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6話前半 製作開始!
しおりを挟む朝早くに朝食を済ませてから本の翻訳、
その後昼食用と生活費と借金返済の為の
釣り。
昼食後小休憩を挟んでキャッチボール、 そ
の後夕飯用と明日の朝食用と生活費と借金
返済の為の釣り。
夕飯後に本の翻訳。
って1日の流れを数日繰り返して翻訳は終
了。
その後2人は角度の計算に興味を持ってい
るとの事で、 俺の記憶の片隅にある正確性の
高い知識を朝食後に伝える事になった。
2人は地頭が良く、 ドンドン理解して俺が
憶えてる事は簡単に習得。
それだけに留まらず、 俺のあやふやな記憶
で伝えた公式も自分達で正解を見付けだして
理解してしまった。
その頭脳、 羨ましいことこの上ない!!
(コホンッ)これ以上は話が逸れるから話を戻す。
そんな事をして前準備が終わり、 いよいよグ
ラブ製作へ。
素材は前居た世界を習って牛革を使用する。
生後3~6ヶ月以内に去勢され、 2年以上
経った雄牛の革を指すステアハイド。
生後6か月~2年未満の子牛と成牛の中間
にあたる牛の革を指すキップ。
の様な売られ方はしていないから、 職人2人
が数種類の牛革の中から良さそうなのを選抜
して使う。
俺は少し資金面が気になり、
【試作含めて牛革の数が必要になるけど材料
費は大丈夫?】と聞いたら、
【魔糸の影響で牛革の需要が激減して低価格
で仕入れられるから問題無い】との事。
魔糸め、 嬉しいような嬉しくないような複雑
な心境にさせてくれるじゃないか。
牛革選びは何の問題もなく終わり、 いよいよ
グラブ製作へ。
しかし
ライト「クッソー、 またか」
レフト「型取りは様になってきてるのにな」
ライト「あぁ、 此奴のおかげでな。
次だ次! 次は温度を上げてやってみる」
グラブ製作は思い描いたルートで進んで
いない。
その原因は指芯の強度不足。
硬式用グラブの指芯・グラブ芯に使われてい
る主な素材は、
化繊、 発泡材、 羊毛ウール、 羊毛フェルト 。
化繊と発泡材は此方の世界では入手が不可
能に近いので最初から除外。
そうなると羊毛ウールと羊毛フェルト頼み
になるわけだけど、
何方も強度不足で指芯として機能せず、 グラ
ブがヘタってしまう。
なので指芯の強度を上げられないかと試行
錯誤をしている。
穹窿「パッと見は同じなのにな」
ポイッと捨てられてる奴を拾い上げると
クニャッと項垂れる。
穹窿「もっと腹筋と背筋に力を入れてしゃん
としなさい!」
レフト「言って聞いてくれたらどれだけ楽な
事か」
穹窿「そうだよな」
レフト「この3つがバシッと決まってくれな
い事には強度を上げる為の芯材探しに移れな
い」
ライト「そっちは良さげな素材が豊富にあ
るから、 こっちとは違った意味で悩みそう
だ」
今言っていたのは親指・小指・土手に使われ
てるグラブ芯の部分。
その部位は特に強度が必要だから素材の中
にプラスチック芯を入れて作られている。
勿論プラ芯はこの世界に無いから代用品探
しをしないといけないんだけど、 聞いての通
り2人が問題にしてないから俺も気にしてな
い。
ライト「数日試して手応えが無かったら素材
から見直そうぜ」
レフト「あぁ、 そうしよう」
こっちの世界の亀・魚・ザリガニでさえ
防御が強化されているから、 材質が硬すぎ
て柔軟性が無いって問題に直面するだろう
なと思っていた。
それがまさか強度不足問題が出て来るとは
予想外だよ。
こんな感じでグラブ製作は指芯の素材問題
で苦戦中。
一方硬球製作の方はと言うと、中のゴム芯と
コルクの代用品選びに困ってる。
この世界ではゴムが無い、 もしくはゴムが発
見されてない。
コルクは不明。
だから代用品で試してみてるけど、 手応えは
得られず・・・。
このままでは何も進まないので コルクと
ゴムの木の情報収集をする事になり、
ライトが職人仲間で木工職人の親方をやっ
てる人へ伝書鳥を使って相談に乗ってくれ
ないかと聞いてみたんだけど、 丁度多忙で落
ち着いたら連絡してくれるとの事。
2人は【長くても1ヶ月くらいだろ。
待ってる間はグラブ製作に集中するぜ】
と現在硬球製作はストップしてる。
1ヶ月は直ぐってニュアンスだったけど、
結構長くない?
