異世界転移野球布教活動

ニーニー・エルボー

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11話 まさかの真相と森

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レフト「慌てなくて良い、 騎士団の竜だ」





そう言われて落ち着いて見てみると、 銀の甲

冑と空色のマントを羽織った人達を確認。

竜は鮮やかな色をしてるからシンプルな色

は返って目立つ筈なのに見落とすなんて 

まだ悪い意味で興奮しているんだろう。





ライト「彼奴か」




レフト「尚更わからない、 如何して彼奴程の

実力者が大蜘蛛を発見出来なかった?」




ライト「見付けられねぇから配置換えした

んだろ」




レフト「そう言う事か、 それなら納得だ」





2人が騎乗してる人について話していると 

数頭の竜が降下し、 焦土と化して黒色と灰色

以外の色を失った地面に着地。

そして騎乗者がバサッとマントを靡かせ片

方の爪先を鐙(あぶみ)に掛けて降り立つと


【熱ぃーっ!!?】【熱っ!?熱っ!?】


皆でタップダンスを開始。


それから宙に浮き上がり、 竜の鞍に座って

ブーツと靴下を脱いで足の裏の状態を確認し

始めた。





ライト「ハハハハッ!何やってんだ彼奴らw」




レフト「何故地面に降りた? この異様な熱

気を感じ取れないのか?」





ライトは黒煙を吹き飛ばしただけで熱まで

どうにかしたわけじゃない。

レフトが言った通り 地上からの熱気は上空

にまで届いているのに如何して彼等は地上

に降り立ったんだ?


