異世界転移野球布教活動

ニーニー・エルボー

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9話後半 魔力の歴史とネチョネチョ

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・・・【経緯を説明中】・・・




ラミー「魔法の無い異世界から・・・

わりぁのママは信じてたけど実在してたん

だぁ♪」





無邪気に満面の笑みを浮かべ ガッツポーズ

後に万歳。


少し椅子が傾いて転げ落ちないか心配した

けど椅子が持ち堪えてくれた。





穹窿「気になったんだけど魔力が無いに等し

いって? 濁した言い方しただけ?」




ラミー「ううん、 今らん君は呼吸や食事で取

り込んだ魔力でぇ 魔力基盤が出来つつある

感じだよぉ」




穹窿「・・・大丈夫なのか?」




ラミー「体に異変はぁ?」




穹窿「異変・・・? そう言えば異変じゃないけ

ど違和感はある」




ライト「おいおいおいっ!? それは拙いだ

ろ!?」




レフト「早く言えよ!?」




穹窿「そう言うのじゃないよ」




ライト「じゃあなんだよ?」




穹窿「前居た世界では強度の高い練習と計算

された質と量のある食事を摂って体を大き

くしてた。

でもこっち来てからは軽い練習しかしてな

いし、 食事の質も量も落ちてるのに力が落ち

てる感じがしない」





野球の基礎練習、 自重・体幹トレ、 3日おき

にヒットトレーニングはしてるけど、 道具

や機材を使うウエートトレーニングより強

度は出せないから筋力が多少落ちてもおか

しくないのに、

体感1200gのバットでのトス打撃でも以前

と変わらずバット操作を利かしてスイング

出来ていた。


都合が良いんだけど、 この事に強い違和感

を抱いてる。





ライト「そんな直ぐ落ちるモンじゃねぇだ

ろ」




穹窿「元居た世界では直ぐ鈍るんだよ、 簡

単に筋力が落ちる」




ラミー「ふむぅ、 なるほどねぇ。 それは恐ら

く熱力中心の生命力と魔力中心の生命力と

の違いだねぇ」




穹窿「生命力?」




ラミー「この世界の生物は生まれ持った魔力

質や量が生命力に直結しているのぉ。


魔力は生命維持以外にも様々な用途で使わ

れるんだけどぉ、  変換効率が悪くて一気に

消費出来ない力だからぁ 感覚の衰えも遅い

んだよぉ」



穹窿「非効率だからこそ長持ちするのか」





魔力自体に記憶力に影響する何かがあるっ

て事か。

臓器移植を受けた人が臓器提供した人の感

性を受け継ぐレシピエント現象の答えも、

生命力自体に記憶力があるからだったりす

るのかな?






穹窿「効率が悪いってのは魔力が重いか

ら? それとも変換するのに体力の消耗が激

しいから?」




ラミー「自分の体を守る為だよぉ」




穹窿「自分の体を守る?」




ラミー「魔力を変換する時に魔力圧ってのが

掛かるんだけどぉ、 効率が良かったら魔力圧

によって体が壊れちゃうのぉ」




穹窿・ライト・レフト「マジかよ!?」




ラミー「マジだよぉ」




穹窿「魔力そのものの質量が大きいって事

?」




ラミー「そうだよぉ」




穹窿「効率が悪くても魔力圧は掛かってる

よな?

それを耐えられるのは魔力で頑丈になって

るから?」




ラミー「間違いではないけどぉ、 正確には魔

力基盤があるから頑丈なのぉ」





魔力基盤? それはどんなモノ?