それとも育成に年単位掛かる職人にとって
は大した時間じゃないって事なのかな?
時間の感じた方は人それぞれって事だな、
うん。
手紙の返事を貰ってから16日後の夕方、
つまりは先程連絡が入り 明日向こうの木
工場で直接会って話をする事になった。
有益な情報が欲しいのは勿論なんだけど、
どんな職人さんなのか会うのが楽しみだ。
・・・【翌日】・・・
試作品の確認も兼ねて空飛ぶ革絨毯に俺は
乗り、 2人は俺が落ちても直ぐに拾える様に
横を飛んでいる。
空飛ぶ絨毯と言えばア〇ジン!
革製だけど本物の空飛ぶ絨毯に乗れるなんて
楽し過ぎる!
ア〇ジンになった気分の俺はハイテンシ
ョン!
穹窿「高ぇ!! イヤッホーッ!!」
ライト「だぁーっ!騒ぐんじゃねえ!白い目
で見られんだろうが!」
レフト「突然空から突き落とされて殺されか
けたのに、 よく空で燥げるな」
幼少期に夢見た事が現実になってるんだ
から楽しくって仕方ない!
周囲の目?そんなの気にならない! 今この
瞬間を楽しまなきゃ損♪損♪
高いテンションそのままに空飛ぶ絨毯と流
れていく景色を堪能していたら目的地に到
着。
もう少し堪能していたかったけど、 遊びに来
たわけじゃないからな。
ここからは気持ちを切り替えて真面目に行
く。
上空から見えていたけど木工職人さんの木
工場は敷地が滅茶苦茶広い。
石塀で囲われた敷地内に作業場・倉庫が5つ
ずつあり、 他にも建物が幾つかある。
俺が入った事のある施設の中で断トツの広
さだ。
2人の後に付いていきながら建物を眺めて
いたら突然地響きが近付いてきて音の方向
を見ると、 10mはある丸太を乗せた長ーい
荷車を牛4頭が曳いて敷地内に入って来た。
おぉーっ!輓獣(ばんじゅう)だ! 現役の輓
獣を見られるなんてテンション上がる!
今でも観光地等では交通手段用の輓獣は居
るけど、 荷物運搬用の輓獣を日本で見た事
がある人は俺の近くに居ないから珍しい動
物に出会した気分だ。
なんかありがたいから拝んでおこうっと。
それにしても此方の世界の牛のインパクト
強いな。
大きさは動物園で見た雄のサイと同じかそ
れ以上。
角は1回捻りが入っていて、 長さは俺の足と
同じくらいの長さがある。
ごめんちょっと盛った、 確実に腹部まではあ
ります。
左右の下の牙が頬まで伸びていて威圧感が半
端ない。
あんなの子どもに牛さんとかモーモーとか教
えられないよ。
歩いていると突然鈍い音が響き渡り、
【バカヤロー!!! 塗料間違えるなんざテ
メェ何年修行してやがる!!! 見習いから
やり直せバカヤロー!!!】
と怒号が続いた。
2人は【やってるやってる】と笑いながら
歩みを進めてるけど、 今は取り込み中じゃ?
穹窿「今行って大丈夫なのか?」
ライト「気にすんな、 いつもの事だ」
レフト「あれ位 日常茶飯事」
穹窿「そっか、 大丈夫なら問題ないな」
そして怒号の響き渡る作業場に到着。
進んでいくと、 かなりの筋肉質で大柄な男
性が犬人族 (狼人族だったらすみません!)