疑問を抱きながら降りた人達を観察してい

たら羽ばたき音が響き、 見てみると残りの人

達が俺達から約30m離れた場所で竜から

降りて浮遊しながら竜に何か指示を出して

いた。





穹窿「何してるんだ?」




ライト「話聞く間、 周辺の警戒をさせるんだ

ろ」




穹窿「乗ったまま出来ないのか?」




ライト「羽ばたき音がうるせぇからな」




穹窿「浮遊とかは?」




ライト「出来ねぇ」




穹窿「そうなんだ、 でもあの巨体だもんな」





竜が近くに来て身体的特徴を軽く把握出来

たので軽く紹介する。



・体長約13m


・全身は硬質な鱗に覆われている


・顔には2本の髭、 頭には2本の角、 口から

は鋭い牙が見えている


・頑強な後ろ足と比較すると細いけど鋭利な

爪を鋭く振るえる前足


・両翼は広げた状態だと約20m


・太くて長く、 一振りで周辺を一掃出来そう

な尾の長さは約8m



と大勢がイメージする通りの威風堂々とし

た姿だ。




騎士団の人が竜に行けと合図を出すと竜は

数頭に分かれて飛んでいき、

騎士団の人達は短髪水色髪で槍十字が刻ま

れたブレストプレートを装備している人を

先頭に此方に接近。

そして短髪水色髪の人がライトの前で止ま

ると残りの人達は短髪水色髪の人の後ろで

横一列に並んだ。





ライト「おぅ、ドラトト。 俺達の前になんつ

ー格好で来やがった、 大蜘蛛みたく焼き払

われてぇか?」




ドラトト「俺も好かないが、 これが今の空挺

騎士団の正装だ。 我慢してくれ」




ライト「ったく、 クソ魔糸のヒラヒラ目障り

で仕方ねぇ。


向こうはホルステインの家を始めに人が転

々と住んでるし、 もう少し先に行った所に

は小せぇ街があるの知ってるよな?」




ドラトト「勿論だ」




ライト「栄養満点な上に手頃に仕留められ

る家畜牛が被害にあってるって情報は大分

前に得てるよな?」




ドラトト「あぁ」




ライト「だったら優先的に探索すべきは此処

ホルステインの牧場になる。 違うか?」




ドラトト「間違っていない、 その通りだ」




ライト「だよな。 


何で発見出来なかった? 本当の理由を教え

ろ」





ドスンと心の芯に響く 重い怒気を乗せて

問い詰めるライトのプレッシャーにより生

唾を飲む事すら出来ない人が多い中、

ドラトトさんは真正面からライトのプレッ

シャーを受け止め、 真っ直ぐライトを見据え

ている。





ドラトト「実は索敵と追跡を引き継いだ者達

が大蜘蛛の姿を遠目に見て震え上がり、 

居ない可能性が高い場所を索敵し 居る可能

性の高い場所を索敵しなくなった。


だが報告書には真逆の事を記し、 つい先日ま

でこの辺りには居ない事になっていたんだ」




ライト「終わってんな、 一般人が食い殺され

ても良いってか」




レフト「其奴らは如何して他の方法を探さな

い。 

槍や剣を振り回すだけが騎士団じゃないと

知らないのか」




ドラトト「愚か者達は腰抜けと嘲笑される事

を恐れ、 他騎士隊への助力を得ようとしなか

った。

チンケな自尊心を守る為だけに愚策を弄し

続けたんだ。


しかし、 報告書を注意深く確認していれば

虚偽の報告にもっと早く気付けていた。

先入観に囚われ精査を怠った私も愚か者だ。 

済まない」





深々と頭を下げるドラトトさんに隊員さん

達は驚いていたけど、 直ぐに皆深々と頭を

下げる。


色々と思う所はあるだろうに、 自分にも責

任があると誠実に頭を下げられるなんてカ

ッコ良い。


そう感じさせるオーラをこの人は持ってる。


こう言う人は何処の世界に行っても纏め役

として重宝されるんだろうな。





ライト「頭上げろ、 組織が腐敗してるって良

くわかったぜ」




ドラトト「情けない限りだ。

【王の槍となり、 国民の盾となり、 国の誇

りであれ】

その標語を騎士団の信条とし、 命を落とす事

さえ厭わない勇敢な者達で国民から尊敬の

対象であったのに・・・」




ライト「いっその事 解体して新しい組織を

立ち上げろよ」




???「なりません!」





突然ドラトトさんの後ろに立っていた団員

さんが声を張り上げた。


声質的に若い女の子って感じかな?





???「解体は解決になりません、 それは不

祥事の揉み消しと変わらないからです。 


良い騎士団を再構築するには騎士団の誇

りに泥を塗った者には厳罰を処し、 2度と同

じ過ちを起こさせない徹底した意識改善を

施す。

これを繰り返す他無いと思います」




ライト「国民はそんな悠長に待てねぇ。

何でかわかるか? それは今の騎士団に期待

してねぇからだ」




???「っ・・・」




ライト「だからこそ、 あの大蜘蛛みてぇな国

を脅かす魔物の出現は好機だった。

だってのに、 テメェの身可愛さに逃げ惑っ

てました、 だ?

騎士団員が1番騎士団を辱めてるじゃね

ぇか」




???「・・・不甲斐ない姿を晒し続けている

のは理解している。 しかし!しかし・・・」





両拳を強く握りながら下を向いて固る女

団員さん。


きっと次こそは期待に応えるから待ってく

れって言いたいけど、 

既に現騎士団への信頼は皆無に近い事を理

解しているから言葉には出来ないのだろう。





ライト「国民が求めるのは勇猛果敢に戦い

引っ張ってくれる存在、 それが騎士団だから

騎士団を称えていた。


騎士団だから称えていたわけじゃねぇ。


そこん所を勘違いしちまってるから、 

誇り高く、 世界に恐れられた騎士団がただの

騎士団愛好会に成り下がっちまってんだろ。 

そんなみっともねぇ団体いつまでも残して

んじゃねぇよ」




???「今のまま再編成を行っても同じ過ち

を繰り返す者が再び現れてしまうと私は思

う。 

だからこそ、 意識改善から行う必要がある

のです」




ライト「もう意識次第で変わる連中だとは思

えねぇ。


まっ!東の果てにある国みてぇに腹切りを

取り入れるってなら話は別だがよ」





ん?昔の日本みたいな国があるのか。

そう言えば松も東にあるって言ってたし、 も

しかしたら似た様な文化の国があるのか?





