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β:学園生活
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一年四組の教室。つまり今、俺は六年ぶりのホームルーム教室に来ている。
「ねえ、敦也君。」
あと、詞弥も・・・
「なんだ?」
「話し相手になってあげようか?」
「もう十分話した。」
今、教室には生徒が三分の一くらいしかいない。時刻は八時四十分で授業開始の十分前なのだが・・・
詞弥はさっき駅のホームで会ったポニーテール少女と談笑しながら、俺は一人で、今まであったことをメモ帳に書き出しながら、授業までの時間を潰していた。
七時四十五分―
クラスメイトのほとんどがこの時間になってやっとやって来た。しかしなんだ、来るのは女子生徒ばかりで男子生徒はほとんどいない。美術校だから比率は仕方ないが、それにしても少なすぎる。もしかして、俺って友達いないのかな・・・
七時四十九分―
男子生徒四名が同時に入室。なんだ、いるんじゃないか。
だが、一つ不安が残る。今の四人って、もうあそこでグループできているんじゃないか?だって十一月だぞ。そうだとすると、いよいよ俺はぼっちだ。
さっきのメンバーの一人がこちらへ来る。おそらく後ろの席だ。俺は軽く身構えた。
「おはよう、敦也。」
「おん、おはよ。」
その堀の深さといい、鼻の高さといい、見るからに外国人顔だった。絶対モテるなこいつ。
ぼっちではなさそうだったのでとりあえず一安心だったが、名前が・・・結局何が問題なのかって言うとやっぱり名前なんだよな~
今の俺は、入学してから自己紹介をするまでの期間並に人と喋りづらい。マンツーマンでなら良いが、複数で固まって話すとなると、名前が分からないのは致命的だ。
思い出すまではいかないでも、知る必要がある。
ピーンポーンパーンポーン・・・
チャイムが鳴り、現代社会の教師が教卓までやって来た。
俺はその時間、授業の内容をほとんどを聞き流していた。現代よりも現在の方が重要だ。クラスメイトの名前を把握するのに一生懸命だった、それはこの時間に限ったものではなくその後の授業も、三時間目後の授業も、俺はノートだけ書いて、話は聞いていなかった。教師が生徒を当てる度に、その名前をメモっていた。ノートの内容を見る限り、社会以外は王都で習ったものと同じだったので、勉強のほうはまあ問題ない。
四時間目は例の体育の授業だ。男子は持久走、女子はバスケットボールと、不公平な授業内容に少々不満ははあったが、口には出さないでおく。
俺は、俺の考えていたことと全く同じ文句を言う男子たちの集団に紛れて、この教室がある五階から、更衣室のある一階まで、ひたすらに階段を降りた。
クラスで十人しかいない男子の中にも、見たところ二つのグループが存在していて。一つは、あまり色気の無い地味・・・大人しいグループで、もう一つがいかにも高校生活エンジョイしていそうな奴らのグループ。ただ、美術校だけあって、エンジョイグループもパリピではない。少し活動的で、女子とも喋る程度だ。
俺はいったいどっちに属しているのか。まずそこが気になるところだ。ちなみに、俺の後ろの席のハーフは後者のグループだった。名前か苗字かは分からないが、マナンと呼ばれていたのを十分休憩の時に目撃している。
更衣中、大人しいグループはゲームの話、エンジョイグループは女子の話に、それぞれ花を咲かせていた。俺はと言うと、その中間ぐらいで着替えていた。どっちから話されても対応出来るように・・・
「ああぁ~俺も彼女ほちいぃ~」
マナンが腹の立つ口調で言う。お前はできるだろ。
「お前はできるやろう、イケメンやし・・・」
ほら誰かもそう言っている。
「おもろかったら絶対モテる。」
だそうだ。
「おもろかったらな・・・」
「なんでそんなこと言うん、海音。」
カイトか・・・なかなかSっ気のあるやつだな。スマホのメモ機能に書いておく。
てか、マナン、喋りはバリバリの日本人じゃないか。
「そう言えば春樹、今どんな感じなん?」
あ、あれハルキって言うんだ・・・メモメモ。
「それが、すごいで。俺、デート誘っちゃった。」
「おっ、やるやん。」
「春樹ももうすぐこっち側やな。」
海音がさり気なくリア充アピールをする。
「ユッキーは・・・」
「幸成は無理や。あいつ今、ミヨちゃんにしか興味無いから。」
