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漫画家二人、酒を飲む?
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「お邪魔します、コレお土産。」
駅前の洋菓子店で適当に買った焼き菓子、女の子ばかりのアトリエならお土産はお菓子が一番と考えたからだ。
「アラ、悪いわね?
気を使わせたみたいで。」
ややご機嫌斜めの【霞河《カスミガワ》 亜里須】先生こと、本名【大岩 愛里】。
実は【霊能力】的なモノに目覚めたのは割と近年で、高校卒業後に友達と旅行に行った某有名な神社で【神の御使い】にお会いしてかららしい?
ソレから色々学んで現在に至るそうだ?
ちなみに御使いサマは大きな白蛇だったらしいが、その神社の公式な神使は白狐なのだとか?
アトリエの別室で何故か差し向かいで【コップ酒】をチビチビ飲み始める二人?
他のアシスタントたちは久しぶりに皆んなで近くのファミレスに外食に出掛けて行った。
中身は幻の日本酒【美少年】で、愛里秘蔵の銘酒だ。
「…ケンちゃんのご親戚と随分仲良くなったみたいだね?」
ちょっとキツめに訊ねる船川、彼女がハナガタミ会長と専属契約した件は、先日まで知らなかったらしい。
「…まぁね、今月に入って三件目かしら、有能な助手も手に入れたし、中々順調かしら。」
羨ましいかと言わんばかりに、ドヤ顔で答える愛里。
最初の【事故物件】の件から既に約三ヶ月経過している。
本業と並行して、【事故物件】の大掃除のお仕事は順調に消化している。
「すごいのよ、オジサマが押さえてある物件って、都心の一等地だったり、高級住宅地の一軒家や億越えのマンションなんて…… ねぇ、聴いてる?」
「聞いてますよ、ソレらを君が【除霊】して、再び売りに出すんですよね?
買う時はかなり安く買い叩いて…
ですよね?」
「…なのかな?
そこまでは関知しないわ、別に【ビジネスパートナー】って訳でも無いし?」
二人が最初に出会ったのは数年前の出版社が開いた忘年会の会場。
何故か木田も【婚約者の連れ】として、参加していたのだが…
「…別に構わないけど、彼はボクのだから手を出して欲しくないな?」
「…アラ、ウフフ♡
アナタたち、そういう関係だったの?」
「…君が考えている様な事じゃないよ。
分かっている癖に…。
君も気付いているんだろう、もう?」
「あ~ん、つまらないわね?
一度、言ってみたかったのよ?」
肝心なことには答えず、のらりくらりと攻撃を交わす愛里と、淡々と質問を繰り出す船川。
以前ちょっとだけ【イイ関係】だったとか噂もあるのだが?
しかし、コレでは埒が開かない?
意外にも先に折れたのは…
「ねぇ協定を結ばない、抜け駆けせずに公平に彼と遊ぶのって、どうかしら?」
「キミの場合は弄ぶって方が正しいよね?
でも、公平にって言うならコチラもやぶさかでは無いよ。
むしろ、君の事も利用出来ると思えば、溜飲も下がるしね?」
「…決まりね!
ねぇ、最近若い子と付き合ってるって聞いたけど、どうなってんのよ?」
「…別に、成り行きだよ。
ソレにそんなに長く続かないよ…
君の時と同じさ。」
「アラ、私たちって付き合ってた事あったかしら?」
「そう思っている人もいるのさ、【ケンちゃん】とか【編集サン】とかね?」
「…いっそのこと、そういう関係にならない、【ちるるん先生】?」
「…悪酔いしそうだからやめておくよ、だから弟クンとかつまみ食いしない様にね。」
…ソレは【停戦協定】なのか【共闘協定】なのか解釈が難しいが、ひとまずお互いの邪魔しないこと、事あれば抜け駆けせずに共に行動する協定を結んだ⁈
「…でね、早速来週に木田クンが同行する【物件】があるのね、どうする?」
「同行するに決まっているだろ、ケンちゃんにはコチラから連絡するよ、ボクも行くって!」
一升瓶を空けたところで、二人の【密談】は終了した。
そして某日…
「ふぅん、取材ねぇ?」
「無理言ってお願いしたんだ、ケンちゃんも来るって聞いたからさ。」
その物件は偶然にも、木田の亡くなった父が建てた一軒家であった。
数年前から【子供の幽霊】が出るとかで、愛里に除霊の依頼が来たのだけど。
「…一応、連絡はもらっていたのだけど、こんなに大人数とは聞いてないわよ!」
現場に着いてきた部外者は、船川と木田美咲と真壱郎と千郷だった?
「ごめんなさい先生、木田のオジサマが来るって聞いたから……。」
「子猫の件で相談があったんだろ、チサトくん!
まぁソレはソレとして…お前サンたちはなんだ、ヤジウマもいい加減にしろよな?」
「はーい!」
「はぁ~、ココは死んだ父さんが建てた家なんだけど、いつの頃からか子供の幽霊が出るって噂が有って?
オヤジさんが買い上げたそうなんだ。」
「オジサマのお父さんって、大工さんだったの?」
「うん、そうなんだ。
だから、ココに不幸な子がいるのなら、何とかしてあげたいんだ。」
…そして、それぞれの思惑の中、【除霊】活動が始まるのだった。
駅前の洋菓子店で適当に買った焼き菓子、女の子ばかりのアトリエならお土産はお菓子が一番と考えたからだ。
「アラ、悪いわね?
