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駄菓子屋で何買ってた?
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「俺さ、四つ揃えると合体してロボや戦艦になるプラモかな?」
「アタシはリリアンとかだったと…。」
「駄菓子屋なんだから、菓子の話しをしろよな。」
あの同窓会の一件以来、小学校時代の旧友との交流が再開してしまった。
今も何故か俺の家に酒を持ち込んで集まっている連中が来ている?
「あの駄菓子屋って、フナさんちだったんだな?
俺知らなかったゼ?」
そう言うのは、今も実家暮らしで近くのスーパーで【革製品の修理】や【鍵の複製】などを行なっている【町の修理屋サン】である【斉川】、
「あの【おばあちゃん】が優しくて良かったのよ、あのお店は!
あと猫いなかったかしら?
三毛猫のミーコだっけ?」
割とこの近所に住んでる【おチカ】は、家は元花屋だったが数年前に廃業して現在はお父さんが小規模な雑貨店を営んでいるので、たまに店番を手伝っているが本業は絵本作家…らしい。
「今日は早く帰ってくれよ。
明日、甥っ子たちが遊びに来るんだ。
みんなで【劇場版】を見にいく約束なんだ!」
「あら、嫁ちゃんも?」
「当たり前です!
カンナちゃんと推しの【ミルミルちゃん】を応援するのデス!」
何故か我が家は、度々【溜まり場】となってしまう?
俺、呑めないのにな?
「…そっか、
ならさ、帰りに【駄菓子屋問屋】に寄ってこようよ、ボク車出すからさ。
鑑賞チケットもたくさんあるし。」
…原作者のちるるん先生がそうおっしゃるなら…
チケット代浮いたか?
【劇場版 ふしぎ探偵 ミーコ&ミルミル! 最後の難事件⁈】
なんでも、全てアニメスタッフに丸投げした内容なんで、とっても女の子向けに仕上がっているらしい?
「明日の夜から、原稿の仕上げとか始めるからサ、
【おやつ用】に買い溜めしたいんだよね、甥っ子クンと姪っ子ちゃんにも何かプレゼントするから一緒に行こうよ。」
「…ソレで【ちるるん先生】がよろしければ。」
「いや、明日の仕事は【体験談の再現コミカライズ】なんだけどなぁ?」
「…なんの話しだ?」
「アレ、斉川クン知らなかったっけ?
フナさん、今漫画家さんなのよ、【心霊漫画家】だっけ?」
「船川らしいな?」
フナさんは小学校時代、割と人気者だった?
【怖い話し】が上手く話せるのがフナさんの持ち味だが、そのレパートリーが半端じゃない。
遠足のバスの中や林間学校の夜、放課後の教室とか。
「船川、漫画家って儲かるのか?」
「…どうかな、ボクのは半分くらい【趣味】だから、儲かるとか考えてやってないしね。」
うん、良い子の答えだ、多分。
「…そっか、わりぃ。
ゲスな事、聞いたわ。」
「いいよいいよ、割とよく聞かれるから。」
あくまでも【心霊漫画】の件だけで言うと、そうなんだろうけど?
多分、【ちるるん】のペンネームの方の収入はそうではないはずだ!
ちなみに【嫁】の書いている大人向けの薄い本は【ミルミル本】なんだかな?
「ねぇ、元駄菓子屋サンの船川クンはどんな駄菓子屋を買うの?」
「ボクはふ菓子が多いよ、あとラムネ系かな?
アシさんの分も含めると、色々買い揃えるけど?」
「アシさんって、アシスタントって事か?
スゲー、プロみたいだな?」
「…あ、そうだ?