「ミヨちゃんって、あのアイドルの?」
「そう。まさかちょっと前までアイドルのこと馬鹿にしてたあのユッキーがな・・・人生何が起きるか分からへんな。」
「俺はアイドルが好きなんじゃないねん。ミヨちゃんだけが好きやねん。ミヨちゃんが出てる動画見てみ。絶対ハマるから。」
ユッキーことユキナリは重度なアイドルファン・・・っと。
意外と簡単に全員の名前分かった。こんなことならさっきの現代社会、真面目に受けときゃ良かった。俺の習った現代社会の授業は、こっちの世界では全く役に立たないみたいだ。そもそもあっちは民主政じゃなかった。
「なあ、あっちゃん。今何時?」
不意に、呼ばれなれない愛称で呼ばれたので、自分のことだと気付くのに少々時間を食った。
俺は着替え終わっていたので、体操服袋から腕時計を取り出して言った。
「十一時・・・四十八分。」
四人が口をそろえて言った。
「あ、やべっ(やばっ)・・・」
今気づいたが周りには俺達以外いなかった。多分皆んな運動場だ。
「じゃあ俺、先に言ってるわ。」
俺は、慌てて長ズボンの中間に足が引っかかって飛び跳ねたりしているそいつらを一瞥してから、更衣室から出た。
「あっちゃ~ん!」
そう聞こえて来たが、聞こえないふりをした。
一つ分かったことがある。あいつら四人は、俺の友達だ。証拠は無いが、そんな気がした。
チャイムが鳴る。
その時俺は体育教師の前にできた四列の中にきちんと混ざっていた。あいつらはと言うと、点呼を取っている最中に飛び入ってきた。しかし、名前を呼ぶ前に来たのでセーフらしい。俺はこの時も苗字を覚えようと必死になっていた。大体半数は覚えたかな・・・
ラジオ体操も大変だった。王都にいた頃は第一しかやってこなかったので、いきなり第二と言われても困る。ただ、最後列だったのが唯一の救いで、前の奴の動きを真似ることでその場は切り抜けた。
その後の二十分完走では、体の異変に気付いた。王都で騎士をやっていた俺はそれなりの訓練を受けていたので、体力も常人の二倍くらいあった・・・はずなのだが、僅か五分走っただけで疲れが出てきた。足が重い。こっちの俺は絵を描いてばっかりで運動をあまりしていなかったみたいで、俺が脳から出す指示に体は全く付いて来なかった。
チャイムの鳴る五分前に授業は終わり、チャイムが鳴る頃に着替えを終えた俺は、さっきの四人に昼食を誘われた。食堂で食べると聞いたので丁度昼飯代の五百円を渡されていたことを思い出した俺は、即オーケーした。
四人の内、三人は教室に弁当を取りに行き、俺は残った一人と直接食堂へ行き、人の少ないうちに列に並んだ。
「敦也は、最近どうなん。」
「どうって?」
「生徒会長さんと・・・」
そう言えば、こいつもさっき彼女持ちっぽい喋り方だったな。
「朝っぱらからケンカした。」
「マジかw。仲直りはしたんか?」
「今は一時休戦らしい。そう言う海音は?」
「会長らしいな。俺は、そうやな・・・昨日の帰りに初めて手を繋いだ。」
「ピュアかよ。付き合ってどれくらいだっけ?」
「七ヶ月・・・あ、担々麺で。」
入学していきなり付き合ってるじゃねえか。
「あ、俺も担々麺で。」
「敦也は二年だっけ?」
二年前・・・中学二年生か。
「まあ、もともと幼馴染だったしな。」
「付き合ってて、結局同じ高校に入学するって、しかも専門的な学校って、すごいよな。」
確かにそうだな、将来の、就職のこととか考えたのだろうか?
俺達はトレーを持って長机の端っこに移動した。
「あ、春樹。こっちや。」
海音が入り口付近にいた、コンビニの袋を下げた三好春樹に手を振った。
春樹がこっちへやって来ると、それに連なって尾形幸成とマナン=アンドレルも弁当の包みを持ってやって来た。体育の時に男子の苗字は全員覚えた。ちなみにさっきまで話していた海音の苗字は日比谷である。
春樹、幸成と順に席に着き、マナンがきたところで春樹がそこに自分のリュックを置く。
「なんでそんなことするん?」
男子グループの典型である。だいたい一人はいじられキャラがいるものだ。
もちろん本気でやっているわけではないので、その後すぐにリュックサックはどけられ、男子五人、仲良く昼食をとった。
午後一時十五分―
「あ、そろそろ行かな。」
スマホの画面を見た海音が言った。
「次どこやっけ?」
俺は何気ない感じで聞いた。
「敦也は・・・実習棟の三階や。」
敦也は・・・ってことは、全員じゃないのか?