2人に雷を落としていた。
ライトは気にせず【交代だ交代!】と手を
振りながら声を掛けると、
怒鳴るのをやめ【しっかり洗い落として薪
にしろ】と指示。
お弟子さん2人は返事をしてから急ぎ足で
俺達の横へ、
そしてすれ違いざまに会釈、 俺はお弟子さん
とほぼ同じタイミングで会釈をしライトと
レフトは手を軽く上げて返した。
???「おぅ! 職人から学者になったんだ
ってなw」
ライト「バカ言えw!誰がなるかw!」
レフト「随分な挨拶だ」
???「ハッハッハッ!! そっちが前話して
た奴(やっこ)さんか」
穹窿「穹窿らんです、 宜しくお願いします」
???「おぅ!らんだな!
俺はシームだ、 堅苦しい言葉遣いは要らねぇ
仲良くやろうぜ!」
穹窿「わかった!宜しくなシーム!」
シーム「ヨロシク! 俺の部屋で話そうぜ」
・・・・・・
案内された部屋に入ると生きた木の香りに
出迎られ、 全身が天然のマイナスイオンに
包まれて心地良い。
しかし木目が美しい社長机と木目に寄り添
う 味わいのある革の社長椅子が威厳を放ち、
身を引き締めさせる。
俺達は社長机と社長椅子の前に置かれてい
る、 木のローテーブルを挟んで 向かい合う
ように設置された革の応接ソファに腰を降
ろす。
ライト「早速話を始めるぜ」
シーム「あぁ」
・・・【相談中】・・・
ライト「・・・と言うわけだ」
シーム「軽くて弾力と耐久性に優れた木の皮
か・・・、 聞いた事無ぇ」
ライト「そうか、 邪魔したな」
シーム「待った待った待った!! 早ぇ
よ!!」
自身の両膝をポンッと叩いて立ち上がった
ライトを、 シームが慌てて立ち上がりなが
ら右手の平を向け 右腕を伸ばして止める。
ライト「聞いた事無ぇんだろ? なら他を当た
るしかねぇ」
シーム「ウチは建材や家具が主だから扱って
ねぇが、 他の子ども向けの玩具とか小物作
ってる職人仲間なら なんか知ってるかも知
れん」
ライト「木工職人の情報網か、 其奴は期待出
来そうだ」
シーム「その・・・コルクだっけか? 硬球以外
に何かに使われてないか?」
穹窿「緩衝材や家の断熱材に楽器。
有名なのはワインって主に葡萄から作られる
酒があるんだけどその瓶の蓋」
シーム「酒の蓋?被せるのか?」
穹窿「いや、 コルクをガラス瓶の蓋に差し込
む」
シーム「じゃあコルクってのは圧縮して使わ
れるんだな?」
穹窿「うん」
シーム「それはかなり有益な情報だ、 材料選び
の基準になるからな」
ライト「酒か、 飲みてぇなぁ。
革製品を表舞台に戻して1杯やりてぇ」
レフト「浴びる程じゃ無く、 浴びながら飲
みたい」
2人の思い描く光景は祝杯や勝利の美酒と
言った美しい光景じゃなく、 アル中の人み
たいに全身酒浸りになってる酷い光景が
映ってる様に見えるのは気の所為か?
シーム「ゴムの木は思い当たる節がある」
ライト「おっ!行かなくて良かったぜ」
シーム「だろ? ・・・それでゴムは何に使われて
るんだ?」
穹窿「タイヤと言って車輪の回りを空気を入
れた厚いゴムで覆って、 衝撃の緩和と摩擦力
を上げて 速度と安定性を上げる。
燃料漏れ防止の弁として使う。
俺の居た世界では電力が主な動力源なんだけ
ど、 電気を通さない性質を生かして精密機器
の電線に使われてる。
後は・・・」
シーム「その辺で大丈夫だ、 そっちの世界では
無くてはならない物って事だろ?」
穹窿「うん」
シーム「今の話を聞くにゴムはこの世界で劇
薬になる可能性が高い。
取り入れるのは もっとこの世界の事を知って
からが良いと思うぜ」
ライト「俺も今の話を聞いて、 ちっと危険性
を感じたぜ」
レフト「2人は何処に危険性を感じてるん
だ?」
シーム「余りにも便利すぎる、 工業機械の部
品から日常生活まで全ての痒い所に手が届
いちまう代物だ。
魔糸なんて可愛く見えるくらいの世界を引っ
くり返す力を持ってる」
ライト「俺はらんの上げた例から軍事技術
を連想した。