この前、アシさんの一人に聞いた話しなんだけど…」
あ~ぁ、まただ。
多分、コレはあのパターンだ。
アシスタントさんは子供の頃、駄菓子屋でオモチャの指輪を買ったそうで、ソレを大切にしていた小さな木箱にしまっていたそうだ。
しかし、その指輪をいつの間にか二歳年下の妹が勝手に指にはめていたのをみて激怒したそうだ。
あの時は何故あんなに怒ったのか、しばらくして妹にあんなに怒ったことを謝って、その指輪をしまってあった【木箱】ごとプレゼントしたそうだ。
この時の事を今でも妹さんは喜んでいて、大人になった今でもその指輪を大切にしているのだけど、
先日、実家に空き巣が入って、その【オモチャの指輪】もしまってあった木箱も盗まれてしまったそうだ。
アシスタントさんは実家を出て五年も帰っていないそうで、心配になって久しぶりに帰郷すると、途中の駅で酷い頭痛がしてホームのベンチで少し休んでいたそうだ。
「大丈夫ですか?」
ベンチで頭を抱えている彼女に声をかけてくれた男性に、
「…おまえか、指輪を盗んだのは…」
そう言ったそうだ、まるで老婆の様な声で。
しかし、アシさんはその記憶がないそうで、声をかけた男も驚いて思わず大声をあげて、ひっくり返ってしまったらしい?
その様子を見て駅員が、何事かと駆け寄り事情を聞こうとすると、男の様子が明らかに何かおかしい?
男の持ち物から、あの【木箱】が見つかったそうだ。
亡くなったおばあちゃんが、箱根旅行でお土産で買ってきてくれた寄木細工の小箱。
開け方はアシさんと妹さんしかわからない【仕掛け細工】の小箱?
「…でね、その男が空き巣犯なんだけど、なんでもたくさん余罪があるらしくて……
ねぇ、ケンちゃん聞いてる?」
「…寝かせろよ、いい加減に!」
翌日、映画鑑賞後に日暮里まで足を伸ばして駄菓子屋問屋さんへ行く俺たち。
甥っ子たちも大喜びだ!
「叔父さん、コレ買ってよ!」
姪っ子が駄菓子では無い物を選んできた?
「…へぇ、コレパチモンじゃないんだな?
な、先生よぅ?」
「…本当だね、版権シールが貼ってあるし。」
姪っ子が欲しがったのは、【ミーコ&ミルミル お出かけセット】なる物なんだけど、
「こんなアイテムって、作中に出てくるかい?」
「…ケンちゃん、まさか【ふぁんたじぃタクト】ってボクが考えたって思ってる?」
「違うの?」
「アレ、担当サンのアイデアなんだよ。
まさか、アレが女児向け玩具として発売されるなんて思いもしてないからね…コレもそうなのかなぁ?」
お出かけセットには可愛いリボン付きカチューシャ(本編には出てこない)とリボン型ペンダント(胸飾りに大きなリボンは付けているけどね)、指輪とハンカチが同梱されている?
「ゆ、指輪ねぇ?」
「アの話しは、どっちかって言うと木箱におばあちゃんの念が篭ってたんじゃないの?」
開ける事の出来なかった木箱に宝石でも入っているとでも思い、盗んだのか?
そこまでは聞いていないそうなので、わからないけど?
「指輪って事はそのアシスタントさんって、女性なんかい、フナさんや?」
「ん、そうだけど?」
「…で、可愛いor綺麗なヒト?」
「…どう言う意味?」
「…お付き合いしたいとか?」
「…ソレは思いつかなかったね?
でも、心霊漫画のアシスタントを希望するなんて訳ありかも知らないし、そんな目で見たら失礼だよ?」
「…冗談だよ、マジに受けないでくれ。」
「…えっと、彼女【森林 ヤマネ】さん、…こ、交際する事になりました…です。」
「みなと岬先生のダンナ様ですね!
サトル先生共々よろしくお願いします!」
ヤマネさん…なんか【ミルミル】ちゃんに似て、癒し系お嬢様って感じの人だった。
「えっと、ヤマネさんは駄菓子屋で何を買うかな?」
「そうですね、【お化けけむり】とか?」
菓子の話しをしてくれよ!