「じゃあ、またホームルームで・・・」
「スゥィーユー」
「バイビー」
春樹、マナン、ユッキーの順に別れの言葉を残し、三人は去っていった。
実習にはスペースが必要で、一つの部屋じゃ足りないから、二つに別れて行う、ってことでいいのか?
その場に取り残されたのは俺と海音、俺は実習に何が必要か知らなければならないのだが、今から詞弥に電話を掛けるのでは間に合いそうも無かった。
だから、さっきと同じようになるべく自然に・・・
「今日、何がいるっけ?」
「どうした敦也。いつもはそんなん聞かんのに・・・」
まずい、感づかれた。
「テスト前やから、勉強のことしか考えてないんやろ。」
なぜか知らないが、切り抜けれた。
「ちょっとぐらい手え抜いても一位取れるやろ。敦也なら。」
「結構裏では苦労してるんだぞ。」
なんとなく話を合わせとく。
「今日は油絵セットだけでええと思うで。」
「どこに置いたっけ・・・」
なんか今ならいけそうだったので、とことん聞く。
「部室じゃね。」
部室?どこにあるんや。と言うのはさすがにまずいと判断したので言わなかった。どうする、結局動けなくなった・・・
「俺も部室だから、行くか。」
海音ナイスゥー。
「うん。」
「ヤバ、急がんと遅刻する。走ろ。」
「おう。」
ちらっと腕時計を確認した。
一時二十五分。タイムリミットはあと五分。五時間目開始の予鈴が鳴る中、俺は海音の後に続いて、実習棟らしき建物に向かって、履いているスリッパが脱げそうになりながらひた走るのであった・・・
天井の高い教室の妙な開放感。勉強机四つ分サイズの机が約十台並べられ、各机の前にはイーゼルが二台ずつ並び、そこにはそれぞれが描き進めているキャンパスが立て掛けられている。部屋に充満するオイルの匂い。絵を書くためだけに用意されたであろう環境がそこにはあった。
「今日は前回から描いている自画像の続きを、まるまる二時間使ってなるべく完成に近づけてもらいます。」
少し不思議な雰囲気をした若い女の教師が前で話している。生徒の方はと言うと、きちんと前を向いて、私語一つせずに真剣な眼差しでその話を聞いていた。普通教科の授業とは大違いだ。朝の授業では開始早々夢の中にいた奴が、今だけは勉強熱心な奴になっていた。普通教科の教師がこの光景を目にしたら、態度の違いにキレそうだ。
「今日はごちゃごちゃ言いません。思う存分描いてください。どうぞ。」
担当教師はそう言ったのだが・・・俺的にはごちゃごちゃ言ってもらいたかった。油絵のやり方なんてもう覚えていない。向こうの俺は剣の稽古しかしていなかった。
もう周りの人の描き方を見よう見まねするしか無い・・・と思ったが、出席番号が悪かった。最前列では覗けない。
いよいよ打つ手がなくなった俺は、机に置かれた鏡に映る自分の顔を、余計なことは考えずに、見えるがままに描くことにした。
まずパレットの上でチューブを・・・あ、なんで緑なんて出しているんだ。使うのは黒色だろ・・・
その瞬間、俺の脳にビジョンのようなモノが流れた。
―ねえ敦也君、どうやったらそんな絵が描けるの?
―ああ・・その絵、ちょっと貸してみ。
―あ、うん。ハイ。
―これは・・・黒を使い過ぎなんだよ。ここを暗くしたいなら、この色と反対の色、この場合緑とか青を加えてやって・・・ほら。
―あっ、なんかそれっぽくなった。よく知ってるんだね、敦也君。
―まあ、絵画部だからな。
―私も入ろうかな・・・
―え?
