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再会、合流
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ツグマのフィーズに対する視線を感じつつも、姉妹は両親のことについて尋ねた。
「…そうでしたか…お義父様だけでなく、お母様まで…ですが申し訳ありません。私も、お二人のことは何も…」
「そうですか…ありがとうございます。これからまた、先の街へ行ってみます。お忙しいところお時間いただき、ありがとうございました」
「いえ、こちらこそ力になれず、もどかしいばかりです…もし何か情報が入りましたら、こちらからも伝書を送ります」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
「…では行きましょうか、お二人とも。早く行かないと、また次の街に着く前に日が暮れてしまいます」
フィーズが、まるで姉妹の本当の付き人のような振る舞いで出発を促す。その時の彼の表情を見た瞬間、ツグマがあることに気付き、フィーズに対し、背筋をさらに伸ばした。そして、姉妹たちが部屋を出てすぐに、慌ててフィーズを引き止める。
「あのっ…!」
「? どうされました?」
「あなたは…まさかフィズ…」
「しーっ…」
「!」
「…流石にバレるよなぁ、そりゃ…悪いな、ツグマ。今、リディルには知られたくないんだ。彼女には、俺の正体のことは隠し通してくれないか?」
「なぜ…!」
「まだその時じゃないんだ…頼む」
「…わかり、ました…あなた様がそこまで仰るなら…」
「あぁ…助かる…あ、あとこれ。伝書を送る時には気を付けてくれな。見送りも大丈夫だ」
「? はぁ…わかりました…」
そう言いながら折りたたまれた小さな紙をツグマに渡し、フィーズは踵を返し部屋を出ていった。部屋の外では、リディルとラテュルが不思議そうな表情で彼を待っており、合流するとすぐにメイドの案内で外へ向かった。
「何を話していたのよ?」
「あぁ、何、伝書を送ってくれる時、あまり公の目につかないように飛ばした方がいいって伝えていたんだよ」
「何故ですか…?」
「…ここ最近、飛んでいる伝書の中身を地上から読み取って、情報を盗んでいる輩が増えているんだ。特に宝族の公務関係の内容や要人の予定を探ったりしていることが多いらしい」
「それはまた面倒な案件ね…その情報も、"情報屋"として得たもの?」
「もちろん。だから、俺たちは信用できる宝族にはこうして対処法を教えてまわるのも仕事の一貫としているんだ」
そうこう話しているうちに屋敷を出て、メイドに見送られながらラミアーユ邸を後にする三人。これから、ミサ=ラミアから西へ向かって次の街へ向かおうとした、その時──…
「! フィーズ! 避けて!!」
「!?」
突然、フィーズに向かってナイフが飛んできた。それにリディルが咄嗟に反応し、剣でナイフを弾いた。三人が身構えていると、得物が飛んできた方向から、一人の青年が歩いてくる。その姿をとらえ、ラテュルは目を見開いた。
「…えっ!? テイザー、様…?」
「ラテュル…! 無事でよかった…!」
先刻リ=ハティアを出たテイザーが、リディルたちに追いついていたのだ。突然の婚約者との再会に、ラテュルは驚きを隠せなかった。鮮やかな青緑色の髪の青年は、ラテュルを見るとすぐにホッとした表情で、彼女を優しく抱きしめた。
「あっあの…テイザー様…? その…恥ずかしい、です…」
「あ…すまない、屋敷に寄ったら旅に出たと聞いたから、慌てて追いかけてきたんだ。体に負担がかかってしまうと思って…」
「ご心配おかけしてすみません…ここでも十分に休みましたし、私は…」
「良い雰囲気のところ申し訳ないんだけど、さ」
二人の空気に耐えかねたフィーズが口を開いた。その一言にラテュルは慌てた様子を見せたが、一方のテイザーは、フィーズとリディルに向けて鋭い視線を向けた。
「…そうでしたか…お義父様だけでなく、お母様まで…ですが申し訳ありません。私も、お二人のことは何も…」
「そうですか…ありがとうございます。これからまた、先の街へ行ってみます。お忙しいところお時間いただき、ありがとうございました」
「いえ、こちらこそ力になれず、もどかしいばかりです…もし何か情報が入りましたら、こちらからも伝書を送ります」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
「…では行きましょうか、お二人とも。早く行かないと、また次の街に着く前に日が暮れてしまいます」
フィーズが、まるで姉妹の本当の付き人のような振る舞いで出発を促す。その時の彼の表情を見た瞬間、ツグマがあることに気付き、フィーズに対し、背筋をさらに伸ばした。そして、姉妹たちが部屋を出てすぐに、慌ててフィーズを引き止める。
「あのっ…!」
「? どうされました?」
「あなたは…まさかフィズ…」
「しーっ…」
「!」
「…流石にバレるよなぁ、そりゃ…悪いな、ツグマ。今、リディルには知られたくないんだ。彼女には、俺の正体のことは隠し通してくれないか?」
「なぜ…!」
「まだその時じゃないんだ…頼む」
「…わかり、ました…あなた様がそこまで仰るなら…」
「あぁ…助かる…あ、あとこれ。伝書を送る時には気を付けてくれな。見送りも大丈夫だ」
「? はぁ…わかりました…」
そう言いながら折りたたまれた小さな紙をツグマに渡し、フィーズは踵を返し部屋を出ていった。部屋の外では、リディルとラテュルが不思議そうな表情で彼を待っており、合流するとすぐにメイドの案内で外へ向かった。
「何を話していたのよ?」
「あぁ、何、伝書を送ってくれる時、あまり公の目につかないように飛ばした方がいいって伝えていたんだよ」
「何故ですか…?」
「…ここ最近、飛んでいる伝書の中身を地上から読み取って、情報を盗んでいる輩が増えているんだ。特に宝族の公務関係の内容や要人の予定を探ったりしていることが多いらしい」
「それはまた面倒な案件ね…その情報も、"情報屋"として得たもの?」
「もちろん。だから、俺たちは信用できる宝族にはこうして対処法を教えてまわるのも仕事の一貫としているんだ」
そうこう話しているうちに屋敷を出て、メイドに見送られながらラミアーユ邸を後にする三人。これから、ミサ=ラミアから西へ向かって次の街へ向かおうとした、その時──…
「! フィーズ! 避けて!!」
「!?」
突然、フィーズに向かってナイフが飛んできた。それにリディルが咄嗟に反応し、剣でナイフを弾いた。三人が身構えていると、得物が飛んできた方向から、一人の青年が歩いてくる。その姿をとらえ、ラテュルは目を見開いた。
「…えっ!? テイザー、様…?」
「ラテュル…! 無事でよかった…!」
先刻リ=ハティアを出たテイザーが、リディルたちに追いついていたのだ。突然の婚約者との再会に、ラテュルは驚きを隠せなかった。鮮やかな青緑色の髪の青年は、ラテュルを見るとすぐにホッとした表情で、彼女を優しく抱きしめた。
「あっあの…テイザー様…? その…恥ずかしい、です…」
「あ…すまない、屋敷に寄ったら旅に出たと聞いたから、慌てて追いかけてきたんだ。体に負担がかかってしまうと思って…」
「ご心配おかけしてすみません…ここでも十分に休みましたし、私は…」
「良い雰囲気のところ申し訳ないんだけど、さ」
二人の空気に耐えかねたフィーズが口を開いた。その一言にラテュルは慌てた様子を見せたが、一方のテイザーは、フィーズとリディルに向けて鋭い視線を向けた。
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