「アタシはリリアンとかだったと…。」
「駄菓子屋なんだから、菓子の話しをしろよな。」
あの同窓会の一件以来、小学校時代の旧友との交流が再開してしまった。
今も何故か俺の家に酒を持ち込んで集まっている連中が来ている?
「あの駄菓子屋って、フナさんちだったんだな?
俺知らなかったゼ?」
そう言うのは、今も実家暮らしで近くのスーパーで【革製品の修理】や【鍵の複製】などを行なっている【町の修理屋サン】である【斉川】、
「あの【おばあちゃん】が優しくて良かったのよ、あのお店は!
あと猫いなかったかしら?
三毛猫のミーコだっけ?」
割とこの近所に住んでる【おチカ】は、家は元花屋だったが数年前に廃業して現在はお父さんが小規模な雑貨店を営んでいるので、たまに店番を手伝っているが本業は絵本作家…らしい。
「今日は早く帰ってくれよ。
明日、甥っ子たちが遊びに来るんだ。
みんなで【劇場版】を見にいく約束なんだ!」
「あら、嫁ちゃんも?」
「当たり前です!
カンナちゃんと推しの【ミルミルちゃん】を応援するのデス!」
何故か我が家は、度々【溜まり場】となってしまう?
俺、呑めないのにな?
「…そっか、
ならさ、帰りに【駄菓子屋問屋】に寄ってこようよ、ボク車出すからさ。
鑑賞チケットもたくさんあるし。」
…原作者のちるるん先生がそうおっしゃるなら…
チケット代浮いたか?
【劇場版 ふしぎ探偵 ミーコ&ミルミル! 最後の難事件⁈】
なんでも、全てアニメスタッフに丸投げした内容なんで、とっても女の子向けに仕上がっているらしい?
「明日の夜から、原稿の仕上げとか始めるからサ、
【おやつ用】に買い溜めしたいんだよね、甥っ子クンと姪っ子ちゃんにも何かプレゼントするから一緒に行こうよ。」
「…ソレで【ちるるん先生】がよろしければ。」
「いや、明日の仕事は【体験談の再現コミカライズ】なんだけどなぁ?」
「…なんの話しだ?」
「アレ、斉川クン知らなかったっけ?
フナさん、今漫画家さんなのよ、【心霊漫画家】だっけ?」
「船川らしいな?」
フナさんは小学校時代、割と人気者だった?
【怖い話し】が上手く話せるのがフナさんの持ち味だが、そのレパートリーが半端じゃない。
遠足のバスの中や林間学校の夜、放課後の教室とか。
「船川、漫画家って儲かるのか?」
「…どうかな、ボクのは半分くらい【趣味】だから、儲かるとか考えてやってないしね。」
うん、良い子の答えだ、多分。
「…そっか、わりぃ。
ゲスな事、聞いたわ。」
「いいよいいよ、割とよく聞かれるから。」
あくまでも【心霊漫画】の件だけで言うと、そうなんだろうけど?
多分、【ちるるん】のペンネームの方の収入はそうではないはずだ!
ちなみに【嫁】の書いている大人向けの薄い本は【ミルミル本】なんだかな?
「ねぇ、元駄菓子屋サンの船川クンはどんな駄菓子屋を買うの?」
「ボクはふ菓子が多いよ、あとラムネ系かな?
アシさんの分も含めると、色々買い揃えるけど?」
「アシさんって、アシスタントって事か?
スゲー、プロみたいだな?」
「…あ、そうだ?
