異世界転移野球布教活動

ニーニー・エルボー

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12話 ホルステインさんとカラマティさん

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森から飛ぶ事 約1時間。





ライト「おっ!見えてきたぜ!」




レフト「久しぶりに来たな」




穹窿「絵に描いたような理想的な牧場経営者

の建物だな」





見えてきたのは2階建ての木造コテージと

3つの牛舎。

緑が広がる草原と程良い木陰を作る疎らに

生えた木々と建物が綺麗にマッチしており、

映画の舞台にも使える美しい景観となって

いる。


草原や林の風景に飽きていた俺は映画カメ

ラマンの気分になり指フレームでイメージ

撮影を開始。

直ぐに2人から【何してんだ?】と聞かれ

て答えると2人も加わって、 到着までの残

り短い時間はイメージ撮影会となった。





ライト「到着っと」




穹窿「デカッ!」





認識していた以上に建物がデカイ。

この世界の建物が大きい事には慣れてきた

つもりだけど、 ここは二回りくらいデカイ。


これは住民の方も大きいって事なのか?




【ドンドンドンッ!】




ライト「俺だぁ!! 居るかぁ!!」





ライトがドアをノックしながら叫んだけど

返事は無く、

穏やかな牛の鳴き声とバッタの仲間の鳴き

声と鳥の囀りが響く。


ライトがもう一度叫ぶと


【こっちだぁ!!】


と牛舎の方から声が返ってきたので其方に移

動。


牛舎の中に入ると、 頭頂部から背骨のライン

にかけて紫色の毛が生えた緑色のコモドド

ラゴンみたいなのが柵越しに蠢いていて俺

は思考も体も停止。


イメージとの乖離が大きすぎると人ってマ

ジで止まるんだな。





ライト「よぉ!カラマティ! こんな大蜥蜴

前居たか?」




カラマ「いいや、 食いたくて80日前に取り

寄せた」





カラマティさんの顔は牛の顔にバッファ

ローの角とサイの角が生えている感じ。

身長は3m近く、 体はボディビルダーの様

に筋骨隆々としているけど胸部には立派な

西瓜を蓄えている。





ライト「此奴ら食えるのか」




カラマ「祖国の味! 特別美味くないが無性

に食いたくなるんだ! 来たからには食わし

てやる!食うまで帰さん!!」





食べ物の押し付けは戦争に発展する問題な

ので絶対辞めましょう!



カラマティさんの発言にライトとレフト

は【うげぇ・・・】と嫌悪感を全面に押し出

した表情で応えているけど、

そのリアクションは至極真っ当だ。


絶え間なく垂れ続ける粘性の高い唾液が

毒と大量の病原菌を連想させて、 

【人間が食して体に害は無いのか?】って

疑問を強烈に抱かしてくるからな。


この大蜥蜴が美味しいから旨味を共有した

いって理由なら前向きに善処するけど、

祖国の味ってだけで此れ等を食えってのは

ハードな要求だ。






カラマ「ん?知らねぇ顔だな」




穹窿「はじめまして、 穹窿らんと申します。 

2人の所でお世話になっていて、 家事手伝い

をさせて貰っています。

どうぞよろしくお願いします」




カラマ「あっこりゃ丁寧にどうも。

わっつはカラマティ。 ・・・えっと・・・種族は

牛頭悪魔でミノタウロスではない。 よく間違

われるから先に言っとく。

で!でな!?ホリーの嫁だ!これ1番大事

だから伝えるだけで自慢したいから言って

るわけじゃねぇかんな!!」





赤面しながらの自己紹介にレフトはポカー

ンと固まり、 ライトは噴き出しゲラゲラ大

笑い。 

カラマティさんは更に赤面し【笑うなぁ!