―ほら荒川、前を向きなさい。
―すいません先生。
「やっぱり上手いねえ・・・」
気が付くと俺は、意思とは無関係に勝手に色をのせていた。
「さすが絵画部やな。」
教師が俺を褒めるが、素直に受け取れない。だって俺の手が勝手にこれをやってのけただけで、俺は何も考えていないのだから。
それにしてもさっきのは何だったんだ。断片的に記憶が戻ってきている・・・
その後も俺は絵を描き続けた。六年経っても感覚は忘れなかった。詞弥と手を繋いだ時もそうだった。
授業が終わり、俺は今になって詞弥の存在に気が付いた。なにせ最前列で、この教室にチャイムと同時に入った俺は、メンツを確認する暇もなかった。
詞弥がこちらに気付く。さっきまで話していた駿河加奈に何かを言い、駿河が頷くなりこちらに駆け寄ってきた。ちなみに駿河という苗字は、二限目の授業で彼女が当てられた際に知った。
「敦也君、なんか久しぶりだね。」
「まだ別れて二、三時間だろ。」
「そうだけどさ・・・」
「この授業って、二グループに分かれて行うんだな。」
現に半分の生徒しかここにはいない。
「えっとね・・・この授業というか、この時間は、かな。」
と、言いますと・・・
「私達がこの平面造形の授業を受けている間、もう半分の人達は、他の分野の授業を受けているんだよ。確か今日だと立体の授業だったかな・・・」
「つまり、俺達はまた別の曜日にその立体の授業とやらを受けるってことか。」
「そういうこと。」
なんとなくこの学校のシステムが分かった。
「それより、どうだった?」
「何が?」
「とぼけても無駄だよ。後ろの席から、ずっと見えてたんだから。敦也君の絵。」
「ああ・・・」
「どうして描けたの?王都では騎士だったんでしょあなた。」
「なんか、思い出したんだよ。描き方とかじゃなくて、描く感覚を。」
「私、絵に負けたんだ・・・」
詞弥が少し大げさに落胆してみせる。
「それが違うんだ。」
「どういうこと。」
詞弥は首を軽くかしげた。
「実は、俺がその時思い出した記憶の主役は、詞弥だったんだよ。一つ前の人物画の授業で、思うように描けなかった詞弥が、絵画部員だった俺に救いを求めてきて・・・」
「そのアドバイスを聞いて、私は絵画部に入部した。」
「結局入部したのか?」
「それは知らないのか・・・」
「ごめん、そこまでしか・・・」
「でも、嬉しかった。」
「うん?」
「一つとはいえ、敦也君が私との思い出を思い出してくれたから。なんか自身出てきたよ。私、愛されてたんだな・・・」
「なんだよそれw」
「ねえ、あれ見て。」
詞弥は、教室の後ろに掛けられた絵を指差した。あんなところに絵なんてあったのか・・・
「あれ、前の代の優秀作品。」
確かにそこにある絵は、そう言われて納得できるものばかりだった。
「あれが一応この一年間でこなす課題なんだよ。」
壁の端から端まで並べられた、四種類の作品を、指で横から順にスライドしていく。
「で、今回の授業はあれ。」
分かっとるわ。自画像って言ったらあれ以外あり得ないだろ。
「敦也君なら、あそこ狙えると思うよ。」
「詞弥も狙えよ。」
人の目標つくってどうする。自分の目標にしろよ。
「私はだって、リアルに描けないもん。」
「いや、リアルである必要は無いと思うぞ。ほらあれ。」
俺は今の二年の誰かが描いたであろう自画像の右から二番目の上から二番目を指した。
「真っ青じゃないか。人の肌はあんな色をしていない。けど、あの人は自分の顔を真っ青に描いた。あれのどこがリアルだ。だけどあれはあれで魅力がある。何より、他のものと比べて、明らかに目立っているだろ。リアルな絵を描けるだけが優秀じゃないんだよ。」
知ったように話すが、俺は記憶喪失者だ。さっき取り戻した感覚だけで話している。
詞弥は拳を顎に付けて考えた後、「なるほどなあ」と感嘆の声を漏らしていたのを見ると、それなりの説得力だったのであろう。
俺は、その後も優秀作品の自画像を見ていた。優秀作品ともなると、どの絵にもその人らしさが出ていて、なんというかその人の性格とかもそこから伝わってく感じがする。
例えばあの、一番左上の作品。その堂々たる表情からは、自信やプライドの高さを感じる。その上団子にした髪の毛に金色のかんざしが刺さっているものだから、実に女王という称号がふさわしい・・・誰かに似ている気がするが。
「敦也君、そろそろクラスに戻らない?ホームルーム始まっちゃうよ。」
「あ、ああ。」
なんか見覚えあるんだけどな・・・