ゴムの研究ってのは戦争の中で育ったんじゃ
ねぇか?」
穹窿「そんな感じだった気がする。
天然ゴムの需要が高まって、 天然ゴムに頼ら
ず石油って燃料から合成ゴムを作る技術が必
要になったって教科書に書いてあった」
ライト「やっぱりな」
穹窿「改めて考えると安心して野球に取り組
めない状況になりそうだし、 ゴムの情報を出
すのは この世界の事を知ってからにしたい」
ライト「あぁ、 それが良い」
レフト「うん、 そうしよう」
穹窿「助言助かったよ、 ありがとう」
シーム「良いって事よ。
グローブの進捗はどうなってる?」
レフト「形は似せられる様になってきたが全
てにおいて本物とは程遠い」
ライト「指芯の素材に手を焼いてる。
教材にしているグラブは羊毛を使ってるが、
こっちのは軟弱過ぎて形を崩す原因になっち
まってる」
シーム「そうか、 そう簡単にはいかないか」
ライト「改良を繰り返している道具の最先端
技術に挑戦してるからな。
だが絶対俺達の腕で作り上げてみせるぜ!」
レフト「うん! 物だけじゃなく使い慣れてる
らんも居るんだ、 0から手探りでは無いんだ
から必ずやれる」
シーム「お前らならきっとやり遂げられる。
・・・しかし、 信じられなかったがマジで異世
界人なんだな?」
革細工職人2人の熱い意気込みを聞きながら
お茶を頂いていたら、 シームが此方に視線を
向けてきて唐突な話題変更。
もう1口飲みたかったけどテーブルに陶器の
コップを置く。
穹窿「そうだけど、 突然だな?」
シーム「らんには感謝を伝えたくてウズウズ
してた。
来てくれて自分の世界の役立つ情報を惜しみ
なく伝えてくれてありがとう」
ん?ん?んっ!?
椅子から立ち上がり、 深々と頭を下げられ
た。
俺も助けを求めて来た立場なのに何で礼を
言われてるんだ?
穹窿「何で感謝されてるのかわからないんだ
けど?」
シーム「なに!!? ㎜や㎝やm 角度の計算
方法等を誰でも知れる様に無償で情報提供
してくれた!
この国を変える技術革新の元を作る情報を
だ!
こんな素晴らしい緻密な情報は発見したと
国に発表したら間違いなく名誉と金が与え
られる!
そして国は情報を1部のみにしか教えない、
一般に知れ渡るという事は他国にも知られ
る可能性が高くなるからな!
だが、 らんは俺達国民に誰より単位を最も必
要とする職人にも情報が伝わるようにしてく
れた!
これを感謝しないでなんとするよ!」
とても喜んでくれてる事は伝わってくるけ
ど、 まったく実感が無いから人間違いで感
謝されてる気分だ。
ライト「テメェさんの所だと一般常識な事も
俺達には革命になるって事よ」
反応の薄い俺に補足説明してくれたけど、
やっぱりこれは違う。
穹窿「そうなのか。 でもやっぱり俺に感謝す
るのは辞めて欲しい」
シーム「何故だ!?」
穹窿「単位にしても俺が生まれるよりもず
っと前の人の発見。
凄いのはその人や俺の代にまで紡ぎ繋き続
けてた人達だ。
だから他人の手柄を横取りして感謝されて
る気分になるから、 そんな丁寧に感謝するの
は辞めて欲しい」
好きで技術や知識を得ようと自ら進んで努
力している野球や料理とかだったら話は別
だけど、
今感謝されてる物は他人事にしか感じない
から反応に困る。
テキトーに流しながらハイハイ言うのは簡単
だけど、
真摯に感謝を伝えてくれたシームには真摯に
対応するのが筋ってものだろう。
シーム「・・・出来た奴だな」
ライト「激しく感謝するのは辞めて、 情報提供
助かったぜ 程度がらんの為だ」
シーム「あぁ、 弟子達にも伝えておくぜ」
これで複雑な思いをする事はなくなった。
あのまま流していたら、
【嘘や偽りじゃないけど、 正直では無い】
ってモヤモヤが残っていただろうから、 ベ
ストの選択をしたと思う。
〈6話後半へ続く〉
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