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2話 異世界生活スタート
しおりを挟む俺は工房裏の縁側に座りこの世界の話しを
聞いている。
どうやら俺は神隠しにあい外国へ飛ばされ
たとか言う次元では無く、 俺の居た世界とは
別世界に飛ばされた上に強制飛び降り自殺さ
せられかけたらしい。
そして俺を助けてくれた命の恩人は 【ライ
ト・ポール・グランドスラム】 さん、 革細工
職人だそうだ。
ライト「飛べねぇってのに帰り道に上空へ投
げ出されるとかw
テメェさんよっぽどの罰当たりしでかしたと
しか思えねぇw」
穹窿「してませんよー。
罰受けそうな所に行くのは毎年初詣の時くら
いですし、 その時も礼儀作法ってます」
ライト「はつ?」
穹窿「初詣です。 年明けに神様の居る場所でそ
の年のなんて言うかな、 例えば健康で居たい
なら 【今年1年健康でありますように】とか
祈るんですよ」
ライト「へぇー、 で?一年中健康で居られるの
か?」
穹窿「難しいですね、 祈ってますけどその年の
抱負を言ってるだけですから」
ライト「意味わかんねぇ、 年明早々何してん
だ」
穹窿「行事なんで」
ライト「ふーん。
そっちの世界の話は後々聞くとして、
これからテメェさんどうすんだ? 帰ろうに
も帰り方がわからねぇだろ?」
穹窿「どうしよう・・・。 俺を飛ばした犯人が出
て来てくれないとどうしようも・・・」
マジでヤバイ・・・、 働き方も知らないちっぽ
けな餓鬼が異世界でどうやって生きていくん
だ・・・
ライト「(此奴事の重大さに・・・、 いや殺され掛
けて忘れてたのか。
救世主降って来いつったが、 此奴はどう見て
も救世主じゃねぇな。
だが仕方ねぇ!これも何かの縁だろうよ)
ウチで面倒見てやろうか?」
神だ!神が居た!! この方は2度も命の恩人
になって下さった!!
穹窿「お願いします! 是非お願いします!」
ライト「貧乏だから贅沢出来ると思うなよ?
後タダ飯食らいはさせねぇ、 ヌルイ事もやら
せねぇ」
穹窿「はい!!よろしくお願いします!!」
・・・・・・
お兄さんに話しをしに行くと言うので大人し
く待っていると、 お兄さんの【レフト・ポー
ル・グランドスラム】さんが登場。
俺が先ず名乗るとムスッとした表情のまま名
前だけを言う簡潔な自己紹介をしてくれた。
経緯を話そうとしたら
【良い、 俺は作業続ける。 また後で】
と戻っていった。
【作業中だったか、 申し訳ない】 と呟くと
ライトさんが【家族や仲間以外だと緊張して
ぶっきらぼうになるだけで嫌われてるわけじ
ゃねぇよ】
と教えてくれて ホッと一安心。
使わせて貰える部屋に案内して貰い、 荷物を
降ろして【何しようか?】と思った瞬間にラ
イトさんに呼ばれた。
ライト「飯釣りに行くぞ」
渡されたのはサバイバル中に作ったみたいな
簡易的な手作り釣り竿。
【これ・・・2匹位釣ったら壊れそうじゃない
か?】
と、 強度に不安を覚え観察していたらライト
さんは出発していたので俺も急いで後を追
う。
道中で【もっと気楽に行こうぜ! さん付け敬
語無し!】
と言ってくれたのでコレから気軽に接してい
く。
・・・・・・
【シュッ チャポン】
現在森の中に在る楕円形の湖畔にて釣り
中。
周りは拓けていて視線が通るから釣りに夢
中にならない限り、 熊とかが背後からコッソ
リ近付いて来て【いただきまーす!】なんて
事は無い。
【グググッ!】
穹窿「来た!」
【ヒュッ!グイッ!】
穹窿「ヨッシャー!また合わせられた!
これで10匹m・・・って、 ザリガニかよ・・・」
今日1番の引きが来て釣り上げたら4つの
ハサミを持つ、 ハサミを入れて目測50㎝
オーバーの巨大ザリガニだった・・・。
ザリガニ美味いって食ってる動画は見た事
あるし、 興味もあるけど今は魚が良かった
なぁ。
ザリガニはバンザイしてるけど俺はガック
リ。
【うおぉーっ!!?マジか!!マジか
よ!?】
突然ライトが叫び、 竿を放り投げて走って来
た!
まさか此奴毒があるのか!? それとも魔法放
ってくるヤバイ奴なのか!?
俺はライトの様子から身の危険を感じてザリ
ガニから距離を取る。
ザリガニは俺を威嚇しながら後ろ歩きで湖
へと下がっていく。
ライト「バッカ野郎-!!逃がすな!!」
ライトは水際まで後退したザリガニに向け飛
び込んでナイスキャッチ!