詞弥と廊下に出、実習棟と本館の連絡橋を渡り・・・
「ああ!」
「へっ!?」
「悪い、忘れ物した。」
「う、うん気を付けて・・・」
俺は詞弥の言葉を聞き終えるより前に、その場から去った。来た道を逆に、さっきの連絡橋を過ぎ、実習室の前まで行き、
「どうした荒川君。」
「ちょっと忘れ物しました。」
鉢合わせした先生を回避して、中に入った。さっきの自画像を探す。もう一度見て、俺は確証した。
アシアがこの学校にいる・・・
「ねえ、敦也君。」
あと、詞弥も・・・
「なんだ?」
「話し相手になってあげようか?」
「もう十分話した。」
今、教室には生徒が三分の一くらいしかいない。時刻は八時四十分で授業開始の十分前なのだが・・・
詞弥はさっき駅のホームで会ったポニーテール少女と談笑しながら、俺は一人で、今まであったことをメモ帳に書き出しながら、授業までの時間を潰していた。
七時四十五分―
クラスメイトのほとんどがこの時間になってやっとやって来た。しかしなんだ、来るのは女子生徒ばかりで男子生徒はほとんどいない。美術校だから比率は仕方ないが、それにしても少なすぎる。もしかして、俺って友達いないのかな・・・
七時四十九分―
男子生徒四名が同時に入室。なんだ、いるんじゃないか。
だが、一つ不安が残る。今の四人って、もうあそこでグループできているんじゃないか?だって十一月だぞ。そうだとすると、いよいよ俺はぼっちだ。
さっきのメンバーの一人がこちらへ来る。おそらく後ろの席だ。俺は軽く身構えた。
「おはよう、敦也。」
「おん、おはよ。」
その堀の深さといい、鼻の高さといい、見るからに外国人顔だった。絶対モテるなこいつ。
ぼっちではなさそうだったのでとりあえず一安心だったが、名前が・・・結局何が問題なのかって言うとやっぱり名前なんだよな~
今の俺は、入学してから自己紹介をするまでの期間並に人と喋りづらい。マンツーマンでなら良いが、複数で固まって話すとなると、名前が分からないのは致命的だ。
思い出すまではいかないでも、知る必要がある。
ピーンポーンパーンポーン・・・
チャイムが鳴り、現代社会の教師が教卓までやって来た。
俺はその時間、授業の内容をほとんどを聞き流していた。現代よりも現在の方が重要だ。クラスメイトの名前を把握するのに一生懸命だった、それはこの時間に限ったものではなくその後の授業も、三時間目後の授業も、俺はノートだけ書いて、話は聞いていなかった。教師が生徒を当てる度に、その名前をメモっていた。ノートの内容を見る限り、社会以外は王都で習ったものと同じだったので、勉強のほうはまあ問題ない。
四時間目は例の体育の授業だ。男子は持久走、女子はバスケットボールと、不公平な授業内容に少々不満ははあったが、口には出さないでおく。
俺は、俺の考えていたことと全く同じ文句を言う男子たちの集団に紛れて、この教室がある五階から、更衣室のある一階まで、ひたすらに階段を降りた。
クラスで十人しかいない男子の中にも、見たところ二つのグループが存在していて。一つは、あまり色気の無い地味・・・大人しいグループで、もう一つがいかにも高校生活エンジョイしていそうな奴らのグループ。ただ、美術校だけあって、エンジョイグループもパリピではない。少し活動的で、女子とも喋る程度だ。
俺はいったいどっちに属しているのか。まずそこが気になるところだ。ちなみに、俺の後ろの席のハーフは後者のグループだった。名前か苗字かは分からないが、マナンと呼ばれていたのを十分休憩の時に目撃している。
更衣中、大人しいグループはゲームの話、エンジョイグループは女子の話に、それぞれ花を咲かせていた。俺はと言うと、その中間ぐらいで着替えていた。どっちから話されても対応出来るように・・・
「ああぁ~俺も彼女ほちいぃ~」
マナンが腹の立つ口調で言う。お前はできるだろ。
「お前はできるやろう、イケメンやし・・・」
ほら誰かもそう言っている。
「おもろかったら絶対モテる。」
だそうだ。
「おもろかったらな・・・」
「なんでそんなこと言うん、海音。」
カイトか・・・なかなかSっ気のあるやつだな。スマホのメモ機能に書いておく。
てか、マナン、喋りはバリバリの日本人じゃないか。
「そう言えば春樹、今どんな感じなん?」
あ、あれハルキって言うんだ・・・メモメモ。
「それが、すごいで。俺、デート誘っちゃった。」
「おっ、やるやん。」
「春樹ももうすぐこっち側やな。」
海音がさり気なくリア充アピールをする。
「ユッキーは・・・」
