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02 ー he ー
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しおりを挟む「僕はたまに、気持ちが行き過ぎる時があるから、それでずれて行ったのかも知れない。本当は分からない。でも、彼女が悪い訳じゃない」
自分も、他人も、気持ちは複雑で、どうにもならないものだ。
君もきっとそうだろう。
「……」
「そういうモノだからさ、割れて良かったんだ。全部もう、済んだ事なんだから」
そう言って笑いかける。
責めてもないし後悔もしていないと分かってくれただろうか。
「…俺が割ってしまった事には変わりない…」
海は、まだ何か、叱られた子供のような顔をしている。怒ってもいないのに。
壊して怪我して叱られて。自分だってよくやったものだった。
でも、何が壊れてもこんなにまで反省はしなかったな。怪我が痛くてびーびー泣く方に忙しかったから。
ふと微笑みが浮かぶ。
小さい頃、膝小僧だの、肘だの、擦りむいて泣いてる時、手当てしてもらったついでに、よく、絆創膏や包帯の上にキスをして、治りますようにと祈ってくれた。おまじないってやつだ。それで、泣いていたのも笑顔になったっけ。
大人になっても、好きな人と、料理だの模様替えだので出来た小さな傷に絆創膏を貼っては、キスをしてじゃれ合ったりしたものだった。今は切ないけれど、それも懐かしくて幸せな思い出だ。
君に向かう気持ちはいつも、こうして温かい記憶を呼び起こす。
君自身がそういう思い出を持っているかどうか、知らないのに。
「いいんだ。怪我させて、ごめん」
そう言って、彼のまだ冷えている手を持って、治りますように、と言って絆創膏の上からそっと唇をつけた。
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