そう聞こうとしたらライトが先に質問をぶ

つける。





ライト「他所の世界から来た らんにはねぇん

じゃねぇのか?」




ラミー「そこ!!そこが良いのぉ!!」




興奮して椅子を吹き飛ばさん勢いで立ち上

がり、 倒れそうになった椅子を俺がキャッ

チ。





ラミー「らん君の体は魔力に順応し始めてる

のぉ! これはママも推奨する【ホレス・

カートライトの魔術革命説】の証明だよぉ

!」




レフト「おっ!確かにそうだ」




ライト「ゴタゴタ避ける為に発表はさせねぇ

けどな」




ラミー「わかってるよぉ、 女神教に目を付け

られたらヤキュー所じゃなくなっちゃうも

ん」




レフト「今でこそ魔力は生まれながらに誰で

も持ってる物質だが、 大昔は人間族だけ魔力

を持っていなくて魔法・魔術も使えなかった」




穹窿「魔物・魔獣は?」




レフト「居る。 だから人間族は他種族の庇護

を受ける対価に労働力を支払っていた」




穹窿「扱いは良くなかっただろ?」




レフト「当たりはその国や村の一員、 ハズレ

は奴隷・家畜。

意外にも力を持つ大きな国や村では扱いが

良かったらしい」




穹窿「それは意外、 自衛手段を持たない種族

なんて対価を殆ど払わずに労働力に出来る

のに何でだ?」




レフト「適材適所って考えと、 そこに所属す

る人間族は必要な人材になる為に一芸を極

める努力をしていたからだそうだ」




穹窿「先進的な考えを持っていたのか」




レフト「あぁ、 だが奴隷・家畜扱いの方が断然

多ったそうだけどな。

数百年その扱いが続き、 人間族を哀れに思っ

た女神が神通力を人間族に与え、 天使族には

人間族の助力を命令して人間族は奴隷・家畜

から解放されて独立。  それと同時に女神教

開宗となった。

この出来事は【女神の救済】と呼ばれてい

る」




穹窿「神様やってるなぁ。


神通力と魔力の違いはあるのか?」




レフト「その質問は少し後で答える。


開宗すると神通力は女神教に入信した者の

中で女神が定めた条件を満たしている者の

みに与えられる特権となった。


女神教は女神を崇拝する天使族と人間族意

外の者を不浄の存在とするって教えで、 有力

な国や村は猛反発し連合を組んで応戦したが

天使族と神通力を獲得した人間族の前に敗

走。

囚われた人間族以外の種族は奴隷に落とさ

れ  人間族は入信する様に強制された」




穹窿「入信を拒んだら?」




レフト「浄化の儀と言うの名の拷問を受け、 

折れなかった者は不浄の者として火刑に処

された」




穹窿「正常な判断が下せなくなったのか」




レフト「連合の敗走に世界中の国や村は危機

感を抱き、 女神教に対抗する魔法・魔術の研

究開発を行っていた。

その中の1つが人間族への魔力付与。

だが人間族の肉体と精神では魔力に耐えら

れず肉体崩壊・精神崩壊を起こしてしまい、 

不可能な技術とされた」




穹窿「神通力とは勝手が違うのか」




レフト「状況は悪化し女神教の侵攻が大幅に

進んだ頃、 1人の魔術師が魔力には動的魔力

と静的魔力の2種類の性質がある事を発見。

今まで人間族が魔力を獲得しようとしても

叶わなかった原因を突き止めた」




穹窿「名前から相反する性質だな」




レフト「動的魔力は主に肉体に作用し、 静的

魔力は主に精神に作用する。

今まで失敗していたのは人間族は動的魔力と

静的魔力の均衡を保てたなかったからだ。


そこで微量の魔力に慣れさせ、 外部で均衡を

保つ手助けをしながら感覚を覚えさせる事

から始める。

始めこそ拒絶反応が出たが今までとは違い

肉体・精神崩壊までは至らず、 そのまま改善

と努力と重ね、 遂に人間族に魔力基盤を

作る事に成功した。


察しているだろうがこの出来事が【ホレス

・カートライトの魔術革命】だ」




穹窿「ホレスさんも人間族の方達も頑張った

な。


ホレスさんは何で成功させられたんだ?」




レフト「ホレス・カートライトは魔女と人間

族の混雑人だった事が大きいとされている」




穹窿「人間族の出来ない感覚がわかってたっ

て事か」




レフト「それと純粋な魔女と魔術師に魔法・

魔術関連が劣っているのを悔しく思い、 

昔から追い付け追い越せの精神で魔女・魔術

師と人間族の研究に明け暮れていた事だ」




穹窿「不利な状況を打破する為の研究が歴史

に名を残す偉業に繋がるとは思ってもみな

かっただろうな。


今の話を聞いた限りだと女神説とホレス説

が競合する理由がわからない」




レフト「ホレス説は女神説とは競合してない

ぞ?」




穹窿「あっ、 そうなんだ。 早とちりした」




レフト「人間族に魔力基盤を獲得させる方法

を広めたが、 女神教に対抗する戦力に育てる

には時間が足りず敗北。