???「は、 腹切り・・・」




ドラトト「恐怖で団員を縛るのは反対だ。 

だが、そこで逃げ出す程度の覚悟しか無い

者を見分ける手段として有効ではある」




ライト「やれとは言わねぇが、 それぐらいの

覚悟持った奴だけに絞れ。 

今の騎士団は団員数こそ歴代最多だが、

腕も覚悟も度胸も根性も無く 真の意味で騎

士団員になろうとする奴が殆ど居ねぇんだ

からよ」




ドラトト「うん、 その案を支持して私が次の

会議で入団試験の見直しと現騎士団員の再

入団試験の実施を提案しよう」




???「ドラトト団長!?  確かにこの方は

他国に影響を及ぼす強者ですが、 無所属の

一般の方です!

その声を聞いて騎士団の行く末に大きく関

わる決断を、 ドラトト団長が支持して発言さ

れますとドラトト団長の長としての威信に

関わります!」




ドラトト「誰の意見かでは無く 意見の内容で

判断すべき事もある。

真に騎士団を思うのであれば こうした耳の

痛い意見も必要だ。


そしてこれは騎士団が騎士として今も誇り

を抱いているのかの確認でもある。


もし耳の痛い意見を伝えた程度で私の威信

が揺らぐのであれば、 私は騎士団に未来は

無いと判断し騎士団を脱退する」




???「脱退!!? そんな・・・!その後は

どうなさるおつもりですか!?」




ドラトト「新組織を立ち上げ、 ルーボスーベ

国に貢献するよ」




ライト「とっくに同じ事を考えてたか」




ドラトト「私が先代から受け継いできた信念

と矜持は所属組織が変わろうと不変のもの

であり、 その信念と矜持を次の世代に繋ぐの

が使命だからね」





【その時は俺もアンタについていくぜ団

長!】


【俺もだ! アンタの下に就いた時にも言っ

たが死ぬ時はアンタの下で死ぬ! 所属な

んざ関係なく俺はアンタの背中に惚れたん

だからよ!】


【団長の元が私の在り所であります!ど

こまでもお供します!】



ドラトトさんが言い終わると同時に声質が

若い女の子の人以外の背後に立っていた隊

員さん達が1歩分前に動いて宣言を始めた。



ドラトトさんは嬉しそうに優しく微笑んで

いたけど、 表情をキリッとさせてから隊員

さん達の方を向き【ありがとう】と一礼。





ライト「俺達は行くからよ、 後の事は任せる

ぜ」





大蜘蛛の話をしてないけど良いのか?


・・・騎士団の人達は良いムードで解散するに

はベストタイミングだし別に良いか。

何か聞きたい事があったら訪ねてくるだろう

しな。





ドラトト「討伐のご協力、 心より御礼申し上

げます」




ライト「おぅ、 金はいつも通り頼む」




ドラトト「承知しました」





敬礼で見送られて移動再開。


ミンクオイルの代替品を作る為の鼬狩りに

向かっていたら、 とんでもない大蜘蛛の怪

物と遭遇するとか不運にも程がある。


釣りでこの世界の生物は巨大化し頑丈になる

傾向があるのは知っていたけど、 まさか30

mを超える怪物が陸上に居るとは想像もし

なかった。

しかも、 あの怪物は準1等級指定魔物・魔獣

でまだ上が居るとか この世界は地獄か?


・・・否、 その認識から間違っているのか。


この世界はライトの様な極1部の人種を除

いて生存競争の真っ只中で、 残酷だけど生態

系のバランスが取れてる世界。

元居た世界とは違い、 人類が星を支配するに

は至ってないのだから危険生物の脅威が有り

触れてるのは当然なんだ。



認識を改めると、 この世界で飛べない事がど

れだけ致命的なのか知らず

【飛べるって楽しそう】【飛べたら楽なのに

なー】思っていた俺の脳天気度合い・・・。


やはり知識は最大の武器だな。




・・・目的地の森に到着・・・



ハンター2人は【大蜘蛛が徘徊していたか

ら標的の鼬共はビビッて深い場所に入り込

んでるだろう】と読み、 森の結構深めの場

所の上空から降りて入って行った。



森の上空から見えるのは軽く15mを超え

る木達が作る林冠と大型の鳥と虫だけ。

そこで、見えないのなら感覚を研ぎ澄ませ

て変化を感じ取れないかと試してみている

んだけど、 一朝一夕で出来るものでもなく

成果は無い。


【ブーーンッ!】


突然の羽音に驚いて周囲を見渡すとデカイ

蜂が此方側に向かって飛んできていた。


蜂は防御兼カモフラージュ結界のおかげで

此方には気付いていないみたいだし、 

俺の10m下を飛行してるから気付かれる

事は無さそう。



デカイ蜂の特徴は


・全長2m以上


・見た目はミツバチをそのまま大きくしまし

たって感じで丸っこい


・体の模様は西洋ミツバチ



と大きさ以外は普通のミツバチだ。



蜂か、 蜂と言えばこっちの世界でも養蜂は

やってるのかな?