嫁になって初めての自己紹介なんだから仕

方ねぇだるぉう!?】と抗議するもライト

は笑いっぱなしで、 カラマティさんはムググ

ッと口を歪めながらライトが笑い終えるの

を待つ。





ライト「あーっ!笑った笑った! ホリーっ

てのはホルステインの事な」




穹窿「旦那さんの愛称か」





【待たせちまったな!】


野太い声がして出入口を見ると、

両肩に大樽を担いだ多分カラマティさんと

同じ種族で、 カラマティさんより一回り大き

い屈強な大男が地面を踏みしめ歩いてきた。





ライト「おぅホルステイン!邪魔してる

ぜ!」




レフト「久しぶり」




ホルス「おぅ!久しぶり。 悪ぃがもうちょっ

と待ってくれ」





そう言うと大樽から餌箱にザーッと餌を入

れては大蜥蜴達の反応を確認する餌やり作

業を始め、 全ての餌箱に餌を入れ終えると

戻って来た。





ホルス「おっ?新顔だな。 俺はホルステイ

ン!ここで牧場経営してる畜産家だ。 

そしてこの女こそ俺の嫁のカールことカラ

マティだ!」






自己紹介を終えるとカラマティさんの肩を

抱き寄せキスを繰り返し始め、 2人の世界

へ突入。


俺の自己紹介まだなんですけど!?


キスタイムは約3分、 カラマティさんが

【らんの自己紹介がまだ】と言いながらホ

ルステインさんの顎を掴んで止めるまで続

いた。





穹窿「はじめまして穹窿らんと申します。 

2人の所で手伝いをさせて貰っています。

以後よろしくお願いします」




ホルス「穹窿らんだな!よろしくな らん!


また待たして悪いが牛の様子を見て軽く汗

を流してくるから 裏で楽にしといてくれ」




ライト「あぁ、 わかった」




・・・・・・



現在俺達はウッドデッキに置いてある、

ホルステインさん夫妻サイズの木製フット

レスト付ガーデンチェアで仰向けになって

空を見上げている。





穹窿「長閑だなぁ、 隠居生活してたらこんな

感じなんだろうな」




ライト「なぁに年寄り臭ぇ事言ってんだ」




穹窿「こうやって時間を忘れてゆっくり空を

眺めてるのも良いなって、 思わない?」




ライト「時間があれば革細工復活の事を考

える癖が付いちまったからな」




穹窿「あー・・・。


そう言えば魔法に得意な分野ってあるの

か?」




レフト「属性か?」




穹窿「うん」




レフト「あるぞ、 俺は大地と風だ」




穹窿「大地って地割れとか?」




レフト「地割れは出来るが制御出来ない。

俺が多用するのは尖らせた岩を風で飛ばし

て相手に突き刺すのと、 罠を踏んだら地面

が虎挟みに変化して相手を横に真っ二つに

する罠攻撃だ」




穹窿「殺意高いな」




レフト「殺す気でやらないと殺られるから

な」




ライト「俺の得意属性は炎。 他は一通り使え

るが大した事無ぇ」





ライト基準の大した事が無いだから、 どれも

桁外れって事か。

抑も属性を一通り使えるってチート級だよ

な?





穹窿「凄い威力だったもんな、 危うく巻き込

まれて死ぬところだった」




ライト「おいおい兄貴、 もうちょい気に掛け

てやれよ?」




レフト「熱で風向きが変わったんだよ」




ライト「ありゃ?」




レフト「それにあんな高威力魔法使うなら

先に言っといてくれないと俺も対応が遅れ

る」




ライト「らんに大蜘蛛なんざビビる事無ぇ

って安心させたくてよ」




穹窿「それはありがたいけど、 それで炭にさ

れたら笑えないよ」




ライト「ハハハハハッ!!そりゃあそう

だw!」





突然 重低音と共に椅子から揺れが伝わり

始め 、

【なんだろう?地震かな?】と思っていた

ら揺れが急激に強くなり、 椅子の上に寝て

いる俺達ごと椅子を飛び跳ねさせる激しい

揺れとなった。


ライトとレフトは近付いて来る震源地が

ある家の中を見ながら宙に浮き、 

俺は歯を食いしばりながら椅子ごと引っく

り返されないよう、 全身を椅子に押し付ける

ようにして必死にしがみつく。


そうして耐えていると、 扉が勢い良く開き 

揺れが収まった。



下手なアトラクションより怖ぇ!! 