その戦いで女神教は主流宗教の座を獲得し、

女神教発祥の地は覇権国家へと急成長。

女神教は支配した国や村で女神教以外の宗

教を邪教として固く禁じた。


だが、 何処にでも信仰する神の為なら己の

命すら惜しいとは思わない凶信者は居るも

ので彼方此方で暴動が発生。

その中で人間族による魔法・魔術攻撃が確認

された。

始めこそ混雑人だと思われていたがあまりに

も数が多く、 尋問して聞き出すと魔力を獲得

している事が判明。

これでは強力な力である神通力を与える女

神への求心力を弱め、 将来的に女神教の権威

を失わせると危機感を抱かせた」




穹窿「勝った後の事を考えずに無茶苦茶やれ

ば後が大変になるのは当然だ」





正常な判断を下す理性を残しておけば、 後に

なって後ろから刺される恐怖も多少軽減さ

れていただろうに。





レフト「全く持ってその通りだ。

そして女神教は愚策を重ねる。

魔力は異端の証、 魔力を持つ者は人間族で

はないと魔法・魔術を使った者を老若男女

問わず大量処刑した」




穹窿「マジかよ・・・、 相当な数居たんじゃない

か?」




レフト「人数は不明だが、 50年以上掛けて

いたから少なく見積もっても5桁は軽く超え

るだろうと言われてる」




穹窿「人間族の解放を謳っていたのに、 大差

ないな」




レフト「そして大量処刑を続けていく内に

違和感を抱く。

どんなに魔法・魔術を使った者を処刑して

も人数が減らない。

そこで奴隷に落としたエルフに魔力感知水

晶を作らせて各国で新生児を調べると、 多く

の新生児が魔力を持っていた」




穹窿「ん?魔力基盤を獲得したんだから持っ

ているんじゃないのか?」




レフト「いや、 それまでは術者が術式を用い

て人間族に魔力基盤を持たせていた」




穹窿「そう言う感じか」





ワクチン接種で抗体を獲得するのと同じか。





レフト「これには女神教も困った。

今のままでは新生児も粛正対象となってし

まうし、

女神教の信徒を増やす為には人間族が必要

なのに異端者と分類される者がドンドン生

まれてくる。

しかし放置すると反乱の危険がある。


身動きが取れず苦悩していると魔王が誕生

し、 魔王軍との全面戦争が勃発した」




穹窿「いきなりだな、 魔族は元々居たのか?」




レフト「あぁ、 大昔から地の果てと呼ばれる

土地に住んで居た。

女神の干渉と女神教開宗、 女神教の支配地拡

大により女神の力が蔓延した事。

女神教の強制と大量処刑で世界中に憎悪が蔓

延し、 負の力を吸収した魔族が急成長して攻

めてきた」




穹窿「因果だな」




レフト「女神教はこの戦争を利用し、 共存関

係を持っていた国や村の者達と人間族以外

の他種族を激戦区へ送り込み、 口減らしに

成功」




穹窿「やっぱり それをやるか」




レフト「そこから色々あったが、 女神教は人

間族が魔力を獲得した出来事を 【魔族と人

間族以外の他種族が共謀し、 魔族の血を注入

して眷属にする実験による魔力獲得】とし、 

【ホレス・カートライトの魔術革命説】は魔

族を含む人間族以外の他種族の妄言とされ

た」




穹窿「いきなり飛んだな?」




レフト「魔族が世界の半分以上を支配、 エル

フ・獣人・魔人の独立戦争、 暗殺と謀殺の応酬

とか上げだしたら切りが無いからな」




穹窿「それは切りが無い。 

今の話を聞く限りでは女神教が無茶苦茶言

ってるだけで説得力皆無だけど、

歴史は勝者が書き残す物だし、 長い年月の間

に分断工作や戦争で史料や文献が消失して

いるから覆しようが無いのか」




レフト「あぁ」




穹窿「大量処刑は何て言われてる?」




レフト「魔王の手先にされた哀れな人間族の

救済。

魔族化・魔物化・魔獣化し理性を失ってい

たと教えてる」




穹窿「都合の悪い事は魔族に擦り付けか。


ホレスさんの革命とかは誰が記録に残して

いたんだ?」




レフト「エルフ族。 彼等は人間族より長寿だ

し、 エルフ文字ってエルフ族にしか文字とし

て認識出来ない文字で後世に伝え続けてい

た」




穹窿「他種族から見たら暗号化されてるおか

げで消されずに済んだのか。


魔力の歴史ってとんでもないな」





こう言うのは多方向から情報を得て バイア

スを取り除きながらやらないとダメなんだけ

ど・・・極めて困難だろうな。





レフト「ここでさっきの質問に答える。

神通力と魔力の違いは燃料の違いだけだ」




穹窿「ザックリだけどわかりやすい。

女神教の信者は今も神通力を使えるのか?」




レフト「いや、 現在神通力は女神と天使族し

か持っていない。

人間族に魔力基盤が定着した事で神通力を

付与出来なくなった」




穹窿「定着する前に対策打たなかったの

か?