きっと此方の世界でも元居た世界基準の小

型の蜂は居るだろうし、 天然の蜂蜜を採取

しに行くよりも危険性は下げらr、

いや待てよ?メープルの件みたく此方では

食用に適さない場合もあるから、 前居た世

界基準で考えてはダメだな。


でも もし食用蜂蜜があるなら食べてみた

い!

蜂を見てから偶に食パンにバターと蜂蜜を

塗って食べてたのを思い出して 無性に食べ

い気分になってるんだ。


後で2人に聞いて確認を取って、 食用がある

ならお金を貯めて買いに行こう。



そんな事を考えていたら蜂はいつの間にか

足下を通過していた。




【グガアァァーッ!!!!】



うおっ!?離れていく蜂のお尻を見ていた

ら森の中から雄叫び!

もしかして何らかの魔物・魔獣と2人が戦

闘になったのか?



【グルルルッ!!】


【バウッ!!バウッ!!】



そう思ったけど否定するかのように、 狼の唸

り声と威嚇で吠える声が響き渡った。


一瞬胸を撫で下ろしかけたけど、 まだ三つ巴

って可能性が残ってる事に気付き撫で下ろ

しかけたモノをスッと上に上げる。


上からだと木の葉の絨毯で何もわからない

から誰か戦場を見えやすくしてくれないか

な?



【ゴッ!! メキメキメキッ!!!】




と思った瞬間、 鈍く響く打撃音と共に強風

が吹き荒れ、 周辺のありとあらゆる物が吹き

飛ばされていき、視界の良く通る拓けた土地

となった。


ただ思っただけで その通りになるなんて、

もしかして運の下振れが終わって運気が上

昇してる?

今の俺なら宝くじの4等か5等を当てられ

るぐらいの運気があるかも知れないな。


と、 そんな冗談はさておき、 拓けた土地の

中心では体長8m近く 片手に丸太を装備

した1体の人型魔物が、 10頭を超える狼

の群れが繰り出す連携攻撃に翻弄され 全身

を赤く染められている。


今の強風は狼の連携の取れた遮蔽物を利用

するヒット&アウェイ戦法でジワジワ削ら

れて焦り苛立った人型魔物が丸太を・・・良く

見ると丸太のような棍棒だ! 

棍棒を一振りして視界を確保しつつ、 あわ

よくば形成逆転を狙ったってところか。


アレだけの高威力範囲攻撃を受けた狼側に

被害が見受けられないのは咄嗟に防御結界

の類を張ってガードしたからかな?

だとしたら咄嗟の判断力がズバn

あっ!1頭の狼が放った4本の雷の矢が人

型魔物の右足に当たりバランスを崩して

右膝をついた!

そしてそれを見た狼達は魔法による一斉

攻撃を開始。


人型魔物は片膝をついたまま巨体を丸めて

頭の前で棍棒と腕をクロスさせてガードし

ていたけど、 2分程で限界を迎え 俯せに倒

れた。

その瞬間群れで1番大きい個体が魔力を纏

い、 人型魔物の頭上に紫色をした雷の魔法

陣を展開し紫色の落雷を放ち、 

人型魔物の断末魔と共にフィニッシュ。





穹窿「戦いって決着がつかない時は長いけ

ど、決まる時は一瞬なんだよな」





狼達が勝つのは見えるようになってから明

だったけど、 その一瞬を逃さず勝ちきる狼

達は強いな。



そうやって戦いの余韻に浸っていると、

リーダーが警戒しながら人型魔物の絶命確

認を行い、 確認がとれると勝ち鬨の雄叫び。

すると他の狼達も続き、 暫く森に狼達の雄

叫びが木霊する事となった。



一頻り勝ち鬨をあげた後、 狼達は鼻を擦りつ

けあい喜びあっていたんだけど 突然森の中

から別の狼の群れg・・・

否、 狼はリーダーが二頭居るんだったな。


隠れていたグループが合流すると群れの数

は40頭を超え【大きい群れだな】と思

っていたら小っこい子狼達がトコトコ走っ

て出て来た。




穹窿「おぉーっ!!可愛い!!可愛い過ぎる

だろおぉーっ!!!」




この高さからでもわかるモコモコ感に堪ら

ずモフり欲が湧き立つ!