こんな必死に椅子と1つになろうとしたの

なんて生まれて初めてだぞ!?





穹窿「そんなに急がなくても良くないです

か!?」




ホルス「いやそうじゃねぇ!待たしてるの

はわかってるがそうじゃねぇ!

お、 おおぉ大蜘蛛を殺ってくれたんだって

な!

本当に本当に感謝感謝だ!!感謝する

ぜ!!ありがとう!!」




カラマ「いつ襲われるか、 寝てる最中に来る

んじゃねぇかってビクビクしてホリーの腕

の中じゃねぇと寝られなかったんだ・・・。

心の底から感謝する、 ありがとう」





ホルステインさんはライトの両手を合わせ

てから両手で握り込み 縦に振りながら感謝、 

カラマティさんは腕を曲げ 袖で目元を隠し

て声を震わせながら心境を語る。



あんな大蜘蛛が近くに居ると知ってから極

限状態での生活を送っていた事は想像に容

易い。

大蜘蛛の脅威から解放され、 お二方の日常

が戻ってきて本当に良かった。





ライト「ハッハッハッ!良いって事よ!

テメェさん達には世話になりっぱなしだ

からよ!」




ホルス「俺達だけじゃなく皆不安な日々を過

ごしていたからよ・・・。 

これで皆、 元の日常を取り戻せるぜ!

ささっ!中に入ってくれ!」




・・・・・・



ホルステインさん夫妻宅の家の中は外見

通りの広々とした木造住宅。 

天井はかなり高く12mはあり、 飛べなか

ったら命懸けの天井掃除になるのは間違い

ない。

インテリアはシンプルなんだけど、 

大柄なお二方基準の高さに設置されている

絵画や花瓶、 お二方サイズのベッドやテーブ

ル等の家具が置かれていて、

幼少の頃を思い出すと言うか、 大きさの感覚

がバグると言うか・・・

上手く表現出来ない不思議な感覚になるの

が楽しくて面白い。





ホルス「やっぱライトは頼りになるぜ!

今の騎士団員にガツンとやって来てくれ

よw?」




ライト「良いぜ?さぁて何人生き残れるか

見物だぜ!」





不敵な笑みを浮かべ、 マジトーンで言葉を

返しながら【バシバシッ!】と左拳を右手

の平に打ち付けるライト。

それを見たホルステインさんの表情からは

笑みが消えて目が見開かれる。





ホルス「冗談だからな!? お前の一撃は洒落

になんねぇ!」





ホルステインさんは冗談半分だったんだろ

うけどタイミングが悪かったな。

先程騎士団が腐敗していると知ったばかり

の俺達にそれをジョークとして受け取るの

は難しい。





ライト「前の世代は中型飛竜を仕留められる

一撃を喰らっても片膝付く程度だったから、 

牽制に使った威力を耐える程度の根性は見

せて貰わねぇとな」




ホルス「お前の一撃で伝説級の騎士団員が

瀕死の状態になって片膝付いたんだよ!

倒れなかったのは唯の意地だ!」




カラマ「並の奴に放ったら肉塊になっちま

う!落ち着け!」




ライト「騎士団員に並の奴は要らねぇだろ」




ホルス「取り敢えず、 冗談を真に受けるな。

半分だけ冗談だが真に受けるな、 水でも

飲んで落ち着け」




穹窿「どう言う状況だったんだ?」




レフト「中型飛竜襲来でライトの加勢に入

ったら巻き込まれた。

だけど向こうがライトの力を見誤り油断し

ていたって詫び入れて来たから問題ない」




穹窿「なるほどな、 忠告は?」




ライト「してやったぜ、 加勢は要らねぇって

何度も言ってやったのに聞かなかった」




穹窿「自信と経験則だけで判断して失敗した

のかな?」




ライト「そんなところだろ」




ホルス「そう言えば、 この近くに何か用が

あったのか?大蜘蛛目当てか?」




ライト「大蜘蛛は通り掛かって見掛けたか

ら狩っただけ。

目当ては鼬の油だ」




ホルス「鼬?鼬って鼬の事か?」




ライト「あぁ、 らんの国では鼬の仲間の油を

使って革の手入れをすると聞いてな?