例えば特権を廃止してガンガン付与してい

くとかさ?」




レフト「諸説あるが、 有力説は女神の守護

天使長を務めていた大天使の策略」




穹窿「ん!? 裏切ったのか!?」




レフト「あぁ、 裏切った。 

守護天使長は人間族の守護と状況報告の

責任者だったから細工なんてわけも無し、

その後に女神派と裏切った大天使派で争っ

て、 大天使派は天界の何割かを占領してる」




穹窿「女神派は実質負けたのか。


如何して裏切ったんだ?」




レフト「自分の方が崇拝対象として相応し

いって考えだ」




穹窿「強気だな」




レフト「人間族解放戦争でも魔王軍との戦争

でも先陣を切り、 魔王や魔王四天王と幾度

となく死闘を繰り広げる程の実力者だから

な。

守護天使と人間族含む多種族から厚い支持

を受けていたんだろう」




穹窿「それなら納得。 


女神教の戦力削る為に細工したのか」




レフト「それと、 元々人間族に神通力を渡す

事に猛反対していたそうだから丁度良かっ

たんだろう」




穹窿「上も下もドロドロしてるな・・・。


それで、 俺の魔力基盤が出来始めてるのは魔

族による非道な実験の産物では無いって証

明にはなるだろうけど、 ホレスさんの魔術革

命の立証にはならなくないか?」




ラミー「ふっふっふっ♪ 今の話を聞いて出

来すぎてるって思わない~?」




穹窿「出来すぎ?」




ライト「確かに、 外部的に魔力を獲得してい

た人間族が何で魔力を備えて生まれるよう

になった?」




穹窿「そう言えば、 そうだな。


人体に細工したとか?」




ライト「人体に仕込んだのなら、 一気に魔力

持ちが増えた説明にはならねぇ。

関係者以外からも魔力持ちが生まれてるから

よ」




穹窿「じゃあ、 さっき言ってた俺が呼吸や食

事で魔力を取り込んでるってのに鍵がある

のか?」




ライト「それだ!食い物や水に細工して魔力

基盤を作ったのか!」




ラミー「正解~♪ 水ぅ・土壌ぅ・食物ぅ・薪ぃ

・調理器具全部に仕込んでるからねぇ」




レフト「どうやって仕込んだんだ?」




ラミー「水は川にある岩や石ぃ、 井戸は壁に

魔術刻印を彫りぃ。

土壌は魔結晶と魔術刻印を彫った石を埋め

て魔力濃度を高めてぇ、 魔力吸収効率を高

めた食物と木を植えてぇ。

薪はもう一手間かけて魔術刻印の焼き印を

付けてぇ。

調理器具には魔術刻印を彫ったんだよぉ」




レフト「考えたな」




ライト「頭の切れる奴だ」




穹窿「ごめん、 俺だけ理解出来てない。

魔力を持つには魔力基盤が必要なんだよ

な?」



ラミー「そうだよぉ」




穹窿「今上げたのが如何して魔力基盤作り

になるんだ?」




レフト「それは高濃度の魔力を取り込ませ

た・・・ん?そうだな、 高濃度の魔力を取り込

ませて魔力基盤が出来るなら人間族は魔力

