにはファンに向けた、続編的なDLCがあったことを。
 もしかしたら、その続編のストーリーに沿っている……?
 だとしても、前世で死亡する直前にDL開始されたので、内容はほとんど解らない。
 ゲーム知識を活用して解決したいゼフィーリアだが、それが出来ずに困惑した。
 かろうじて王国兵の手を逃れ、バーグマン家が所有する邸宅にベレッタを匿ったものの、どうすれば最善か、打つ手に頭を悩ませている時だった。
 あの男に出会ったのは……。


──────to be continued

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