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1話 その男野球バカなり
しおりを挟む???「今日も良い練習だった!」
俺の名は穹窿らん 【きゅうりゅう・らん】
5、 6年に1度は必ず甲子園出場する県内強
豪校だった、 茶ノ芽(ちゃのめ) 高校に入学し
て直ぐに3番遊撃手兼先発2番手投手の座を
ゲットした高校球児だ。
茶ノ芽の説明が 県内強豪だったって過去形な
のは直近10年間甲子園出場出来ていないか
ら。
以前までは県の顔である林清館(りんせいか
ん)に競い勝つチームを3年に1度作れてい
たけど、 最近は丸っきり歯が立たず林清館
と激突した試合=大会結果の方式が成り立つ
悲しい状態が続いてる。
しかしそんな状態は終わる!いや俺達が終わ
らせる!
努力出来る天才の俺と俺が茶ノ芽へ行くって
話を聞いて一緒に来てくれた仲間と共に、 必
ず林清館を破り茶ノ芽を甲子園へ導き!
そして全国制覇を果たしてやるぜ!
俺のスペック・・・は? なんだ?
いきなり白い霧?靄?が立ちこめて来たぞ?
えっ!!?
俺は目を疑った、 何故なら前に歩いていたの
に前方の光景が生い茂る木に向かって進ん
d・・・
いや
落ちていたから。
穹窿「どーーなってんだぁーっ!!!!」
・・・・・・
借金取り「いい加減によ? そんな時代遅れな
革細工の看板畳めよ?
利子を払い続けても借金減るわけじゃ無いん
だぜ?」
???「この看板を畳むわけにもこの技術を
絶やすわけにもいかねぇ、 絶対ぇ革細工で食
っていける時代を取り戻す。
それと次に俺の前で時代遅れだの言ってみ
ろ、 可愛がってから飛竜の巣に縛って捨て
てやる」
借金取り「はっ、 ははは・・・。
ま、 まぁそんな時代を巻き戻すみたいな方
法あるなら革細工職人は絶滅しかけてねぇ
だろ?
このまま過去の栄光にしがみついてたって
良い事無ぇぞ?
っと、 次に行かねぇと。
前々から言ってた通り次から利子値上がりで
50000ヘリだ」
???「ウゲッ!?もうか!?」
借金取り「時間ってのは気が付いたら流れて
るもんだ。
払えないなら・・・・・・
あの斧とその首にぶら下げてる首飾り貰って
いくぜ」
???「あ''!? 其奴らは俺達の命だから金
にはしねぇつったの覚えてねぇのか?」
借金取り「ヒエッ、 う、 売っぱらったからって死
にやしねぇ、 看板守るために必要な犠牲さ。
じ、じじじゃあな!」
つなぎ服を来た男は宝物が差し押さえの品に
選ばれそうになり舌打ち。
そのまま背中が小さくなっていく借金取りの
男を睨みつけていたが【仕事だ仕事!】と頬
に気合いを入れて強引に気持ちを切り替え、
作業音のしている作業部屋へと向かった。
・・・・・・
??2「またか、 彼奴は また懲りずに斧と首
飾りを狙ってるのか」
丸太椅子に座った枯葉色のつなぎ服を着て、
額に白い鉢巻きを巻いた男は眉を顰める。
???「オヤジがこの工房をあの斧1つで
建てたって自慢の斧、 今となっちゃ形見。
そんでこの首飾りはオヤジが俺達を1人前
って認めて作ってくれた宝だ。
奪われるくらいなら休業して僻地に魔物狩
りに行くぜ」
??2「その時は俺も行く、 補助くらいは出
来るからな」
???「あぁ、 そん時は声掛ける。
次は革でどうやって稼ぐか。
この問題を解決しねぇと何をしても問題の先
延ばしにしかならねぇ」
??2「まだ需要あるのは精々駆け出し冒険
者の革装備くらい。
革製品は全て魔糸の腐れ糸製品に置き換えら
れてしまってるのが痛すぎる」
???「革装備もあるにはあるが、 大手が駆け
出し冒険用として革を安く買い叩いて数を安
売りして何とか赤字出さないのがやっと。
量より質の俺達じゃ雀の涙って奴だ」
??2「売る為とは言えこれ以上値下げされ