「幸成は無理や。あいつ今、ミヨちゃんにしか興味無いから。」
「ミヨちゃんって、あのアイドルの?」
「そう。まさかちょっと前までアイドルのこと馬鹿にしてたあのユッキーがな・・・人生何が起きるか分からへんな。」
「俺はアイドルが好きなんじゃないねん。ミヨちゃんだけが好きやねん。ミヨちゃんが出てる動画見てみ。絶対ハマるから。」
ユッキーことユキナリは重度なアイドルファン・・・っと。
意外と簡単に全員の名前分かった。こんなことならさっきの現代社会、真面目に受けときゃ良かった。俺の習った現代社会の授業は、こっちの世界では全く役に立たないみたいだ。そもそもあっちは民主政じゃなかった。
「なあ、あっちゃん。今何時?」
不意に、呼ばれなれない愛称で呼ばれたので、自分のことだと気付くのに少々時間を食った。
俺は着替え終わっていたので、体操服袋から腕時計を取り出して言った。
「十一時・・・四十八分。」
四人が口をそろえて言った。
「あ、やべっ(やばっ)・・・」
今気づいたが周りには俺達以外いなかった。多分皆んな運動場だ。
「じゃあ俺、先に言ってるわ。」
俺は、慌てて長ズボンの中間に足が引っかかって飛び跳ねたりしているそいつらを一瞥してから、更衣室から出た。
「あっちゃ~ん!」
そう聞こえて来たが、聞こえないふりをした。
一つ分かったことがある。あいつら四人は、俺の友達だ。証拠は無いが、そんな気がした。
チャイムが鳴る。
その時俺は体育教師の前にできた四列の中にきちんと混ざっていた。あいつらはと言うと、点呼を取っている最中に飛び入ってきた。しかし、名前を呼ぶ前に来たのでセーフらしい。俺はこの時も苗字を覚えようと必死になっていた。大体半数は覚えたかな・・・
ラジオ体操も大変だった。王都にいた頃は第一しかやってこなかったので、いきなり第二と言われても困る。ただ、最後列だったのが唯一の救いで、前の奴の動きを真似ることでその場は切り抜けた。
その後の二十分完走では、体の異変に気付いた。王都で騎士をやっていた俺はそれなりの訓練を受けていたので、体力も常人の二倍くらいあった・・・はずなのだが、僅か五分走っただけで疲れが出てきた。足が重い。こっちの俺は絵を描いてばっかりで運動をあまりしていなかったみたいで、俺が脳から出す指示に体は全く付いて来なかった。
チャイムの鳴る五分前に授業は終わり、チャイムが鳴る頃に着替えを終えた俺は、さっきの四人に昼食を誘われた。食堂で食べると聞いたので丁度昼飯代の五百円を渡されていたことを思い出した俺は、即オーケーした。
四人の内、三人は教室に弁当を取りに行き、俺は残った一人と直接食堂へ行き、人の少ないうちに列に並んだ。
「敦也は、最近どうなん。」
「どうって?」
「生徒会長さんと・・・」
そう言えば、こいつもさっき彼女持ちっぽい喋り方だったな。
「朝っぱらからケンカした。」
「マジかw。仲直りはしたんか?」
「今は一時休戦らしい。そう言う海音は?」
「会長らしいな。俺は、そうやな・・・昨日の帰りに初めて手を繋いだ。」
「ピュアかよ。付き合ってどれくらいだっけ?」
「七ヶ月・・・あ、担々麺で。」
入学していきなり付き合ってるじゃねえか。
「あ、俺も担々麺で。」
「敦也は二年だっけ?」
二年前・・・中学二年生か。
「まあ、もともと幼馴染だったしな。」
「付き合ってて、結局同じ高校に入学するって、しかも専門的な学校って、すごいよな。」
確かにそうだな、将来の、就職のこととか考えたのだろうか?
俺達はトレーを持って長机の端っこに移動した。
「あ、春樹。こっちや。」
海音が入り口付近にいた、コンビニの袋を下げた三好春樹に手を振った。
春樹がこっちへやって来ると、それに連なって尾形幸成とマナン=アンドレルも弁当の包みを持ってやって来た。体育の時に男子の苗字は全員覚えた。ちなみにさっきまで話していた海音の苗字は日比谷である。
春樹、幸成と順に席に着き、マナンがきたところで春樹がそこに自分のリュックを置く。
「なんでそんなことするん?」
男子グループの典型である。だいたい一人はいじられキャラがいるものだ。
もちろん本気でやっているわけではないので、その後すぐにリュックサックはどけられ、男子五人、仲良く昼食をとった。
午後一時十五分―
「あ、そろそろ行かな。」
スマホの画面を見た海音が言った。
「次どこやっけ?」
俺は何気ない感じで聞いた。
「敦也は・・・実習棟の三階や。」
敦也は・・・ってことは、全員じゃないのか?