こっちに居る奴で代替品が作れねぇかと思

ってよ」




ホルス「新しい事に挑戦してみるってのは

良い事だ」




カラマ「上手く作れたら全部それにするの

か?」




ライト「いいや、 同じ革製品でも合う合わ

ないがあるからな。 

相性を見ながら良さをより生かせる選択

をしていく」




カラマ「そうかそうか」




ライト「そうだ、 折角だしテメェさん達の

手形取らせてくれ」




ホルス・カラマ「手形?」




ライト「此奴の為に必要なんだ」





ライトは魔法陣をテーブルに出現させグラ

ブを2つ出し、 2人に渡すと2人は興味深

そうにグラブを観察し始めた。





カラマ「此奴は・・・なんだ?」




ライト「グラブまたはグローブつって、 

野球って平和な点取り球技で守備側が使う

道具だ」




カラマ「球技か、 確かにこれならガッチリ

掴めそうだ」




ホルス「・・・細かい作りをしてるな、 俺には構

造がサッパリわからん。

だが繊細さと裊さを兼ね備えてるのは伝わ

ってくるぜ」




ライト「其奴さえ伝わってれば十分だ。

その2つを兼ね備えたものを作るのに苦労

させられてるからよ」




ホルス「作品以外にも苦労に見合ったものを

得てるみたいだな?

今凄ぇ良い顔してるぜ」




ライト「俺達が革細工職人としてまだまだ伸

び代があるって教えられてんだ。

職人にも生産者にもこれ以上苦労に見合った

ものは無ぇだろ?」




ホルス「あぁ、 それ以上のものは無ぇ」




ライト「それでどうだ?」




ホルス「勿論協力するぜ、 良いだろ?」




カラマ「勿論だ」





3人でお礼を言ってから2人の手形を取ら

せて貰い、 2人に合うグラブ・ミットが完成

したら贈らせて貰うと約束。


その後、 談笑を楽しむ穏やかな時間を過ごし

ていると窓から夕陽が差し込み始めた。





ライト「そろそろ帰るか!」





ライトが両膝をポンと叩きながら立ち上が

ったので俺達も続く。

夕飯用の仕込みはして来たし、 この時間帯

から帰ればいつも通りの時間に床に就ける。





ホルス「えっ!?帰るのか!? もう日が沈

みだしてるぜ!?」




ライト「俺の速度を持ってしたら日が沈みき

るのと同時に玄関につく」




カラマ「・・・! 待て待て!ディーニクスの肉 

食わしてねぇ!!」





あの大蜥蜴はディーニクスって言うのか。

これからは大蜥蜴改めディーニクスと呼

ぼう。





ライト「チッ!思い出しやがったか。

あんなモッサモサトカゲなんざ非常事態以

外で態々食わねぇよ」




カラマ「マジで癖になるから!本当に!!」




ライト「そこで出て来るのが美味いじゃな

くて癖になるってのが、 答えじゃねぇか」




レフト「さっきテメェさんも特別美味くねぇ

って言ってただろ。

そんなもんを態々食おうとは思わない」




ホルス「まぁまぁそう言うな。 

牛肉も出すからよ、 泊まっていけよ?」




ライト「なら泊まるぜ。 良いよな?」




レフト「牛肉が食えるなら話は別だ」




穹窿「勿論!」





うおぉーっ!!!牛だ!異世界に来てから

初めての牛肉だ!

久しぶりの牛に俺のテンションは爆上が

り!そのままテンションがお祭を始めた

ぜ!

例えディーニクスの肉が曲者だったとして

も牛肉が食べられるならノープロブレム!

今の俺に恐れるものはない!!





ホルス「そうか、 それは良かったぜ」




カラマ「ヨッシャヨッシャ、じゃあ晩飯の

準備をしてくるから待っt・・・

やっぱり悪いけど1人手ぇ貸してくれ」




穹窿「俺が行きます」




カラマ「ありがとな、 こっちだ」





浮き足だったままだと失敗するから移動

中に気持ちを落ち着かせようっと。


ではでは!

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