基盤を生成出来ていた筈だ」




ラミー「ザックリ言うとぉ、 それぞれが魔力

基盤を作る為の役割を持った部品だよぉ」




穹窿「おぉーっ!なるほど!」




レフト「わかりやすい」




穹窿「あれ?その細工って地元なら大丈夫だ

ろうけど他所では不信に思われるだろ?

何でバレなかったんだ?」




ラミー「エルフ文字を使ったんだよぉ」




穹窿「あっ、 さっき言ってたのに俺の想像

力ー!」




ライト「陰からコッソリ世界中の人間族に魔

力基盤を作るとはホレス達はよくやってく

れたぜ」




ラミー「そうだねぇ」




ライト「にしてもよ?らんに魔力基盤が出来

るの早過ぎねぇか?」




ラミー「そぅなのぉ! 人間族が何年も掛けて

て順応させた魔力基盤を こんな短期間で作

り始めるなんて吃驚仰天なのぉ!

だから強烈に気になるぅ!」



ライト「肉体的にらんの居た世界の奴らの

方が魔力に適応しやすいのかもしれねぇな」




レフト「どれくらいのが作られてるんだ?」




ラミー「しっかり厚みがあるのぉ」




レフト「じゃあ、 魔力量が多いか魔力質が高

いか 或いは両方ともになるわけだ」




ラミー「そうなるねぇ」




ライト「基盤が出来てテメェさんがテメェさ

の中にある魔力を感じ取れる様になったら

魔力操作練習と基礎戦闘訓練始めるぜ? 

俺達が住んでる場所は比較的安全だが 魔物

や魔獣に胸糞悪くなる連中も居るからよ、 

最低限 敵を怯ませて逃げるくらいは出来ね

ぇと話にならねぇ」




穹窿「お手柔らかにお願いします」




レフト「その時は俺も手伝う。 得物はなんだ

?」




穹窿「槍と十文字槍を触った事あるだけのド

素人」





夏休みに父方の叔祖父の友人が師範をして

いる道場に遊びに行ってたんだけど、 

その流派は本物の鎧や甲冑を着用し、 刃を潰

して鋒を丸くした刀・剣・槍・薙刀・斧槍等を

使って稽古していたから武器を触った事が

あるんだ。





レフト「十文字槍? 」




穹窿「穂の根本付近から三叉に枝分かれした

槍」




レフト「想像しやすい、 得物はその2つを木

で作っておく」




穹窿「ありがとう」




ラミー「2人とも得物を持たないで戦うの

に扱えるのぉ?」




レフト「大丈夫だ、 今でも鈍らない程度に使

ってる。

教えるのは苦手だから体で覚えて貰う方法

しか出来ないが大丈夫だ」



ライト「問題ねぇよ、 振ってりゃ思い出す」




ラミー「大丈夫な要素どこぉー!?」




穹窿「ま、まぁなるようになるよ」




後の事は後で考えるとは言ったけど、 後から

必要になるってわかってるなら今から準備

する。

折角野球を広めても俺が野球を出来ない体

にされたら俺が野球を楽しめないからな。


その時が来たら魔力操作練習頑張るぞ。





ラミー「んぅー・・・心配だよぉ、  そうだぁ!