「じゃあ、またホームルームで・・・」
「スゥィーユー」
「バイビー」
春樹、マナン、ユッキーの順に別れの言葉を残し、三人は去っていった。
実習にはスペースが必要で、一つの部屋じゃ足りないから、二つに別れて行う、ってことでいいのか?
その場に取り残されたのは俺と海音、俺は実習に何が必要か知らなければならないのだが、今から詞弥に電話を掛けるのでは間に合いそうも無かった。
だから、さっきと同じようになるべく自然に・・・
「今日、何がいるっけ?」
「どうした敦也。いつもはそんなん聞かんのに・・・」
まずい、感づかれた。
「テスト前やから、勉強のことしか考えてないんやろ。」
なぜか知らないが、切り抜けれた。
「ちょっとぐらい手え抜いても一位取れるやろ。敦也なら。」
「結構裏では苦労してるんだぞ。」
なんとなく話を合わせとく。
「今日は油絵セットだけでええと思うで。」
「どこに置いたっけ・・・」
なんか今ならいけそうだったので、とことん聞く。
「部室じゃね。」
部室?どこにあるんや。と言うのはさすがにまずいと判断したので言わなかった。どうする、結局動けなくなった・・・
「俺も部室だから、行くか。」
海音ナイスゥー。
「うん。」
「ヤバ、急がんと遅刻する。走ろ。」
「おう。」
ちらっと腕時計を確認した。
一時二十五分。タイムリミットはあと五分。五時間目開始の予鈴が鳴る中、俺は海音の後に続いて、実習棟らしき建物に向かって、履いているスリッパが脱げそうになりながらひた走るのであった・・・
天井の高い教室の妙な開放感。勉強机四つ分サイズの机が約十台並べられ、各机の前にはイーゼルが二台ずつ並び、そこにはそれぞれが描き進めているキャンパスが立て掛けられている。部屋に充満するオイルの匂い。絵を書くためだけに用意されたであろう環境がそこにはあった。
「今日は前回から描いている自画像の続きを、まるまる二時間使ってなるべく完成に近づけてもらいます。」
少し不思議な雰囲気をした若い女の教師が前で話している。生徒の方はと言うと、きちんと前を向いて、私語一つせずに真剣な眼差しでその話を聞いていた。普通教科の授業とは大違いだ。朝の授業では開始早々夢の中にいた奴が、今だけは勉強熱心な奴になっていた。普通教科の教師がこの光景を目にしたら、態度の違いにキレそうだ。
「今日はごちゃごちゃ言いません。思う存分描いてください。どうぞ。」
担当教師はそう言ったのだが・・・俺的にはごちゃごちゃ言ってもらいたかった。油絵のやり方なんてもう覚えていない。向こうの俺は剣の稽古しかしていなかった。
もう周りの人の描き方を見よう見まねするしか無い・・・と思ったが、出席番号が悪かった。最前列では覗けない。
いよいよ打つ手がなくなった俺は、机に置かれた鏡に映る自分の顔を、余計なことは考えずに、見えるがままに描くことにした。
まずパレットの上でチューブを・・・あ、なんで緑なんて出しているんだ。使うのは黒色だろ・・・
その瞬間、俺の脳にビジョンのようなモノが流れた。
―ねえ敦也君、どうやったらそんな絵が描けるの?
―ああ・・その絵、ちょっと貸してみ。
―あ、うん。ハイ。
―これは・・・黒を使い過ぎなんだよ。ここを暗くしたいなら、この色と反対の色、この場合緑とか青を加えてやって・・・ほら。
―あっ、なんかそれっぽくなった。よく知ってるんだね、敦也君。
―まあ、絵画部だからな。
―私も入ろうかな・・・
―え?
