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03 ー slowly ー
25-2
しおりを挟む海は少しすくんだが、必死に我慢して一緒に何とかドアを閉じた。班長はすぐにドアロックをかけて開かないようにする。
傘の中の時よりも距離が近く、身体がぶつかるような状態になったので、海は驚いてすぐに離れた。
「あっごめん……」
「ううん……」
少し離れた所で、久し振りに、急に握られた手を、自分で摩りながら立ち尽くしていた。
「大丈夫?」
「あ…あ、ドアに持ってかれるかと思った……」
「な。危ないから、ちょっと待った方がいいよ。この手のやつは通過したら収まるから」
「そうかな……」
「これじゃ多分、車で行くのも危ないと思うよ」
「ああ……じゃあ、少し、待たせてもらいます……すみません」
「良かった。コーヒーもう一度淹れるから、座って」
ほっとして胸を撫で下ろす。
海はレインコートを脱いで戻って来て、またソファに腰掛けた。
ミルクがまだ少し残ってるのを確認して、新しく豆を挽いた。
「君みたいに体重軽いと、簡単に飛ばされそうで怖いよ」
「ああ……」
少し乱れた髪に手をやって、それから窓の方を見て、考え込んでいた。
「飛べるのか……」
おい可能性みたいに考えるなよ……
「童話の話だよ。傘や箒で飛ぶ、魔女の」
「魔女……箒で飛ぶのは知ってる。傘で人が飛ぶの?」
「うん。そういう映画が……ああ、君は映画見ないんだっけな」
コーヒーと、ミルクを容器ごとテーブルに置いて彼の隣に腰掛けて、午前中使っていたノートタブレットを開く。
海は一瞬、席を譲るように、離れた場所に移動してしまうが、すぐに近くにじりじり寄って来て、画面を覗き込む。
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