後で撃臭撃退薬品あげるねぇ? 護身用ぉ」




穹窿「ありがとう! お金無いからツケにな

るけど・・・」




ラミー「あげるんだからお金は取らないよ

ぉ。

此処では何時でも作れるから気にしない

で貰ってぇ」




穹窿「恩に着るよ、 ありがとう」




レフト「テメェさんが劇臭って、 それ護身用

じゃないだろ殺人薬品だ」




ライト「間違っても工房で発動させるなよ

?」




穹窿「細心の注意を払うよ」




ラミー「・・・それでぇ!らん君借りても良いで

しょうー? 危ない事はさせないからぁ!」




ライト「必死過ぎるだろ、 どうするよ?」




穹窿「問題ないよ、 ここは魔女の家って感じ

で面白い。 

それに何より掃除したい、 今すぐにでも」





我慢できないレベルなんだよココ。

【食べながら寝てそのまま放置しました】

みたいな床に転がってるカビの生えた果物

とか処分したい。

【風呂上がりでそのままイスに掛けて放置

してます】 みたいなバスタオルは洗濯した

い。

他に上げるとキリが無いくらい汚いんだよ。





ラミー「い、 今すぐはだめぇ! そっちが落ち

着いたって連絡くれたら呼ぶからぁ!」




ライト「今度来た時は今より散らかってそう

だ」




ラミー「片付けるよぉ!流石にぃ!」




 
そんなこんなでラミーにグリップテープ用

の接着剤を頼み また一歩野球道具の準備が

整った。


ライトのミスで俺が異世界人とバレたけど、

俺に魔力基盤が作られつつある事や魔力と

この世界の歴史を知る切っ掛けになったし

結果オーライ。


【今日の収穫は今後に生かされるだろう】

そう思いながら帰りも上空の景色を堪能し

ていると





穹窿「ん?ん?んんん!!?」




ライト「だぁっー!やっぱり慣れねぇ!!」




レフト「何も考えるな思考を止めろ・・・」





突然体中から粘着性の強い水が溢れ出して

全身がネチョネチョドロッとした液体塗れ

に・・・


何だこれ!? 気持ち悪い!!



無臭で痒みなどは無いけど! ネチョネチョ

が全身から止めどなく溢れ出てきて、 蛞蝓の

様な生物が這っている感覚を与えながら流

れ落ちていくから不快の極みなんだけ

ど!!?

何なんだよコレ!!?



当然の事ながら こんな状態では家には入れ

ず、 ネチョネチョが出なくなるまで3人揃っ

て庭で焚き火に当たって待機。


【こんな惨状になるなんてわかってたらス

トレスMAXにもなるわけだ】

そう思いながらネチョネチョが全て流れ出

るのを待ち、 風呂へ行ってから後は普段通り

のルーティンでその日は終了。




後日ネチョネチョについて聞いた所。


・ネチョネチョ地域に居ると体に浸透する。


・ネチョネチョは体が吸収しても体に変化が

無く、 気が付かない。


・水系統を防ぐ魔法・魔術でガードしても

効果が無い


・風通しの良い場所、 又は日差しが強い場

所に行った瞬間に表面の膜の役割をしてい

た層が蒸発し最後の一滴が流れ出すまで流

れ続ける。


・途轍もなく不快だが、 それ以外に害は無

い。



との事。


ネチョネチョの説明を聞いている最中に俺

の頭には、 人間が吸収出来ない油のワックス

エステルを持ち、 食べ過ぎると とある界隈で

言う【人の尊厳を失う】現象を起こす悪名

高い魚のバラムツが浮かんだ。


2人にその事を話すとライトが【水除けの

魔術で効果を得られなかったのは油だった

可能性があるな】と油除けの魔術を作る事

になった。


油避け魔術が効果を発揮して、 忌々しいネチ

ョネチョを無効化してくれるとマジで助か

る。

ラミーとの約束でもう一度あのネチョネチ

ョ空間に行く事が決まってるだけに、 マジ

で成功して欲しい。



どうか!どうか効果が発揮されますよう

に!!

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