勢いで掴まえた様に見えて挟まれないか心配
したけど、 ちゃんと挟まれない場所を掴んで
いたので 咄嗟の判断力とザリガニ際の強さに
感嘆の溜め息がもれた。
穹窿「叫ぶから危ないのかと」
ライト「違ぇよ!! ヨッシャ!! 大物!
このサイズなら4300ヘリは堅ぇ!! でかし
たぞ!」
ライトは所謂【とったどぉーっ!】ポーズで
ザリガニを掲げ大興奮。
ザリガニ君、 さっきはガッカリとか言ってご
めんよ? 今は君が連れて本当に良かったと思
ってる。
穹窿「後で金の単位は聞くとして、 これ高い
の?」
ライト「おぅよ!! おっ!!しかも此奴は雌
じゃねぇか!これで4700ヘリは決まった!!
俺の方の箱に入れとくぜ!」
穹窿「俺じゃ逃げられても捕まえられないし
それが良い。
でもライトの方の魚はどうするんだ?ザリガ
ニに食われないか?」
ザリガニは共食いすらするからザリガニの腹
減り具合では折角釣った魚が食べられてしま
う。
もし食べられでもしたら歩留まり的にマイナ
スだ。
ライト「俺の方は魚が居ねぇから問題無ぇ、 そ
れに釣れたなら釣れたでハサミを縛るだけ
だ。
おっ!らんの方は9匹か!やるじゃねぇ
か!」
穹窿「ありがとう♪ 良く釣りに行ってるから
慣れてるんだ」
ライト「その肉付き良いヤマメは上手くやれ
ば1200ヘリは行くから売る。
後魚2匹釣れたら引き上げるぜ」
穹窿「了解!」
こうやって少しでも稼がないとやっていけな
い程に困窮してる状態なのに、 人間1人置い
てくれるなんて滅茶苦茶良い人達だ。
俺はその後直ぐに30㎝超のザリガニを釣り
あげたけど、 ザリガニは高値らしくてこれも
売りに回すからとノーカウント。
確かに魚二匹って言ってたもんな!
少しして今度はオスのザリガニが釣れた。
ザリガニは売りに回すのでカウントされず
【このままザリガニばっかだったら帰れま
10だ】
と1人苦笑いしてたけど、 連続して普通のフ
ナっぽい魚が2匹釣れて目標達成したので釣
り終了。
【何匹釣るって明確な目標を立てて釣りをし
た事は無かったから達成感が気持ち良い!】
とウキウキルンルンしながら歩き、 2人の家
が見えて来た所でライトから【魚を捌ける
か?】と聞かれ、
俺は【捌ける。 よく親父や友達と魚釣りをし
て捌いていたよ】と返すと、 ライトは【其
奴は好都合!此奴らを市場で売ってくる
ぜ!】と言いながら フワリと浮き上がり瞬
間的に急加速して市場へ飛び去った。
良いなぁ!俺も飛べる様になりたい!
飛べたら落下死は避けられるし、 あんな恐怖
を味わう事は無くなるからな。
さて、 ライトが帰ってくる前に魚を捌いて
おこうっと。
・・・・・・
ライト「今日は良い日だぜ! デカイ方の
赤ハサミはなんと7100ヘリ!小柄な方は
2850ヘリ!ヤマアジは1500ヘリで売れた
ぜ!」
レフト「おぉ! 良い値だ!
それは喜ばしいけど、食いたかったなぁ・・・」
ライト「マジで美味いからなぁ、 だが金作っ
て行かねぇとなんねぇから辛抱だ辛抱。
マジ大手柄だぜ? 今日が偶々じゃなかった
ら漁師で食っていけるぞ?」
穹窿「マジか!」
ライト「マジで、 下処理も上手いし今度魚屋
に手が欲しいって言われたらテメェさんを
寄越すぜ」
穹窿「任せt、 遠くないよな?」
ライト「あん? ・・・飛べねぇんだったっけな、
今度あの革で行き来出来るようにしてやる
よ」
穹窿「落ちないようにお願いします」
ライト「わーってるって」
ゆったりと談笑しながら食事を採り、 片付け
をして、 風呂に入って部屋に戻って来た。
普段なら日本人選手が所属するMLBチームの
試合ハイライトを見ながらドライヤーを掛け
るんだけど、
何方も無いから そのまま柔らかい革で作られ
たマットレスに身を投げ出す。
そして目を瞑りながら今日起こった非現実
的な出来事を思い返そうとしたけど、
心身の疲労が溜まっていたようで 、 そのま
ま夢の世界へと落ちて長い長い1日を終え
た。
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