くぅーっ!可能な限り全力でモフりたい!

見えているのに手が届かないなんて!どう

して現実って奴は残酷なんだ!

ここが上空の革絨毯の上じゃなかったら

歯痒さで近くの物を抱き締めて転がり回っ

てるところだ!



っと!あまりの子狼達の可愛さに取り乱し

そうになった。 危ない危ない。



子狼達が戦っていた方のボスの元にトテト

テと歩いて近寄ると、 ボスは子狼達を踏み潰

さないように慎重に伏せ、 愛情を伝える毛繕

いを始めた。


慈愛に満ちた父親の顔をしているボス狼と

愛情を注がれ幸福に満ち足りたりた子狼達

との愛情溢れる光景は見ているだけで胸が

温かくなる。

先程の戦いで 狼達が勝ってくれて本当に

良かった。




それから暫く狼達は勝利の余韻に浸り 

ほのぼのだらだらぐでーんとしていたけど、

ボスが人型魔物の亡骸から少し距離を取っ

た所に移動すると他の狼達も移動。



見た感じ何かを待っている感じがするんだ

けど何を待っているんだろう?



・・・



うーん・・・? 結構時間が経ったけど何も行動

を起こさない。

ただ俺が待ってるように見えてるだけで本

当は寛いでるだけなのか?

そう自分の思い違いかもと思い始めたら2

人が戻ってきた。





ライト「読み的中!大量だぜ!」




レフト「6種類全て10匹以上捕獲出来る

とは思ってなかった」




穹窿「おーっ!凄ぇ!!」




ライト「だろ? 今日は小銭稼ぎも出来るし

でマジでツイてるぜ!」




穹窿「ま、まぁ! 人々の不安を排除出来たん

だし皆にとっても良い日になったよな!」




レフト「間違いなく」




ライト「ん? なーんか騒がしいと思ってた

が狼共が殺りあってたのか」




穹窿「そうなんだよ、 その後は あぁやって待

機してる風なんだけど動かなくてさ」




ライト「どのくらい待機してる?」




穹窿「1時間以上」




ライト「なら、 もう直ぐだ」




【もう直ぐって?】と質問しようとしたら

人型魔物の亡骸から煙が上がり始め、

それを見るやボス二頭が人型魔物に近寄り

食べ始めた。





ライト「始まったな」




穹窿「煙?」




ライト「分厚い皮に含まれる魔力が分散す

る時に起きる現象だ。

あれが起きた後だと皮や肉が柔らかくなる」



穹窿「食べやすくなるのを待ってたって

事?」




ライト「あぁ、 それと消化効率と魔力吸収効

率が上がると言われてる」




穹窿「硬い肉って消化悪そうだもんな」




レフト「野生の魔物・魔獣なら助かる現象な

のだろうが、
 
俺達革細工職人にとって あの現象は厄介

だ。

あの現象が起きた皮は強度も耐久性もガ

タ落ちするから売り物にならない」




穹窿「魔力が分散すると品質にも関わるの

か。

何か防ぐ方法とか無いのか?」




レフト「仕留めたら一刻も早く捌くしかな

い」




穹窿「内蔵や肉から切り離したら大丈夫

って事?」




レフト「基本はだ。 だが偶に通用しない場合

もあるのが厄介だ」




穹窿「不確定要素も混ざってるのか、 頭が下

がるよ。


おかげで疑問が解消されたよ、 ありがと

う」




ライト「おぅ!  じゃあ帰って鼬油を試s、 い

や近くまで来てる事だしホルステインとカ

ラマティに報告しに行ってやるか!」




レフト「あぁ、 きっと不安な日々を送ってい

たに違いないからな」





ってなわけで、 ホルステインさんとカラマテ

ィさんのお宅へ。


2人はいったいどんな方なんだろう?



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