猫カフェは探偵事務所ではありません。〜女子高生店長の奮闘記〜それ別の階デスネ!?

猫寝 子猫

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いらっしゃいませ!ようこそ『森の猫さま』へ。

ある日の騒動〜店長death -フロア出たら本気出す。

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 おーい 店長さ~ん(娘の方)、そろそろお時間デスよ。 

 『只今から猫達の昼食タイムですっ! 食後休憩を取る猫さんもいますので、ご了承ください。』 
 猫たちが一斉に食事をする、フロアに並べた餌皿に顔をつけ、中には
 『ニャゴニャゴ。』言って食べる猫もいる。あれは『美味い、もっと欲しいニャ!』とでも言っているのだろうかニャ?
 ルールとしては外から持ち込んだモノを猫に与えない事をお客さまにお願いしている、破れば出禁だ。
 出来れば知っていて欲しい。 

 大体の人間の食べ物は犬や猫たちに取っては糖分や塩分などが多い、栄養過多な食事は猫でも糖尿病や腎不全を起こしてしまうから。
 さらに人間には大丈夫でも猫や犬には毒性となる食べ物もある、野良猫がコンビニ弁当の食べ残しを漁っているのは大変危険な事。
 屋台のラーメン屋で近づいてきた野良猫にチャーシュー半分あげるのも、煮込む際にネギや玉ねぎなど使っているのでやめて上げてほしい。
 近年はペットフードも様々で、用途において種類が有る、子猫用はモチロン、15歳、18歳、20歳用、肥満や腎不全対応等に適した栄養配合、有名食品メーカーもペットフード産業に参入しているくらいだ。
 事実長寿なペットが増えているのでメーカー様々です。
 『当カフェでは猫たちの健康管理の為に、外から持ち込んだモノを猫に与えたりする事を禁止しております。何卒ご理解の上、ご協力お願いしまーす。』

 恐い話しだが、ほかの猫カフェで、猫の興味を惹く為に干物の様な物を持ち込んだお客がいたそう。
 人間の食べ物は猫には塩分が多いのであげないのが本当の猫思いだ。
 詳しくはわからないが猫の様子がおかしくなったのでその客を問い詰めたら怪しいモノが出てきたとか、その客は出入り禁止、まぁ噂なので些細はわからない、多少は盛ってるとは思う。 
 上野のアメ横など、お酒の好きな方に人気な乾物の専門店など実に多いが、そんな場所で手に入る魚貝や木天蓼の干物などだと思う。
 
 猫に木天蓼など昔から言事としてはポピュラーだが、実際は猫には嗜好品、刺激も強くて老猫には心臓や疾患のある臓器には大変な負担になる。
 もっともこれらも最近分かってきたことで年配の不勉強な獣医などは気付け薬だと勧める事があったとか、
 自分達もだが、命と付き合う以上は日々勉強も必要なので大変だよ。

 『す、すいませ~ん、店員さ~ん。』 おや?やや小声で呼び止められた。 

 『はい、只今伺いま…す…。』 
 見るとお客様の膝の上で一匹の三毛仔猫がすーすー寝息を立てて眠っているよ。激萌!
 お昼を食べてお腹いっぱいなので眠くなったのだろう、安心した寝顔だ。この子は確か保護した子猫だ。 

 『すいません、名残惜しいですが私、そろそろ帰る時間になるので…。』本当に名残惜しそうだ。 
 『かしこまりました。ではそうっと抱き上げますね。』子猫を起こさないように抱き上げようと…、 
 『あ、その前に写真撮ってもらってもよろしいですか?』 
お客様からスマホを借りてアングルを変えながら数枚撮影した。
 『貴重な体験でした。また必ず来ます。』光悦な表情をされたお客様は
大変喜ばれて帰られた。リピーター間違いなし。
お値段以上と言ったところか? 

眠ってる子猫を「猫の休憩室」へ連れて行く。念の為、しっかり寝てもらう。今日まだフロアに出ていない猫たちを間隔を空けながら出てもらう。フロアから歓声が聞こえてきた。 

 猫カフェでの猫たちは、店内のフロアを自由にしている。
 ソファで寝ようと、オモチャで遊ぼうと猫任せだ。
 ただしお客様自身が猫を抱き上げて自分の所に連れて来たり、抱き締めたりは無し、近づいて来た猫の頭や背中を撫でるのは有り。
猫自身が膝の上などに上がって寝てしまうなどかなりついてる、オモチャを使い遊んであげるのは良いが、尻尾を掴んだり乱暴な行為は禁止している。

 幼い子はついやりそうなので、中学生以下のお子さんは保護者同伴でないと入店をお断りしている。
スタッフも常に複数人配置している。裏でも猫達のケアや、電話やメール対応、物販や猫紹介記事のホームページの更新など、思い付く限りでやれる事は全部やろうと4、5人が専属で当たっている。
外回り担当もいる、保護猫のボランティア活動している方に、ウチのカフェで預かり猫が出来ないか提案を持ち掛ける。
活動費の捻出の為に猫のオリジナル商品を販売しているボランティア団体さんに委託販売の協力なども持ち掛けている。
 
 内と外と、強みを作りたい。華の戦略ではなく、舞華の思いつきなのだ。 
 華はそれに対して最良のアドバイスをするのみ、割と地味に良い結果が出てる。今度の譲渡会に期待が高まる。 
 
 現在、ボランティア団体からお預かりしている猫の中には血統書こそ無いが高級品種の猫もいる。 

 アメリカンショートヘアー、アビシニアン、ベンガル、マンクス、など
 見た目だけならすごい美猫だ、お客様もこの猫が元捨て猫だなんて信じられないと驚いていた。 
 里親希望の人気者は子猫かと思いきや、美系猫も問い合わせが多い。
 決して楽観はしないが譲渡会に期待してしまう。 
 
 今はひたすら頑張るしかない。
 
 『店員さん、ちょっといい?』 
お客様から声をかけられる事が多いのは高校生スタッフだと断然舞華になる、次が華、メイド長、となる。
 地元で有名な三人娘だし?