ると赤字も同然」
???「クッソー!!どっからか革細工職人
の救世主は降って来ねぇかぁ!!」
??2「 降ってくるのは無い無い、 降ってくる
のは雨か鳥の糞くらい」
鉢巻きの男は【作業に戻る】と作業を再開、
つなぎ服の男は【鞣し干し作業中の皮がそろ
そろだ】と裏口から外に出た。
???「どうすりゃ良い、 革製品をもう一度
日の当たる場所に連れて行くにはどうすr
【どーーなってんだぁーっ!!!!】
っ!!? なんだなんだ!!?」
直ぐさま声の方、 空を見上げると落下中の人
の姿を発見。
???「あのマヌケ!上空で魔力切れ起こし
たのか!!」
【死ぬぅーっ!!!絶対死ぬぅー!!!】
???「俺の速度なら地面に叩き付けられる
前に空中で掴めるが、 掴んだ場合は間違い
なく地面に叩き付けられた方がマシな衝撃
が体に行っちまう。
何か代案は・・・おっ! アレなら良い感じに
出来そうだ」
繋ぎの男は周囲を見渡して何か閃いた様子。
2m弱はある鞣し干し中の皮に魔法陣を展開
し皮の絨毯に変化させて落下中の男 目掛けて
投げつける。
皮の絨毯は男の真下へと行き 男を包み込む
と、 ゆっくりと地面へ。
???「さっすが俺!見事な手捌き!
さて!どんなマヌケかその面ぁ 拝んでやると
すっか!」
・・・・・・
【穹窿視点】
穹窿「死ぬぅ!! 助けt ???「うるせぇ!!
ギャンギャン喚くんじゃねぇ!!」 ゴッ!?」
怖くて目が開けられない! 地面が迫ってきて
いる!
と思っていたら突然怒声と硬い何かで強打さ
れ、 星が見える程の痛さで頭を抑えorzポーズ
で悶絶していたら気付いた!無事に着地して
る!!
間違いなくこの方が命の恩人!
俺はそのままの体勢で恩人に溢れ出て止
まらない感謝の気持ちをそのまま伝える。
暫くすると【長ぇよ!!いつまで聞いてりゃ
良いんだ!】と怒られてしまったので正座で
反省。
???「魔力管理も出来ねぇなら飛ぶんじゃ
ねぇよバカタレが」
・・・ん?この御仁は今何と?
穹窿「・・・魔力?」
???「あん?」
穹窿「え?」
???「まさか魔力がわからねぇ奴なん
ざ・・・。
テメェさんマジか? マジでわからねぇの
か?」
見るからに職人の人が魔力とか言うから
冗談かと思ったらマジで言ってるみたい・・・。
そう言えば上空から落ちてて突然風呂敷に
包まれてフワリとしたっけ?
穹窿「マジです、 意味は多分わかってるつも
りですけど・・・ 現実では・・・」
???「(嘘を言ってる様には見えねぇ、 だ
が魔力がわからないなんてあり得ねぇだろ。
生物が呼吸する時に吸ってるのは空気っての
を知らないのと変わらねぇぞ?)」
凄ぇ不審者を見る冷たい目で見られて
る・・・。
ここは何か話しをしないと警察呼ばれる!!
穹窿「ここ何処ですか? 俺は麦柱(むぎばし
ら)って田舎の方にある場所を歩いていたん
ですけど・・・」
???「あん?今なんつった?
つーかテメェさん歩いてねぇだろ、 何で歩い
てる奴が空から落ちて来んだよ?」
穹窿「麦柱です。 それが歩いてたら霧に包ま
れて気が付いたら落ちてました。
本当俺も何言ってるのかわからないし意味わ
からないけど本当なんです!
人間なんて飛べるわけ無いのに空から落ちて
来るなんて異常な事態を目の辺りにしたで
しょう!?」
???「飛べるだろ、 飛べねぇ奴なんか高所
恐怖症か呆れ返る程の不器用以外居ねぇよ」
あれ? 待って!どゆ事!? 飛べるのが当た
り前!?
飛行船・気球・飛行機・ヘリコプター・オ〇プレ
イとか乗り物無しにって事だよな!?
穹窿「・・・ここ何処ですか?」
???「ルーボスーベ」
・・・何処ですか?
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