この前、アシさんの一人に聞いた話しなんだけど…」
あ~ぁ、まただ。
多分、コレはあのパターンだ。
アシスタントさんは子供の頃、駄菓子屋でオモチャの指輪を買ったそうで、ソレを大切にしていた小さな木箱にしまっていたそうだ。
しかし、その指輪をいつの間にか二歳年下の妹が勝手に指にはめていたのをみて激怒したそうだ。
あの時は何故あんなに怒ったのか、しばらくして妹にあんなに怒ったことを謝って、その指輪をしまってあった【木箱】ごとプレゼントしたそうだ。
この時の事を今でも妹さんは喜んでいて、大人になった今でもその指輪を大切にしているのだけど、
先日、実家に空き巣が入って、その【オモチャの指輪】もしまってあった木箱も盗まれてしまったそうだ。
アシスタントさんは実家を出て五年も帰っていないそうで、心配になって久しぶりに帰郷すると、途中の駅で酷い頭痛がしてホームのベンチで少し休んでいたそうだ。
「大丈夫ですか?」
ベンチで頭を抱えている彼女に声をかけてくれた男性に、
「…おまえか、指輪を盗んだのは…」
そう言ったそうだ、まるで老婆の様な声で。
しかし、アシさんはその記憶がないそうで、声をかけた男も驚いて思わず大声をあげて、ひっくり返ってしまったらしい?
その様子を見て駅員が、何事かと駆け寄り事情を聞こうとすると、男の様子が明らかに何かおかしい?
男の持ち物から、あの【木箱】が見つかったそうだ。
亡くなったおばあちゃんが、箱根旅行でお土産で買ってきてくれた寄木細工の小箱。
開け方はアシさんと妹さんしかわからない【仕掛け細工】の小箱?
「…でね、その男が空き巣犯なんだけど、なんでもたくさん余罪があるらしくて……
ねぇ、ケンちゃん聞いてる?」
「…寝かせろよ、いい加減に!」
翌日、映画鑑賞後に日暮里まで足を伸ばして駄菓子屋問屋さんへ行く俺たち。
甥っ子たちも大喜びだ!
「叔父さん、コレ買ってよ!」
姪っ子が駄菓子では無い物を選んできた?
「…へぇ、コレパチモンじゃないんだな?
な、先生よぅ?」
「…本当だね、版権シールが貼ってあるし。」
姪っ子が欲しがったのは、【ミーコ&ミルミル お出かけセット】なる物なんだけど、
「こんなアイテムって、作中に出てくるかい?」
「…ケンちゃん、まさか【ふぁんたじぃタクト】ってボクが考えたって思ってる?」
「違うの?」
「アレ、担当サンのアイデアなんだよ。
まさか、アレが女児向け玩具として発売されるなんて思いもしてないからね…コレもそうなのかなぁ?」
お出かけセットには可愛いリボン付きカチューシャ(本編には出てこない)とリボン型ペンダント(胸飾りに大きなリボンは付けているけどね)、指輪とハンカチが同梱されている?
「ゆ、指輪ねぇ?」
「アの話しは、どっちかって言うと木箱におばあちゃんの念が篭ってたんじゃないの?」
開ける事の出来なかった木箱に宝石でも入っているとでも思い、盗んだのか?
そこまでは聞いていないそうなので、わからないけど?
「指輪って事はそのアシスタントさんって、女性なんかい、フナさんや?」
「ん、そうだけど?」
「…で、可愛いor綺麗なヒト?」
「…どう言う意味?」
「…お付き合いしたいとか?」
「…ソレは思いつかなかったね?
でも、心霊漫画のアシスタントを希望するなんて訳ありかも知らないし、そんな目で見たら失礼だよ?」
「…冗談だよ、マジに受けないでくれ。」
「…えっと、彼女【森林 ヤマネ】さん、…こ、交際する事になりました…です。」
「みなと岬先生のダンナ様ですね!
サトル先生共々よろしくお願いします!」
ヤマネさん…なんか【ミルミル】ちゃんに似て、癒し系お嬢様って感じの人だった。
「えっと、ヤマネさんは駄菓子屋で何を買うかな?」
「そうですね、【お化けけむり】とか?」
菓子の話しをしてくれよ!
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