気を使わせたみたいで。」
ややご機嫌斜めの【霞河《カスミガワ》 亜里須】先生こと、本名【大岩 愛里】。
実は【霊能力】的なモノに目覚めたのは割と近年で、高校卒業後に友達と旅行に行った某有名な神社で【神の御使い】にお会いしてかららしい?
ソレから色々学んで現在に至るそうだ?
ちなみに御使いサマは大きな白蛇だったらしいが、その神社の公式な神使は白狐なのだとか?
アトリエの別室で何故か差し向かいで【コップ酒】をチビチビ飲み始める二人?
他のアシスタントたちは久しぶりに皆んなで近くのファミレスに外食に出掛けて行った。
中身は幻の日本酒【美少年】で、愛里秘蔵の銘酒だ。
「…ケンちゃんのご親戚と随分仲良くなったみたいだね?」
ちょっとキツめに訊ねる船川、彼女がハナガタミ会長と専属契約した件は、先日まで知らなかったらしい。
「…まぁね、今月に入って三件目かしら、有能な助手も手に入れたし、中々順調かしら。」
羨ましいかと言わんばかりに、ドヤ顔で答える愛里。
最初の【事故物件】の件から既に約三ヶ月経過している。
本業と並行して、【事故物件】の大掃除のお仕事は順調に消化している。
「すごいのよ、オジサマが押さえてある物件って、都心の一等地だったり、高級住宅地の一軒家や億越えのマンションなんて…… ねぇ、聴いてる?」
「聞いてますよ、ソレらを君が【除霊】して、再び売りに出すんですよね?
買う時はかなり安く買い叩いて…
ですよね?」
「…なのかな?
そこまでは関知しないわ、別に【ビジネスパートナー】って訳でも無いし?」
二人が最初に出会ったのは数年前の出版社が開いた忘年会の会場。
何故か木田も【婚約者の連れ】として、参加していたのだが…
「…別に構わないけど、彼はボクのだから手を出して欲しくないな?」
「…アラ、ウフフ♡
アナタたち、そういう関係だったの?」
「…君が考えている様な事じゃないよ。
分かっている癖に…。
君も気付いているんだろう、もう?」
「あ~ん、つまらないわね?
一度、言ってみたかったのよ?」
肝心なことには答えず、のらりくらりと攻撃を交わす愛里と、淡々と質問を繰り出す船川。
以前ちょっとだけ【イイ関係】だったとか噂もあるのだが?
しかし、コレでは埒が開かない?
意外にも先に折れたのは…
「ねぇ協定を結ばない、抜け駆けせずに公平に彼と遊ぶのって、どうかしら?」
「キミの場合は弄ぶって方が正しいよね?
でも、公平にって言うならコチラもやぶさかでは無いよ。
むしろ、君の事も利用出来ると思えば、溜飲も下がるしね?」
「…決まりね!
ねぇ、最近若い子と付き合ってるって聞いたけど、どうなってんのよ?」
「…別に、成り行きだよ。
ソレにそんなに長く続かないよ…
君の時と同じさ。」
「アラ、私たちって付き合ってた事あったかしら?」
「そう思っている人もいるのさ、【ケンちゃん】とか【編集サン】とかね?」
「…いっそのこと、そういう関係にならない、【ちるるん先生】?」
「…悪酔いしそうだからやめておくよ、だから弟クンとかつまみ食いしない様にね。」
…ソレは【停戦協定】なのか【共闘協定】なのか解釈が難しいが、ひとまずお互いの邪魔しないこと、事あれば抜け駆けせずに共に行動する協定を結んだ⁈
「…でね、早速来週に木田クンが同行する【物件】があるのね、どうする?」
「同行するに決まっているだろ、ケンちゃんにはコチラから連絡するよ、ボクも行くって!」
一升瓶を空けたところで、二人の【密談】は終了した。
そして某日…
「ふぅん、取材ねぇ?」
「無理言ってお願いしたんだ、ケンちゃんも来るって聞いたからさ。」
その物件は偶然にも、木田の亡くなった父が建てた一軒家であった。
数年前から【子供の幽霊】が出るとかで、愛里に除霊の依頼が来たのだけど。
「…一応、連絡はもらっていたのだけど、こんなに大人数とは聞いてないわよ!」
現場に着いてきた部外者は、船川と木田美咲と真壱郎と千郷だった?
「ごめんなさい先生、木田のオジサマが来るって聞いたから……。」
「子猫の件で相談があったんだろ、チサトくん!
まぁソレはソレとして…お前サンたちはなんだ、ヤジウマもいい加減にしろよな?」
「はーい!」
「はぁ~、ココは死んだ父さんが建てた家なんだけど、いつの頃からか子供の幽霊が出るって噂が有って?
オヤジさんが買い上げたそうなんだ。」
「オジサマのお父さんって、大工さんだったの?」
「うん、そうなんだ。
だから、ココに不幸な子がいるのなら、何とかしてあげたいんだ。」
…そして、それぞれの思惑の中、【除霊】活動が始まるのだった。
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