 後輩ちゃんは別の意味で声がかかる、
 『一緒に写真撮らせてもらえませんか?』猫と同じ扱いされる猫耳メイド、そもそもコスプレイヤーとして活動もしているから、本人的には抵抗無いが、猫カフェ業務に支障が無い範囲でお願いします。 

 舞華は親しみやすい雰囲気を日頃からダダ漏れしてるので声を掛けやすい。
 それに対して華は、しっかりしてる委員長タイプ、質問すれば明確な受け答えをしてくる印象。
 メイド長フウナも同じ印象を受けるのだろう。他の高校生スタッフはバイト感があるので声をかけているのは、ほとんど常連のお客様だったりする。

 学園ではクール系お嬢様な華が、カフェでは面白いほどキャラが変わる。 
 ちいさいお客様に対して大変優しいのだ。保母さんか幼児向け番組のお姉さん並みに。
 ロリとかショタとかそういう事でなく、聖母のような、結婚したら良いお母さんになるねって常連さんに言われ照れ照れしてる。

 息子や孫のお嫁さんにしたい店員さんの3トップなのだ。
 
 以前、こんな事があった。 
 
 フロアで具合悪そうな猫がいないかチェックしていると、服の裾を摘んで引っ張られた。気づいて振り向くと3歳くらいの男子幼児が上目遣いに見詰めている。
怯えさせないようにゆっくりしゃがんで目線を合わせる。そして優しくゆっくりとはなしかける。
 『お客さま、どうかなさいましたか?』 
 『ママ、マ~マ。』きゅん。 
 えっ、ママ? ママって私のこと、私この子のママに似ているのかしら?
 うぅうん違うちがう、そうゆうことでは無いの!ママを探しているのよ。だとしたら今この子は物凄い不安なんだ、どうしたら良いですか?う~ん閃いた! 

 っと、わずかコンマ0.1ミリ秒で山王院華脳内会議は開始終了した。結果行動は  

 『はい、行きますよっと』 
 その子を優しく抱き上げて、店内を見渡しながら、

 『お客様にお尋ねいたします。こちらの可愛いお子様の親御様はいらっしゃいますか?』 っと尋ね廻った。あまり大きな声で叫ぶとお子様や猫を驚かしてしまうので、それらしいお客様に尋ね廻った。
 最初該当する人はおらず、その間抱き抱えている幼児は何故か華の胸を触っていた。感触がイイのかパンパン叩いていた。痛くは無いようだ。 
 ただしその光景を男性客は見て見ぬ振りしながらガン見している、羨ましい的な、俺もやってみたい的な、
 
 するとこの子のママさんが戻ってきた、どうやらお手洗いに行っていたようだ。抱き抱えられている我が子を見て慌てて我が子を受け取った。 
 『すいません、店員さん。本当に、もうお姉ちゃんのオッパイにイタズラしちゃダメでしょ!』母親の大きな声が、店内全部に聞こえる。
先程器用に見て見ぬ振りしながらガン見している男性客たちの鼓動が早くなった。 
 当の華自身は取り立て気にしていないし、ママが見つかって良かったネ以外の感想しか無い。
ちなみに華とこのお子様のママとは胸のサイズ以外は想定外なサイズ、似てる似てないの話しにはならないとおもうサイズだ。 横に。
 『お疲れ~。イイ音してたよ。』 
 舞華が近づいて労ってくれた。イイ事したねっと聞こえたようだ。セクハラでは?女子同士ならセーフらしい。幼馴染だしね。 
 何故か男性客の一人が自分自身の胸をパンパン叩いた。 
 女性のお客様が 
 「最低ね、最低デス。」的な視線で男性客を見ていた。 
 華、当人は 
 『ママって呼ばれるのと、お母さんって呼ばれるの、舞華、どっちが私らしいかな?』オヤオヤ、聞こえてないのかしら?
 まぁ本人が幸せなら、ね。 
 そんな華たちを業務の合間にウットリ見詰める器用なネコミミメイド、後輩ちゃんだ。(なんか間違って猫型アンドロイドとか言ってしまいそう。) 
 『は、華先輩。か、かわゆい。もう危険なレベルDeath!あぅ~。』 
 『後輩ちゃん、顔がクレヨン●んちゃんみたいだよ。ほら、ヨダレヨダレ。』有る意味ブレない子だ。  
 こんな感じだけど、収支はまずまずらしい。なので新たにバイトを募集する事となった。どんな人が、来るか楽しみだ。
 今スタッフ全員、女性なので男手も欲しいらしい。お兄ちゃんみたいな朴念仁で無ければいいけどね、と舞華が切なる要望を告げていた。フラグでは無い、無いけど…… 










 『お嬢様、バイト面接の申し込みが十数件来ました。こちらに履歴書をまとめましたが、今ご覧になりますか?』
 『ありがとう、七神さん。そうね、舞華には悪いけど、先に目を通すわ。』舞華店長の立場はこの際、心の棚の上におく。 

 『さぁ、どんな人がいるのかしら?』ふむふむ、暫し黙読。  ん? 

 『一文字 華月、五道 士、森川 真琴……あのう、七神さん?』 
 『ハイ、楽しみですね。』   


面接誰か変わってくれないかな。
 
『えっと、スケジュール調整して、希望者全員と面接します。さっきの三人は出来れば同じ日にして、舞華も同席させるから。』 
 『かしこまりました。』 
 店長さんには面接、頑張ってもらおうっと。
 
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