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1B-4(Amane)
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階段を登りきるとドアが二つ現れた。
奥は加奈子さん夫婦の部屋ですぐ左手に
あるのが天音の部屋で、わかってはいた
がノックをしても反応は無かった。学
校、間に合うのだろうか・・・
何一つ躊躇することなく扉を開けた俺
は、目の前に広がる思わず頭を押さえ
た。
前よりひどなってるやん・・・
まず、床一面に散乱したコピー用紙。
その全てに見覚えがあるのはそれが全部
学校で配布されたプリントだからであろ
う。大晦日には掃除しているだろうから
約九ヶ月間分になるのだろうか。こうし
て見ると学校が一年間で配布するプリン
トの枚数がいかに膨大であるかが知れ
る。その殆どが親の手に渡ることもなく
こうして部屋の絨毯とかしているのだか
ら、もういっそのこと学校側も提出物以
外のものを配らなければいいのにと思
う。『保健だより』なんて誰が読むとい
うのだ。
次に部屋のいたるところに脱ぎ捨てら
れた衣服たちだ。いや、洗濯して取り込
んだあとのものが仕舞われずにぐちゃぐ
ちゃに放っぽらかされているだけなのか
もしれないが、どちらにせよプリント同
様床にも散乱しているので既に清潔とは
言い兼ねる。
なにせもう足の踏み場がない。前にこ
の部屋に入ったのが小学校六年生の時、
その頃から天音のいい加減さによく頭を
抱え込んでいたが、まさかそこから更に
酷くなっているとは恐れ入る。
まあプリントや服だけならまだ百歩譲
って散らかっているで済むのだが、必死
にフローリング部分を探して天音が眠る
ベッドへ近づいていく途中で視界に入っ
たそれはもはやどう取り繕っても不潔と
しか言いようのない代物だった。
据え置き型のゲームハードとそれを出
力するためにモニターが置かれた座卓に
一緒に置かれた千ミリリットルサイズの
紙パックミルクティーが三本、それらは
空だったがもう一本床に転がっていた。
しかも少し残っていたみたいで、そのあ
たりのコピー用紙は茶色く染まってい
た。
俺は傍らで寝息を立てる寝相の悪い彼
女を睨みつけた。肩甲骨まで伸びた黒い
髪の毛、はだけたキャミソールからこぼ
れ落ちた育ちの良い胸にも今は興奮しな
かった。その時俺に芽生えたのは一種の
使命感のようなものだった。
俺が彼女を躾けなくてはなら
い・・・
語弊があると困るので一応言っておく
が『このあと滅茶苦茶セックスした』と
いうようなAV的展開の伏線で出たセリ
フではなく、文字通り子どもに親がマナ
ー等を教えるという意味での『躾け』だ
った。
俺はこの日以降、中学校を卒業する時
まで毎朝彼女を起こしに行き、少しずつ
部屋を片付けさせ、日常的に女性モノの
ファッション雑誌を読み込み、彼女に服
選びの手ほどきをしたりするようにまで
なった。
確か、当時俺は漫画家を目指してい
て、この日から服装のレパートリーが増
えた気がする。情けは人の為ならずとは
このことなのだろう。
奥は加奈子さん夫婦の部屋ですぐ左手に
あるのが天音の部屋で、わかってはいた
がノックをしても反応は無かった。学
校、間に合うのだろうか・・・
何一つ躊躇することなく扉を開けた俺
は、目の前に広がる思わず頭を押さえ
た。
前よりひどなってるやん・・・
まず、床一面に散乱したコピー用紙。
その全てに見覚えがあるのはそれが全部
学校で配布されたプリントだからであろ
う。大晦日には掃除しているだろうから
約九ヶ月間分になるのだろうか。こうし
て見ると学校が一年間で配布するプリン
トの枚数がいかに膨大であるかが知れ
る。その殆どが親の手に渡ることもなく
こうして部屋の絨毯とかしているのだか
ら、もういっそのこと学校側も提出物以
外のものを配らなければいいのにと思
う。『保健だより』なんて誰が読むとい
うのだ。
次に部屋のいたるところに脱ぎ捨てら
れた衣服たちだ。いや、洗濯して取り込
んだあとのものが仕舞われずにぐちゃぐ
ちゃに放っぽらかされているだけなのか
もしれないが、どちらにせよプリント同
様床にも散乱しているので既に清潔とは
言い兼ねる。
なにせもう足の踏み場がない。前にこ
の部屋に入ったのが小学校六年生の時、
その頃から天音のいい加減さによく頭を
抱え込んでいたが、まさかそこから更に
酷くなっているとは恐れ入る。
まあプリントや服だけならまだ百歩譲
って散らかっているで済むのだが、必死
にフローリング部分を探して天音が眠る
ベッドへ近づいていく途中で視界に入っ
たそれはもはやどう取り繕っても不潔と
しか言いようのない代物だった。
据え置き型のゲームハードとそれを出
力するためにモニターが置かれた座卓に
一緒に置かれた千ミリリットルサイズの
紙パックミルクティーが三本、それらは
空だったがもう一本床に転がっていた。
しかも少し残っていたみたいで、そのあ
たりのコピー用紙は茶色く染まってい
た。
俺は傍らで寝息を立てる寝相の悪い彼
女を睨みつけた。肩甲骨まで伸びた黒い
髪の毛、はだけたキャミソールからこぼ
れ落ちた育ちの良い胸にも今は興奮しな
かった。その時俺に芽生えたのは一種の
使命感のようなものだった。
俺が彼女を躾けなくてはなら
い・・・
語弊があると困るので一応言っておく
が『このあと滅茶苦茶セックスした』と
いうようなAV的展開の伏線で出たセリ
フではなく、文字通り子どもに親がマナ
ー等を教えるという意味での『躾け』だ
った。
俺はこの日以降、中学校を卒業する時
まで毎朝彼女を起こしに行き、少しずつ
部屋を片付けさせ、日常的に女性モノの
ファッション雑誌を読み込み、彼女に服
選びの手ほどきをしたりするようにまで
なった。
確か、当時俺は漫画家を目指してい
て、この日から服装のレパートリーが増
えた気がする。情けは人の為ならずとは
このことなのだろう。
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