―ほら荒川、前を向きなさい。
―すいません先生。
「やっぱり上手いねえ・・・」
気が付くと俺は、意思とは無関係に勝手に色をのせていた。
「さすが絵画部やな。」
教師が俺を褒めるが、素直に受け取れない。だって俺の手が勝手にこれをやってのけただけで、俺は何も考えていないのだから。
それにしてもさっきのは何だったんだ。断片的に記憶が戻ってきている・・・
その後も俺は絵を描き続けた。六年経っても感覚は忘れなかった。詞弥と手を繋いだ時もそうだった。
授業が終わり、俺は今になって詞弥の存在に気が付いた。なにせ最前列で、この教室にチャイムと同時に入った俺は、メンツを確認する暇もなかった。
詞弥がこちらに気付く。さっきまで話していた駿河加奈に何かを言い、駿河が頷くなりこちらに駆け寄ってきた。ちなみに駿河という苗字は、二限目の授業で彼女が当てられた際に知った。
「敦也君、なんか久しぶりだね。」
「まだ別れて二、三時間だろ。」
「そうだけどさ・・・」
「この授業って、二グループに分かれて行うんだな。」
現に半分の生徒しかここにはいない。
「えっとね・・・この授業というか、この時間は、かな。」
と、言いますと・・・
「私達がこの平面造形の授業を受けている間、もう半分の人達は、他の分野の授業を受けているんだよ。確か今日だと立体の授業だったかな・・・」
「つまり、俺達はまた別の曜日にその立体の授業とやらを受けるってことか。」
「そういうこと。」
なんとなくこの学校のシステムが分かった。
「それより、どうだった?」
「何が?」
「とぼけても無駄だよ。後ろの席から、ずっと見えてたんだから。敦也君の絵。」
「ああ・・・」
「どうして描けたの?王都では騎士だったんでしょあなた。」
「なんか、思い出したんだよ。描き方とかじゃなくて、描く感覚を。」
「私、絵に負けたんだ・・・」
詞弥が少し大げさに落胆してみせる。
「それが違うんだ。」
「どういうこと。」
詞弥は首を軽くかしげた。
「実は、俺がその時思い出した記憶の主役は、詞弥だったんだよ。一つ前の人物画の授業で、思うように描けなかった詞弥が、絵画部員だった俺に救いを求めてきて・・・」
「そのアドバイスを聞いて、私は絵画部に入部した。」
「結局入部したのか?」
「それは知らないのか・・・」
「ごめん、そこまでしか・・・」
「でも、嬉しかった。」
「うん?」
「一つとはいえ、敦也君が私との思い出を思い出してくれたから。なんか自身出てきたよ。私、愛されてたんだな・・・」
「なんだよそれw」
「ねえ、あれ見て。」
詞弥は、教室の後ろに掛けられた絵を指差した。あんなところに絵なんてあったのか・・・
「あれ、前の代の優秀作品。」
確かにそこにある絵は、そう言われて納得できるものばかりだった。
「あれが一応この一年間でこなす課題なんだよ。」
壁の端から端まで並べられた、四種類の作品を、指で横から順にスライドしていく。
「で、今回の授業はあれ。」
分かっとるわ。自画像って言ったらあれ以外あり得ないだろ。
「敦也君なら、あそこ狙えると思うよ。」
「詞弥も狙えよ。」
人の目標つくってどうする。自分の目標にしろよ。
「私はだって、リアルに描けないもん。」
「いや、リアルである必要は無いと思うぞ。ほらあれ。」
俺は今の二年の誰かが描いたであろう自画像の右から二番目の上から二番目を指した。
「真っ青じゃないか。人の肌はあんな色をしていない。けど、あの人は自分の顔を真っ青に描いた。あれのどこがリアルだ。だけどあれはあれで魅力がある。何より、他のものと比べて、明らかに目立っているだろ。リアルな絵を描けるだけが優秀じゃないんだよ。」
知ったように話すが、俺は記憶喪失者だ。さっき取り戻した感覚だけで話している。
詞弥は拳を顎に付けて考えた後、「なるほどなあ」と感嘆の声を漏らしていたのを見ると、それなりの説得力だったのであろう。
俺は、その後も優秀作品の自画像を見ていた。優秀作品ともなると、どの絵にもその人らしさが出ていて、なんというかその人の性格とかもそこから伝わってく感じがする。
例えばあの、一番左上の作品。その堂々たる表情からは、自信やプライドの高さを感じる。その上団子にした髪の毛に金色のかんざしが刺さっているものだから、実に女王という称号がふさわしい・・・誰かに似ている気がするが。
「敦也君、そろそろクラスに戻らない?ホームルーム始まっちゃうよ。」
「あ、ああ。」
なんか見覚えあるんだけどな・・・
詞弥と廊下に出、実習棟と本館の連絡橋を渡り・・・
「ああ!」
「へっ!?」
「悪い、忘れ物した。」
「う、うん気を付けて・・・」
俺は詞弥の言葉を聞き終えるより前に、その場から去った。来た道を逆に、さっきの連絡橋を過ぎ、実習室の前まで行き、
「どうした荒川君。」
「ちょっと忘れ物しました。」
鉢合わせした先生を回避して、中に入った。さっきの自画像を探す。もう一度見て、俺は確証した。
アシアがこの学校にいる・・・
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